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社会保険労務士合格研究室

 国民年金「任意加入被保険者」の目的と条件

R5-129

R5.1.3 任意加入被保険者になる目的と条件を確認しましょう

 平成25年の国民年金の過去問についてご質問がありました。

 「任意加入」がテーマの問題です。今日はご質問にお答えします。

 

まず、任意加入の条件を条文で読んでみましょう。

附則第5条 (任意加入被保険者)

 次の各号のいずれかに該当する者(第2号被保険者及び第3号被保険者を除く)は、厚生労働大臣に申し出て、被保険者となることができる。

1 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。)

2 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。)

3 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの

 

任意加入する目的は2つです。

1つ目は、老齢基礎年金の受給資格がない人が、「老齢基礎年金の受給資格要件を満たすため」、2つ目は老齢基礎年金の受給資格はあるけれど満額ではない人が、「老齢基礎年金を増やすため」です。

 

では、過去問をどうぞ!

H25年問8-C

 大学を22歳で卒業後就職し厚生年金保険の被保険者であった女性が、26歳で退職と同時に厚生年金保険の被保険者である会社員と結婚し被扶養配偶者となった、その後国民年金には未加入、昭和61年4月から第3号被保険者となった。この者は60歳から報酬比例部分相当の老齢厚生年金の支給が開始されるため、国民年金の任意加入の申出をしても任意加入被保険者になることはできない。

※設問の女性は昭和2942日生まれとし、「現在」は平成25412日とする。

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

H25年問8-C】 ×

 設問の場合、国民年金の任意加入の申出をすれば、任意加入被保険者になることができます。

 

 まず、設問の女性の年金履歴を確認しましょう。

22歳から26歳まで → 厚生年金保険の被保険者

26歳から昭和61年3月まで → 未加入(会社員の被扶養配偶者)

・昭和61年4月から平成26年3月まで → 第3号被保険者

 なお、26歳から昭和61年3月までの未加入期間は「合算対象期間」となります。

 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていて、かつ、第1号厚生年金被保険者の期間が1年以上ありますので、60歳から「特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分」が支給されます。

 

ポイント!

・受給資格は満たしていますので、65歳から老齢基礎年金を受給できます。しかし、20歳から22歳までが空白になっているのと、26歳からの合算対象期間がありますので、老齢基礎年金は満額ではありません。

 任意加入の目的の2つ目の「老齢基礎年金の受給資格はあるけれど満額ではない人」に該当しますので、保険料納付済期間を増やすため、60歳から65歳まで任意加入することができます。(法附則第5条第1項第2号に該当します)

・「特別支給の老齢厚生年金」の支給が開始されても、任意加入して老齢基礎年金を増やすことは可能です。

 

では、こちらの過去問をどうぞ!

R2年問9-B

60歳で第2号被保険者資格を喪失した64歳の者(昭和3142日生まれ)は、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を受給中であり、あと1年間、国民年金の保険料を納付すれば満額の老齢基礎年金を受給することができる。この者は、日本国籍を有していても、日本国内に住所を有していなければ、任意加入被保険者の申出をすることができない。

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 

R2年問9-B】 ×

 特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を受給中でも、任意加入することは可能です。

 日本国内に住所を有していなくても日本国籍を有している場合は、法附則第5条第1項第3号「日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの」に該当しますので、任意加入被保険者の申出をすることができます。

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