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令和7年度版
R7-245 04.30
常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければなりません。変更した場合も、同様に、行政官庁に届け出なければなりません。
今回は、就業規則作成・変更の際の手続をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第90条 (作成の手続) ① 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。 ② 使用者は、届出をなすについて、意見を記した書面を添付しなければならない。 |
過去問をどうぞ!
①【H20年出題】
就業規則を作成又は変更するに当たっては、使用者は、その事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者の同意を得なければならない。
【解答】
①【H20年出題】 ×
「同意を得なければならない」ではなく「意見を聴かなければならない」です。
同意を得ることまで義務付けられていません。意見を聴けば労働基準法違反になりません。
②【H21年出題】
使用者は、就業規則の作成だけでなく、その変更についても、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
【解答】
②【H21年出題】 〇
就業規則の作成だけでなく、その変更についても、意見を聴かなければなりません。
③【H26年出題】
労働基準法第90条に定める就業規則の作成又は変更についての過半数労働組合、それがない場合には労働者の過半数を代表する者の意見を聴取する義務については、文字どおり労働者の団体的意見を求めるということであって、協議をすることまで使用者に要求しているものではない。
【解答】
③【H26年出題】 〇
就業規則の作成又は変更については、協議をすることまで使用者に要求していません。
(昭25.3.15基収525号)
④【R3年出題】
同一事業場において当該事業場の全労働者の3割について適用される就業規則を別に作成する場合、当該事業場において当該就業規則の適用を受ける労働者のみの過半数で組織する労働組合又は当該就業規則の適用を受ける労働者のみの過半数を代表する者の意見を聴くことで、労働基準法第90条による意見聴取を行ったこととされる。
【解答】
④【R3年出題】 ×
同一事業場において一部の労働者についてのみ適用される就業規則を別に作成することは差し支えありません。
ただし、当該一部の労働者に適用される就業規則は、当該事業場の就業規則の一部です。
そのため、その作成または変更については、当該事業場の「全労働者」の過半数で組織する労働組合又は「全労働者」の過半数を代表する者の意見を聴かなければなりません。
当該就業規則の適用を受ける労働者のみの過半数ではありません。
(昭63.3.14基発150号)
⑤【H30年出題】
同一事業場において、パートタイム労働者について別個の就業規則を作成する場合、就業規則の本則とパートタイム労働者についての就業規則は、それぞれ単独で労働基準法第89条の就業規則となるため、パートタイム労働者に対して同法第90条の意見聴取を行う場合、パートタイム労働者についての就業規則のみ行えば足りる。
【解答】
⑤【H30年出題】 ×
同一事業場において、パートタイム労働者について別個の就業規則を作成する場合、就業規則の本則とパートタイム労働者についての就業規則は、それぞれ単独で労働基準法第89条の就業規則となるのではなく、パートタイム労働者についての就業規則は、就業規則の本則の一部となります。
そのため、当該事業場の「全労働者」の過半数で組織する労働組合又は「全労働者」の過半数を代表する者の意見を聴かなければなりません。
(昭63.3.14基発150号)
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R7-244 04.29
賃金は労働の対償ですので、使用者は、労働者にその全額を支払わなければなりません。
ただし、賃金の支払額については、便宜上、端数処理が認められています。
★遅刻、早退、欠勤等の時間の端数処理について
5分の遅刻を30分の遅刻として賃金カットをするというような処理は、労働の提供のなかった限度を超えるカット(25分についてのカット)について、賃金の全額払いの原則に反し、違法とされています。
なお、このような取扱いを就業規則に定める減給の制裁として、法第91条の制限内で行う場合には、全額払の原則には反しません。
(昭63.3.14基発150号)
過去問をどうぞ!
①【H19年出題】
割増賃金の計算の便宜上、1日における時間外労働、休日労働及び深夜労働の各時間数に1時間未満の端数がある場合は、1日ごとに、30分未満の端数を切り捨て、30分以上の端数を1時間に切り上げて計算する措置は、法違反として取り扱わないこととされている。
【解答】
①【H19年出題】 ×
1日ごとに、30分未満の端数を切り捨て、30分以上の端数を1時間に切り上げて計算する措置は、「法違反」となります。
★なお、「1か月」における時間外労働、休日労働及び深夜労働の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることは、常に労働者の不利になるものではなく、事務簡便を目的としたものと認められますので、違反になりません。
(昭63.3.14基発150号)
②【H25年出題】
1日及び1か月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること、1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること並びに1か月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げることは、いずれも労働基準法第24条及び第37条違反としては取り扱わないこととされている。
【解答】
②【H25年出題】 ×
「1か月」における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることは、法違反になりませんが、「1日」単位では法違反になります。
後半は、正しいです。以下の処理は、法違反になりません。
「1時間当たり」の賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合に、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること
「1か月」における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合に、上記と同様に処理すること
③【H29年出題】
1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した額。)に100円未満の端数が生じた場合、50円未満の端数を切り捨て、それ以上を100円に切り上げて支払う事務処理方法は、労働基準法第24条違反として取り扱わないこととされている。
【解答】
③【H29年出題】 〇
1か月の賃金支払額に100円未満の端数が生じた場合、50円未満の端数を切り捨て、それ以上を100円に切り上げて支払うことは、法違反として取り扱わないとされています。
(昭63.3.14基発150号)
④【H24年出題】
1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には、控除後の額)に生じた千円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うことは、労働基準法第24条違反としては取り扱わないこととされている。
【解答】
④【H24年出題】 〇
1か月の賃金支払額に生じた千円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うことは、法違反としては取り扱わないこととされています。
(昭63.3.14基発150号)
⑤【H27年出題】
過払いした賃金を精算ないし調整するため、後に支払われるべき賃金から控除することは、その金額が少額である限り、労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれがないため、労働基準法第24条第1項に違反するものではないとするのが、最高裁判所の判例である。
【解答】
⑤【H27年出題】 ×
「過払いした賃金を精算・調整するため、後に支払われるべき賃金から控除すること」
↓
「適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は、第24条第1項項但書によって除外される場合にあたらなくても、その行使の時期、方法、金額等からみて労働者の経済生活の安定との関係上不当と認められないものであれば、同項の禁止するところではないと解するのが相当である。
この見地からすれば、許さるべき相殺は、過払のあった時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に合理的に接着した時期においてされ、また、あらかじめ労働者にそのことが予告されるとか、その額が多額にわたらないとか、要は労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのない場合でなければならないものと解せられる。」
とされています。
「その金額が少額」であればよいということではありません。
(昭和44年12月18日最高裁第一小法廷)
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R7-243 04.28
1か月の変形労働時間制の採用についてお話しします
★変形期間の労働時間のトータルが次の計算式の時間の範囲内であること
1週間の法定労働時間×(変形期間の暦日数÷7)
※1週間の法定労働時間は、原則40時間、特例44時間
※変形期間は1か月以内の一定の期間 ★「労使協定」又は「就業規則その他これに準ずるもの」
※「又は」がポイント ※労使協定は届出が必要
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R7-242 04.27
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年4月21日から4月26日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・ 脱退一時金についてお話しします(国民年金法)
・ 任意継続被保険者の保険料の前納(健康保険法)
・ 特別加入者「一人親方等」について(労災保険法)
・ 特別加入者に対する支給制限(費用徴収との違い)(労災保険法)
・ 時間外、休日、深夜労働の割増率(労働基準法)
・ 割増賃金の1時間当たりの賃金額の算出(労働基準法)
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R7-241 04.26
割増賃金は以下のように計算します。
1時間当たりの賃金額 × 時間外労働の時間数 × 割増率
(休日労働の時間数・深夜労働の時間数)
「1時間あたりの賃金額」の算出について条文を読んでみましょう。
則第19条第1項 法第37条第1項の規定による通常の労働時間又は通常の労働日の賃金の計算額は、次の各号の金額に法第33条若しくは法第36条第1項の規定によって延長した労働時間数若しくは休日の労働時間数又は午後10時から午前5時(厚生労働大臣が必要であると認める場合には、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時)までの労働時間数を乗じた金額とする。 (1) 時間によって定められた賃金については、その金額 (2) 日によって定められた賃金については、その金額を1日の所定労働時間数(日によって所定労働時間数が異る場合には、1週間における1日平均所定労働時間数)で除した金額 (3) 週によって定められた賃金については、その金額を週における所定労働時間数(週によって所定労働時間数が異る場合には、4週間における1週平均所定労働時間数)で除した金額 (4) 月によって定められた賃金については、その金額を月における所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異る場合には、1年間における1月平均所定労働時間数)で除した金額 (6) 出来高払制その他の請負制によって定められた賃金については、その賃金算定期間(賃金締切日がある場合には、賃金締切期間)において出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を当該賃金算定期間における、総労働時間数で除した金額 |
基本給以外の「手当」も、割増賃金の基礎となる賃金に算入しなければなりません。
ただし、労働とは直接関係のない個人的事情に基づいて支払われる手当は除外することができます。
条文を読んでみましょう。
則第21条(割増賃金の基礎となる賃金に算入しない賃金) 家族手当及び通勤手当のほか、次に掲げる賃金は、割増賃金の基礎となる賃金には算入しない。 (1) 別居手当 (2) 子女教育手当 (3) 住宅手当 (4) 臨時に支払われた賃金 (5) 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など) |
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
労働基準法第37条に定める時間外、休日及び深夜の割増賃金を計算するについて、労働基準法施行規則第19条に定める割増賃金の基礎となる賃金の定めに従えば、通常の労働時間1時間当たりの賃金額を求める計算式のうち、正しいものはどれか。
なお、当該労働者の労働条件は次のとおりとする。
賃金:基本給のみ 月額300,000円
年間所定労働日数:240日
計算の基礎となる月の所定労働日数:21日
計算の対象となる月の暦日数:30日
所定労働時間:午前9時から午後5時まで
休憩時間:正午から1時間
(A) 300,000円÷(21×7)
(B) 300,000円÷(21×8)
(C) 300,000円÷(30÷7×40)
(D) 300,000円÷(240×7÷12)
(E) 300,000円÷(365÷7×40÷12)
①【H28年出題】
【解答】
(D) 300,000円÷(240×7÷12)
月給制の場合は、「通常の労働時間1時間当たりの賃金額」は、
「月給」÷月の所定労働時間数
で計算します。
ただし、月によって所定労働時間数が異る場合は、「月給」÷「1か月の平均所定労働時間数」となります。
問題文の場合、年間の所定労働日数が240日で、対象月の所定労働日数が21日です。
月によって所定労働時間数が異なるので、「1か月の平均所定労働時間数」で割ることになります。
1か月の平均所定労働時間数は、240日×7時間÷12か月で計算します。
※7時間=拘束時間8時間(午前9時から午後5時)-休憩1時間です。
②【H26年出題】
通勤手当は、労働とは直接関係のない個人的事情に基づいて支払われる賃金であるから、労働基準法の第37条の割増賃金の基礎となる賃金には算入しないこととされている。
【解答】
②【H26年出題】 〇
「通勤手当」は、割増賃金の基礎となる賃金には算入しません。
③【H23年出題】
労働基準法第37条に定める割増賃金の基礎となる賃金(算定基礎賃金)はいわゆる通常の賃金であり、家族手当は算定基礎賃金に含めないことが原則であるから、家族数に関係なく一律に支給されている手当は、算定基礎賃金に含める必要はない。
【解答】
③【H23年出題】 ×
家族手当でも、「家族数に関係なく」一律に支給されている手当は、家族手当とはみなされず、割増賃金の基礎に含めなければなりません。
(昭22.11.5基発231号)
④【H19年出題】
労働基準法第37条第5項及び労働基準法施行規則第21条の規定によって、割増賃金の計算の基礎となる賃金には家族手当、住宅手当等は算入されないこととされており、例えば、賃貸住宅の居住者には3万円、持家の居住者には1万円というように、住宅の形態ごとに一律に定額で支給することとされている手当は、同規則第21条でいう住宅手当に該当し、同法第37条の割増賃金の計算の基礎となる賃金には算入しない。
【解答】
④【H19年出題】 ×
住宅に要する費用以外の費用に応じて算定される手当や、住宅に要する費用にかかわらず一律に定額で支給される手当は、除外される住宅手当には該当しません。
問題文のように、例えば、賃貸住宅の居住者には3万円、持家の居住者には1万円というように、住宅の形態ごとに一律に定額で支給することとされている手当は、同規則第21条でいう住宅手当に該当しません。そのため、割増賃金の計算の基礎となる賃金に算入しなければなりません。
(平11.3.31基発170号)
⑤【H18年出題】
賃金が出来高払制その他の請負制によって定められている者が、労働基準法第36条第1項又は第33条の規定によって法定労働時間を超えて労働をした場合、当該法定労働時間を超えて労働をした時間については、使用者は、その賃金算定期間において出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を当該賃金算定期間における総労働時間数で除した金額に、当該法定労働時間を超えて労働をした時間数を乗じた金額の2割5分を支払えば足りる。
【解答】
⑤【H18年出題】 〇
賃金が出来高払制その他の請負制の場合は、「出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額」÷「総労働時間数」で計算します。
所定労働時間ではなく「総労働時間数」で計算するのがポイントです。総労働時間には、時間外労働時間も含まれます。
⑥【H17年出題】
年間賃金を予め定めるいわゆる年俸制を採用する事業場において、就業規則により、決定された年俸の16分の1を月例給与とし、決定された年俸の16分の4を2分して6月と12月にそれぞれ賞与として支給し、他に交通費実費分の通勤手当を月々支給することを定めて支給しているような場合には、割増賃金の支払いは、月例給与に賞与部分を含めた年俸額を基礎として計算をして支払わなければならない。
【解答】
⑥【H17年出題】 〇
年俸制で毎月払い部分と賞与部分を合計して予め年俸額が確定している場合の賞与部分は「賞与」に該当しません。
そのため、割増賃金の支払いは、「月例給与に賞与部分を含めた年俸額」を基礎として支払わなければなりません。
(平12.3.8基収78号)
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R7-240 04.25
時間外労働、休日労働、深夜労働させた場合は、割増賃金を支払わなければなりません。
今回は、「割増率」をみていきます。
条文を読んでみましょう。
法第37条第1項、第4項 (時間外、休日及び深夜の割増賃金) ① 使用者が、第33条(災害等による臨時の必要がある場合)又は第36条第1項の規定(36協定)により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。 ただし、当該延長して労働させた時間が1か月について60時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。 ④ 使用者が、午後10時から午前5時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
割増賃金率(第37条、時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令)
・深夜労働と時間外又は休日労働が重なる場合 則第20条 ① 時間外労働が午後10時から午前5時(厚生労働大臣が必要であると認める場合は、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時)までの間に及ぶ場合は、 5割以上(その時間の労働のうち、1か月について60時間を超える時間外労働に係るものについては、7割5分以上)の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。 ② 休日の労働時間が午後10時から午前5時(厚生労働大臣が必要であると認める場合は、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時)までの間に及ぶ場合は、6割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。 |
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
休日労働が、8時間を超え、深夜業に該当しない場合の割増賃金は、休日労働と時間外労働の割増率を合算しなければならない。
【解答】
①【H29年出題】 ×
休日労働が、8時間を超えても、深夜業に該当しない場合は、休日労働のみの割増率(3割5分増)となります。時間外労働の割増率は合算する必要はありません。
(H11.3.31基発168号)
②【H30年出題】
労働基準法第35条に定めるいわゆる法定休日を日曜とし、月曜から土曜までを労働日として、休日及び労働時間が次のように定められている製造業の事業場における、労働時間に関する時間外及び休日の割増賃金に関する記述のうち、正しいものはどれか。
日 月 火 水 木 金 土
休 6 6 6 6 6 6
労働日における労働時間は全て
始業時刻:午前10時、終業時刻:午後5時、休憩;午後1時から1時間
<A> 日曜に10時間の労働があると、休日割増賃金の対象になるのは8時間で、8時間を超えた2時間は休日労働に加えて時間外労働も行われたことになるので、割増賃金は、休日労働に対する割増率に時間外労働に対する割増率を加算する必要がある。
【解答】
<A> ×
日曜の10時間の労働については、深夜業に該当しなければ、時間外労働の割増率は加算する必要はありません。8時間を超えた2時間も含めて、休日労働に対する割増率のみで構いません。
(H11.3.31基発168号)
<B> 日曜の午後8時から月曜の午前3時まで勤務した場合、その間の労働は全てが休日割増賃金対象の労働になる。
【解答】
<B> ×
「法定休日」の割増賃金率は、「暦日単位」で適用されます。
そのため、問題文の場合、休日割増賃金の対象になるのは、日曜日の午後12時までです。月曜の午前0時以降は、休日割増賃金を支払う義務はありません。
(H6.5.31基発331号)
0時 | |
日曜(法定休日) 休日割増 | 月曜(平日) |
<C> 月曜の時間外労働が火曜の午前3時まで及んだ場合、火曜の午前3時までの労働は、月曜の勤務における1日の労働として取り扱われる。
【解答】
<C> 〇
時間外労働が引き続き翌日の所定労働時間に及んだ場合は、「翌日の所定労働時間の始期までの超過時間に対して、割増賃金を支払えば法第37条の違反にならない」とされています。
月曜の時間外労働が火曜の午前3時まで及んだ場合、火曜の午前3時までの労働は、日付が変わっても月曜の超過勤務時間となります。
<D> 土曜の時間外労働が日曜の午前3時まで及んだ場合、日曜の午前3時までの労働に対する割増賃金は、土曜の勤務における時間外労働時間として計算される。
【解答】
<D> ×
「法定休日」の割増賃金率は、「暦日単位」で適用されます。
土曜の時間外労働が日曜の午前3時まで及んだ場合、日曜の午前0時以降は休日労働の割増賃金で計算しなければなりません。
(H11.3.31基発168号)
<E> 日曜から水曜までは所定どおりの勤務であったが、木曜から土曜までの3日間の勤務が延長されてそれぞれ10時間ずつ労働したために当該1週間の労働時間が48時間になった場合、土曜における10時間労働の内8時間が割増賃金支払い義務の対象労働になる。
【解答】
<E> ×
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|
|
|
|
| 2時間 | 2時間 |
4時間 |
|
8時間 |
8時間 | ||||||
6時間 |
6時間 |
6時間
|
6時間 |
木曜 → 時間外労働2時間(8時間を超えた分)
金曜 → 時間外労働2時間(8時間を超えた分)
土曜 → 時間外労働4時間(週の通算労働時間が44時間(木・金のそれぞれ2時間の時間外は除きます)となるので、40時間を超えた分)
③【H23年出題】
労働基準法第33条又は第36条に規定する手続を経ずして時間外又は休日労働をさせた場合においても、使用者は、同法第37条第1項に定める割増賃金の支払義務を免れない。
【解答】
③【H23年出題】〇
労働基準法第33条又は第36条に規定する手続を経ない時間外又は休日労働は違法です。
ただし、法定労働時間を超えた場合、又は休日労働させた場合は割増賃金を支払わなければならないため、違法な時間外労働・休日労働をさせた場合でも、使用者は、割増賃金の支払義務は免れません。
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R7-239 04.24
労災保険の特別加入者は次の3種類です。
■中小事業主等
■一人親方その他の自営業者・特定作業従事者
■海外派遣者
特別加入者の「支給制限」について条文を読んでみましょう。
法第34条第1項第4号 中小事業主及びその事業に従事する者の事故が第1種特別加入保険料が滞納されている期間中に生じたものであるときは、政府は、当該事故に係る保険給付の全部又は一部を行わないことができる。これらの者の業務災害の原因である事故が中小事業主の故意又は重大な過失によって生じたものであるときも、同様とする。
法第35条第1項第7号 一人親方その他の自営業者・特定作業従事者の事故が、第2種特別加入保険料が滞納されている期間中に生じたものであるときは、政府は、当該事故に係る保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
法第36条第1項第3号 海外派遣者の事故が、第3種特別加入保険料が滞納されている期間中に生じたものであるときは、政府は、当該事故に係る保険給付の全部又は一部を行わないことができる。 |
ポイント!
「労働者」との違いに注意しましょう。
★労働者の場合
事業主が一般保険料(=労働者の保険料)を納付しない期間中に生じた事故については、保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を「事業主から徴収することができる。」とされています。労働者の保険給付の支給を制限するのではなく、事業主から費用徴収します。
★特別加入者の場合
特別加入保険料が滞納されている期間中に生じた事故については、費用徴収ではなく、「保険給付の全部又は一部を行わないことができる」と支給制限が行われます。
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】(※問題文修正しています)
事業主が、労働保険の事業に要する費用にあてるために政府に納付すべき第一種特別加入保険料を納付せず、その後、政府から督促を受けるまでの期間中に生じた事故について、政府が保険給付を行ったとき、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収できる。
【解答】
①【H26年出題】 ×
第一種特別加入保険料が滞納されている期間中に生じた事故については、「政府は、当該事故に係る保険給付の全部又は一部を行わないことができる。」となります。
事業主からの費用徴収ではなく、支給制限が行われます。
ちなみに、支給制限の対象になるのは、「督促状の指定期限の翌日以後に生じた事故」です。
②【H26年出題】(※問題文修正しています)
事業主が、労働保険の事業に要する費用にあてるために政府に納付すべき第二種特別加入保険料を納付せず、その後、政府から督促を受けるまでの期間中に生じた事故について、政府が保険給付を行ったとき、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収できる。
【解答】
②【H26年出題】 ×
第二種特別加入保険料が滞納されている期間中に生じた事故については、「政府は、当該事故に係る保険給付の全部又は一部を行わないことができる。」となります。
事業主からの費用徴収ではなく、支給制限が行われます。
ちなみに、支給制限の対象になるのは、「督促状の指定期限の翌日以後に生じた事故」です。
③【R3年出題】
特別加入している中小事業主が行う事業に従事する者(労働者である者を除く。)が業務災害と認定された。その業務災害の原因である事故が事業主の故意又は重大な過失により生じさせたものである場合は、政府は、その業務災害と認定された者に対して保険給付を全額支給し、厚生労働省令で定めるところにより、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができる。
【解答】
③【R3年出題】 ×
特別加入している中小事業主が行う事業に従事する者(労働者である者を除く。)が業務災害と認定され、その業務災害の原因である事故が事業主の故意又は重大な過失により生じさせたものである場合は、「政府は、当該事故に係る保険給付の全部又は一部を行わないことができる。」となります。
事業主からの費用徴収ではありません。
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R7-238 04.23
労災保険には「特別加入」の制度があります。
特別加入には大きく3つの種類があります。
・中小事業主等
・一人親方等、特定作業従事者
・海外派遣者
今回は、「一人親方等、特定作業従事者」についてみていきます。
★一人親方等が労災保険に特別加入する場合は、一人親方等の団体が手続きを行います。
一人親方等 |
↓ |
一人親方等の団体 |
↓ |
所轄都道府県労働局長(所轄労働基準監督署長経由) |
・一人親方等その他の自営業者とは、「厚生労働省令で定める種類の事業を労働者を使用しないで行うことを常態とする者」と「その者が行う事業に従事する者」です。
厚生労働省令で定める種類の事業は、次のとおりです。(則第46条の17)
(1) 自動車を使用して行う旅客若しくは貨物の運送の事業又は原動機付自転車若しくは自転車を使用して行う貨物の運送の事業(個人タクシー業者や個人貨物運送業者など) (2) 土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、原状回復、修理、変更、破壊若しくは解体又はその準備の事業(大工、左官、とび職人など) (3) 漁船による水産動植物の採捕の事業((7)に掲げる事業を除く。) (4) 林業の事業 (5) 医薬品の配置販売の事業 (6) 再生利用の目的となる廃棄物等の収集、運搬、選別、解体等の事業(廃品回収業) (7) 船員法第1条に規定する船員が行う事業 (8) 柔道整復師が行う事業 (9) 高年齢者の雇用の安定等に関する法律に規定する創業支援等措置に基づき、高年齢者が行う事業 (10) あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師が行う事業 (11) 歯科技工士が行う事業 (12) 特定受託事業者が「業務委託事業者」から業務委託を受けて行う事業又は特定受託事業者が業務委託事業者以外の者から委託を受けて行う特定受託事業と同種の事業であって、厚生労働省労働基準局長が定めるもの(特定フリーランス事業) |
ポイント!
「特定フリーランス事業」の特別加入について
・令和6年11月1日から対象となっています。
・企業等から業務委託を受けているフリーランス(特定フリーランス事業)が対象で、業種や職種は問われません。
・「特定作業従事者」とは、厚生労働省令で定める種類の作業に従事する者です。厚生労働省令で定める種類の作業は、次のとおりです。(則第46条の18)
・ 一定規模の農業の事業場において行う危険有害な農作業 ・ 特定の農業機械を用いる一定範囲の農作業 ・ 国又は地方公共団体が実施する訓練として行われる作業のうち次に掲げるもの 職場適応訓練 事業主団体等委託訓練として行われる作業 ・ 家内労働者又は補助者が行う作業のうちプレス機械を使う加工作業等の特定のもの ・ 労働組合等の常勤役員が行う集会の運営、団体交渉等の労働組合等の活動に係る作業 ・ 介護関係業務に係る作業及び家事支援作業 ・ 芸能の提供の作業または演出・企画の作業 ・ アニメーションの制作の作業 ・ 情報処理システムの設計、開発、管理、監査その他の情報処理に係る作業 |
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
平成29年から介護作業従事者として特別加入している者が、訪問先の家庭で介護者以外の家族の家事支援作業をしているときに火傷し負傷した場合は、業務災害と認められることはない。
【解答】
①【R3年出題】 ×
介護作業に加え、「家事支援作業」が新たに特別加入の対象となったのは、平成30年4月です。「家事支援作業」は、家事(炊事、洗濯、掃除、買物、児童の日常生活上の世話及び必要な保護その他家庭において日常生活を営むのに必要な行為)を代行し、又は補助する業務です。
介護作業従事者として特別加入している者は、「介護作業及び家事支援作業」のいずれの作業にも従事するものとして取り扱われます。
そのため、平成29年から介護作業従事者として特別加入している者が、訪問先の家庭で介護者以外の家族の家事支援作業をしているときに火傷し負傷した場合は、業務災害と認められることがあります。
(則第46条の5、平30.2.8基発0208第1号)
②【H30年選択式】
労災保険法第33条第3号及び第4号により、厚生労働省令で定める種類の事業を労働者を使用しないで行うことを常態とする者とその者が行う事業に従事する者は特別加入の対象となる。この事業の例としては、< A >の事業が該当する。また、同条第5号により厚生労働省令で定める種類の作業に従事する者についても特別加入の対象となる。特別加入はこれらの者(一人親方等及び特定作業従事者)の団体が申請をし、政府の承認を受ける必要がある。
通勤災害に関する保険給付は、一人親方等及び特定作業従事者の特別加入者のうち、住居と就業の場所との間の往復の状況等を考慮して厚生労働省令で定める者には支給されない。< B >はその一例に該当する。
(選択肢)
A | ① 介護事業 ② 畜産業 ③ 養蚕業 ④ 林業 |
B | ① 医薬品の配置販売の事業を行う個人事業者 ② 介護作業従事者 ③ 個人タクシー事業者 ④ 船員法第1条に規定する船員 |
【解答】
②【H30年選択式】
<A> ④ 林業
<B> ③ 個人タクシー事業者
★<B>について
一人親方等・特定作業従事者のうち、住居と就業の場所との間の往復の状況等を考慮して厚生労働省令で定める者については、「通勤災害」に関する保険給付が適用されません。
<通勤災害が適用されない者>
・ 自動車を使用して行う旅客若しくは貨物の運送の事業又は原動機付自転車若しくは自転車を使用して行う貨物の運送の事業(個人タクシー・個人貨物運送業者など)
・ 漁船による自営漁業者
・ 危険有害な農作業(特定農作業・指定農業機械作業)に従事する者
・ 一定規模の農業の事業場において行う危険有害な農作業に従事する者
・ 家内労働に従事する者
(則第46条の22の2)
③【R3年出題】
労働者を使用しないで行うことを常態とする特別加入者である個人貨物運送業者については、その住居と就業の場所との間の往復の実態を明確に区別できることにかんがみ、通勤災害に関する労災保険の適用を行うものとされている。
【解答】
③【R3年出題】 ×
労働者を使用しないで行うことを常態とする特別加入者である個人貨物運送業者については、その住居と就業の場所との間の往復の実態が明確に区別できないため、通勤災害に関する労災保険は適用されません。
②【H26年出題】
特別加入制度において、家内労働者については通勤災害に関する保険給付は支給されない。
【解答】
②【H26年出題】 〇
家内労働者については通勤災害に関する保険給付は支給されません。
③【H22年出題】
一人親方等の特別加入者のうち、漁船による水産動植物の採捕の事業を労働者を使用しないで行うことを常態とする者は、自宅から漁港までの移動が通勤とみなされ、通勤災害に関しても労災保険の適用を受けることができる。
【解答】
③【H22年出題】 ×
一人親方等の特別加入者のうち、漁船による水産動植物の採捕の事業を労働者を使用しないで行うことを常態とする者は、通勤災害は適用されません。
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R7-237 04.22
任意継続被保険者は、保険料を、その月の10日までに納付しなければなりません。
なお、初めて納付すべき保険料は、保険者が指定する日までに納付しなければなりません。
例えば、4月27日に退職したとすると、4月28日に被保険者資格を喪失します。
任意継続被保険者となった場合は、4月28日に任意継続被保険者の資格を取得します。任意継続被保険者としての保険料は、4月分から徴収されます。
任意継続被保険者の保険料は前納することができます。
条文を読んでみましょう。
第165条 (任意継続被保険者の保険料の前納) ① 任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。 ② 前納すべき額は、当該期間の各月の保険料の額から政令で定める額を控除した額とする。 ③ 前納された保険料については、前納に係る期間の各月の初日が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。 ④ 保険料の前納の手続、前納された保険料の還付その他保険料の前納に関して必要な事項は、政令で定める。 |
過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
一般の被保険者に関する毎月の保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。任意継続被保険者に関する毎月の保険料は、その月の10日までに納付しなければならないが、初めて納付すべき保険料については、被保険者が任意継続被保険者の資格取得の申出をした日に納付しなければならない。
【解答】
①【H30年出題】 ×
<保険料の納付期日>
・一般の被保険者の保険料は、翌月末日
・任意継続被保険者の保険料は、その月の10日(ただし、初めて納付すべき保険料については、「保険者が指定する日」まで)
「任意継続被保険者の資格取得の申出をした日」は誤りです。
(法第164条第1項)
②【R2年出題】
任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。この場合において前納すべき額は、前納に係る期間の各月の保険料の額の合計額である。
【解答】
②【R2年出題】 ×
前納すべき額は、前納に係る期間の各月の保険料の額から政令で定める額を控除した額となります。
③【H26年出題】
任意継続被保険者が保険料を前納する場合は、4月から9月まで若しくは10月から翌年3月までの6か月間又は4月から翌年3月までの12か月間を単位として行うものとなっているが、当該6か月又は12か月の間において、任意継続被保険者の資格を喪失することが明らかである者については、当該6か月間又は12か月間のうち、その資格を喪失する日の属する月の前月までの期間の保険料について前納を行うことができる。
【解答】
③【H26年出題】 〇
★任意継続被保険者の保険料の前納期間の単位について
(原則)
4月から9月までの6か月間 10月から翌年3月までの6か月間 |
4月から翌年3月までの12か月間 |
当該6か月又は12か月の間に、 「任意継続被保険者の資格を取得した者」 | その資格を取得した日の属する月の翌月以降の期間について前納できる |
当該6か月又は12か月の間に、 「その資格を喪失することが明らかである者」 | その資格を喪失する日の属する月の前月までの期間について前納できる |
(令第48条)
④【H30年出題】
任意継続被保険者が保険料を前納する場合、4月から9月まで若しくは10月から翌年3月までの6か月間のみを単位として行わなければならない。
【解答】
④【H30年出題】 ×
「4月から翌年3月までの12か月間」の単位もあります。
また、当該6か月又は12か月の間において、任意継続被保険者の資格を取得した者又はその資格を喪失することが明らかである者についての例外もあります。
③の問題をご覧ください。
⑤【R5年出題】
任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができるが、前納された保険料については、前納に係る期間の各月の初日が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。
【解答】
⑤【R5年出題】 〇
前納された保険料については、前納に係る期間の各月の初日が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなされます。
なお、国民年金の保険料の前納との違いに注意しましょう。
国民年金は、「前納に係る期間の各月が経過した際に、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。」となります。(国民年金法第93条)
⑥【H22年選択式】
任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。前納された保険料については、前納に係る期間の< A >が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。
任意継続被保険者は、保険料を前納しようとするときは、前納しようとする額を前納に係る期間の< B >までに払い込まなければならない。
前納すべき保険料額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、その期間の各月の保険料の額を< C >による複利現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額を控除した額とする。
保険料の前納期間は、4月から9月まで、もしくは10月から翌年3月までの6か月間または4月から翌年3月までの12か月間を単位として行うものとされているが、例えば、任意継続被保険者の資格を取得した月が4月であった場合、最も早く前納をおこなうことができる前納に係る期間の初月は、< D >である。
【解答】
<A> 各月の初日
<B> 初月の前月末日
<C> 年4分の利率
<D> 5月
★<D>について
6か月又は12か月の間において、任意継続被保険者の資格を取得した者については、当該6か月間又は12か月間のうち、その資格を取得した日の属する月の翌月以降の期間の保険料について前納を行うことができます。
問題文は、4月に資格を取得していますので、5月以降の期間の保険料について前納を行うことができます。
(則第139条、令第48条、令第49条)
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R7-236 04.21
脱退一時金は外国人に対して支給される給付で、平成7年4月に創設されました。
日本国籍を有しない人が、公的年金制度の被保険者資格を喪失し、
日本国内に住所を有しなくなった場合に支給されるものです。
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R7-235 04.20
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年4月14日から4月19日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・ 令和7年度の年金額の改定についてお話しします(国民年金法)
・ 労働保険事務組合に委託できる事務の範囲(徴収法)
・ 出産・育児に関する総合問題を解いてみましょう(健康保険法)
・ 療養費(現金給付)が支給されるとき(健康保険法)
・ 治ゆ前の保険給付(療養補償給付・休業補償給付・傷病補償年金)(労災保険法)
・ 資格喪失後の「出産育児一時金」の条件(健康保険法)
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R7-234 04.19
退職後(被保険者の資格喪失後)に、出産した場合、要件を満たせば、最後の保険者から出産育児一時金を受けることができます。
条文を読んでみましょう。
第106条 (資格喪失後の出産育児一時金の給付) 1年以上被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後6月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。 ※1年以上被保険者であった者 → 「被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者
※支給額 → 1児につき48万8千円(産科医療補償制度に加入の医療機関等で妊娠週数22週以降に出産した場合は50万円) |
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
引き続き1年以上の被保険者期間(任意継続被保険者期間、特例退職被保険者期間又は共済組合の組合員である期間を除く。)を有し、資格喪失後6か月以内に出産した者が、健康保険の被扶養者になっている場合、請求者の選択により被保険者本人としての出産育児一時金、又は被扶養者としての家族出産育児一時金のいずれかを受給することとなる。
【解答】
①【H25年出題】 〇
資格喪失後6か月以内に出産した者が、健康保険の被扶養者になっている場合についての問題です。
「被保険者本人としての出産育児一時金」、「被扶養者としての家族出産育児一時金」の受給資格ができますが、どちらを受給するかは請求者の選択によります。
(昭48.11.7保険発99・庁保険発21)
②【R2年出題】
被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者ではないものとする。)であった者が、その被保険者の資格を喪失した日後6か月以内に出産した場合、出産したときに、国民健康保険の被保険者であっても、その者が健康保険法の規定に基づく出産育児一時金の支給を受ける旨の意思表示をしたときは、健康保険法の規定に基づく出産育児一時金の支給を受けることができる。
【解答】
②【R2年出題】 〇
要件を満たしたもの者が資格喪失後6か月以内に出産した場合、資格喪失後の出産育児一時金の支給を受ける旨の意思表示をしたときは、健康保険の保険者が対象者に対して出産育児一時金の支給を行います。
そのため、出産したときに、国民健康保険の被保険者であっても、その者が健康保険法の規定に基づく資格喪失後の出産育児一時金の支給を受ける旨の意思表示をしたときは、健康保険法の規定に基づく出産育児一時金の支給を受けることができます。
(平23.6.3保保発0603第2号)
③【H28年出題】
引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者がその被保険者の資格を喪失し、国民健康保険組合(規約で出産育児一時金の支給を行うこととしている。)の被保険者となった場合、資格喪失後6か月以内に出産したときには、健康保険の保険者がその者に対して出産育児一時金を支給することはない。
【解答】
③【H28年出題】 ×
その者が健康保険法の規定に基づく資格喪失後の出産育児一時金の支給を受ける旨の意思表示をしたときは、健康保険法の規定に基づく出産育児一時金の支給を受けることができます。②の問題と同じです。
④【H30年出題】
被保険者の資格喪失後の出産により出産育児一時金の受給資格を満たした被保険者であった者が、当該資格喪失後に船員保険の被保険者になり、当該出産について船員保険法に基づく出産育児一時金の受給資格を満たした場合、いずれかを選択して受給することができる。
【解答】
④【H30年出題】 ×
条文を読んでみましょう。
第107条 (船員保険の被保険者となった場合) 前3条の規定(「傷病手当金又は出産手当金の継続給付」、「資格喪失後の死亡に関する給付」、「資格喪失後の出産育児一時金の給付」)にかかわらず、被保険者であった者が船員保険の被保険者となったときは、保険給付は、行わない。 |
資格喪失後の出産育児一時金の受給資格を満たした被保険者であった者が、当該資格喪失後に船員保険の被保険者になり、当該出産について船員保険法に基づく出産育児一時金の受給資格を満たした場合は、船員保険法から支給を受けることができますので、健康保険法の出産育児一時金は支給されません。「いずれかを選択して受給することができる」は誤りです。
⑤【H26年出題】
被保険者であった者が船員保険の被保険者となったときは、傷病手当金又は出産手当金の継続給付、資格喪失後の死亡に関する給付及び資格喪失後の出産育児一時金の給付は行われない。
【解答】
⑤【H26年出題】 〇
被保険者であった者が船員保険の被保険者となったときは、「傷病手当金又は出産手当金の継続給付」、「資格喪失後の死亡に関する給付」及び「資格喪失後の出産育児一時金の給付」は行われません。船員保険から支給を受けることができるからです。
⑥【R6年選択式】
任意継続被保険者がその資格を喪失した後、出産育児一時金を受けることができるのは、< A >であった者であって、実際の出産日が被保険者の資格を喪失した日後6か月以内の期間でなければならない。
<選択肢>
① 資格を取得した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)
② 資格を取得した日の前日まで引き続き6か月以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)
③ 資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を含む。)
④ 資格を喪失した日の前日まで引き続き6か月以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)
【解答】
<A> ① 資格を取得した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)
図でイメージしましょう。
退職 | ・資格喪失 = ・任継取得 | ~ | 任継喪失 |
引き続き1年以上被保険者 | 任意継続被保険者 |
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R7-233 04.18
治ゆ前の保険給付の関係を図でイメージしましょう。
ポイント!
「療養補償給付」と「休業補償給付」は併給されます。
「療養補償給付」と「傷病補償年金」は併給されます。
「休業補償給付」と「傷病補償年金」は併給されません。
では、過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
傷病の状況が残った場合でも、その症状が安定し、症状が固定した状態になって治療の必要がなくなった場合には、傷病発生以前の状態に回復していなくても、傷病は治ゆしたものとして療養補償給付は行われない。
【解答】
①【H21年出題】 〇
療養補償給付は、その傷病が療養を必要としなくなるまで(治ゆするまで)行われます。
傷病の状況が残った場合でも、その症状が安定し、症状が固定した状態になって治療の必要がなくなった場合には、傷病発生以前の状態に回復していなくても、傷病は治ゆしたものとされます。
治ゆすると療養補償給付は行われません。ただし、再発した場合は、再び療養補償給付が行われます。
(昭23.1.13基災発第3号)
②【H30年出題】
傷病補償年金は、業務上負傷し、又は疾病にかかった労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後1年を経過した日において次の①、②のいずれにも該当するとき、又は同日後次の①、②のいずれにも該当することとなったときに、その状態が継続している間、当該労働者に対して支給する。
① 当該負傷又は疾病が治っていないこと。
② 当該負傷又は疾病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当すること。
【解答】
②【H30年出題】 ×
1年ではなく「1年6か月」です。
「傷病補償年金は、業務上負傷し、又は疾病にかかった労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後「1年6か月」を経過した日において次の①、②のいずれにも該当するとき、又は同日後次の①、②のいずれにも該当することとなったときに、その状態が継続している間、当該労働者に対して支給する。
① 当該負傷又は疾病が治っていないこと。
② 当該負傷又は疾病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級(1級から3級)に該当すること。
(法第12条の8第3項)
③【H24年出題】
療養補償給付は、休業補償給付と併給される場合がある。
【解答】
③【H24年出題】 〇
療養補償給付も、休業補償給付も「治ゆ」する前に支給される給付ですが、療養補償給付は「治療」、休業補償給付は「所得補償」のためのものです。
療養補償給付と休業補償給付は併給される場合があります。
(法第13条、第14条)
④【H24年出題】
療養補償給付は、傷病補償年金と併給される場合がある。
【解答】
④【H24年出題】 〇
療養補償給付も、傷病補償年金も「治ゆ」する前に支給される給付ですが、療養補償給付は「治療」、傷病補償年金は「所得補償」のためのものです。
療養補償給付と傷病補償年金は併給される場合があります。
(法第12条の8第3項、法第13条)
⑤【H24年出題】
休業補償給付は、傷病補償年金と併給される場合がある。
【解答】
⑤【H24年出題】 ×
法第18条第2項で、「傷病補償年金を受ける者には、休業補償給付は、行わない。」と規定されています。
休業補償給付は、傷病補償年金と併給されることはありません。
なお、「年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとする。」とされています。
傷病補償年金の支給事由が生じた場合は、その支給すべき事由が生じた月の末日までは、休業補償給付が支給されます。
1月 | 2月 | 3月 |
| 傷病補償年金の 支給事由が発生 |
|
休業補償給付 | 休業補償給付 | 傷病補償年金 |
⑥【H30年出題】
休業補償給付と傷病補償年金は、併給されることはない。
【解答】
⑥【H30年出題】 〇
休業補償給付と傷病補償年金は、併給されることはありません。⑤の問題と同じです。
⑦【H29年出題】
傷病補償年金の受給者の障害の程度が軽くなり、厚生労働省令で定める傷病等級に該当しなくなった場合には、当該傷病補償年金の受給権は消滅するが、なお療養のため労働できず、賃金を受けられない場合には、労働者は休業補償給付を請求することができる。
【解答】
⑦【H29年出題】 〇
傷病等級に該当しなくなった場合には、傷病補償年金の受給権は消滅しますが、なお療養のため労働できず、賃金を受けられない場合には、労働者は休業補償給付を請求することができます。
8月 | 9月 | 10月 |
| 傷病補償年金の受給権 消滅 |
|
傷病補償年金 | 傷病補償年金 | 休業補償給付 |
⑧【H21年出題】
傷病補償年金の受給者の障害の程度が軽くなり、傷病等級表に定める障害に該当しなくなった場合には、当該傷病補償年金の支給は打ち切られるが、なお療養のため労働することができないため賃金を受けられない状態にある場合には、政府が労働者の請求を待たず職権で休業補償給付の支給を決定する。
【解答】
⑧【H21年出題】 ×
「政府が労働者の請求を待たず職権で休業補償給付の支給を決定する」が誤りです。
休業補償給付が支給されるには、労働者の請求が必要です。
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R7-232 04.17
健康保険は、『現物給付』が原則です。
しかし、現物給付を行うことが困難であると認めるときなどは、その費用について、現金で「療養費」が支給されます。
「療養費」が支給される要件などをみていきます。
条文を読んでみましょう。
第87条第1項、第2項 (療養費) ① 保険者は、療養の給付若しくは入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給(以下「療養の給付等」という。)を行うことが困難であると認めるとき、又は被保険者が保険医療機関等以外の病院、診療所、薬局その他の者から診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、保険者がやむを得ないものと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給することができる。 ② 療養費の額は、当該療養(食事療養及び生活療養を除く。)について算定した費用の額から、一部負担金の割合を乗じて得た額を控除した額及び当該食事療養又は生活療養について算定した費用の額から食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額を控除した額を基準として、保険者が定める。 |
「療養費」が支給されるのは以下の2つの場合です。
① 「療養の給付等」を行うことが困難であると保険者が認めるとき
② 被保険者が保険医療機関等以外の病院等から診療等を受けた場合で、保険者がやむを得ないものと認めるとき
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
療養費の額は、当該療養(食事療養及び生活療養を除く。)について算定した費用の額から、その額に一部負担金の割合を乗じて得た額を控除した額及び当該食事療養又は生活療養について算定した費用の額から食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額を控除した額を基準として、保険者が定める。
【解答】
①【R3年出題】 〇
療養費の額は、当該療養(食事療養及び生活療養を除く。)について算定した費用の額から、その額に一部負担金の割合を乗じて得た額を控除した額及び当該食事療養又は生活療養について算定した費用の額から食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額を控除した額を「基準として、保険者が定める。」の部分がポイントです。
②【R1年出題】
保険者は、訪問看護療養費の支給を行うことが困難であると認めるときは、療養費を支給することができる。
【解答】
②【R1年出題】 ×
療養費が支給されるのは、「療養の給付若しくは入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給(以下「療養の給付等」という。)を行うことが困難であると認めるとき」、又は「被保険者が保険医療機関等以外の病院、診療所、薬局その他の者から診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、保険者がやむを得ないものと認めるとき」です。
「訪問看護療養費の支給を行うことが困難」であるのは、どちらにも該当しませんので、療養費は支給されません。
③【H27年出題】
被保険者が無医村において、医師の診療を受けることが困難で、応急措置として緊急に売薬を服用した場合、保険者がやむを得ないものと認めるときは、療養費の支給を受けることができる。
【解答】
③【H27年出題】 〇
無医村で応急措置として緊急に売薬を服用した場合は、「保険者がやむを得ないものと認めるとき」に該当しますので、療養費の支給を受けることができます。
(昭13.8.20社庶1629)
④【R5年出題】
現に保険医の診療が不評だからとの理由によって、保険診療を回避して保険医以外の医師の診療を受けた場合には、療養費の支給は認められない。
【解答】
④【R5年出題】 〇
「その地方に保険医がいない場合又は保険医はいても、その者が傷病等のために、診療に従事することができない場合」等には、療養費の支給が認められます。
・緊急疾病で他に適当な保険医が居るにかかわらず、好んで保険医以外の医師について診療又は手当を受けた時には、療養費は支給されません。
・現に保険医の診療が不評だからとの理由によって、保険診療を回避して保険医以外の医師の診療を受けた場合には、療養費の支給は認められません。
(昭24.6.6保文発1017号)
⑤【R5年出題】
現に海外にいる被保険者からの療養費の支給申請は、原則として、事業主等を経由して行わせ、その受領は事業主等が代理して行うものとし、国外への送金は行わない。
【解答】
⑤【R5年出題】 〇
★海外において療養を受けた場合の療養費等の支給について
・療養費支給申請書等に添付する証拠書類が外国語で記載されている場合は、日本語の翻訳文を添付しなければなりません。
・療養費支給申請書等の証拠書類に添付する翻訳文には翻訳者の氏名及び住所を記載しなければなりません。
・現に海外にある被保険者からの療養費等の支給申請は、原則として、事業主等を経由して行わせ、その受領は事業主等が代理して行うものとし、国外への送金は行わないこととされています。
・現に海外にある被保険者の療養費等の支給に係る照会は、事業主等を経由して行うこととされています。
・ 海外における療養費等の支給額の算定に用いる邦貨換算率は、その支給決定日の外国為替換算率(売レート)を用いることとされています。
(昭56.2.25保険発第10号・庁保険発第2号)
⑥【H27年出題】
現に海外に居住する被保険者からの療養費の支給申請は、原則として事業主を経由して行うこととされている。また、その支給は、支給決定日の外国為替換算率(買レート)を用いて海外の現地通貨に換算され、当該被保険者の海外銀行口座に送金される。
【解答】
⑥【H27年出題】 ×
現に海外に居住する被保険者からの療養費の支給申請は、原則として事業主を経由して行うこととされています。
その支給は、支給決定日の外国為替換算率(売レート)を用いて換算されます。その受領は事業主等が代理して行うものとし、国外への送金は行わないこととされています。
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R7-231 04.16
産前産後、育児休業等について、以下の内容をみていきます。
・産前産後休業期間中の保険料免除
・出産手当金の支給期間
・育児休業期間中の保険料免除
・育児休業等終了時改定の申出
・育児休業等終了時改定の有効期間
さっそく過去問をどうぞ!
【H27年出題】
被保険者が多胎妊娠し(出産予定日は6月12日)、3月7日から産前休業に入り、6月15日に正常分娩で双子を出産した。産後休業を終了した後は引き続き育児休業を取得し、子が1歳に達した日をもって育児休業を終了し、その翌日から職場復帰した。産前産後休業期間及び育児休業期間に基づく報酬及び賞与は一切支払われておらず、職場復帰後の労働条件等は次のとおりであった。なお、職場復帰後の3か月間は所定労働日における欠勤はなく、育児休業を終了した日の翌日に新たな産前休業に入っていないものとする。この被保険者に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組み合わせは、後記AからEまでのうちどれか。
【職場復帰後の労働条件等】
始業時刻 10:00
終業時刻 17:00
休憩時間 1時間
所定の休日 毎週土曜日及び日曜日
給与の支払形態 日額12,000円の日給制
給与の締切日 毎月20日
給与の支払日 毎月末日
(ア) 事業主は出産した年の3月から8月までの期間について、産前産後休業期間中における健康保険料の免除を申し出ることができる。
(イ) 出産手当金の支給期間は、出産した年の5月2日から同年8月10日までである。
(ウ) 事業主は産前産後休業期間中における健康保険料の免除期間の終了月の翌月から、子が1歳に達した日の翌日が属する月の前月までの期間について、育児休業期間中における健康保険料の免除を申し出ることができる。
(エ) 出産した年の翌年の6月末日に支払われた給与の支払基礎日数が17日未満であるため、同年7月末日及び8月末日に受けた給与の総額を2で除した額に基づく標準報酬月額が、従前の標準報酬月額と比べて1等級以上の差がある場合には育児休業等終了時改定を申し出ることができる。
(オ) 職場復帰後に育児休業等終了時改定に該当した場合は、改定後の標準報酬月額がその翌年の8月までの各月の標準報酬月額となる。なお、標準報酬月額の随時改定には該当しないものとする。
A(アとイ) B(アとオ) C(イとウ) D(ウとエ) E(エとオ)
【解答】
A(アとイ)
(ア) ×
条文を読んでみましょう。
第159条の3 産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、その産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、当該被保険者に関する保険料を徴収しない。 |
問題文の場合、産前産後休業の開始が3月7日、終了が8月10日です。
事業主は出産した年の3月から「7月まで」の期間について、産前産後休業期間中における健康保険料の免除を申し出ることができます。
(イ) ×
条文を読んでみましょう。
第102条第1条(出産手当金) 被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する。 |
問題文を条文に当てはめると、出産の日が出産の予定日より後で、多胎妊娠ですので、出産手当金が支給されるのは、出産予定日(6月12日)以前98日(=3月7日)から出産の日後56日(=8月10日)までの間において労務に服さなかった期間です。
(ウ) 〇
条文を読んでみましょう。
第159条 育児休業等をしている被保険者(産前産後休業中の保険料免除を受けている被保険者を除く。)が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める月の当該被保険者に関する保険料(その育児休業等の期間が1月以下である者については、標準報酬月額に係る保険料に限る。)は、徴収しない。 (1) その育児休業等を開始した日の属する月とその育児休業等が終了する日の翌日が属する月とが異なる場合 → その育児休業等を開始した日の属する月からその育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までの月 (2) その育児休業等を開始した日の属する月とその育児休業等が終了する日の翌日が属する月とが同一であり、かつ、当該月における育児休業等の日数として厚生労働省令で定めるところにより計算した日数が14日以上である場合 → 当該月 |
問題文の場合、産前産後休業期間中における健康保険料の免除期間は、「3月~7月」です。
育児休業期間中の保険料が免除される期間は、
・育児休業等を開始した日の属する月(=産前産後休業期間中の保険料免除期間の終了月の翌月=8月)
から
・育児休業等が終了する日の翌日(1歳に達した日の翌日=6月15日)が属する月の前月(=5月)
までとなります。
(エ) 〇
条文を読んでみましょう。
第43条の2第1項 保険者等は、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定する育児休業等を終了した被保険者が、育児休業等終了日において当該育児休業等に係る3歳に満たない子を養育する場合において、その使用される事業所の事業主を経由して厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、第41条の規定にかかわらず、育児休業等終了日の翌日が属する月以後3月間(育児休業等終了日の翌日において使用される事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17日未満である月があるときは、その月を除く。)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を改定する。ただし、育児休業等終了日の翌日に産前産後休業を開始している被保険者は、この限りでない。 |
<随時改定と比較しましょう>
随時改定 | 育児休業等を終了した際の改定 |
固定的賃金に変動があった | 固定的賃金に変動がなくても対象になる |
2等級以上の差が生じた | 1等級以上の差が生じた |
3か月とも報酬支払基礎日数が17日以上(短時間労働者は11日以上) | 報酬払基礎日数が17日未満の月は除く (短時間労働者は11日未満) |
問題文のポイントです。
6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
育児休業等終了日の翌日 |
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算入しない | (7月+8月)÷2 |
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従前の標準報酬月額と比べて1等級以上の差がある場合には育児休業等終了時改定を申し出ることができます。
(オ) 〇
条文を読んでみましょう。
第43条の2第2項 前項の規定によって改定された標準報酬月額は、育児休業等終了日の翌日から起算して2月を経過した日の属する月の翌月からその年の8月(当該翌月が7月から12月までのいずれかの月である場合は、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とする。 |
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | ~ | 翌年8月 |
育児休業等終了日の翌日 |
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算入しない | (7月+8月)÷2 | 改定 |
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R7-230 04.15
「労働保険事務組合」とは、厚生労働大臣の認可を受けた事業主の団体等です。
認可で新しい団体が設立されるのではなく、既存の事業主の団体等がその事業の一環として、事業主が処理すべき労働保険事務を代理して処理するものです。
労働保険事務組合について条文を読んでみましょう。
第33条第1項、第2項 (労働保険事務組合) ① 中小企業等協同組合法第3条の事業協同組合又は協同組合連合会その他の事業主の団体又はその連合団体(法人でない団体又は連合団体であって代表者の定めがないものを除く。)は、団体の構成員又は連合団体を構成する団体の構成員である事業主その他厚生労働省令で定める事業主(厚生労働省令で定める数を超える数の労働者を使用する事業主を除く。)の委託を受けて、これらの者が行うべき労働保険料の納付その他の労働保険に関する事項(印紙保険料に関する事項を除く。以下「労働保険事務」という。)を処理することができる。 ② 事業主の団体又はその連合団体は、労働保険事務の処理を行なおうとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
則第62条第1項(委託事業主の範囲) 法第33条第1項の厚生労働省令で定める事業主は、事業主の団体の構成員又はその連合団体を構成する団体の構成員である事業主以外の事業主であって、当該事業主に係る労働保険事務の処理を当該事業主の団体又はその連合団体に委託することが必要であると認められるものとする。
委託できる事業主の範囲
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では、過去問をどうぞ!
①【H19年出題】(雇用)
厚生労働大臣の認可を受けて、労働保険事務組合となった団体は、労働保険事務を専業で行わなければならない。
【解答】
①【H19年出題】(雇用) ×
厚生労働大臣の認可を受けて労働保険事務組合となった団体は、「その事業の一環として」、事業主が処理すべき労働保険事務を代理して処理します。専業で行わなければならないものではありません。
②【R1年出題】(雇用)
金融業を主たる事業とする事業主であり、常時使用する労働者が50人を超える場合、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することはできない。
【解答】
②【R1年出題】(雇用) 〇
「金融業」を主たる事業とする事業主で、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができるのは、「常時使用する労働者が50人以下」の場合です。「50人」を超える場合は、委託できません。
③【R5年出題】(労災)
労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を持つ事業主のほか、他の都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主についても、当該労働保険事務組合に労働保険事務を委託することができる。
【解答】
③【R5年出題】(労災) 〇
令和2年4月より、労働保険事務組合に委託する事業主の所在地の制限がなくなっています。
労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を持つ事業主のほか、他の都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主についても、当該労働保険事務組合に労働保険事務を委託することができます。
④【H23年出題】(雇用)
労働保険徴収法第33条第1項の規定により、事業主が労働保険事務組合に委託して処理させることができると定められている労働保険事務として、次の記述のうち、誤っているものはどれか。
<A> 雇用保険被保険者資格取得届を所轄公共職業安定所長に提出する事務
<B> 印紙保険料納付状況報告書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出する事務
<C> 雇用保険の適用事業所の設置の届書を所轄公共職業安定所長に提出する事務
<D> 労災保険の任意加入申請書を所轄都道府県労働局長に提出する事務
<E> 労災保険の中小事業主等の特別加入申請書を所轄都道府県労働局長に提出する事務
【解答】
④【H23年出題】(雇用)
誤り → <B>
「印紙保険料に関する事項」は、労働保険事務組合に処理を委託することができる労働保険事務の範囲から除かれています。
<B>印紙保険料納付状況報告書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出する事務は、労働保険事務組合に委託して処理させることはできません。
⑤【R1年出題】(雇用)
労働保険事務組合は、団体の構成員又は連合団体を構成する団体の構成員である事業主その他厚生労働省令で定める事業主(厚生労働省令で定める数を超える数の労働者を使用する事業主を除く。)の委託を受けて、労災の保険給付に関する請求の事務を行うことができる。
【解答】
⑤【R1年出題】(雇用) ×
労働保険事務組合は、「労災の保険給付に関する請求の事務」を行うことはできません。
★労働保険事務組合に委託できない事務
・印紙保険料に関する事項
・保険給付に関する請求書等の事務手続
・雇用保険の二事業に係る事務手続
⑥【H19年出題】(雇用)
労働保険事務組合は、事業主の委託を受けて、労働保険料(印紙保険料を除く。)の納付に関する事務を処理することができるが、雇用保険の被保険者の資格取得及び喪失の届出に関する事務を処理することはできない。
【解答】
⑥【H19年出題】(雇用) ×
労働保険事務組合は、事業主の委託を受けて、労働保険料(印紙保険料を除く。)の納付に関する事務を処理することができ、また、雇用保険の被保険者の資格取得及び喪失の届出に関する事務も「処理することができる」となります。
⑦【R3年出題】(雇用)
保険給付に関する請求書等の事務手続及びその代行、雇用保険二事業に係る事務手続及びその代行、印紙保険料に関する事項などは、事業主が労働保険事務組合に処理を委託できる労働保険事務の範囲に含まれない。
【解答】
⑦【R3年出題】(雇用) 〇
「保険給付に関する請求書等の事務手続及びその代行」、「雇用保険二事業に係る事務手続及びその代行」、「印紙保険料に関する事項」は、事業主が労働保険事務組合に処理を委託できる労働保険事務の範囲に含まれません。
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R7-229 04.14
年金額は、780,900円×改定率で計算します。
令和7年度の年金額は、831,700円です。
(昭和31年4月1日以前生まれは、829,300円です。)
・改定率の基準
新規裁定者→名目手取り賃金変動率
既裁定者→物価変動率
・物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回っている場合
・マクロ経済スライド についてお話ししています。
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R7-228 04.13
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年4月7日から4月12日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・令和7年度国民年金保険料についてお話しします(国民年金法)
・資格の取得・喪失は厚生労働大臣の確認で効力を生ずる(厚生年金保険法)
・労基法第35条「休日の与え方」(労働基準法)
・被扶養者に関する健康保険の給付(健康保険法)
・事業主からの特別の費用徴収「故意・重大な過失」の認定(労災保険法)
・「待期」離職後最初の求職の申込みの日から起算された通算7日(雇用保険法)
(令和7年4月第1週目)
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R7-227 04.12
基本手当は、受給資格者が当該受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日が通算して7日に満たない間は、支給されません。なお、7日には疾病又は負傷のため職業に就くことができない日が含まれます。
条文を読んでみましょう。
第21条 (待期) 基本手当は、受給資格者が当該基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して7日に満たない間は、支給しない。 |
では、過去問をどうぞ!
①【R1年選択式】
雇用保険法第21条は、「基本手当は、受給資格者が当該基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(< A >のため職業に就くことができない日を含む。)が< B >に満たない間は、支給しない。」と規定している。
<選択肢>
① 激甚災害その他の災害 ② 疾病又は負傷 ③ 心身の障害
④ 妊娠、出産又は育児 ⑤ 通算して7日 ⑥ 引き続き7日
⑦ 通算して10日 ⑧ 引き続き10日
【解答】
①【R1年選択式】
<A> ② 疾病又は負傷
<B> ⑤ 通算して7日
②【H23年出題】
受給資格者が基準日後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日が通算して5日の時点で安定した職業に就いて被保険者となった場合、その5日について基本手当が支給されることはない。
【解答】
②【H23年出題】 〇
待期は、受給資格者が当該受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日から進行し、その日以後に通算して7日の失業の認定が行われなければ待期は満了しません。
そのため、失業している日が通算して5日の時点で就職して被保険者となった場合は、待期が満了していませんので、その5日について基本手当が支給されることはありません。
③【H29年出題】
失業の認定は、雇用保険法第21条に定める待期の期間には行われない。
【解答】
③【H29年出題】 ×
待期日数は、現実に失業し、失業(傷病のため職業に就くことができない場合を含む。)の認定を受けた日数が連続して、又は断続して7日に達することが条件とされます。
公共職業安定所における失業(傷病のため職業に就くことができない場合を含む。)の認定があって初めて失業の日又は疾病若しくは負傷のため職業に就くことができない日として認められるものですので、失業(傷病のため職業に就くことができない場合を含む。)の認定は待期の7日についても行われなければならないとされています。
(行政手引51102)
④【H26年出題】
受給資格者が求職の申込みをした日の翌日から3日間、疾病により職業に就くことができなくなったときは、他の要件を満たす限り、当該求職の申込みをした日の11日目から基本手当が支給される。
【解答】
④【H26年出題】 ×
待期期間には、「疾病により職業に就くことができなくなった」日数も含まれます。
そのため、他の要件を満たす限り、当該求職の申込みをした日の11日目ではなく、8日目から基本手当が支給されます。
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R7-226 04.11
一定の要件に該当する事故については、事業主の注意を促すために、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができます。
条文を読んでみましょう。
第31条第1項 政府は、次の各号のいずれかに該当する事故について保険給付を行ったときは、厚生労働省令で定めるところにより、業務災害に関する保険給付にあっては労働基準法の規定による災害補償の価額の限度又は船員法の規定による災害補償のうち労働基準法の規定による災害補償に相当する災害補償の価額の限度で、複数業務要因災害に関する保険給付にあっては複数業務要因災害を業務災害とみなした場合に支給されるべき業務災害に関する保険給付に相当する同法の規定による災害補償の価額(当該複数業務要因災害に係る事業ごとに算定した額に限る。)の限度で、通勤災害に関する保険給付にあっては通勤災害を業務災害とみなした場合に支給されるべき業務災害に関する保険給付に相当する同法の規定による災害補償の価額の限度で、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができる。 (1) 事業主が故意又は重大な過失により労災保険に係る保険関係成立届を提出していない期間(政府が認定決定をしたときは、その決定後の期間を除く。)中に生じた事故 (2) 事業主が一般保険料を納付しない期間(督促状に指定する期限後の期間に限る。)中に生じた事故 (3) 事業主が故意又は重大な過失により生じさせた業務災害の原因である事故 |
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
政府が保険給付を行ったとき、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収できる事故として、正しいものはどれか。
<A> 事業主が重大でない過失により、保険関係の成立につき、保険関係が成立した日、事業主の氏名又は名称及び住所、事業の種類、事業の行われる場所その他厚生労働省令で定める事項を政府に届出していない期間中に生じた事故
<B> 事業主が、労働保険の事業に要する費用にあてるために政府に納付すべき一般保険料を納付せず、その後、政府から督促を受けるまでの期間中に生じた事故
<C> 事業主が、労働保険の事業に要する費用にあてるために政府に納付すべき一般保険料を納付し、その後、重大な過失により生じさせた業務災害の原因である事故
<D> 事業主が、労働保険の事業に要する費用にあてるために政府に納付すべき第一種特別加入保険料を納付せず、その後、政府から督促を受けるまでの期間中に生じた事故
<E> 事業主が、労働保険の事業に要する費用にあてるために政府に納付すべき第二種特別加入保険料を納付せず、その後、政府から督促を受けるまでの期間中に生じた事故
【解答】
①【H26年出題】
<A> ×
保険関係成立届を提出していない期間中に生じた事故でも、「重大でない過失」の場合は、費用徴収されません。
<B> ×
一般保険料を納付しない期間中に生じた事故について費用徴収が行われるのは、「督促状に指定する期限後の期間」に限られます。政府から督促を受けるまでの期間中に生じた事故については、費用徴収されません。
<C> 〇
事業主が重大な過失により生じさせた業務災害の原因である事故については、費用徴収が行われます。
<D> ×
「第一種特別加入保険料」を納付しない期間中に生じた事故は、費用徴収の対象になりません。特別加入者の場合は、「支給制限」の対象になります。(法第34条)
<E> ×
<D>と同じく、特別加入者の場合は、「支給制限」の対象になります。(法第35条
②【R1年選択式】
労災保険の適用があるにもかかわらず、労働保険徴収法第4条の2第1項に規定する労災保険に係る保険関係成立届(以下本問において「保険関係成立届」という。)の提出が行われていない間に労災事故が生じた場合において、事業主が故意又は重大な過失により保険関係成立届を提出していなかった場合は、政府は保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができる。
事業主がこの提出について、所轄の行政機関から直接指導を受けていたにもかかわらず、その後< A >以内に保険関係成立届を提出していない場合は、故意が認定される。事業主がこの提出について、保険手続に関する行政機関による指導も、都道府県労働保険事務組合連合会又はその会員である労働保険事務組合による加入勧奨も受けていない場合において、保険関係が成立してから< B >を経過してもなお保険関係成立届を提出していないときには、原則、重大な過失と認定される。
<選択肢>
<A> ① 3日 ② 5日 ③ 7日 ④ 10日
<B> ① 3か月 ② 6か月 ③ 9か月 ④ 1年
【解答】
<A> ④10日
<B> ④ 1年
ポイント!
① 事業主の故意の認定
保険関係成立届の提出について行政機関からの指導等を受けたことがある事業主であって、その提出を行っていないものについては、「故意」と認定した上で、原則、費用徴収率を100%とする。
② 事業主の重大な過失の認定
保険関係成立届の提出について行政機関からの指導等を受けたことがない事業主であって、保険関係成立日以降1年を経過してなおその提出を行っていないものについて、原則、「重大な過失」と認定した上で、費用徴収の対象とする。費用徴収率は40%とする。
(令5.7.20基発第0720第1号)
③【H27年出題】
事業主が、労災保険法第31条第1項第1号の事故に係る事業に関し、保険手続に関する指導を受けたにもかかわらず、その後10日以内に保険関係成立届を提出していなかった場合、「故意」と認定した上で、原則、費用徴収率を100%とする。
【解答】
③【H27年出題】 〇
保険手続に関する指導を受けたにもかかわらず、その後10日以内に保険関係成立届を提出していなかった場合、「故意」と認定され、原則、費用徴収率は100%となります。
(令5.7.20基発第0720第1号)
④【H27年出題】
事業主が、労災保険法第31条第1項第1号の事故に係る事業に関し、加入勧奨を受けたにもかかわらず、その後10日以内に保険関係成立届を提出していなかった場合、「故意」と認定した上で、原則、費用徴収率を100%とする。
【解答】
④【H27年出題】 〇
加入勧奨を受けたにもかかわらず、その後10日以内に保険関係成立届を提出していなかった場合、「故意」と認定され、原則、費用徴収率は100%となります。
(令5.7.20基発第0720第1号)
⑤【H27年出題】
事業主が、労災保険法第31条第1項第1号の事故に係る事業に関し、保険手続に関する指導又は加入勧奨を受けておらず、労働保険徴収法第3条に規定する保険関係が成立した日から1年を経過してなお保険関係成立届を提出していなかった場合、原則、「重大な過失」と認定した上で、費用徴収率を40%とする。
【解答】
⑤【H27年出題】 〇
保険手続に関する指導又は加入勧奨を受けておらず、保険関係が成立した日から1年を経過してなお保険関係成立届を提出していなかった場合、原則、「重大な過失」と認定され、費用徴収率は40%となります。
(令5.7.20基発第0720第1号)
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R7-225 04.10
「被扶養者」に関する給付として以下の給付があります。
・家族療養費 (療養の給付、療養費、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費に当たります) ・家族訪問看護療養費 ・家族移送費 ・家族埋葬料 ・家族出産育児一時金 |
「家族療養費」の給付割合について
①6歳に達する日以後の最初の3月31日の翌日以後であって70歳に達する日の属する月以前である被扶養者 | 100分の70 |
②6歳に達する日以後の最初の3月31日以前である被扶養者 | 100分の80 |
③70歳に達する日の属する月の翌月以後である被扶養者 (④を除く) | 100分の80 |
④70歳以上の現役並所得者である被保険者の70歳以上の被扶養者 | 100分の70 |
ポイント!
被扶養者に関する給付は、「被保険者に」支給されることがポイントです。
例えば、法第110条第1項では、
「被保険者の被扶養者が保険医療機関等のうち自己の選定するものから療養を受けたときは、被保険者に対し、その療養に要した費用について、家族療養費を支給する。」と規定されています。
「被扶養者に対し、家族療養費を支給する」という問題は誤りです。
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
67歳の被扶養者が保険医療機関である病院の療養病床に入院し、療養の給付と併せて生活療養を受けた場合、被保険者に対して入院時生活療養費が支給される。
【解答】
①【R1年出題】 ×
被保険者に対して「入院時生活療養費」ではなく、「家族療養費」が支給されます。
(法第110条第1項)
②【H30年出題】
被扶養者が6歳に達する日以後の最初の3月31日以前である場合、家族療養費の額は、当該療養(食事療養及び生活療養を除く。)につき算定した費用の額(その額が現に当該療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額)に100分の90を乗じて得た額である。
【解答】
②【H30年出題】 ×
被扶養者が6歳の年度末以前の場合、家族療養費の給付割合は、「100分の80」です。
(法第110条第2項)
③【H29年出題】
68歳の被保険者で、その者の厚生労働省令で定めるところにより算定した収入の額が520万円を超えるとき、その被扶養者で72歳の者に係る健康保険法第110条第2項第1号に定める家族療養費の給付割合は70%である。
【解答】
③【H29年出題】 ×
★被扶養者が70歳以上の場合の家族療養費の給付割合
・100分の80
・ただし、被保険者が70歳以上で現役並所得者の場合(=一部負担金の割合が100分の30)は、70歳以上の被扶養者の家族療養費の割合も100分の70になります。
問題文の場合は、被保険者が70歳未満ですので、被保険者の収入の額に関係なく、70歳以上の家族療養費の給付割合は80%です。
(法第110条第2項)
④【R3年出題】
家族出産育児一時金は、被保険者の被扶養者である配偶者が出産した場合にのみ支給され、被保険者の被扶養者である子が出産した場合には支給されない。
【解答】
④【R3年出題】 ×
第114条で、「被保険者の被扶養者が出産したときは、家族出産育児一時金として、被保険者に対し、第101条の政令で定める金額を支給する。」と規定されています。
「被扶養者」が出産した場合に支給されますので、被扶養者である配偶者だけでなく、被保険者の被扶養者である子が出産した場合にも支給されます。
(法第114条)
⑤【H29年出題】
被保険者の被扶養者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けたときは、被扶養者に対しその指定訪問看護に要した費用について、訪問看護療養費を支給する。
【解答】
⑤【H29年出題】 ×
被保険者の被扶養者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けたときは、「被扶養者」でなく、「被保険者」に対しその指定訪問看護に要した費用について、「訪問看護療養費」ではなく「家族訪問看護療養費」を支給する、となります。
(法第111条)
⑥【H30年出題】
被扶養者が疾病により家族療養費を受けている間に被保険者が死亡した場合、被保険者は死亡によって被保険者の資格を喪失するが、当該資格喪失後も被扶養者に対して家族療養費が支給される。
【解答】
⑥【H30年出題】 ×
「家族療養費」は、「被保険者」に対して支給されます。
そのため、被保険者が死亡し被保険者の資格を喪失すると、家族療養費は支給されません。
(法第110条)
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R7-224 04.09
「休日」とは労働義務のない日のことです。
まず、休日について条文を読んでみましょう。
第35条 (休日) ① 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。 ② 前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。 |
■休日の与え方
<原則>毎週少なくとも1回
<例外>4週間を通じ4日以上の休日
★休日のイメージ
<原則 毎週1回>
1週目 | 2週目 | 3週目 | 4週目 |
休 | 休 | 休 | 休 |
<例外 4週4休>
1週目 | 2週目 | 3週目 | 4週目 |
休休 | 休休 |
|
※就業規則その他これに準ずるものにおいて、4日以上の休日を与えることとする4週間の起算日を明らかにするものとされています。
過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
使用者が、労働者に対して、4週間を通じ4日以上の休日を与え、その4週間の起算日を就業規則その他これに準じるものにおいて明らかにしているときには、当該労働者に、毎週1回の休日を与えなくても、労働基準法第35条違反とはならない。
【解答】
①【H23年出題】 〇
休日は、「毎週1回」与えるのが原則ですが、例外で、「4週間を通じ4日以上」の休日を与えることもできます。
4週4休日の場合は、その4週間の起算日を就業規則その他これに準じるものにおいて明らかにしなければなりません。
(法第35条、則第12条の2)
②【H13年出題】
4週間を通じ4日の休日を与える変形休日制を採用している事業場にあっては、年間のどの4週間を区切っても、その中に4日の休日がなければならない。
【解答】
②【H13年出題】 ×
4週間を通じ4日の休日を与える変形休日制については、特定の4週間に4日の休日があればよいとされています。
どの4週間を区切っても4日の休日が与えられていなければならない趣旨ではありません。
特定の4週間を明確にするため、就業規則等で起算日を明らかにすることとされています。
(昭和23.9.20基発1384号)
③【H29年出題】
労働基準法第35条に定める「一回の休日」は、24時間継続して労働義務から解放するものであれば、起算時点は問わないのが原則である。
【解答】
③【H29年出題】 ×
「休日」とは、単に連続24時間の休業ではありません。
「休日」とは「暦日」を指し、午前0時から午後12時までの休業のことをいいます。
(昭23.4.5基発535号)
④【H21年出題】
①番方編成による交替制によることが就業規則等により定められており、制度として運用されていること、及び②各番方の交替が規則的に定められているものであって、勤務割表等によりその都度設定されるものではないことの要件を満たす8時間3交替制勤務の事業場において、使用者が暦日ではない、継続24時間の休息を与えても、労働基準法第35条の休日を与えたことにはならない。
【解答】
④【H21年出題】 ×
8時間3交替制勤務で、要件に該当する場合は、「継続24時間」の休息を与えれば、暦日でなくても労働基準法第35条の休日を与えたことになります。
(昭63.3.14基発150号)
⑤【H13年出題】
労働基準法上使用者が労働者に与えるべき休日は、午前零時から午後12時までの暦日でなければならず、どのような場合であっても、2暦日にまたがる連続24時間を休日とすることは認められていない。
【解答】
⑤【H13年出題】 ×
④の問題のように、要件に該当する8時間3交替制の場合は、2暦日にまたがる連続24時間を休日とすることが認められています。
⑥【H24年出題】
労働基準法第35条に定める休日は、原則として暦日を意味するものと解されており、例えば、午前8時から翌日の午前8時までの労働と、同じく午前8時から翌日の午前8時までの非番とを繰り返す一昼夜交代勤務の場合に、非番の継続24時間の間労働義務がないとしても、同条の休日を与えたものとは認められない。
【解答】
⑥【H24年出題】 〇
労働日 8:00 | 非番日 8:00 | 労働日 8:00 | 非番日 8:00 | 労働日 8:00 | 非番日 8:00 | 公休日 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
第7日の午前0時から継続した24時間は「休日」となります。
非番の継続24時間の間労働義務がないとしても、休日を与えたものとは認められません。
(昭23.11.9基収2968号)
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R7-223 04.08
「確認」についてみていきます
★被保険者がいつ入社したのか(いつ資格取得したのか)、いつ退職したのか(いつ資格喪失したのか)を厚生労働大臣が確認します。
例えば、4月8日に社員Aが入社した場合、会社は、「資格取得届」を提出します。
↓
厚生労働大臣が、「4月8日にAが資格を取得した」と確認します。
↓
厚生労働大臣の確認によって、資格取得の効力が発生します。
・Aについて、4月分から厚生年金保険料の納付義務が発生します
・保険事故が起きた場合、年金などを受ける権利が発生します
(厚生年金保険の被保険者としての権利と義務が生まれます。)
条文を読んでみましょう。
第18条 (資格の得喪の確認) ① 被保険者の資格の取得及び喪失は、厚生労働大臣の確認によって、その効力を生ずる。 <確認が要らないもの> ・任意単独被保険者の資格の取得と厚生労働大臣の認可による喪失 ・高齢任意加入被保険者の資格の取得と喪失 ※適用事業所の高齢任意加入被保険者→退職・適用除外で喪失の場合は確認が必要 ※適用事業所以外の高齢任意加入被保険者→任意単独被保険者と同じ ・任意適用事業所が適用事業所でなくなったことによる資格喪失 ② 確認の方法 ・事業主による資格取得、喪失の届出 ・第31条第1項の規定による確認の請求 ・職権 ③ 確認については、行政手続法第3章の規定は、適用しない。 ④ 第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者及び第4号厚生年金被保険者の資格の取得及び喪失については、確認の規定は、適用しない。
第31条 (確認の請求) ① 被保険者又は被保険者であった者は、いつでも、第18条第1項の規定による確認を請求することができる。 ② 厚生労働大臣は、請求があった場合において、その請求に係る事実がないと認めるときは、その請求を却下しなければならない。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
第1号厚生年金被保険者の資格の取得及び喪失に係る厚生労働大臣の確認は、事業主による届出又は被保険者若しくは被保険者であった者からの請求により、又は職権で行われる。
【解答】
①【H28年出題】 〇
確認の方法は次の3つです。
・事業主による届出
・被保険者若しくは被保険者であった者からの請求
・職権
②【R4年出題】
適用事業所に使用されている第1号厚生年金被保険者である者は、いつでも、当該被保険者の資格の取得に係る厚生労働大臣の確認を請求することができるが、当該被保険者であった者が適用事業所に使用されなくなった後も同様に確認を請求することができる。
【解答】
②【R4年出題】 〇
被保険者(在職中)又は被保険者であった者(退職後)は、いつでも、確認を請求することができます。
③【H29年出題】
任意適用事業所に使用される被保険者について、その事業所が適用事業所でなくなったことによる被保険者資格の喪失は、厚生労働大臣の確認によってその効力を生ずる。
【解答】
③【H29年出題】 ×
任意適用事業所の適用取消しには厚生労働大臣の認可が必要で、認可があった場合全員が資格を喪失します。そのため、任意適用事業所の適用取消しによる被保険者資格の喪失は、厚生労働大臣の確認は要りません。
④【H29年出題】
適用事業所以外の事業所に使用される任意単独被保険者の被保険者資格の喪失は、厚生労働大臣の確認によってその効力を生ずる。
【解答】
④【H29年出題】 ×
適用事業所以外の事業所に使用される任意単独被保険者が、「厚生労働大臣の認可」によって被保険者資格を喪失する場合は、厚生労働大臣の確認は要りません。
⑤【R4年出題】
適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者の被保険者資格の取得は、厚生労働大臣の確認によってその効力を生ずる。
【解答】
⑤【R4年出題】 ×
適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者は、任意加入の申出が受理された日に資格を取得しますので、厚生労働大臣の確認は不要です。
⑥【H16年出題】※改正による修正あり
適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者の資格の取得については厚生労働大臣の確認を要しない。また、資格喪失の理由が、被保険者が事業所に使用されなくなったときや被保険者が使用される任意適用事業所の事業主が厚生労働大臣の適用取消しの認可を受けたときも確認を要しない。
【解答】
⑥【H16年出題】 ×
適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者の資格喪失の理由が、「被保険者が事業所に使用されなくなったとき」の場合は、厚生労働大臣の確認が必要です。
(令第6条)
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R7-222 04.07
令和7年度の国民年金保険料は17510円です。
17510円は、「17,000円×1.030」で計算します。
17000円、1.030の根拠についてお話ししています。
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R7-221 04.06
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年3月31日から4月5日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・寡婦年金のすべてお話しします(国民年金法)
・雇用保険日雇労働被保険者の要件(雇用保険法)
・特別加入保険料の算定(労働保険徴収法)
・<R7年4月改正>離職理由による給付制限(雇用保険法)
・労働保険徴収法の「督促・滞納処分」、「延滞金」のポイント!
・偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた場合(健康保険法)
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R7-220 04.05
詐欺など不正行為で保険給付を受けた者があるときは、保険者は、その者から不正行為によって受けた分のすべてを徴収することできます。
条文を読んでみましょう。
第58条 (不正利得の徴収等) ① 偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた者があるときは、保険者は、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。 ② ①の場合において、事業主が虚偽の報告若しくは証明をし、又は保険医療機関において診療に従事する保険医若しくは主治の医師が、保険者に提出されるべき診断書に虚偽の記載をしたため、その保険給付が行われたものであるときは、保険者は、当該事業主、保険医又は主治の医師に対し、保険給付を受けた者に連帯して徴収金を納付すべきことを命ずることができる。 ③ 保険者は、保険医療機関若しくは保険薬局又は指定訪問看護事業者が偽りその他不正の行為によって療養の給付に関する費用等の支払を受けたときは、当該保険医療機関若しくは保険薬局又は指定訪問看護事業者に対し、その支払った額につき返還させるほか、その返還させる額に100分の40を乗じて得た額を支払わせることができる。 |
②について
事業主、保険医、主治の医師が不正行為に絡んでいる場合は、保険者は保険給付を受けた者に連帯して徴収金を納付すべきことを命ずることができます。
③について
保険医療機関、保険薬局、指定訪問看護事業者が不正の行為で診療報酬の支払いを受けたときは、その額につき返還させるほか、返還させる額の100分の40を支払わせることができます。
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
偽りその他不正行為によって保険給付を受けた者があるときは、保険者は、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができるが、その場合の「全部又は一部」とは、偽りその他不正行為によって受けた分が保険給付の一部であることが考えられるので、全部又は一部とされたものであって、偽りその他不正行為によって受けた分はすべて徴収することができるという趣旨である。
【解答】
①【H25年出題】 〇
偽りその他不正行為によって保険給付を受けた者があるときは、保険者は、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。
★「全部又は一部」の意味について
↓
偽りその他不正行為によって受けた分が保険給付の一部であることがあるため
↓
偽りその他不正行為によって受けた分はすべて徴収することができるという意味です。
(昭32.9.2保険発123)
②【R6年出題】
保険者は、偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた者があるときは、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。全部又は一部という意味は、情状によって詐欺その他の不正行為により受けた分の一部であるという趣旨である。
【解答】
②【R6年出題】 ×
全部又は一部という意味は、偽りその他不正行為によって受けた分が保険給付の一部であることがあるためです。偽りその他不正行為によって受けた分はすべて徴収することができるという趣旨です。
①の問題と同じです。
③【H29年出題】
保険者は、偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた者があるときは、その者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができるが、事業主が虚偽の報告若しくは証明をし、その保険給付が行われたものであるときであっても、保険者が徴収金を納付すべきことを命ずることができるのは、保険給付を受けた者に対してのみである。
【解答】
③【H29年出題】 ×
事業主が虚偽の報告若しくは証明をし、その保険給付が行われたものであるときは、保険者は、事業主に対しても保険給付を受けた者に連帯して徴収金を納付すべきことを命ずることができます。
④【R3年出題】
保険者は、指定訪問看護事業者が偽りその他不正の行為によって家族訪問看護療養費に関する費用の支払いを受けたときは、当該指定訪問看護事業者に対し、その支払った額につき返還させるほか、その返還させる額に100分の40を乗じて得た額を支払わせることができる。
【解答】
④【R3年出題】 〇
指定訪問看護事業者に対し、その支払った額につき返還させるほか、その返還額に100分の40を乗じて得た額を支払わせることができます。
⑤【H26年出題】
保険者は、指定訪問看護事業者が偽りその他不正の行為によって訪問看護療養費の支払いを受けたときは、当該指定訪問看護事業者に対し、その支払った額についてのみ返還させることができ、その返還額に一定割合を乗じて得た額を支払わせることはできない。
【解答】
⑤【H26年出題】 ×
その支払った額について返還させるほか、その返還額に100分の40を乗じて得た額を支払わせることができます。
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R7-219 04.04
労働保険料を滞納した場合などの扱いについて、条文を読んでみましょう。
第27条 (督促及び滞納処分) ① 労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しない者があるときは、政府は、期限を指定して督促しなければならない。 ② 督促するときは、政府は、納付義務者に対して督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して10日以上経過した日でなければならない。 ③ 督促を受けた者が、その指定の期限までに、労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないときは、政府は、国税滞納処分の例によって、これを処分する。
第28条 (延滞金) ① 政府は、労働保険料の納付を督促したときは、労働保険料の額に、納期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの期間の日数に応じ、年14.6パーセント(当該納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年7.3パーセント)の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。ただし、労働保険料の額が1,000円未満であるときは、延滞金を徴収しない。 ② 労働保険料の額の一部につき納付があつたときは、その納付の日以後の期間に係る延滞金の額の計算の基礎となる労働保険料の額は、その納付のあった労働保険料の額を控除した額とする。 ③ 延滞金の計算において、労働保険料の額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。 ④ 計算した延滞金の額に100円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。 ⑤ 延滞金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、徴収しない。ただし、(4)の場合には、その執行を停止し、又は猶予した期間に対応する部分の金額に限る。 (1) 督促状に指定した期限までに労働保険料その他この法律の規定による徴収金を完納したとき。 (2) 納付義務者の住所又は居所がわからないため、公示送達の方法によって督促したとき。 (3) 延滞金の額が100円未満であるとき。 (4) 労働保険料について滞納処分の執行を停止し、又は猶予したとき。 (5) 労働保険料を納付しないことについてやむを得ない理由があると認められるとき。
法附則第12条 (延滞金の割合の特例) 延滞金の年14.6%の割合及び年7.3%の割合は、当分の間、各年の延滞税特例基準割合が年7.3%の割合に満たない場合には、その年中においては、 年14.6%の割合 → 延滞税特例基準割合+年7.3% 年7.3%の割合 → 延滞税特例基準割合+年1%(当該加算した割合が7.3%の割合を超える場合には、年7.3%の割合) とされます。 |
下の図でイメージしましょう。
では、過去問をどうぞ!
①【R5年出題】(雇用)
不動産業を継続して営んできた事業主が令和5年7月10日までに確定保険料申告書を提出しなかった場合、所轄都道府県労働局歳入徴収官が労働保険料の額を決定し、これを当該事業主に通知するとともに労働保険徴収法第27条に基づく督促が行われる。
【解答】
①【R5年出題】(雇用) ×
概算保険料・確定保険料について所定の期限までに申告しなかった場合は、政府が認定決定をし、事業主に通知します。その場合、督促が行われるのは、「通知があってもなお、法定納期限(通知を受けた日から15日以内)までに納付しないときに限られます。
(法第27条)
②【R1年出題】(雇用)
労働保険徴収法第27条第3項に定める「労働保険料その他この法律の規定による徴収金」には、法定納期限までに納付すべき概算保険料、法定納期限までに納付すべき確定保険料及びその確定不足額等のほか、追徴金や認定決定に係る確定保険料及び確定不足額も含まれる。
【解答】
②【R1年出題】(雇用) 〇
督促・滞納処分の対象になる「労働保険料その他この法律の規定による徴収金」については、「労働保険料」だけではありません。
労働保険料ではない「追徴金」も督促・滞納処分の対象になっていることに注意してください。
(昭55.6.5発労徴40号)
③【H29年出題】(雇用)
事業主が労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金を法定納期限までに納付せず督促状が発せられた場合でも、当該事業主が督促状に指定された期限までに当該徴収金を完納したときは、延滞金は徴収されない。
【解答】
③【H29年出題】(雇用) 〇
督促状が発せられた場合でも、事業主が督促状に指定された期限までに完納したときは、延滞金は徴収されません。
④【R1年出題】(雇用)
政府は、労働保険料の督促をしたときは、労働保険料の額につき年14.6%の割合で、督促状で指定した期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの期間の日数により計算した延滞金を徴収する。
【解答】
④【R1年出題】(雇用) ×
延滞金の期間の日数は、「督促状で指定した期限の翌日」ではなく「納期限の翌日」からその完納又は財産差押えの日の前日までです。
ちなみに、延滞金の割合は、「年14.6%(当該納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年7.3%)です。
⑤【R1年出題】(雇用)
延滞金は、労働保険料の額が1,000円未満であるとき又は延滞金の額が100円未満であるときは、徴収されない。
【解答】
⑤【R1年出題】(雇用) 〇
労働保険料の額が1,000円未満であるとき・延滞金の額が100円未満であるときは、延滞金は徴収されません。
⑥【H26年出題】(雇用)
所轄都道府県労働局歳入徴収官は、追徴金を納期限までに納付しない事業主に対し、期限を指定して当該追徴金の納付を督促するが、当該事業主は、その指定した期限までに納付しない場合には、未納の追徴金の額につき、所定の割合に応じて計算した延滞金を納付しなければならない。
【解答】
⑥【H26年出題】(雇用) ×
・督促、滞納処分は、「労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しない」場合に行われます。
・延滞金は、「労働保険料の納付を督促したとき」に徴収されます。
延滞金の対象になるのは「労働保険料」のみです。
追徴金は労働保険料ではありませんので、延滞金の対象になりません。
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R7-218 04.03
まず、離職理由による給付制限を下の図でイメージしましょう。
離職理由によっては、待期期間満了後1~3か月間は基本手当が支給されません。
令和7年4月以降、教育訓練等を受けた場合は、給付制限が解除されることになりました。※正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合に限られます。
条文を読んでみましょう。
第33条第1項 被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合には、待期期間の満了後1箇月以上3箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。 ただし、次に掲げる受給資格者については、この限りでない。 (1) 公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける受給資格者(次号に該当する者を除く。) (2) 第60条の2第1項に規定する教育訓練その他の厚生労働省令で定める訓練を基準日前1年以内に受けたことがある受給資格者(正当な理由がなく自己の都合によって退職した者に限る。次号において同じ。) (3) 前号に規定する訓練を基準日以後に受ける受給資格者
※ (1)に掲げる者にあっては公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける期間及び当該公共職業訓練等を受け終わった日後の期間に限る (3)に掲げる者にあっては(2)に規定する訓練を受ける期間及び当該訓練を受け終わった日後の期間に限る。 |
法第60条の2第1項に規定する教育訓練その他の厚生労働省令で定める訓練は以下のとおりです。
(イ)教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練
(ロ) 公共職業訓練等
(ハ) 短期訓練受講費の支給対象となる教育訓練
(ニ) 被保険者又は被保険者であった者が自発的に受講する訓練であって、その訓練の内容に照らして雇用の安定及び就職の促進に資するものとして職業安定局長が定めるもの
(行政手引52205-2)
★ 自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合の給付制限期間は、原則3か月です。
★ 正当な理由なく自己の都合により退職した場合の給付制限期間は、原則1 か月です。
ただし、当該退職した日が令和 7年3月31日以前である場合の給付制限期間は、
2か月です。
また、当該退職した日から遡って5年間のうちに 2回以上、正当な理由なく自己の都合により退職し求職申込みをした者については、当該退職にかかる給付制限期間は 3か月となります。
(行政手引52205-1)
改正のポイント!
・離職日前1年以内に教育訓練等を受けたことがある場合
→ 待期満了後から給付制限が解除され、基本手当が支給されます。(全ての期間について、給付制限が解除されます。)
・離職日以後に教育訓練を受ける場合
→ 受講開始日以降は給付制限が行われませんので、基本手当が支給されます。
★対象になるのは、「正当な理由なく自己の都合により退職した場合」のみです。
「自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇」の場合は、対象外です。
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合であっても、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練の受講開始日以後は、他の要件を満たす限り基本手当が支給される。
【解答】
①【H26年出題】 〇
「公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等」の受講開始日以後は、給付制限が解除されます。こちらについては、被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合でも適用されます。
(法第33条第1項第1号)
②【H28年出題】
自己の責に帰すべき重大な理由によって解雇された場合は、待期の満了の日の翌日から起算して1か月以上3か月以内の間、基本手当は支給されないが、この間についても失業の認定を行わなければならない。
【解答】
②【H28年出題】 ×
自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合、又は正当な理由がなく自己の都合により退職した場合は、待期の満了の日の翌日から起算して 1か月以上 3か月以内の間は、基本手当は支給されません。そのため、この間については、「失業の認定を行う必要はない。」とされています。
(行政手引52205-1)
③【H29年出題】
従業員として当然守らなければならない事業所の機密を漏らしたことによって解雇された場合、自己の責に帰すべき重大な理由による解雇として給付制限を受ける。
【解答】
③【H29年出題】 〇
「従業員として当然守らなければならない事業所の機密を漏らしたことによる解雇」は、「自己の責に帰すべき重大な理由による解雇」となり、給付制限の対象になります。
(行政手引52202)
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R7-217 04.02
特別加入保険料の計算方法を確認しましょう。
・第1種特別加入保険料の額 「特別加入保険料算定基礎額の総額」×第1種特別加入保険料率 ・第2種特別加入保険料の額 「特別加入保険料算定基礎額の総額」×第2種特別加入保険料率 ・第3種特別加入保険料の額 「特別加入保険料算定基礎額の総額」×第3種特別加入保険料率 |
「特別加入保険料算定基礎額」は、原則として、「給付基礎日額×365」で計算します。
一般の労働者でいうと、個々の労働者の1年間の賃金の額です。
では、過去問をどうぞ!
①【R2年出題】(労災)
第1種特別加入保険料率は、中小事業主等が行う事業に係る労災保険率と同一の率から、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去3年間の二次健康診断等給付に要した費用の額を考慮して厚生労働大臣の定める率を減じた率である。
【解答】
①【R2年出題】(労災) 〇
特別加入者には、二次健康診断等給付が適用されませんので、第1種特別加入保険料率は、「過去3年間の二次健康診断等給付に要した費用の額を考慮して厚生労働大臣の定める率」を減じた率となります。
ただし、「厚生労働大臣の定める率」は、「零」ですので、第1種特別加入保険料率は、中小事業主等が行う事業の労災保険率と同一の率となります。
(法第13条)
②【R2年出題】(労災)
第2種特別加入保険料率は、事業又は作業の種類にかかわらず、労働保険徴収法施行規則によって同一の率に定められている。
【解答】
②【R2年出題】(労災) ×
第2種特別加入保険料率は、事業又は作業の種類によって、1000分の3から1000分の52の範囲で、それぞれ定められています。同一の率ではありません。
(則第23条、則別表5)
③【H26年出題】(労災)※改正による修正あり
第3種特別加入保険料率は、海外派遣者が海外において従事している事業と同種又は類似の日本国内で行われている事業についての業務災害、複数業務要因災害及び通勤災害に係る災害率、社会復帰促進等事業として行う事業の種類及び内容その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定めるとされ、令和7年度の厚生労働大臣の定める率は、事業の種類にかかわらず一律に1000分の5とされている。
【解答】
③【H26年出題】(労災) ×
第3種特別加入保険料率は、事業の種類にかかわらず一律に「1000分の3」です。
(法第14条の2、則第23条の3)
④【R2年出題】(労災)
継続事業の場合で、保険年度の中途に第1種特別加入者でなくなった者の特別加入保険料算定基礎額は、特別加入保険料算定基礎額を12で除して得た額に、その者が当該保険年度中に第1種特別加入者とされた期間の月数を乗じて得た額とする。当該月数に1月未満の端数があるときはその月数を切り捨てる。
【解答】
④【R2年出題】(労災) ×
当該月数に1月未満の端数があるときは「その月数を切り捨てる」ではなく、「これを1月とする。」となります。
★ 「継続事業」で、保険年度の中途に特別加入者となった者又は特別加入者でなくなった者の特別加入保険料算定基礎額」について
「特別加入保険料算定基礎額(給付基礎日額×365)÷12」×「特別加入者とされた期間の月数」で計算します。
「特別加入者とされた期間の月数」に1月未満の端数があるときは、1月とします。
・保険年度の中途に新たに特別加入者となった者
→ 特別加入申請の承認日の属する月を「1月」と算定します
・保険年度の中途に特別加入者に該当しなくなった者
→ 特別加入者たる地位の消滅日の前日の属する月を「1月」と算定します
★例えば、特別加入の承認が6月30日、消滅日が翌年2月18日の場合
6月と翌年2月は「1月」で算定しますので、特別加入者とされた期間の月数は9か月となります。
(則第21条第1項、H7.3.30労徴発28号)
⑤【R5年出題】(労災)
有期事業について、中小事業主等が労災保険法第34条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者が概算保険料として納付すべき第1種特別加入保険料の額は、同項の承認に係る全期間における特別加入保険料算定基礎額の総額の見込額に当該事業についての第1種特別加入保険料率を乗じて算定した額とされる。
【解答】
⑤【R5年出題】 〇
「有期事業」の場合
「特別加入保険料算定基礎額(給付基礎日額×365)÷12」×「特別加入者とされた期間の月数」で計算します。
端数処理は、継続事業と異なるので注意してください。
有期事業についての特別加入期間のすべてで端数処理をします。
例えば、有期事業の全期間が「12か月11日」の場合は、端数の11日を1月で算定し、13か月となります。
(則第21条第2項、H7.3.30労徴発28号)
⑥【R5年出題】(労災)
中小事業主等が行う事業に係る労災保険率が1,000分の4であり、当該中小事業主等が労災保険法第34条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者に係る給付基礎日額が12,000円のとき、令和5年度の保険年度1年間における第1種特別加入保険料の額は17,520円となる。
【解答】
⑥【R5年出題】(労災) 〇
第1種特別加入保険料は、「12,000円×365」×1,000分の4=17,520円です。
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R7-216 04.01
まず、「日雇労働者」の定義を条文で読んでみましょう。
第42条 日雇労働者とは、次の各号のいずれかに該当する労働者(前2月の各月において18日以上同一の事業主の適用事業に雇用された者及び同一の事業主の適用事業に継続して 31日以上雇用された者(日雇労働被保険者資格継続の認可を受けた者を除く。)を除く。)をいう。 (1) 日々雇用される者 (2) 30日以内の期間を定めて雇用される者 |
★「日雇労働者」とは、
・日々雇用される者
・30日以内の期間を定めて雇用される者
のことをいいます。
★ただし、以下に当てはまる場合は、日雇労働者となりません。
・連続する前2暦月の各月において18日以上同一事業主の適用事業に雇用されたとき
・同一の事業主の適用事業に継続して 31 日以上雇用されたとき
→ 日雇労働被保険者資格継続の認可を受けた場合は、引き続き日雇労働被保険者として取り扱われます。
(参考:行政手引90001)
次に「日雇労働被保険者」について条文を読んでみましょう。
法第43条第1項、第2項 ① 被保険者である日雇労働者であって、次の各号のいずれかに該当するもの(以下「日雇労働被保険者」という。)が失業した場合には、日雇労働求職者給付金を支給する。 (1) 適用区域に居住し、適用事業に雇用される者 (2) 適用区域外の地域に居住し、適用区域内にある適用事業に雇用される者 (3) 適用区域外の地域に居住し、適用区域外の地域にある適用事業であって、日雇労働の労働市場の状況その他の事情に基づいて厚生労働大臣が指定したものに雇用される者 (4) (1)から(3)に掲げる者のほか、厚生労働省令で定めるところにより公共職業安定所長の認可を受けた者 ② 日雇労働被保険者が前2月の各月において18日以上同一の事業主の適用事業に雇用された場合又は同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用された場合において、厚生労働省令で定めるところにより公共職業安定所長の認可を受けたときは、その者は、引き続き、日雇労働被保険者となることができる。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H25年選択式】
雇用保険法第42条は、同法第3章4節において< A >とは、< B >又は < C >以内の期間を定めて雇用される者のいずれかに該当する労働者(前2月の各月において< D >以上同一の事業主の適用事業に雇用された者及び同一の事業主の適用事業に継続して< E >以上雇用された者(雇用保険法第43条第2項の認可を受けた者を除く。)を除く。)をいう旨を規定している。
【解答】
①【H25年選択式】
<A> 日雇労働者
<B> 日々雇用される者
<C> 30日
<D> 18日
<E> 31日
②【H29年選択式】
雇用保険法第43条第2項は、「日雇労働被保険者が前< A >の各月において < B >以上同一の事業主の適用事業に雇用された場合又は同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用された場合において、厚生労働省令で定めるところにより公共職業安定所長の認可を受けたときは、その者は、引き続き、日雇労働被保険者となることができる。」と規定している。
【解答】
②【H29年選択式】
<A> 2月
<B> 18日
③【H22年出題】
1週間の所定労働時間が20時間未満であっても、雇用保険法を適用することとした場合において日雇労働被保険者に該当することとなる者については、同法の適用対象となる。
【解答】
③【H22年出題】 〇
1週間の所定労働時間が20時間未満でも、日雇労働被保険者に該当する者については、雇用保険が適用されます。
第6条第1号で、「1週間の所定労働時間が20時間未満である者については、雇用保険法は適用しない」と規定されています。
(ただし、例外があります)
・第37条の5第1項の規定による申出をして高年齢被保険者となる者
・雇用保険法を適用することとした場合において第43条第1項に規定する日雇労働被保険者に該当することとなる者
は、被保険者となります。
④【H29年出題】
日雇労働被保険者に関しては、被保険者資格の確認の制度が適用されない。
【解答】
④【H29年出題】 〇
日雇労働被保険者には、確認の制度が適用されません。
(法第43条第4項)
⑤【H24年出題】
日雇労働被保険者(日雇労働被保険者の任意加入の認可を受けた者は除く。)は、法令で定める適用事業に雇用されるに至った日から起算して5日以内に、日雇労働被保険者資格取得届(様式第25号)に必要に応じ所定の書類を添えて、管轄公共職業安定所の長に提出しなければならない。
【解答】
⑤【H24年出題】 〇
ポイントをおさえましょう。
・日雇労働被保険者は、適用事業に雇用されるに至った日から起算して5日以内に、日雇労働被保険者資格取得届を、管轄公共職業安定所の長に提出しなければなりません。
※管轄公共職業安定所とは、「その者の住所又は居所を管轄」する公共職業安定所です。
(則第71条第1項)
⑥【H20年出題】
日雇労働被保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所において、雇用保険被保険者証及び日雇労働被保険者手帳の交付を受けなければならない。
【解答】
⑥【H20年出題】 ×
日雇労働被保険者が交付を受けなければならないのは、「日雇労働被保険者手帳」です。「雇用保険被保険者証」は交付されません。
条文を読んでみましょう。
則第73条第1項 管轄公共職業安定所の長は、日雇労働被保険者資格取得届の提出を受けたとき又は日雇労働被保険者任意加入申請書に基づき認可をしたときは、当該日雇労働被保険者資格取得届を提出した者又は当該認可に係る者に、「日雇労働被保険者手帳」を交付しなければならない。 |
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R7-215 03.31
寡婦年金は、夫が死亡した場合、妻に支給される年金です。
死亡した夫の要件と
受給できる妻の要件をおさえましょう。
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R7-214 03.30
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年3月24日から29日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・遺族基礎年金の額についてお話しします(国民年金法)
・健康保険の被扶養者の範囲と要件(健康保険法)
・健康保険と労災保険の保険給付の調整(健康保険法)
・療養の給付を受ける場合の一部負担金(健康保険法)
・障害基礎年金と障害厚生年金の額の計算(国年・厚年)
・特定受給資格者の定義と範囲(雇用保険法)
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R7-213 03.29
特定受給資格者は(1)「倒産」等により離職した者、(2)「解雇」等により離職した者の2つに分けられます。
「特定受給資格者」について条文を読んでみましょう。
法第23条第2項 特定受給資格者とは、次の各号のいずれかに該当する受給資格者(就職困難者を除く。)をいう。 (1) 当該基本手当の受給資格に係る離職が、その者を雇用していた事業主の事業について発生した倒産(破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立てその他厚生労働省令で定める事由に該当する事態をいう。)又は当該事業主の適用事業の縮小若しくは廃止に伴うものである者として厚生労働省令で定めるもの (2) 前号に定めるもののほか、解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く。)その他の厚生労働省令で定める理由により離職した者 |
過去問を解きながら範囲をみていきましょう。
①【R3年出題】
事業の期間が予定されている事業において当該期間が終了したことにより事業所が廃止されたため離職した者は、特定受給資格者に該当する。
【解答】
①【R3年出題】 ×
「事業所の廃止」に伴い離職した者は特定受給資格者となりますが、「事業の廃止」には、当該事業所の事業活動が停止し、再開する見込みがない場合を含みますが、「事業の期間が予定されている事業において当該期間が終了したことによるもの」は除かれます。
そのため、問題文は誤りです。
(則第35条第3号、行政手引50305)
②【H30年出題】
次の記述のうち、特定受給資格者に該当している者として誤っているものはどれか。
<A> 出産後に事業主の法令違反により就業させられたことを理由として離職した者。
<B> 事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行っていないことを理由として離職した者。
<C> 離職の日の属する月の前6月のいずれかの月において1月当たり80時間を超える時間外労働をさせられたことを理由として離職した者。
<D> 事業所において、当該事業主に雇用される被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇い労働被保険者を除く。)の数を3で除して得た数を超える被保険者が離職したため離職した者
<E> 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合において、当該労働契約が更新されないこととなったことを理由として離職した者。
【解答】
②【H30年出題】 <C>
<A> 〇
「事業主が法令に違反し、妊娠中若しくは出産後の労働者又は子の養育若しくは家族の介護を行う労働者を就業させ、若しくはそれらの者の雇用の継続等を図るための制度の利用を不当に制限したこと又は妊娠したこと、出産したこと若しくはそれらの制度の利用の申出をし、若しくは利用をしたこと等を理由として不利益な取扱いをしたこと」を理由として離職した者は特定受給資格者に該当します。
(則第36条第5号ホ)
<B> 〇
「事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行っていないこと。」を理由として離職した者は特定受給資格者に該当します。
(則第36条第6号)
<C> ×
以下に当てはまる場合は特定受給資格者に該当します。
・ 離職の日の属する月の前6月のうちいずれかの月において1月当たり100時間以上、時間外労働及び休日労働が行われたことを理由として離職した者。
・ 離職の日の属する月の前6月のうちいずれか連続した2か月以上の期間の時間外労働時間及び休日労働時間を平均し1月当たり80時間を超えて、時間外労働及び休日労働が行われたことを理由として離職した者。
問題文の「離職の日の属する月の前6月のいずれかの月において1月当たり80時間を超える時間外労働」については、要件に該当しません。
(則第36条第5号ロ、ハ)
<D> 〇
「事業規模若しくは事業活動の縮小又は事業の転換等に伴い、当該事業主に雇用される被保険者の数を3で除して得た数を超える被保険者が離職したため離職した場合」は特定受給資格者に該当します。
(則第35条第2号、行政手引50305)
<E> 〇
以下の場合は、特定受給資格者に該当します。
・ 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないこととなったこと。
・ 期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなったこと。
(則第36条第7号、7号の2)
③【R3年出題】
常時介護を必要とする親族と同居する労働者が、概ね往復5時間以上を要する遠隔地に転勤を命じられたことにより離職した場合、当該転勤は労働者にとって通常甘受すべき不利益であるから、特定受給資格者に該当しない。
【解答】
③【R3年出題】 ×
「事業主が労働者の配置転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行っていないこと」を理由に離職した場合は特定受給資格者に該当します。
家族的事情(常時本人の介護を必要とする親族の疾病、負傷等の事情がある場合)を抱える労働者が、遠隔地(通勤するために、概ね往復4時間以上要する場合)に転勤を命じられた場合等は、これに該当します。
問題文の「常時介護を必要とする親族と同居する労働者が、概ね往復5時間以上を要する遠隔地に転勤を命じられたことにより離職」した場合は、特定受給資格者に該当します。(則第36条第6号、行政手引50305)
④【H26年出題】
事業主が健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったことで健康障害の生ずるおそれがあるとして離職した者は、当該離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あれば、他の要件を満たす限り、基本手当を受給することができる。
【解答】
④【H26年出題】 〇
「事業主が危険又は健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険又は健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったこと」により離職した者は、「特定受給資格者」に該当します。
そのため、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あれば、他の要件を満たす限り、基本手当を受給することができます。
(則第36条第5号ニ)
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R7-212 03.28
障害基礎年金は1級と2級、障害厚生年金は1級、2級、3級があります。
国民年金法の条文を読んでみましょう。
国民年金法第33条 ① 障害基礎年金の額は、780,900円に改定率を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)とする。 ② 障害の程度が障害等級の1級に該当する者に支給する障害基礎年金の額は、①に定める額の100分の125に相当する額とする。 |
(障害基礎年金の額)
1級 → 2級の額×100分の125
2級 → 78万900円×改定率
次に厚生年金保険法の条文を読んでみましょう。
厚生年金保険法第50条 ① 障害厚生年金の額は、老齢厚生年金の額の例により計算した額とする。この場合において、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないときは、これを300とする。 ② 障害の程度が障害等級の1級に該当する者に支給する障害厚生年金の額は、①に定める額の100分の125に相当する額とする。 ③ 障害厚生年金の給付事由となった障害について国民年金法による障害基礎年金を受けることができない場合において、障害厚生年金の額が国民年金法に規定する障害基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)に満たないときは、当該額を障害厚生年金の額とする。
第51条 障害厚生年金の額については、当該障害厚生年金の支給事由となった障害に係る障害認定日の属する月後における被保険者であった期間は、その計算の基礎としない。 |
第50条③について
・障害基礎年金が支給されない障害厚生年金には最低保障額が設けられています。
最低保障額は、障害基礎年金の額(2級)×4分の3です。
※最低保障額が適用されるのは
・障害等級3級の場合(障害基礎年金が支給されないので)
・老齢年金の受給権を有する65歳以上の者が、厚生年金保険加入中に障害になった場合
(老齢年金の受給権を有する65歳以上の厚生年金保険の被保険者は、国民年金第2号被保険者にならないので、1・2級でも障害基礎年金が支給されないからです。)
では、過去問をどうぞ!
<国民年金法>
①【国年R3年出題】
障害等級1級の障害基礎年金の額(子の加算はないものとする。)は、障害等級2級の障害基礎年金の額を1.25倍した976,125円に端数処理を行った、976,100円となる。
(注)令和3年度の給付額です。
【解答】
①【国年R3年出題】 ×
・ 障害等級2級の額は、780,900円×改定率で、端数処理は、50円未満切り捨て、50円以上100円未満は100円に切り上げます。
・ 障害等級1級の障害基礎年金の額は、2級の障害基礎年金×1.25となりますが、端数処理は、原則の方法となり50銭未満切り捨て、50銭以上1円未満は1円に切り上げます。
そのため、1級の額は780,900円×1.25=976,125円となります。(ちなみに令和3年度は1円未満の端数が出ませんでした)
<厚生年金保険法>
①【厚年R4年出題】
障害等級2級の障害厚生年金の額は、老齢厚生年金の例により計算した額となるが、被保険者期間については、障害認定日の属する月の前月までの被保険者期間を基礎とし、計算の基礎となる月数が300に満たないときは、これを300とする。
【解答】
①【厚年R4年出題】 ×
2級の障害厚生年金の額は、老齢厚生年金と同じように計算します。
・被保険者期間は、障害認定日の属する月の「前月」ではなく、「障害認定日の属する月」までの被保険者期間を基礎とします。
例えば、令和7年3月1日が障害認定日だとすると、計算に入るのは令和7年3月までの被保険者期間です。
・計算の基礎となる月数が300に満たないときは、300で計算します。
②【厚年R1年出題】
障害等級1級に該当する者に支給する障害厚生年金の額は、老齢厚生年金の額の計算の例により計算した額(当該障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないときは、これを300とする。)の100分の125に相当する額とする。
【解答】
②【厚年R1年出題】 〇
障害等級1級の場合は、老齢厚生年金の額の計算の例により計算した額(被保険者期間の月数が300未満のときは、300とする。)の100分の125です。
③【厚年R2年出題】
障害等級3級の障害厚生年金には、配偶者についての加給年金額は加算されないが、最低保障額として障害等級2級の障害基礎年金の年金額の3分の2に相当する額が保障されている。
【解答】
③【厚年R2年出題】 ×
最低保障額は、障害等級2級の障害基礎年金の年金額の「4分の3」に相当する額です。
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R7-211 03.27
療養の給付を受ける場合は一部負担金を支払わなければなりません。
条文を読んでみましょう。
第74条第1項 保険医療機関又は保険薬局から療養の給付を受ける者は、その給付を受ける際、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、療養の給付に要する費用の額に、当該各号に定める割合を乗じて得た額を、一部負担金として、当該保険医療機関又は保険薬局に支払わなければならない。 (1) 70歳に達する日の属する月以前である場合→ 100分の30 (2) 70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合(次号に掲げる場合を除く。) → 100分の20 (3) 70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合であって、政令で定めるところにより算定した報酬の額が政令で定める額以上であるとき(現役並み所得者) → 100分の30
令第34条第1項 (一部負担金の割合が100分の30となる場合) 法第74条第1項第3号の政令で定めるところにより算定した報酬の額は療養の給付を受ける月の標準報酬月額とし、同号の政令で定める額は28万円とする。 |
(70歳未満の場合)
療養に要する費用の額(100万円) | |||||
一部負担金
|
療養の給付 | ||||
30万円 |
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では、過去問をどうぞ!
①【R2年選択式】
保険医療機関又は保険薬局から療養の給付を受ける者が負担する一部負担金の割合については、70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合であって、療養の給付を受ける月の< A >以上であるときは、原則として、療養の給付に要する費用の額の100分の30である。
<選択肢>
① 前月の標準報酬月額が28万円
② 前月の標準報酬月額が34万円
③ 標準報酬月額が28万円
④ 標準報酬月額が34万円
【解答】
<A> ③ 標準報酬月額が28万円
②【H27年選択式】
平成26年4月1日以降に70歳に達した被保険者が療養の給付を受けた場合の一部負担金の割合は、< A >から療養の給付に要する費用の額の2割又は3割となる。
例えば、標準報酬月額が28万円以上である70歳の被保険者(昭和19年9月1日生まれ)が平成27年4月1日に療養の給付を受けるとき、当該被保険者の被扶養者が67歳の妻のみである場合、厚生労働省令で定める収入の額について< B >であれば、保険者に申請することにより、一部負担金の割合は2割となる。なお、過去5年間に当該被保険者の被扶養者となった者は妻のみである。
本問において、災害その他の特別の事情による一部負担金の徴収猶予又は減免の措置について考慮する必要はない。
<選択肢>
① 70歳に達する日 ② 70歳に達する日の属する月
③ 70歳に達する日の属する月の翌月 ④ 70歳に達する日の翌日
⑤ 被保険者と被扶養者の収入を合わせて算定し、その額が383万円未満
⑥ 被保険者と被扶養者の収入を合わせて算定し、その額が520万円未満
⑦ 被保険者のみの収入により算定し、その額が383万円未満
⑧ 被保険者のみの収入により算定し、その額が520万円未満
【解答】
<A> ③ 70歳に達する日の属する月の翌月
<B> ⑦ 被保険者のみの収入により算定し、その額が383万円未満
<B>について条文を読んでみましょう。
令第34条 (一部負担金の割合が100分の30となる場合) ① 法第74条第1項第3号の政令で定めるところにより算定した報酬の額は療養の給付を受ける月の標準報酬月額とし、同号の政令で定める額は28万円とする。 ② 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する者については、適用しない。 (1) 被保険者及びその被扶養者(70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する者に限る。)について厚生労働省令で定めるところにより算定した収入の額が520万円(当該被扶養者がいない者にあっては、383万円)に満たない者 (2) 被保険者(その被扶養者(70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する者に限る。)がいない者であってその被扶養者であった者(後期高齢者医療の被保険者等に該当するに至ったため被扶養者でなくなった者であって、該当するに至った日の属する月以後5年を経過する月までの間に限り、同日以後継続して後期高齢者医療の被保険者等に該当するものをいう。)がいるものに限る。)及びその被扶養者であった者について前号の厚生労働省令で定めるところにより算定した収入の額が 520万円に満たない者 |
★なお、令第34条第2項の規定の適用を受けようとする場合は、申請が必要です。
被保険者が70歳以上の場合
■療養の給付を受ける月の標準報酬月額が28万円以上(現役並み所得者)の場合は、一部負担金の割合は「100分の30」です。
ただし、以下の場合は、申請によって「100分の20」となります。
(1)
・ 被保険者と70歳以上の被扶養者を合算した収入が520万円未満
・ 70歳以上の被扶養者がいない場合は、被保険者のみの収入が383万円未満
(2)
・ 被扶養者が後期高齢者医療の被保険者になったため被扶養者でなくなり、70歳以上の被扶養者がいなくなった場合は、その被扶養者であった者の収入を合算して520万円未満
★問題文について
標準報酬月額が28万円以上である70歳の被保険者は、一部負担金の割合は3割です。
ただし、「被保険者のみの収入の額が383万円未満」の場合は、保険者に申請することにより、一部負担金の割合は2割となります。
なお、収入を合算できるのは70歳以上の被扶養者のみです。問題では、被扶養者が67歳の妻のみですので、被扶養者の収入は合算できません。
③【H24年出題】
70歳以上で標準報酬月額が28万円以上の被保険者が、70歳以上の被扶養者の分もあわせて年収が520万円未満の場合、療養の給付に係る一部負担金は申請により2割負担となる。
【解答】
③【H24年出題】 〇
70歳以上・標準報酬月額28万円以上の被保険者が、70歳以上の被扶養者の分もあわせて年収が520万円未満の場合、一部負担金は申請により2割負担となります。
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R7-210 03.26
健康保険と労災保険との調整について条文を読んでみましょう。
法第55条第1項 被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、傷病手当金、埋葬料、家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費若しくは家族埋葬料の支給は、同一の疾病、負傷又は死亡について、労働者災害補償保険法、国家公務員災害補償法又は地方公務員災害補償法若しくは同法に基づく条例の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わない。 |
例えば、労災保険で通勤災害の保険給付を受けることができる場合は、健康保険の保険給付は行われません。
過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
被保険者が通勤途上の事故で死亡したとき、その死亡について労災保険法に基づく給付が行われる場合であっても、埋葬料は支給される。
【解答】
①【H30年出題】 ×
通勤災害については労災保険からの給付が優先されます。
被保険者が通勤途上の事故で死亡し、その死亡について労災保険法の給付が行われる場合は、健康保険の埋葬料は支給されません。
②【H26年出題】
健康保険の被保険者が通勤途上負傷し、労災保険の保険給付を受けることができるときは、その負傷について健康保険からの保険給付は行われず、その者が勤務する事業所が労災保険の任意適用事業所で労災保険に未加入であった場合にも、同様に健康保険からの保険給付は行われない。
【解答】
②【H26年出題】 ×
「労災保険の任意適用事業所に使用される被保険者に係る通勤災害については、それが、労災保険の保険関係の成立の日前に発生したものであるときは、健康保険で給付する」とされています。
ただし、事業主の申請により、保険関係成立の日から労災保険の通勤災害の給付が行われる場合は、健康保険の給付は行われません。
(昭48.12.1保険発105・庁保発24)
③【H28年出題】
被保険者が副業として行う請負業務中に負傷した場合等、労働者災害補償保険の給付を受けることのできない業務上の傷病等については、原則として健康保険の給付が行われる。
【解答】
③【H28年出題】 〇
被保険者が副業として行う請負業務中に負傷した場合や、被扶養者が請負業務やインターンシップ中に負傷した場合など労災保険の給付が受けられない場合には、原則として健康保険の給付が行われます。
(H25.8.14事務連絡)
④【R4年出題】
被保険者又は被扶養者の業務災害(労災保険法第7条第1項第1号に規定する、労働者の業務上の負傷、疾病等をいう。)については健康保険法に基づく保険給付の対象外であり、労災保険法に規定する業務災害に係る請求が行われている場合には、健康保険の保険給付の申請はできない。
【解答】
④【R4年出題】 ×
「健康保険は、業務外の疾病や負傷等に対して保険給付を行い、労災保険は、業務上の疾病や負傷等に対し保険給付を行います。その条件に当てはまるかどうかは、それぞれの保険者が自らの判断により行うものであるため、労災保険の認定が確定していないことを理由に、健康保険の保険給付の申請を受理しないことは認められないことになります。」
「労災保険給付の請求が行われている場合であっても、健康保険の被保険者は、健康保険の保険者に保険給付の申請を行うことが可能です。」
とされていますので、問題文の場合は、労災保険法に規定する業務災害に係る請求が行われている場合でも、健康保険の保険給付の申請は可能です。
(平成24.6.20事務連絡)
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R7-209 03.25
健康保険法の「被扶養者」となる範囲と要件をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
法第3条第7項 「被扶養者」とは、次に掲げる者で、日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるものをいう。 ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者は、この限りでない。 (1) 被保険者の直系尊属、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、子、孫及び兄弟姉妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの (2) 被保険者の3親等内の親族で前号に掲げる者以外のものであって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの (3) 被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの (4) 前号の配偶者の死亡後におけるその父母及び子であって、引き続きその被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの |
ポイント!
被扶養者の要件を整理しましょう。
① | ・直系尊属 ・配偶者(事実婚を含む。) ・子 ・孫 ・兄弟姉妹 | 主として被保険者により生計を維持するもの (別居でも可) |
② | ・3親等内の親族(①以外) ・事実婚の配偶者の父母及び子 ・事実婚の配偶者の死亡後の父母及び子 | 被保険者と同一の世帯に属している + 主として被保険者により生計を維持するもの |
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】 ※改正による修正あり
被保険者の配偶者の63歳の母が、遺族厚生年金を150万円受給しており、それ以外の収入が一切ない場合、被保険者がその額を超える仕送りをしていれば、被保険者と別居していたとしても被保険者の被扶養者に該当する。なお、当該63歳の母は、日本国内に住所を有しているものとする。
【解答】
①【H30年出題】 ×
「被保険者の配偶者の母」が被扶養者となるには、「被保険者と同一世帯」+「生計維持」の要件を満たさなければなりません。
「被保険者と別居」している場合は、被扶養者になりません。
②【R1年出題】 ※改正による修正あり
被扶養者としての届出に係る者(以下「認定対象者」という。)が被保険者と同一世帯に属している場合、当該認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入を上回らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当する。なお、認定対象者は、日本国内に住所を有しているものとする。
【解答】
②【R1年出題】 〇
「被扶養者としての届出に係る者が被保険者と同一世帯に属している」場合の認定基準を確認しましょう。
① 認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上又は障害者である場合は180万円未満)で、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は、原則として被扶養者に該当する ② ①の条件に該当しない場合でも、当該認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上又は障害者である場合は180万円未満)で、かつ、被保険者の年間収入を上廻らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当するものとして差し支えない (S52.4.6保発第9号・庁保発第9号) |
③【H26年出題】※改正による修正あり
被保険者と同一世帯に属しておらず、年間収入が150万円である被保険者の父(65歳)が、被保険者から援助を受けている場合、原則としてその援助の額にかかわらず、その他の要件を満たす限り、被扶養者に該当する。なお、当該父は、日本国内に住所を有しているものとする。
【解答】
③【H26年出題】 ×
「認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合」の認定基準を確認しましょう。
認定対象者の年間収入が、130万円未満(認定対象者が60歳以上又は障害者である場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合には、原則として被扶養者に該当する |
被保険者の父は、被保険者と同一世帯に属していなくても、要件を満たせば被扶養者に該当しますが、父の年収が被保険者からの援助による収入額より少ないことが条件です。
「その援助の額にかかわらず」は誤りです。
(S52.4.6保発第9号・庁保発第9号)
④【H27年出題】 ※改正による修正あり
年収250万円の被保険者と同居している母(58歳であり障害者ではない。)は、年間100万円の遺族厚生年金を受給しながらパート労働しているが健康保険の被保険者にはなっていない。このとき、母のパート労働による給与の年間収入額が120万円であった場合は、母は当該被保険者の被扶養者になることができる。なお、当該母は、日本国内に住所を有しているものとする。
【解答】
④【H27年出題】 ×
58歳で障害者ではない母の年収が100万円の遺族厚生年金+パート労働による給与120万円=220万円ですので、母は被扶養者になることはできません。
⑤【R3年出題】
被扶養者の収入の確認に当たり、被扶養者の年間収入は、被扶養者の過去の収入、現時点の収入又は将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入を見込むものとされている。
【解答】
⑤【R3年出題】 〇
被扶養者の収入の確認に当たり、「被扶養者の年間収入は、被扶養者の過去の収入、現時点の収入又は将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入を見込むもの」とされています。
(令2.4.10事務連絡)
⑥【R2年出題】
被保険者(外国に赴任したことがない被保険者とする。)の被扶養者である配偶者に日本国外に居住し日本国籍を有しない父がいる場合、当該被保険者により生計を維持している事実があると認められるときは、当該父は被扶養者として認定される。
【解答】
⑥【R2年出題】 ×
被保険者の配偶者の父は、「生計維持」にプラスして「被保険者と同一世帯」に属していることが要件です。
問題文の場合、当該父は日本国外に居住し同一世帯にありませんので、被扶養者にはなりません。
⑦【H28年出題】※改正による修正あり
被保険者の直系尊属、配偶者、子、孫及び兄弟姉妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するものは被扶養者となることができるが、後期高齢者医療の被保険者である場合は被扶養者とならない。なお、日本国内に住所を有しているものとする。
【解答】
⑦【H28年出題】 〇
後期高齢者医療の被保険者は、被扶養者にはなりません。
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R7-208 03.24
遺族基礎年金の額のポイントをお話しします。
■「配偶者」に支給する場合
→ 必ず、「子」の数に応じた加算額が加算されます。
子がいない場合は、配偶者に遺族基礎年金は支給されません。
■「子」に支給する場合
→ 「子」が1人のみの場合は、加算額はありません。
「子」が2人以上の場合は、加算額が加算されます。
なお、子が2人以上の場合、それぞれの子に支給される額は、「子の数」で除した額です。
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R7-207 03.23
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年3月17日から22日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・法定免除についてお話しします(国民年金法)
・特定理由離職者の範囲(雇用保険法)
・標準報酬月額の定時決定(健康保険法)
・育児休業等期間中・産前産後休業中の健康保険料が免除される期間(健康保険法)
・随時改定の3つの要件(健康保険法)
・法人の役員である被保険者等に係る保険給付の特例(健康保険法)
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R7-206 03.22
法人の役員である被保険者については、その法人の役員としての業務に起因する疾病、負傷、死亡に対しては、健康保険から保険給付は行われないのが原則です。
ただし例外もあります。
条文を読んでみましょう。
第53条の2 被保険者又はその被扶養者が法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)であるときは、当該被保険者又はその被扶養者のその法人の役員としての業務(被保険者の数が5人未満である適用事業所に使用される法人の役員としての業務であって厚生労働省令で定めるものを除く。)に起因する疾病、負傷又は死亡に関して保険給付は、行わない。
則第52条の2 法第53条の2の厚生労働省令で定める業務は、当該法人における従業員(同条に規定する法人の役員以外の者をいう。)が従事する業務と同一であると認められるものとする。 |
ポイント!
法人の役員としての業務でも、被保険者の数が5人未満である適用事業所に使用される法人の役員としての業務で、従業員が従事する業務と同一であると認められる業務に起因する疾病、負傷、死亡については、保険給付が行われます。
過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
法人の理事、監事、取締役、代表社員等の法人役員は、事業主であり、法人に使用される者としての被保険者の資格はない。
【解答】
①【H22年出題】 ×
法人の理事、監事、取締役、代表社員等であっても、法人から、労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者となります。
(昭24.7.28保発74号)
②【H30年出題】
被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者は、業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関しても健康保険による保険給付の対象となる場合があるが、その対象となる業務は、当該法人における従業員(健康保険法第53条の2に規定する法人の役員以外の者をいう。)が従事する業務と同一であると認められるものとされている。
【解答】
②【H30年出題】 〇
・被保険者が5人未満の適用事業所に所属する法人の代表者について
・業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関しても健康保険による保険給付の対象となる場合がある
・対象になる業務は、当該法人の従業員が従事する業務と同一であると認められるもの
③【R4年出題】
被保険者の数が5人以上である適用事業所に使用される法人の役員としての業務(当該法人における従業員が従事する業務と同一であると認められるものに限る。)に起因する疾病、負傷又は死亡に関しては、傷病手当金を含めて健康保険から保険給付が行われる。
【解答】
③【R4年出題】 ×
「5人以上」ではなく「5人未満」です。
「被保険者の数が5人未満である適用事業所に使用される法人の役員としての業務(当該法人における従業員が従事する業務と同一であると認められるものに限る。)に起因する疾病、負傷又は死亡に関しては、傷病手当金を含めて健康保険から保険給付が行われる。」となります。
「傷病手当金」も支給されることがポイントです。
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R7-205 03.21
「随時改定」とは、固定的賃金の変動があった場合に標準報酬月額を見直すことです。
随時改定に当てはまる要件をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第43条 ① 保険者等は、被保険者が現に使用される事業所において継続した3月間(各月とも、報酬支払の基礎となった日数が、17日以上(短時間労働者の場合は11日以上)でなければならない。)に受けた報酬の総額を3で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった報酬月額に比べて、著しく高低を生じた場合において、必要があると認めるときは、その額を報酬月額として、その著しく高低を生じた月の翌月から、標準報酬月額を改定することができる。 ② 随時改定された標準報酬月額は、その年の8月(7月から12月までのいずれかの月から改定されたものについては、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とする。 |
★随時改定は次の3つの要件を満たした場合に行われます。
① 昇給や降給などで、固定的賃金に変動があったこと。
② 固定的賃金が変動した月からの3か月間に支払われた報酬の平均月額とこれまでの標準報酬月額に2等級以上の差が生じたこと。
③ 継続した3か月の報酬支払基礎日数が各月とも17日以上(短時間労働者は11日以上)あること。
★著しく高低を生じた月の翌月から改定されます
2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
| 固定的賃金の変動 |
| 著しく 高低を生じた月 | 標準報酬月額 改定 |
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例えば、3月に昇給で固定的賃金が変動し、3月、4月、5月の報酬の平均月額と、これまでの標準報酬月額に2等級以上の差が生じた場合、「6月」から随時改定により、標準報酬月額が改定されます。
「著しく高低を生じた月の翌月」とは「固定的賃金の変動があった月から4か月目」です。
★定時決定との違いに注意しましょう。
「定時決定」→ 17日未満(短時間労働者は11日未満)の月がある場合は、その月を除いて平均を出します。
「随時改定」→ 継続した3か月間に17日未満(短時間労働者は11日未満)の月がある場合は行われません。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
特定適用事業所において被保険者である短時間労働者の標準報酬月額の定時決定は、報酬支払の基礎となった日数が11日未満である月があるときは、その月を除いて行う。また、標準報酬月額の随時改定は、継続した3か月間において、各月とも報酬支払の基礎となった日数が11日以上でなければ、その対象とはならない。
【解答】
①【H29年出題】 〇
・特定適用事業所において被保険者である短時間労働者について
「定時決定」は、報酬支払基礎日数が11日未満の月があるときは、その月を除いて行う。「随時改定」は、継続した3か月間で、各月とも報酬支払基礎日数が11日以上でなければ行わない。
(法第41条第1項、第43条第1項)
②【H26年出題】
月給制の被保険者について3月に行うべき昇給が、事業主の都合により5月に行われ、3月に遡った昇給差額が5月に支払われた場合、随時改定の対象になるのは5月、6月及び7月の3か月間に受けた報酬の総額(昇給差額を除く。)を3で除して得た額であり、それが随時改定の要件に該当したときは8月から標準報酬月額が改定される。
【解答】
②【H26年出題】 〇
「昇給及び降給が遡及したため、それに伴う差額支給によって報酬月額に変動が生じた場合」は、随時改定されるべき月以降において受けるべき報酬月額で算定されます。
3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 |
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| 昇給差額 |
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| 改 定 |
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| (5月+6月+7月の報酬-昇給差額)÷3 |
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・3月に行うべき昇給が、事業主の都合により5月に行われ、3月に遡った昇給差額が5月に支払われた
↓
・随時改定の対象になるのは「5月、6月、7月の3か月間に受けた報酬の総額」÷3の額
ポイント!
「昇給差額」は除いて計算すること
差額が支払われた5月が起算月となること
↓
標準報酬月額が改定されるのは8月から
(法第43条、R5.6.27事務連絡)
③【R3年出題】
賃金が時間給で支給されている被保険者について、時間給の単価に変動はないが、労働契約上の1日の所定労働時間が8時間から6時間に変更になった場合、標準報酬月額の随時改定の要件の1つである固定的賃金の変動に該当する。
【解答】
③【R3年出題】 〇
時給単価の変動はないが、契約時間が変わった場合は、固定的賃金の変動に該当します。
(R5.6.27事務連絡)
④【R4年出題】
被保険者Aは、労働基準法第91条の規定により減給の制裁が6か月にわたり行われることになった。そのため、減給の制裁が行われた月から継続した3か月間(各月とも、報酬支払基礎日数が17日以上あるものとする。)に受けた報酬の総額を3で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった従前の報酬月額に比べて2等級以上の差が生じたため、標準報酬月額の随時改定の手続きを行った。なお、減給の制裁が行われた月以降、他に報酬の変動がなかったものとする。
【解答】
④【R4年出題】 ×
減給制裁は固定的賃金の変動には当たりません。そのため、随時改定の対象になりません。
(R5.6.27事務連絡)
⑤【H28年出題】
被保険者が産前産後休業をする期間について、基本給は休業前と同様に支給するが、通勤の実績がないことにより、通勤手当が支給されない場合、その事業所の通勤手当の制度自体が廃止されたわけではないことから、賃金体系の変更にはあたらず、標準報酬月額の随時改定の対象とはならない。
【解答】
⑤【H28年出題】 〇
「産休等により通勤手当が不支給となっている場合で、通勤の実績がないことにより不支給となっている場合には、手当自体が廃止された訳ではないことから、賃金体系の変更にはあたらず、随時改定の対象とはならない。」とされています。
(令3.4.1事務連絡)
⑥【H30年出題】
標準報酬月額が1,330,000円(標準報酬月額等級第49級)である被保険者が、現に使用されている事業所において、固定的賃金の変動により変動月以降継続した3か月間(各月とも、報酬支払の基礎となった日数が、17日以上であるものとする。)に受けた報酬の総額を3で除して得た額が1,415,000円となった場合、随時改定の要件に該当する。
【解答】
⑥【H30年出題】 〇
随時改定の要件は、原則として2等級以上の差が生じることです。
ただし、49級→50級、1級→2級、50級→49級、2級→1級の場合、1等級の差でも随時改定が行われることがあります。
<49級→50級、50級→49級>
片方の月額が1,415,000円以上
もう片方の月額が1,295,000円以上1,355,000円未満(49級)
<1級→2級、2級→1級>
片方の月額が53,000円未満
もう片方の月額が63,000円以上73,000円未満(2級)
問題文は、標準報酬月額等級第49級にあったものが、昇給で1,415,000円になっていますので、1等級でも随時改定の対象になり、50等級に改定されます。
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R7-204 03.20
育児休業等の期間中、産前産後休業中は、健康保険料が免除されます。
★育児休業等とは、「育児休業及び育児休業に準じる休業」のことで、3歳に満たない子を養育するための休業です。
育児休業等期間の免除について条文を読んでみましょう。
第159条第1項 育児休業等をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める月の当該被保険者に関する保険料(その育児休業等の期間が1月以下である者については、標準報酬月額に係る保険料に限る。)は、徴収しない。 (1) その育児休業等を開始した日の属する月とその育児休業等が終了する日の翌日が属する月とが異なる場合 → その育児休業等を開始した日の属する月からその育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までの月 (2) その育児休業等を開始した日の属する月とその育児休業等が終了する日の翌日が属する月とが同一であり、かつ、当該月における育児休業等の日数として厚生労働省令で定めるところにより計算した日数が14日以上である場合 → 当該月 |
ポイント!
■標準報酬月額に係る保険料の免除について
(1) 「育児休業等開始日」の属する月と「育児休業等終了日」の翌日が属する月が異なる場合
↓
(免除期間の始期)育児休業等開始日の属する月
(免除期間の終期)育児休業等終了日の翌日の属する月の前月
<例>
育児休業等開始日3月20日、育児休業等終了日が6月20日の場合
3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
育児休業等開始日の属する月 |
|
| 育児休業等終了日の翌日の属する月 |
3月~5月までの保険料が免除されます。
(2) 育児休業等開始日の属する月と育児休業等終了日の翌日が属する月とが同一の場合
↓
当該月における育児休業等の日数が14日以上(ただし、当該被保険者が出生時育児休業を取得する場合には、事業主が当該被保険者を就業させる日数を除く。)である場合は、当該月の保険料が免除されます。
<例>
3月4日に開始、同月25日に終了した場合
3月 | 4月 |
育児休業等開始日 育児休業等終了日の翌日 |
|
3月の育児休業等の日数が14日以上ですので、3月の保険料が免除されます。
■標準賞与額に係る保険料の免除について
「1か月を超える」育児休業等を取得している場合に限り、免除の対象となります。
<例1>
・3月5日~4月25日まで育児休業等を取得し、3月に賞与が支払われた場合
↓
1か月を超える育児休業等を取得しているので、賞与の保険料が免除されます。
<例2>
・3月14日~4月2日まで育児休業等を取得し、3月に賞与が支払われた場合
↓
1か月以内ですので、賞与の保険料は免除されません。
過去問をどうぞ!
①【R5年出題】
被保険者乙の育児休業等開始日が令和5年1月10日で、育児休業等終了日が令和5年3月31日の場合は、令和5年1月から令和5年3月までの期間中の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。
【解答】
①【R5年出題】- 〇
1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
育児休業等開始日の属する月 |
|
| 育児休業等終了日の翌日の属する月 |
(免除期間の始期)育児休業等開始日の属する月(令和5年1月)
(免除期間の終期)育児休業等終了日の翌日の属する月の前月(令和5年3月)
令和5年1月から令和5年3月までの保険料が免除されます。
②【R5年出題】
被保険者丙の育児休業等開始日が令和5年1月4日で、育児休業等終了日が令和5年1月16日の場合は、令和5年1月の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。
【解答】
②【R5年出題】 ×
「育児休業等開始日の属する月と育児休業等終了日の翌日が属する月」が同一で、育児休業等の期間が14日未満ですので、保険料は免除されません(保険料が徴収されます)。
③【R6年出題】
被保険者乙の配偶者が令和5年8月8日に双生児を出産したことから、被保険者乙は令和5年10月1日から令和5年12月31日まで育児休業を取得した。この場合、令和6年1月分の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。
【解答】
③【R6年出題】 ×
令和5年10月 | 11月 | 12月 | 令和6年1月 |
育児休業等開始日の属する月 |
|
| 育児休業等終了日の翌日の属する月 |
(免除期間の始期)育児休業等開始日の属する月(令和5年10月)
(免除期間の終期)育児休業等終了日の翌日の属する月の前月(令和5年12月)
令和5年10月から12月までの保険料が免除され、令和6年1月分の保険料は免除されません(徴収されます)。
★産前産後休業期間中の免除の問題です
④【R5年出題】
被保険者甲の産前産後休業開始日が令和4年12月10日で、産前産後休業終了日が令和5年3月8日の場合は、令和4年12月から令和5年2月までの期間中の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。
【解答】
④【R5年出題】 〇
条文を読んでみましょう。
第159条の3 産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、その産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、当該被保険者に関する保険料を徴収しない。 |
問題文の場合、「産前産後休業を開始した日の属する月=令和4年12月」から、「産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月=令和5年2月」までの保険料が免除されます。
⑤【R1年出題】
産前産後休業期間中における保険料の免除については、例えば、5月16日に出産(多胎妊娠を除く。)する予定の被保険者が3月25日から出産のため休業していた場合、当該保険料の免除対象は4月分からであるが、実際の出産日が5月10日であった場合は3月分から免除対象となる。
【解答】
⑤【R1年出題】 〇
産前産後休業は、多胎妊娠でない場合は、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産予定日)以前42日から出産の日後56日までの間で、妊娠または出産を理由として労務に服さなかった期間です。
出産予定日が5月16日の場合は、産前休業は出産予定日以前42日の4月5日から開始されます。そのため、保険料免除の対象は4月分からとなります。
しかし、問題文のように出産予定日より前の5月10日に出産した場合、産前休業の開始日は、出産日以前42日の3月30日に変更されます。
被保険者は3月25日から出産のため休業していますので、3月分から免除対象となります。
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R7-203 03.19
「定時決定」とは、標準報酬月額を毎年見直すことです。
定時決定について条文を読んでみましょう。
第41条 (定時決定) ① 保険者等は、被保険者が毎年7月1日現に使用される事業所において同日前3月間(その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17日(短時間労働者にあっては、11日。)未満である月があるときは、その月を除く。)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。 ② 定時決定によって決定された標準報酬月額は、その年の9月から翌年の8月までの各月の標準報酬月額とする ③ 定時決定は、6月1日から7月1日までの間に被保険者の資格を取得した者及び随時改定、育児休業等を終了した際の改定、又は産前産後休業を終了した際の改定により7月から9月までのいずれかの月から標準報酬月額を改定され、又は改定されるべき被保険者については、その年に限り適用しない。 |
<例1>
4月 報酬 249,800円(報酬支払基礎日数20日)
5月 報酬 275,920円(報酬支払基礎日数22日)
6月 報酬 257,430円(報酬支払基礎日数21日)
(249,800円+275,920円+257,430円)÷3≒261,050円(報酬月額)
報酬月額(261,050円)を標準報酬月額等級に当てはめ、
標準報酬月額は、26万円となります。
<例2>
4月 報酬 249,800円(報酬支払基礎日数20日)
5月 報酬 163,800円(報酬支払基礎日数15日)
6月 報酬 257,430円(報酬支払基礎日数21日)
(249,800円+257,430円)÷2≒253,615円(報酬月額)
標準報酬月額は、26万円となります。
ポイント!
17日未満の月は除いて計算しますので、分母は「3」とは限りません。「2」、「1」の場合もあります。
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
標準報酬月額の定時決定等における支払基礎日数の取扱いとして、月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合にあっては、その月における暦日の数から当該欠勤日数を控除した日数を支払基礎日数とする。
【解答】
①【H28年出題】 ×
4月、5月、6月における支払基礎日数の算定に当たっては、次によることとされています。
① 月給者については、各月の暦日数によること。
② 月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合にあっては、就業規則、給与規程等に基づき事業所が定めた日数から当該欠勤日数を控除した日数によること。
③ 日給者については、各月の出勤日数によること。
問題文の場合、「その月における暦日の数から」ではなく、「就業規則、給与規程等に基づき事業所が定めた日数」から当該欠勤日数を控除した日数が支払基礎日数となります。
(平18.5.12庁保険発第0512001号)
②【H19年出題】
賃金の計算上の締切日を毎月末日、支払日を翌月の15日としている事業所の標準報酬月額の定時決定に用いる報酬とされるのは、3月分、4月分及び5月分の賃金である。(なお、この選択肢において、「X月分の賃金」とは、X月に賃金を締切った賃金のこととする。)
【解答】
②【H19年出題】 〇
4~6月に支払った賃金で算定します。
問題文の場合、定時決定は、
4月15日支払(3月1日~31日)
+
5月15日支払(4月1日~30日)
+
6月15日支払(5月1日~31日)
で、算定します。
③【R3年出題】
特定適用事業所に使用される短時間労働者の被保険者の報酬支払の基礎となった日数が4月は11日、5月は15日、6月は16日であった場合、報酬支払の基礎となった日数が15日以上の月である5月及び6月の報酬月額の平均額をもとにその年の標準報酬月額の定時決定を行う。
【解答】
③【R3年出題】 ×
短時間労働者は、「11日未満」の月を除いて算定します。
問題文は、報酬支払の基礎となった日数が「11日以上」の月である4月、5月、6月の報酬月額の平均額をもとにその年の標準報酬月額の定時決定を行います。
④【H29年出題】
標準報酬月額の定時決定について、賃金計算の締切日が末日であって、その月の25日に賃金が支払われる適用事業所において、6月1日に被保険者資格を取得した者については6月25日に支給される賃金を報酬月額として定時決定が行われるが、7月1日に被保険者資格を取得した者については、その年に限り定時決定が行われない。
【解答】
④【H29年出題】 ×
6月1日に被保険者資格を取得した者についても、その年の定時決定は行われません。
⑤【H24年出題】
7月1日に被保険者資格を取得した者については、標準報酬月額の定時決定を行わず、資格取得時に決定された標準報酬月額を、原則として翌年の6月30日までの1年間用いることになっている。
【解答】
⑤【H24年出題】 ×
7月1日に被保険者資格を取得した者については、標準報酬月額の定時決定を行わず、資格取得時に決定された標準報酬月額を、原則として「翌年の6月30日までの1年間」ではなく、「翌年の8月」まで用います。
ちなみに、資格取得時に決定された標準報酬月額は、「被保険者の資格を取得した月からその年の8月(6月1日から12月31日までの間に被保険者の資格を取得した者については、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額となります。
(法第42条)
⑥【R3年出題】
7月から9月までのいずれかの月から標準報酬月額が改定され、又は改定されるべき被保険者については、その年における標準報酬月額の定時決定を行わないが、7月から9月までのいずれかの月に育児休業等を終了した際の標準報酬月額の改定若しくは産前産後休業を終了した際の標準報酬月額の改定が行われた場合は、その年の標準報酬月額の定時決定を行わなければならない。
【解答】
⑥【R3年出題】 ×
7月から9月までのいずれかの月に育児休業等を終了した際の標準報酬月額の改定若しくは産前産後休業を終了した際の標準報酬月額の改定が行われた場合も、その年の標準報酬月額の定時決定は行われません。
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R7-202 03.18
「特定理由離職者」の範囲をみていきましょう
条文を読んでみましょう。
法第13条第3項 特定理由離職者とは、離職した者のうち、特定受給資格者に該当する者以外の者であって、期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないこと(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。)その他のやむを得ない理由により離職したものとして厚生労働省令で定める者をいう。
則第19条の2 法第13条第3項の厚生労働省令で定める者は、次のいずれかの理由により離職した者とする。 (1) 期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないこと(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。) (2) 法第33条第1項の正当な理由 |
ポイント!
★(1)について
次のいずれにも該当する場合は、「特定理由離職者」となります。
(A) 当該労働契約の更新がないため離職した者
→契約の更新が有ることは明示されているが更新の確約がない場合が、該当します。
(B) 労働契約の更新を労働者が希望していたにもかかわらず、契約更新がなされなかった場合
→「労働者が希望していたにもかかわらず」とは、労働者本人が契約期間満了日までに契約更新を申し出た場合が該当します。
★注意しましょう!
以下の場合は、「特定受給資格者」となります。
・ 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないこととなった
・ 期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された(更新の確約がある)場合において当該契約が更新されないこととなった
★(2)について
法第33条の正当な理由のある自己都合退職者が該当します。
(行政手引50305-2)
過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
契約期間を1年とし、期間満了に当たり契約を更新する場合がある旨を定めた労働契約を、1回更新して2年間引き続き雇用された者が、再度の更新を希望したにもかかわらず、使用者が更新に合意しなかったため、契約期間の満了により離職した場合は、特定理由離職者に当たる。
【解答】
①【H22年出題】 〇
期間満了に当たり契約を更新する場合がある旨を定めた労働契約の場合、更新について確約がないこと、また「3年以上引き続き雇用される」に至っていないため、「特定理由離職者」に当たります。
(行政手引50305、則第36条第7号、第7号の2)
②【H22年出題】
労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した者は、特定理由離職者に当たらない。
【解答】
②【H22年出題】 〇
「労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した」者は、特定理由離職者ではなく「特定受給資格者」に当たります。
(則第36条第2号)
③【R3年出題】
いわゆる登録型派遣労働者については、派遣就業に係る雇用契約が終了し、雇用契約の更新・延長についての合意形成がないが、派遣労働者が引き続き当該派遣元事業主のもとでの派遣就業を希望していたにもかかわらず、派遣元事業主から当該雇用契約期間の満了日までに派遣就業を指示されなかったことにより離職した者は、特定理由離職者に該当する。
【解答】
③【R3年出題】 〇
いわゆる登録型派遣労働者については、派遣就業に係る雇用契約が終了し、雇用契約の更新・延長についての合意形成がないが、派遣労働者が引き続き当該派遣元事業主のもとでの派遣就業を希望していたにもかかわらず、派遣元事業主から当該雇用契約期間の満了日までに派遣就業を指示されなかったことにより離職した者は、「特定理由離職者」に当たります。
(行政手引50305-2)
④【H22年出題】
結婚に伴う住所の変更のため通勤が不可能になったことにより離職した者は、特定理由離職者に当たる。
【解答】
④【H22年出題】 〇
結婚に伴う住所の変更のため通勤が不可能になったことにより離職した者は、特定理由離職者に当たります。
(行政手引50305-2)
⑤【H27年出題】
期間の定めのない労働契約を締結している者が雇用保険法第33条第1項に規定する正当な理由なく離職した場合、当該離職者は特定理由離職者とはならない。
【解答】
⑤【H27年出題】 〇
「期間の定めのない労働契約」、「正当な理由なく離職」の場合は、特定理由離職者の要件に該当しませんので、特定理由離職者にはなりません。
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R7-201 03.17
国民年金法の「法定免除」についてお話しします 。
<内容です>
・法定免除の要件
・法定免除の対象になる被保険者
・免除される期間(いつからいつまで)
・既に納付された保険料はどうなる?
・前納した保険料は還付される?
・法定免除に該当しても保険料を納付できる?
・届出が必要
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R7-200 03.16
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年3月10日から15日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・老齢厚生年金に加算される加給年金額についてお話しします(厚生年金保険法)
・老齢基礎年金の計算式<フルペンション減額方式>(国民年金法)
・3歳未満の子の養育期間の従前標準報酬月額(厚生年金保険法)
・労働時間・休憩・休日に関する規定の適用除外(労基法第41条)
・都道府県労働局に置かれる労働衛生指導医(労働安全衛生法)
・同一の事由で労災の年金と国民年金・厚生年金保険の年金が支給される場合(労災保険法)
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R7-199 03.15
同一の事由で労災の年金と国民年金・厚生年金保険の年金が支給される場合のポイントを確認しましょう。
同一の事由により、障害補償年金・傷病補償年金・休業補償給付と 厚生年金保険法の障害厚生年金及び国民年金法の障害基礎年金 が支給される場合
同一の事由により、遺族補償年金と 厚生年金保険法の遺族厚生年金及び国民年金法の遺族基礎年金若しくは寡婦年金 が支給される場合
労災保険の年金給付は「政令で定める率」を乗じて得た額(減額された額)となります。 ※厚生年金保険・国民年金の年金は、全額支給され、減額されません。(労働者が自ら保険料を負担しているからです。)
※通勤災害、複数業務要因災害に関する保険給付も同様に減額されます。 (法別表第1、法第14条第2項) |
過去問をどうぞ!
①【H18年出題】
労災保険の年金たる保険給付(以下「労災年金」という。)と同一の事由により厚生年金保険の年金たる保険給付又は国民年金の年金たる給付が支給される場合でも、労災年金は、給付基礎日額に所定の日数分を乗じて得た全額が支給される。
【解答】
①【H18年出題】 ×
労災年金と同一の事由により厚生年金保険の年金たる保険給付又は国民年金の年金たる給付が支給される場合は、労災年金は、減額された額が支給されます。
②【H12年出題】
休業補償給付の額は、原則として1日につき給付基礎日額の100分の60に相当する額であるが、休業補償給付を受ける労働者が同一の事由について厚生年金保険法の規定による障害厚生年金又は国民年金法の規定による障害基礎年金を受けることができるときは、その額が調整されて減額されることとなる。
【解答】
②【H12年出題】 〇
年金だけでなく、休業補償給付も、同一の事由について厚生年金保険法の規定による障害厚生年金又は国民年金法の規定による障害基礎年金を受けることができるときは、その額が調整されて減額されます。
(法第14条第2項)
③【H12年出題】
労災保険の各種年金給付の額は、その受給者が同時に厚生年金保険法の規定による老齢厚生年金又は国民年金法の規定による老齢基礎年金を受けることができる場合でも、これらとは給付事由が異なるので、これらの事由により調整されて減額されることはない。
【解答】
③【H12年出題】 〇
労災保険の各種年金給付の額は、「同一の事由」により、厚生年金保険法又は国民年金法の年金を受けることができる場合は、減額されます。
老齢厚生年金、老齢基礎年金を受けることができても、支給事由が異なりますので、労災保険の各種年金給付は減額されません。
④【R5年出題】
同一の事由により障害補償年金と障害厚生年金及び障害基礎年金を受給する場合、障害補償年金の支給額は、0.73の調整率を乗じて得た額とする。
【解答】
④【R5年出題】 〇
同一の事由により障害補償年金と「障害厚生年金及び障害基礎年金」を受給する場合、障害補償年金の支給額は、0.73の調整率を乗じて得た額となります。
(令第2条)
⑤【R5年出題】
障害基礎年金のみを既に受給している者が新たに障害補償年金を受け取る場合、障害補償年金の額は、0.83の調整率を乗じて得た額となる。
【解答】
⑤【R5年出題】 ×
障害基礎年金のみを既に受給している者が「新たに」障害補償年金を受け取る場合は、支給事由が異なりますので、障害補償年金の額は、減額されません。
⑥【R5年出題】
障害基礎年金のみを受給している者が遺族補償年金を受け取る場合、遺族補償年金の支給額は、0.88の調整率を乗じて得た額とする。
【解答】
⑥【R5年出題】 ×
障害基礎年金と遺族補償年金は、支給事由が異なりますので、遺族補償年金は減額されません。
⑦【R5年出題】
同一の事由により遺族補償年金と遺族厚生年金及び遺族基礎年金を受給する場合、遺族補償年金の支給額は、0.80の調整率を乗じて得た額となる。
【解答】
⑦【R5年出題】 〇
同一の事由により遺族補償年金と遺族厚生年金及び遺族基礎年金を受給する場合、遺族補償年金の支給額は、「0.80」の調整率を乗じて得た額となります。
(令第2条)
⑧【R5年出題】
遺族基礎年金のみを受給している者が障害補償年金を受け取る場合、障害補償年金の支給額は、0.88の調整率を乗じて得た額となる。
【解答】
⑧【R5年出題】 ×
遺族基礎年金と障害補償年金は支給事由が異なりますので、障害補償年金は減額されません。
⑨【H14年出題】
同一の事由により厚生年金保険法の規定による障害手当金と併給される場合における障害補償一時金又は障害一時金の額は、政令所定の率を乗じて減額調整された額(政令所定の額を下回るときは、当該政令所定の額)となる。
【解答】
⑨【H14年出題】 ×
厚生年金保険法で、「当該傷病について労働者災害補償保険法の規定による障害補償給付、複数事業労働者障害給付若しくは障害給付を受ける権利を有する者には、障害手当金を支給しない。」と定められています。(厚生年金保険法第56条第3号)
同一事由による障害手当金は不支給となり、障害補償一時金又は障害一時金は全額支給されます。
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R7-198 03.14
「労働衛生指導医」について条文を読んでみましょう。
第95条 (労働衛生指導医) ① 都道府県労働局に、労働衛生指導医を置く。 ② 労働衛生指導医は、第65条第5項又は第66条第4項の規定による指示に関する事務その他労働者の衛生に関する事務に参画する。 ③ 労働衛生指導医は、労働衛生に関し学識経験を有する医師のうちから、厚生労働大臣が任命する。 ④ 労働衛生指導医は、非常勤とする |
第65条第5項 (作業環境測定) ⑤ 都道府県労働局長は、作業環境の改善により労働者の健康を保持する必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、作業環境測定の実施その他必要な事項を指示することができる。 |
第66条第4項 (健康診断) ④ 都道府県労働局長は、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる。 |
★ポイント!
労働衛生指導医は、都道府県労働局長が指示する「作業環境測定の実施」、「臨時の健康診断の実施」について意見を述べます。
練習問題です!
< A >は、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、< B >の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる。
(選択肢)
① 労働基準監督署長 ② 労働基準監督官 ③ 都道府県労働局長
④ 産業医 ⑤ 労働衛生指導医 ⑥ 労働衛生コンサルタント
【解答】
<A> ③ 都道府県労働局長
<B> ⑥ 労働衛生指導医
過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
都道府県労働局長は、労働安全衛生法第65条の規定により、作業環境の改善により労働者の健康を保持する必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、作業環境測定を実施すべき作業場その他必要な事項を記載した文書により、事業者に対し、作業環境測定の実施その他必要な事項を指示することができる。
【解答】
①【H23年出題】 〇
選択式対策のため、赤字の部分はおぼえましょう。
<都道府県労働局長>は、労働安全衛生法第65条の規定により、作業環境の改善により労働者の健康を保持する必要があると認めるときは、<労働衛生指導医の意見>に基づき、作業環境測定を実施すべき作業場その他必要な事項を記載した文書により、事業者に対し、作業環境測定の実施その他必要な事項を<指示>することができる。
(法第65条第5項、則第42条の3)
②【H23年出題】
都道府県労働局長は、労働安全衛生法第66条の規定により、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、実施すべき健康診断の項目、健康診断を受けるべき労働者の範囲その他必要な事項を記載した文書により、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる。
【解答】
②【H23年出題】 〇
選択式対策のため、赤字の部分はおぼえましょう。
<都道府県労働局長>は、労働安全衛生法第66条の規定により、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、<労働衛生指導医の意見>に基づき、実施すべき健康診断の項目、健康診断を受けるべき労働者の範囲その他必要な事項を記載した文書により、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を<指示>することができる。
(法第66条第4項、則第49条)
③【H23年出題】
都道府県労働局長は、労働安全衛生法第66条の規定により、労働者の精神的健康を保持するために必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、面接指導を受けるべき労働者の範囲その他必要な事項を記載した文書により、事業者に対し、面接指導の実施その他必要な事項を指示することができる。
【解答】
③【H23年出題】 ×
このような規定はありません。
④【H25年出題】
都道府県労働局長は、労働衛生指導医を労働安全衛生法第65条第5項の規定による作業環境測定の実施等の指示又は同法第66条第4項の規定により臨時の健康診断の実施等の指示に関する事務に参画させるため必要があると認めるときは、労働衛生指導医をして事業場に立ち入り、関係者に質問させることができる。
【解答】
④【H25年出題】 〇
条文で確認しましょう。
第96条第4項 都道府県労働局長は、労働衛生指導医を労働安全衛生法第65条第5項の規定による作業環境測定の実施等の指示又は同法第66条第4項の規定により臨時の健康診断の実施等の指示に関する事務に参画させるため必要があると認めるときは、当該労働衛生指導医をして事業場に立ち入り、関係者に質問させ、又は作業環境測定若しくは健康診断の結果の記録その他の物件を検査させることができる |
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R7-197 03.13
労基法第41条に定められた労働者には、「労働時間・休憩・休日」に関する規定が適用されません。
条文を読んでみましょう。
第41条 (労働時間等に関する規定の適用除外) 労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。 (1) 別表第一第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者 →農業の事業・水産の事業に従事する者 (2) 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者 (3) 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの |
ポイント!
★適用除外になるのは、「労働時間・休憩・休日」に関する規定です。
「深夜業」、「年次有給休暇」については適用されます。
★「林業」については、労働時間、休憩、休日の規定が適用されます。
★監視又は断続的労働に従事する者については、所轄労働基準監督署長の許可が必要です。
過去問をどうぞ!
①【H23年選択式】
労働基準法第4章に定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、農業又は畜産、養蚕、水産の事業に従事する労働者については適用されないが、これらの事業においても、< A >及び年次有給休暇に関する規定は適用される。
(選択肢)
① 深夜業 ② 事業場外のみなし労働時間制
③ フレックスタイム制 ④ 労働時間の通算
【解答】
<A> ① 深夜業
②【H22年出題】
労働基準法第41条の規定により、労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用が除外されている同条第2号に定めるいわゆる管理監督者に該当するか否かは、経験、能力等に基づく格付及び職務の内容と権限等に応じた地位の名称にとらわれることなく、職務内容、責任と権限、勤務態様等の実態に即して判断される。
【解答】
②【H22年出題】 〇
監督若しくは管理の地位にある者とは、一般的には、部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者です。
ただし、管理監督者に該当するか否かは、地位の名称にとらわれることなく、職務内容、責任と権限、勤務態様等の実態に即して判断されます。
(昭63.3.14基発150号)
③【H27年出題】
労働基準法第41条第2号により、労働時間等に関する規定が適用除外される「機密の事務を取り扱う者」とは、必ずしも機密書類を取り扱う者を意味するものではなく、秘書その他職務が経営者又は監督若しくは管理の地位にある者の活動と一体不可分であって、厳格な労働時間管理になじまない者をいう。
【解答】
③【H27年出題】 〇
「機密の事務を取り扱う者」とは、秘書その他職務が経営者又は監督若しくは管理の地位にある者の活動と一体不可分であって、厳格な労働時間管理になじまない者をいいます。
(昭22.9.13発基17号)
④【R4年出題】
使用者が労働基準法施行規則第23条によって日直を断続的勤務として許可を受けた場合には、労働基準法第36条第1項の協定がなくとも、休日に日直をさせることができる。
【解答】
④【R4年出題】 〇
宿直又は日直勤務を断続的勤務として許可を受けた場合は、その宿直又は日直の勤務については、労働時間、休日及び休憩に関する規定は適用されません。
そのため、使用者が労働基準法施行規則第23条によって日直を断続的勤務として許可を受けた場合には、36協定がなくても、休日に日直をさせることができます。
(昭23.1.13基発33号)
⑤【H26年選択式】
小売業、飲食業等において、いわゆるチェーン店の形態により相当数の店舗を展開して事業活動を行う企業における比較的小規模の店舗においては、店長等の少数の正社員と多数のアルバイト・パート等により運営されている実態がみられるが、この店舗の店長等については、十分な権限、相応の待遇等が与えられていないにもかかわらず労働基準法第41条第2号に規定する「監督若しくは管理の地位にある者」(以下「管理監督者」という。)として取り扱われるなど不適切な事案もみられるところであることから、平成20年9月9日付け基発0909001号通達「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について」が出されており、同通達によれば、これらの店舗の店長等が管理監督者に該当するか否かについて、職務内容、責任と権限、勤務態様及び賃金等の待遇を踏まえ、総合的に判断することとなるとされており、このうち「賃金の待遇」についての判断要素の一つとして、「実態として長時間労働を余儀なくされた結果、< A >において、店舗に所属するアルバイト・パート等の賃金額に満たない場合には、管理監督者性を否定する< B >となる。」ことがあげられている。
(選択肢)
① 時間単価に換算した賃金額 ② 総賃金額 ③ 平均賃金額
④ 役職手当額 ⑤ 考慮要素 ⑥ 重要な要素 ⑦ 参考 ⑧ 補強要素
【解答】
<A> ① 時間単価に換算した賃金額
<B> ⑥ 重要な要素
(平成20年9月9日基発第0909001号 )
⑥【H25年選択式】
最高裁判所は、労働基準法第41条第2号に定めるいわゆる管理監督者に該当する労働者が、使用者に、同法第37条第3項(現行同条第4項)に基づく深夜割増賃金を請求することができるかという点をめぐって、次のように判示した。
「労基法(労働基準法)における労働時間に関する規定の多くは、その< A >に関する規制について定めており、同法37条1項は、使用者が労働時間を延長した場合においては、延長された時間の労働について所定の割増賃金を支払わなければならないことなどを規定している。他方、同条3項は、使用者が原則として< B >の間において労働させた場合においては、その時間の労働について所定の割増賃金を支払わなければならない旨を規定するが、同項は、労働が1日のうちのどのような時間帯に行われるかに着目して深夜労働に関し一定の規制をする点で、労働時間に関する労基法中の他の規定とはその趣旨目的を異にすると解される。
また、労基法41条は、同法第4章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、同条各号の一に該当する労働者については適用しないとし、これに該当する労働者として、同条2号は管理監督者等を、同条1号は同法別表第1第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者を定めている。一方、同法第6章中の規定であって年少者に係る深夜業の規制について定める61条をみると、同条4項は、上記各事業については同条1項ないし3項の深夜業の規制に関する規定を < C >旨別途規定している。こうした定めは、同法41条にいう「労働時間、休憩及び休日に関する規定」には、深夜業の規制に関する規定は含まれていないことを前提とするものと解される。
以上によれば、労基法41条2号の規定によって同法37条3項の適用が除外されることはなく、管理監督者に該当する労働者は同項に基づく深夜割増賃金を請求することができるものと解するのが相当である。」
(選択肢)
① 時間帯 ② 長さ ③ 密度 ④ 割増
⑤ 午後10時から午前5時まで ⑥ 午後10時から午前6時まで
⑦ 午後11時から午前5時まで ⑧ 午後11時から午前6時まで
⑨ 行政官庁の許可を受けた場合に限り適用する
⑩ 厚生労働省令で定める ⑪ 適用する ⑫ 適用しない
【解答】
<A> ② 長さ
<B> ⑤ 午後10時から午前5時まで
<C> ⑫ 適用しない
「管理監督者に該当する労働者は,深夜割増賃金を請求することができる」という点がポイントです。
(平成21年12月18日最高裁判所第二小法廷)
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R7-196 03.12
3歳未満の子を養育している期間中に標準報酬月額が低下したとしても、将来の年金額は、子を養育する前の標準報酬月額(従前標準報酬月額)に基づいて計算される特例をみていきます。
特例が適用されるには、被保険者からの申出が必要です。
条文を読んでみましょう。
第26条第1項、第4項(3歳に満たない子を養育する被保険者等の標準報酬月額の特例) ① 3歳に満たない子を養育し、又は養育していた被保険者又は被保険者であった者が、主務省令で定めるところにより実施機関に申出(被保険者にあっては、その使用される事業所の事業主を経由して行うものとする。)をしたときは、当該子を養育することとなった日(厚生労働省令で定める事実が生じた日にあっては、その日)の属する月から次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日の属する月の前月までの各月のうち、その標準報酬月額が当該子を養育することとなった日の属する月の前月(当該月において被保険者でない場合にあっては、当該月前1年以内における被保険者であった月のうち直近の月。以下「基準月」という。)の標準報酬月額(この項の規定により当該子以外の子に係る基準月の標準報酬月額が標準報酬月額とみなされている場合にあっては、当該みなされた基準月の標準報酬月額。以下「従前標準報酬月額」という。)を下回る月(当該申出が行われた日の属する月前の月にあつては、当該申出が行われた日の属する月の前月までの2年間のうちにあるものに限る。)については、従前標準報酬月額を当該下回る月の第43条第1項に規定する平均標準報酬額の計算の基礎となる標準報酬月額とみなす。 (1) 当該子が3歳に達したとき。 (2)第14条各号のいずれかに該当するに至つたとき。 (3)当該子以外の子についてこの条の規定の適用を受ける場合における当該子以外の子を養育することとなったときその他これに準ずる事実として厚生労働省令で定めるものが生じたとき。 (4)当該子が死亡したときその他当該被保険者が当該子を養育しないこととなったとき。 (5)当該被保険者に係る第81条の2第1項の規定の適用を受ける育児休業等を開始したとき。 (6)当該被保険者に係る第81条の2の2第1項の規定の適用を受ける産前産後休業を開始したとき。 ④ 第2号厚生年金被保険者であり、若しくはあった者又は第3号厚生年金被保険者であり、若しくはあった者について、①の規定を適用する場合においては、「申出(被保険者にあっては、その使用される事業所の事業主を経由して行うものとする。)」とあるのは、「申出」とする。 |
★従前標準報酬月額のイメージ
→ 将来の年金額は、「従前標準報酬月額」を用いて計算されます。
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3歳未満の子の養育期間 | ||||
従前標準報酬月額 |
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ポイント!
「従前標準報酬月額」とは
・養育開始月の前月の標準報酬月額のことです。
・養育開始月の前月に厚生年金保険の被保険者でない場合は、その月前1年以内の直近の被保険者であった月の標準報酬月額が従前標準報酬月額となります。
「対象となる期間」は
→ 3歳未満の子の養育を開始した月から養育する子が3歳に達したとき等に該当するに至った日の翌日の属する月の前月までです。
過去問をどうぞ!
①【H30年選択式】
厚生年金保険法第26条第1項の規定によると、3歳に満たない子を養育し、又は養育していた被保険者又は被保険者であった者が、主務省令で定めるところにより実施機関に申出(被保険者にあっては、その使用される事業所の事業主を経由して行うものとする。)をしたときは、当該子を養育することとなった日(厚生労働省令で定める事実が生じた日にあっては、その日)の属する月から当該子が3歳に達したときに該当するに < A >までの各月のうち、その標準報酬月額が当該子を養育することとなった日の属する月の前月(当該月において被保険者でない場合にあっては、当該月前< B >における被保険者であった月のうち直近の月。以下「基準月」という。)の標準報酬月額(同項の規定により当該子以外の子に係る基準月の標準報酬月額が標準報酬月額とみなされている場合にあっては、当該みなされた基準月の標準報酬月額。以下「従前標準報酬月額」という。)を下回る月(当該申出が行われた日の属する月前の月にあっては、当該申出が行われた日の属する月の前月までの2年間のうちにあるものに限る。)については、従前標準報酬月額を当該下回る月の厚生年金保険法第43条第1項に規定する平均標準報酬額の計算の基礎となる標準報酬月額とみなすとされている。
<選択肢>
① 1年以内 ② 1年6か月以内 ③ 2年以内 ④ 6か月以内
⑤ 至った日の属する月 ⑥ 至った日の属する月の前月
⑦ 至った日の翌日の属する月 ⑧ 至った日の翌日の属する月の前月
【解答】
①【H30年選択式】
<A> ⑧ 至った日の翌日の属する月の前月
<B> ① 1年以内
②【R3年出題】
3歳に満たない子を養育している被保険者又は被保険者であった者が当該子を養育することとなった日の属する月から当該子が3歳に達するに至った日の翌日の属する月の前月までの各月において、年金額の計算に使用する平均標準報酬月額の特例の取扱いがあるが、当該特例は、当該特例の申出が行われた日の属する月前の月にあっては、当該特例の申出が行われた日の属する月の前月までの3年間のうちにあるものに限られている。
【解答】
②【R3年出題】 ×
「標準報酬月額」の特例が適用されるのは、特例の申出が行われた日の属する月前の月については、特例の申出が行われた日の属する月の前月までの「2年間」のうちにあるものに限られています。
★ 特例がさかのぼって適用されるのは、申出が行われた日の属する月の前月までの「2年間」です。
③【R5年出題】
本特例についての実施機関に対する申出は、第1号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者はその使用される事務所の事業主を経由して行い、第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者は事業主を経由せずに行う。
※本特例→「厚生年金保険法第26条に規定する3歳に満たない子を養育する被保険者等の標準報酬月額の特例」のことです。以下同じです。
【解答】
③【R5年出題】 〇
★本特例についての実施機関に対する申出について
・第1号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者
→その使用される事務所の事業主を経由して行います
・第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者
→事業主を経由せず直接行います
④【R5年出題】
本特例が適用される場合には、老齢厚生年金の額の計算のみならず、保険料額の計算に当たっても、実際の標準報酬月額ではなく、従前標準報酬月額が用いられる。
【解答】
④【R5年出題】 ×
保険料額の計算は、従前標準報酬月額ではなく、実際の標準報酬月額を用います。
⑤【R5年出題】
甲は、第1号厚生年金被保険者であったが、令和4年5月1日に被保険者資格を喪失した。その後、令和5年6月15日に3歳に満たない子の養育を開始した。さらに、令和5年7月1日に再び第1号厚生年金被保険者の被保険者資格を取得した。この場合、本特例は適用される。
【解答】
⑤【R5年出題】 ×
本特例は適用されません。
「従前標準報酬月額」は子を養育することとなった日の属する月の前月の標準報酬月額です。
問題文の甲は、養育を開始した日の属する月の前月(=令和5年5月)は被保険者ではありません。
養育を開始した日の属する月の前月に被保険者でない場合は、「当該月前1年以内における被保険者であった月のうち直近の月」の標準報酬月額が従前標準報酬月額となります。
しかし「甲」は、「当該月(=令和5年5月)前1年以内に被保険者であった月がありません。
そのため、甲には本特例は適用されません。
⑥【H30年出題】
被保険者の配偶者が出産した場合であっても、所定の要件を満たす被保険者は、厚生年金保険法第26条に規定する3歳に満たない子を養育する被保険者等の標準報酬月額の特例の申出をすることができる。
【解答】
⑥【H30年出題】 〇
被保険者の配偶者が出産した場合でも、特例の申出をすることができます。
⑦【H27年出題】
9月3日に出産した被保険者について、その年の定時決定により標準報酬月額が280,000円から240,000円に改定され、産後休業終了後は引き続き育児休業を取得した。職場復帰後は育児休業等終了時改定に該当し、標準報酬月額は180,000円に改定された。この被保険者が、出産日から継続して子を養育しており、厚生年金保険法第26条に規定する養育期間標準報酬月額特例の申出をする場合の従前標準報酬月額は240,000円である。
【解答】
⑦【H27年出題】 ×
従前標準報酬月額は、子を養育することとなった日の属する月の前月(=問題文の場合は8月)の標準報酬月額です。
定時決定で改定された標準報酬月額240,000円は9月から適用されます。そのため、従前標準報酬月額は、8月の標準報酬月額の280,000円となります。
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R7-195 03.11
満額の老齢基礎年金は、780,900円×改定率で計算します。
満額の老齢基礎年金は、「保険料納付済期間」が480月ある場合に支給されます。
免除期間、合算対象期間、未納期間などがある場合は、その分、年金が減額されます。
条文を読んでみましょう。
第27条 老齢基礎年金の額は、780,900円に改定率を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)とする。 ただし、保険料納付済期間の月数が480に満たない者に支給する場合は、当該額に、次の各号に掲げる月数を合算した月数(480を限度とする。)を480で除して得た数を乗じて得た額とする。 (1) 保険料納付済期間の月数 (2) 保険料4分の1免除期間の月数(480から保険料納付済期間の月数を控除して得た月数を限度とする。)の8分の7に相当する月数 (3) 保険料4分の1免除期間の月数から前号に規定する保険料4分の1免除期間の月数を控除して得た月数の8分の3に相当する月数 (4) 保険料半額免除期間の月数(480から保険料納付済期間の月数及び保険料4分の1免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の4分の3に相当する月数 (5) 保険料半額免除期間の月数から前号に規定する保険料半額免除期間の月数を控除して得た月数の4分の1に相当する月数 (6) 保険料4分の3免除期間の月数(480から保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数及び保険料半額免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の8分の5に相当する月数 (7) 保険料4分の3免除期間の月数から前号に規定する保険料4分の3免除期間の月数を控除して得た月数の8分の1に相当する月数 (8) 保険料全額免除期間(学生納付特例期間・50歳未満の納付猶予期間に係るものを除く。)の月数(480から保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数、保険料半額免除期間の月数及び保険料4分の3免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の2分の1に相当する月数 |
老齢基礎年金の額の計算は、「国庫負担」と関連します。
国庫負担については、こちらをどうぞ
→http://www.syarogo-itonao.jp/17370185749152
★老齢基礎年金の計算式については下の図をどうぞ
★例えば、
・保険料納付済期間400月
・4分の3免除期間の月数40月
・全額免除期間の月数40月
の場合の計算式は以下のようになります。
780,900円 ×改定率 | × | 400月+40月×8分の5(25月)+40月×2分の1(20月) |
480 |
では、過去問をどうぞ!
①【R4年出題】
保険料半額免除期間(残りの半額の保険料は納付されているものとする。)については、当該期間の月数(480から保険料納付済期間の月数及び保険料4分の1免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の4分の1に相当する月数が老齢基礎年金の年金額に反映される。
【解答】
①【R4年出題】 ×
保険料半額免除期間の月数(480から保険料納付済期間の月数及び保険料4分の1免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の4分の3に相当する月数が老齢基礎年金の年金額に反映されます。
(法第27条第4号)
②【R4年出題】
国民年金法による保険料の納付を猶予された期間については、当該期間に係る保険料が追納されなければ老齢基礎年金の額には反映されないが、学生納付特例の期間については、保険料が追納されなくても、当該期間は老齢基礎年金の額に反映される。
【解答】
②【R4年出題】 ×
「納付猶予の期間」及び「学生納付特例の期間」は、当該期間に係る保険料が追納されなければ老齢基礎年金の額には反映されません。
(法第27条第8号、H16法附則第19条第4項、H26法附則第14条第3項)
③【R4年出題】
大学卒業後、23歳から民間企業に勤務し65歳までの合計42年間、第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有する者(昭和32年4月10日生まれ)が65歳から受給できる老齢基礎年金の額は満額となる。なお、当該被保険者は、上記以外の被保険者期間を有していないものとする。
【解答】
③【R4年出題】 ×
老齢基礎年金では、第2号被保険者の20歳未満と60歳以降の期間は「合算対象期間」となり、老齢基礎年金の額には反映しません。
問題文では、60歳から65歳までの5年間は合算対象期間ですので、老齢基礎年金を計算するための保険料納付済期間は、37年間です。
そのため、老齢基礎年金の額は満額にはなりません。
(S60法附則第8条第4項)
④【R5年出題】
保険料の全額免除期間については、保険料の全額免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料をその後追納しなくても老齢基礎年金の年金額に反映されるが、それは免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用について国庫が負担しているからであり、更に、平成15年4月1日以降、国庫負担割合が3分の1から2分の1へ引き上げられたことから年金額の負担割合も免除の種類に応じて異なっている。
【解答】
④【R5年出題】 ×
国庫負担割合が3分の1から2分の1へ引き上げられたのは、平成15年4月1日以降ではなく、「平成21年4月1日」以降です。
ちなみに、「保険料の全額免除期間」については、その後追納しない場合、
・平成21年4月1日前の分 → 3分の1が老齢基礎年金の年金額に反映されます
・平成21年4月1日以降の分 → 2分の1が老齢基礎年金の年金額に反映されます
(H16法附則第9条、第10条)
⑤【R3年出題】
20歳から30歳までの10年間第1号被保険者としての保険料全額免除期間及び 30歳から60歳までの30年間第1号被保険者としての保険料納付済期間を有し、 60歳から65歳までの5年間任意加入被保険者としての保険料納付済期間を有する者(昭和31年4月2日生まれ)が65歳から受給できる老齢基礎年金の額は、満額(780,900円※令和3年度の給付額)となる。
【解答】
⑤【R3年出題】 ×
問題文は、満額にはなりません。
ポイント!
・保険料納付済期間「1」が反映する期間
→ 30歳から60歳までの30年間+60歳から65歳までの5年間=35年間
・全額免除期間(20歳から30歳までの10年間)のうち、国庫負担が行われる期間
■ 全額免除期間について、国庫負担が行われるのは、「480から保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数、保険料半額免除期間の月数及び保険料4分の3免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数」が限度です。
■ 問題の場合は、480から保険料納付済期間の月数(35年×12=420月)を控除して得た月数である「60月(5年間)」について、3分の1の国庫負担が行われます。※平成21年4月前の期間なので、「3分の1」となります。
■ 全額免除期間のうち残りの5年は国庫負担が行われないので、年金額に反映しません。
■ 老齢基礎年金の額に反映するのは、420月+60月×3分の1となり、満額にはなりません。
(法第27条、H16法附則第10条第15項)
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R7-194 03.10
老齢厚生年金の受給権者に、生計を維持する「配偶者・子」がいる場合は、加給年金額が加算されます。
(今日の内容です)
・加給年金額の加算対象になる「配偶者・子」の要件
・加給年金の額と特別加算
・加給年金額が減額されるとき
・配偶者に係る加給年金額が支給停止されるとき
・子に係る加給年金額が支給停止されるとき
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R7-193 03.09
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年3月3日から8日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・遺族基礎年金の失権事由についてお話しします(国民年金法)
・解雇が制限される期間と例外(労基法)
・遺族補償一時金を受けることができる遺族(労災保険法)
・高年齢雇用継続給付「支給対象月」について(雇用保険法)
・労働保険料の精算(確定保険料の申告と納付)(労働保険徴収法)
・任意継続被保険者の資格取得と喪失(健康保険法)
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R7-192 03.08
健康保険の資格を喪失した後も、任意で健康保険に加入することができます。
「任意継続被保険者」の資格取得と喪失をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第3条第4項 「任意継続被保険者」とは、適用事業所に使用されなくなったため、又は適用除外に該当するに至ったため被保険者(日雇特例被保険者を除く。)の資格を喪失した者であって、喪失の日の前日まで継続して2月以上被保険者(日雇特例被保険者、任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であったもののうち、保険者に申し出て、継続して当該保険者の被保険者となった者をいう。ただし、船員保険の被保険者又は後期高齢者医療の被保険者等である者は、この限りでない。
第37条 ① 任意継続被保険者となる申出は、被保険者の資格を喪失した日から20日以内にしなければならない。ただし、保険者は、正当な理由があると認めるときは、この期間を経過した後の申出であっても、受理することができる。 ② 申出をした者が、初めて納付すべき保険料をその納付期日までに納付しなかったときは、その者は、任意継続被保険者とならなかったものとみなす。ただし、その納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときは、この限りでない。
第38条 任意継続被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(第4号から第6号までのいずれかに該当するに至ったときは、その日)から、その資格を喪失する。 (1) 任意継続被保険者となった日から起算して2年を経過したとき。 (2) 死亡したとき。 (3) 保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を納付期日までに納付しなかったとき(納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときを除く。)。 (4) 被保険者となったとき。 (5) 船員保険の被保険者となったとき。 (6) 後期高齢者医療の被保険者等となったとき。 (7) 任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を、厚生労働省令で定めるところにより、保険者に申し出た場合において、その申出が受理された日の属する月の末日が到来したとき。 |
では、過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
任意継続被保険者の申出は、被保険者の資格を喪失した日から20日以内にしなければならず、保険者は、いかなる理由がある場合においても、この期間を経過した後の申出は受理することができない。
【解答】
①【R2年出題】 ×
保険者は、「正当な理由があると認めるとき」は、この期間を経過した後の申出であっても、受理することができるとされています。
②【R4年出題】
任意継続被保険者となるためには、被保険者の資格喪失の日の前日まで継続して2か月以上被保険者(日雇特例被保険者、任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)でなければならず、任意継続被保険者に関する保険料は、任意継続被保険者となった月から算定する。
【解答】
②【R4年出題】 〇
例えば、3月8日退職、翌日の9日に資格を喪失した場合で考えてみましょう。
・任意継続被保険者となるためには、被保険者の資格喪失の日の前日(=3月8日)まで継続して2か月以上被保険者であることが条件です。
・任意継続被保険者に関する保険料は、任意継続被保険者となった月(=3月)から算定されます。
(法第157条第1項)
③【R3年出題】
任意継続被保険者の申出をした者が、初めて納付すべき保険料をその納付期日までに納付しなかったときは、いかなる理由があろうとも、その者は、任意継続被保険者とならなかったものとみなされる。
【解答】
③【R3年出題】 ×
任意継続被保険者の申出をした者が、初めて納付すべき保険料をその納付期日までに納付しなかったときは、その者は、任意継続被保険者とならなかったものとみなされます。
ただし、「その納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたとき」は、任意継続被保険者となることができます。
④【H27年出題】
任意継続被保険者が保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を納付期日までに納付しなかったときは、納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めた場合を除き、督促状により指定する期限の翌日にその資格を喪失する。
【解答】
④【H27年出題】 ×
任意継続被保険者が保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を納付期日までに納付しなかったときは、納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めた場合を除き、納付期日の翌日に資格を喪失します。
なお、任意継続被保険者の保険料の納付期日は、「その月の10日」ですので、保険料の納付期日までに納付しなかったときは、11日に資格を喪失します。
⑤【H26年出題】
任意継続被保険者は、後期高齢者医療の被保険者となった日の翌日からその資格を喪失する。
【解答】
⑤【H26年出題】 ×
任意継続被保険者は、後期高齢者医療の被保険者となった「日」からその資格を喪失します。翌日喪失ではなく当日喪失です。
⑥【R6年出題】
任意継続被保険者は、任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を、厚生労働省令で定めるところにより、保険者に申し出た場合において、その申し出た日の属する月の末日が到来するに至ったときは、その翌日から任意継続被保険者の資格を喪失する。
【解答】
⑥【R6年出題】 ×
「その申出が受理された日の属する月の末日が到来したとき」は、その翌日から、任意継続被保険者の資格を喪失します。
保険者が申出書を受理した日の属する月の翌月1日に資格を喪失します。
例えば、3月8日に資格喪失の申出が受理された場合は、4月1日が資格喪失日となり、3月分の保険料の納付が必要です。
⑦【R5年出題】
任意継続被保険者が任意の資格喪失の申出をしたが、申出のあった日が保険料納付期日の10日より前であり、当該月の保険料をまだ納付していなかった場合、健康保険法第38条第3号の規定に基づき、当該月の保険料の納付期日の翌日から資格を喪失する。
【解答】
⑦【R5年出題】 〇
任意継続被保険者が任意の資格喪失の申出をしたが、申出のあった日が保険料納付期日の10日より前であり、当該月の保険料を納付期日までに納付しなかった場合、法第38条第3号の規定に基づき、当該月の保険料の納付期日の翌日から資格を喪失します。
(令3.12.27事務連絡)
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R7-191 03.07
労働保険料は、「申告制」で納付することになっています。
■継続事業・一括有期事業の場合
労働保険料は、「保険年度」単位で、申告・納付することになっています。
保険年度の初めに「概算」で保険料を申告・納付し、保険年度の終了後に、「確定」で保険料を申告し、保険料の過不足を精算します。
■有期事業の場合
労働保険料は、事業の初めに「概算」で保険料を申告・納付し、事業終了後に「確定」で保険料を申告し、保険料の過不足を精算します。
今回は、「確定保険料」の申告と納付の手続きをみていきます。
条文を読んでみましょう。
★継続事業・一括有期事業の確定保険料(一般保険料について) 第19条第1項 事業主は、保険年度ごとに、確定保険料申告書を、次の保険年度の6月1日から 40日以内(保険年度の中途に保険関係が消滅したものについては、当該保険関係が消滅した日から50日以内)に提出しなければならない。 (一般保険料の額) ・その保険年度に使用したすべての労働者(保険年度の中途に保険関係が成立し、又は消滅したものについては、その保険年度において、当該保険関係が成立していた期間に使用したすべての労働者)に係る賃金総額に当該事業についての一般保険料率を乗じて算定する
★有期事業の確定保険料(一般保険料について) 第19条第2項 有期事業については、その事業主は、確定保険料申告書を、保険関係が消滅した日から50日以内に提出しなければならない。 (一般保険料の額) ・当該保険関係に係る全期間に使用したすべての労働者に係る賃金総額に当該事業についての一般保険料率を乗じて算定する |
「賃金総額」の違いを確認しましょう。
★概算保険料
「賃金総額の見込額」で計算します。
★確定保険料
実際に支払った「賃金総額」で計算します。
過不足の精算について条文を読んでみましょう。
第19条 ③ 事業主は、納付した概算保険料の額が確定保険料の額に足りないときはその不足額を、納付した概算保険料がないときは確定保険料を、確定保険料申告書に添えて、「継続事業・一括有期事業」にあっては次の保険年度の6月1日から40日以内(保険年度の中途に保険関係が消滅したものについては、当該保険関係が消滅した日から50日以内)に、有期事業にあっては保険関係が消滅した日から50日以内に納付しなければならない。
⑥ 事業主が納付した概算保険料の額が、確定保険料の額を超える場合には、政府は、厚生労働省令で定めるところにより、その超える額を次の保険年度の労働保険料若しくは未納の労働保険料その他この法律の規定による徴収金に充当し、又は還付する。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】(雇用)
確定保険料申告書は、納付した概算保険料の額が確定保険料の額以上の場合でも、所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。
【解答】
①【H30年出題】(雇用) 〇
申告書の提出先は、所轄都道府県労働局歳入徴収官です。
納付した概算保険料の額が確定保険料の額以上の場合でも、確定保険料申告書の提出は必要です。
(則第38条)
②【R6年出題】(雇用)
前保険年度より保険関係が引き続く継続事業の事業主は、労働保険徴収法第19条第1項に定める確定保険料申告書を、保険年度の7月10日までに所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならないが、当該事業が3月31日に廃止された場合には同年5月10日までに提出しなければならない。
【解答】
②【R6年出題】(雇用) ×
・前保険年度より保険関係が引き続く継続事業の確定保険料について
「次の保険年度の6月1日から40日以内」に提出しなければなりません。
「当日」起算ですので、「7月10日」が提出期限です。
・保険年度の中途に保険関係が消滅した場合
「保険関係が消滅した日から50日以内」に提出しなければなりません。
こちらも「当日」起算です。
問題文の場合、「3月31日」に事業が廃止されているので、翌日の「4月1日」に保険関係が消滅します。
4月1日(当日)から起算して50日以内ですので、期限は、5月10日ではなく「5月20日」です。
(法第19条)
③【R6年出題】(雇用)
3月31日に事業が終了した有期事業の事業主は、労働保険徴収法第19条第1項に定める確定保険料申告書を、同年5月10日までに所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。
【解答】
③【R6年出題】(雇用) ×
有期事業の確定保険料申告書は、「保険関係が消滅した日から50日以内」に提出しなければなりません。なお、「当日」起算です。
3月31日に事業が終了した場合、翌日の4月1日に保険関係が消滅します。
4月1日(当日)から起算して50日以内ですので、期限は5月20日となります。
(法第19条)
④【H26年出題】(雇用)
平成26年6月30日に事業を廃止すれば、その年の8月19日までに確定保険料申告書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。
【解答】
④【H26年出題】(雇用) 〇
6月30日に事業が廃止された場合、翌日の7月1日に保険関係が消滅します。
確定保険料申告書は、7月1日(当日)から起算して50日以内ですので、その年の8月19日が期限となります。
(法第19条)
⑤【R5年出題】(雇用)
小売業を継続して営んできた事業主が令和4年10月31日限りで事業を廃止した場合、確定保険料申告書を同年12月10日までに所轄都道府県労働局歳入徴収官あてに提出しなければならない。
【解答】
⑤【R5年出題】(雇用) ×
事業の廃止が10月31日の場合、保険関係は11月1日に消滅します。
確定保険料申告書は、11月1日(当日)から起算して50日以内ですので、12月20日が期限です。
(法第19条)
⑥【R1年出題】(労災)
事業主は、既に納付した概算保険料の額のうち確定保険料の額を超える額(超過額)の還付を請求できるが、その際、労働保険料還付請求書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。
【解答】
⑥【R1年出題】(労災) ×
労働保険料還付請求書は、所轄都道府県労働局歳入徴収官ではなく、「官署支出官又は所轄都道府県労働局資金前渡官吏」に提出しなければなりません。
還付を受ける場合は、請求が必要です。
・ 確定保険料申告書を提出する際に、既に納付した概算保険料の額のうち、確定保険料の額を超える額(以下「超過額」という。)の還付を請求したときは、官署支出官又は事業場の所在地を管轄する都道府県労働局労働保険特別会計資金前渡官吏(以下「所轄都道府県労働局資金前渡官吏」という。)はその超過額を還付します。
・ 還付請求がない場合には、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、超過額を次の保険年度の概算保険料若しくは未納の労働保険料その他法の規定による徴収金又は未納の一般拠出金その他徴収金に充当します。
(則第36条、第37条)
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R7-190 03.06
高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金・高年齢再就職給付金)は、「支給対象月」単位で支給されます。
今回は、「支給対象月」をみていきます。
条文を読んでみましょう。
(高年齢雇用継続基本給付金) 第61条第2項 「支給対象月」とは、被保険者が60歳に達した日の属する月から65歳に達する日の属する月までの期間内にある月(その月の初日から末日まで引き続いて、被保険者であり、かつ、介護休業給付金又は育児休業給付金、出生時育児休業給付金若しくは出生後休業支援給付金の支給を受けることができる休業をしなかった月に限る。)をいう。 |
ポイント!
「支給対象月」は「暦月」単位です。
図でイメージしましょう。
(高年齢再就職給付金) 第61条の2第2項 「再就職後の支給対象月」とは、就職日の属する月から当該就職日の翌日から起算して2年(当該就職日の前日における支給残日数が200日未満である被保険者については、1年)を経過する日の属する月(その月が被保険者が65歳に達する日の属する月後であるときは、65歳に達する日の属する月)までの期間内にある月(その月の初日から末日まで引き続いて、被保険者であり、かつ、介護休業給付金又は育児休業給付金、出生時育児休業給付金若しくは出生後休業支援給付金の支給を受けることができる休業をしなかった月に限る。)をいう。 |
★再就職後の支給対象月について
高年齢再就職給付金の支給期間を確認しましょう。
・支給残日数が200日以上の場合
就職日の属する月から当該就職日の翌日から起算して2年を経過する日の属する月までの期間内にある月
・支給残日数が100日以上200日未満の場合
就職日の属する月から当該就職日の翌日から起算して1年を経過する日の属する月までの期間内にある月
※ただし、2年又は1年を経過する日の前に65歳に達する日がある場合は、65歳に達する日の属する月までとなります。
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
60歳に達した日に算定基礎期間に相当する期間が5年に満たない者が、その後継続雇用され算定基礎期間に相当する期間が5年に達した場合、他の要件を満たす限り算定基礎期間に相当する期間が5年に達する日の属する月から65歳に達する日の属する月まで高年齢雇用継続基本給付金が支給される。
【解答】
①【R1年出題】 〇
60歳に達した日に算定基礎期間に相当する期間が5年未満の場合は、高年齢雇用継続基本給付金は支給されません。
しかし、その後継続雇用され5年に達した場合は資格ができますので、「5年に達する日の属する月」から「65歳に達する日の属する月」まで高年齢雇用継続基本給付金が支給されます。
②【H22年出題】
高年齢再就職給付金は、基本手当の支給残日数のいかんにかかわらず、当該被保険者が65歳に達する日の属する月よりも後の月について支給されることはない。
【解答】
②【H22年出題】 〇
高年齢再就職給付金は、「就職日の属する月から当該就職日の翌日から起算して2年(又は1年)を経過する日の属する月」まで支給されますが、その前に65歳に達した場合は、65歳に達する日の属する月までとなります。
そのため、基本手当の支給残日数にかかわらず、65歳に達する日の属する月よりも後の月については支給されません。
③【H27年出題】
高年齢雇用継続給付を受けていた者が、暦月の途中で、離職により被保険者資格を喪失し、1日以上の被保険者期間の空白が生じた場合、その月は高年齢雇用継続給付の支給対象とならない。
【解答】
③【H27年出題】 〇
「支給対象月」には、「その月の初日から末日まで引き続いて、被保険者である」という要件があります。
暦月の途中で、1日以上の被保険者期間の空白が生じた場合は、その月は初日から末日まで引き続いて被保険者である月ではありませんので、高年齢雇用継続給付は支給されません。
④【R1年出題】
再就職の日が月の途中である場合、その月の高年齢再就職給付金は支給しない。
【解答】
④【R1年出題】 〇
例えば、3月6日に再就職した場合、3月は初日から末日まで引き続いて被保険者である月ではありません。そのため3月は支給対象月ではなく、高年齢再就職給付金は支給されません。
⑤【R4年出題】
支給対象月の暦月の初日から末日までの間に引き続いて介護休業給付の支給対象となる休業を取得した場合、他の要件を満たす限り当該月に係る高年齢雇用継続基本給付金を受けることができる。
【解答】
⑤【R4年出題】 ×
支給対象月は、「その月の初日から末日まで引き続いて、被保険者であり、かつ、介護休業給付金又は育児休業給付金、出生時育児休業給付金若しくは出生後休業支援給付金の支給を受けることができる休業をしなかった月に限る。」とされています。
支給対象月の暦月の初日から末日までの間に引き続いて介護休業給付の支給対象となる休業を取得した場合は、支給対象月にはなりません。
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R7-189 03.05
今回は、遺族補償一時金を受けることができる遺族についてみていきます。
条文を読んでみましょう。
第16条の7 ① 遺族補償一時金を受けることができる遺族は、次の各号に掲げる者とする。 (1) 配偶者 (2) 労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた子、父母、孫及び祖父母 (3) 前号に該当しない子、父母、孫及び祖父母並びに兄弟姉妹 ② 遺族補償一時金を受けるべき遺族の順位は、(1)、(2)、(3)の順序により、(2)及び(3)に掲げる者のうちにあっては、それぞれ、当該各号に掲げる順序による。 |
遺族補償一時金を受けることができる遺族の順位を確認しましょう。
① | 配偶者(生計維持していた・生計維持していなかった関係なく) |
② | 労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた 子、父母、孫、祖父母 |
③ | 労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していなかった 子、父母、孫、祖父母 |
④ | 兄弟姉妹(生計維持していた・生計維持していなかった関係なく) |
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
遺族補償一時金を受けるべき遺族の順位に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
<A> 労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた父母は、労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していなかった配偶者より先順位となる。
<B> 労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた祖父母は、労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していなかった父母より先順位となる。
<C> 労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた孫は、労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していなかった子より先順位となる。
<D> 労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた兄弟姉妹は、労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していなかった子より後順位となる。
<E> 労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた兄弟姉妹は、労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していなかった父母より後順位となる。
【解答】
①【R3年出題】
<A> ×
労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた父母は、労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していなかった配偶者より「後順位」となります。
配偶者は、「生計維持していた」・「生計維持していなかった」に関係なく、第1順位です。
<B> 〇
生計を維持していた祖父母は、生計を維持していなかった父母より先順位です。
<C> 〇
生計を維持していた孫は、生計を維持していなかった子より先順位です。
<D> 〇
生計を維持していた兄弟姉妹は、生計を維持していなかった子より後順位です。
兄弟姉妹は、「生計維持していた」・「生計維持していなかった」に関係なく、順位は最後です。
<E> 〇
生計を維持していた兄弟姉妹は、生計を維持していなかった父母より後順位です。
②【H25年出題】
労働者が業務災害により死亡した場合、その祖父母は、当該労働者の死亡当時その収入により生計を維持していなかった場合でも、遺族補償一時金の受給者となることがある。
【解答】
②【H25年出題】 〇
遺族補償一時金は、労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していなかった場合でも、受給者となることがあります。
③【H28年出題】
遺族補償年金の受給権を失権したものは、遺族補償一時金の受給権者になることはない。
【解答】
③【H28年出題】 ×
遺族補償年金の受給権を失権したものが、遺族補償一時金の受給権者になることもあります。
<例>
・遺族補償年金を受けていた死亡労働者の妻が再婚し、遺族補償年金が失権。他に遺族補償年金の受給権者がいない場合で
↓
・妻に支給された遺族補償年金の額の合計が1000日未満の場合
↓
・1000日分との差額が遺族補償一時金として妻に支給されます
※身分は、労働者の死亡当時の身分関係で判断されます。再婚したとしても、労働者の死亡当時は労働者の妻だったので、一時金を受ける資格があります。
④【H18年出題】
遺族補償給付を受けることができる遺族は、死亡した労働者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものでなければならない。
【解答】
④【H18年出題】 ×
遺族補償給付には、「年金」と「一時金」があります。
「年金」は「労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたもの」が絶対条件です。
しかし「一時金」は、「労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたもの」でなくても、対象となります。
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R7-188 03.04
労働基準法では、解雇が禁止される期間を設けています。
条文を読んでみましょう。
法第19条 ① 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。 ただし、使用者が、第81条の規定によって打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、この限りでない。 ② 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。 |
★解雇制限期間と例外を確認しましょう。
解雇が禁止される期間 | 例外で解雇できる場合 |
①業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間+その後30日間 | ・打切補償を支払う場合(行政官庁の認定不要) ・天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合(行政官庁の認定を受けること) |
②産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間+その後30日間 | ・天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合(行政官庁の認定を受けること) |
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
就業規則に定めた定年制が労働者の定年に達した日の翌日をもってその雇用契約は自動的に終了する旨を定めたことが明らかであり、かつ、従来この規定に基づいて定年に達した場合に当然労働関係が終了する慣行になっていて、それが従業員にも徹底している場合には、その定年による雇用関係の終了は解雇ではないので、労働基準法第19条第1項に抵触しない。
【解答】
①【H26年出題】 〇
・就業規則で定年に達した日の翌日をもってその雇用契約は自動的に終了する旨を定めている。
・従来この規定に基づいて定年に達した場合に当然労働関係が終了する慣行になっている。
↓
定年による雇用関係の終了は解雇ではないので、労働基準法第19条第1項に抵触しません。
(昭26.8.9基収3388号)
②【H29年出題】
使用者は、労働者が業務上の傷病により治療中であっても、休業しないで就労している場合は、労働基準法第19条による解雇制限を受けない。
【解答】
②【H29年出題】 〇
業務上の傷病により治療中でも、休業しないで就労している場合は、解雇は制限されません。
解雇が制限されるのは「休業する期間+30日間」です。
(昭24.4.12基収1134号)
③【R1年出題】
使用者は、女性労働者が出産予定日より6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)前以内であっても、当該労働者が労働基準法第65条に基づく産前の休業を請求しないで就労している場合は、労働基準法第19条による解雇制限を受けない。
【解答】
③【R1年出題】 〇
産前の休業を請求しないで就労している場合は、解雇は制限されません。
(昭25.6.16基収1526号)
④【H26年出題】
労働基準法第19条第1項に定める産前産後の女性に関する解雇制限について、同条に定める除外事由が存在しない状況において、産後8週間を経過しても休業している女性の場合については、その8週間及びその後の30日間が解雇してはならない期間となる。
【解答】
④【H26年出題】 〇
産前産後の女性の解雇が制限されるのは、「第65条の規定によって休業する期間+その後30日間」です。
第65条で規定される産後の休業は、「産後8週間」です。
そのため、産後8週間を超えて休業している期間は、解雇は制限されません。
産後8週間を超えて休業していても、解雇が制限されるのは、「産後8週間及びその後の30日間」となります。
⑤【H30年出題】
使用者は、税金の滞納処分を受け事業廃止に至った場合には、「やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」として、労働基準法第65条の規定によって休業する産前産後の女性労働者であっても解雇することができる。
【解答】
⑤【H30年出題】 ×
「税金の滞納処分を受け事業廃止に至った場合」は、「やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」には当たりません。
(昭63.3.14基発150号)
⑥【R5年出題】
従来の取引事業場が休業状態となり、発注品がないために事業が金融難に陥った場合には、労働基準法第19条及び第20条にいう「やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」に該当しない。
【解答】
⑥【R5年出題】 〇
「従来の取引事業場が休業状態となり、発注品がないために事業が金融難に陥った場合」は、「やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」に当たりません。
(昭63.3.14基発150号)
⑦【H28年選択式】
最高裁判所は、労働基準法第19条第1項の解雇制限が解除されるかどうかが問題となった事件において、次のように判示した。
「労災保険法に基づく保険給付の実質及び労働基準法上の災害補償との関係等によれば、同法〔労働基準法〕において使用者の義務とされている災害補償は、これに代わるものとしての労災保険法に基づく保険給付が行われている場合にはそれによって実質的に行われているものといえるので、使用者自らの負担により災害補償が行われている場合とこれに代わるものとしての同法〔労災保険法〕に基づく保険給付が行われている場合とで、同項〔労働基準法第19条第1項〕ただし書の適用の有無につき取扱いを異にすべきものとはいい難い。また、後者の場合には< A >として相当額の支払がされても傷害又は疾病が治るまでの間は労災保険法に基づき必要な療養補償給付がされることなども勘案すれば、これらの場合につき同項ただし書の適用の有無につき異なる取扱いがされなければ労働者の利益につきその保護を欠くことになるものともいい難い。
そうすると、労災保険法12条の8第1項1号の療養補償給付を受ける労働者は、解雇制限に関する労働基準法19条1項の適用に関しては、同項ただし書が< A >の根拠規定として掲げる同法81条にいう同法75条の規定によって補償を受ける労働者に含まれるものとみるのが相当である。
したがって、労災保険法12条の8第1項1号の療養補償給付を受ける労働者が、療養開始後< B >を経過しても疾病等が治らない場合には、労働基準法75条による療養補償を受ける労働者が上記の状況にある場合と同様に、使用者は、当該労働者につき、同法81条の規定による< A >の支払をすることにより、解雇制限の除外事由を定める同法19条1項ただし書の適用を受けることができるものと解するのが相当である。」
【解答】
<A> 打切補償
<B> 3年
(最高二小平27.6.8)
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R7-187 03.03
「遺族基礎年金」を受けることができる遺族は、被保険者又は被保険者であった者の「配偶者又は子」です。
・配偶者と子の共通の失権事由 ・配偶者特有の失権事由
・子特有の失権事由をみていきましょう。
★特によく出題されるのは、「配偶者の遺族基礎年金が失権する事由」です。
(例)遺族が配偶者と子1人の場合で、その子が18歳の年度末を終了したときは、配偶者の遺族基礎年金の受給権は消滅します。
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R7-186 03.02
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年2月14日から3月1日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・老齢厚生年金の計算についてお話しします(厚生年金保険法)
・保険年度の中途で保険料率の引上げを行ったときの「追加徴収」(徴収法)
・出産手当金の支給期間・支給額など(健康保険法)
・付加年金は老齢基礎年金とワンセット(支給要件と年金額)(国民年金法)
・厚生年金保険の被保険者期間44年以上の場合の特例(厚生年金保険法)
・後期高齢者医療制度の内容と対象者(高齢者医療確保法)
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R7-185 03.01
後期高齢者医療は、原則として75歳以上の人が対象です。
75歳になるまでは、医療保険各法(健康保険法、船員保険法、国民健康保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法)の加入者となります。
では、後期高齢者医療制度について条文を読んでみましょう。
第47条 後期高齢者医療は、高齢者の疾病、負傷又は死亡に関して必要な給付を行うものとする。
第48条 市町村は、後期高齢者医療の事務(保険料の徴収の事務及び被保険者の便益の増進に寄与するものとして政令で定める事務を除く。)を処理するため、都道府県の区域ごとに当該区域内のすべての市町村が加入する広域連合(以下「後期高齢者医療広域連合」という。)を設けるものとする。
第49条 後期高齢者医療広域連合及び市町村は、後期高齢者医療に関する収入及び支出について、政令で定めるところにより、特別会計を設けなければならない。
第50条 次の各号のいずれかに該当する者は、後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者とする。 (1) 後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する75歳以上の者 (2) 後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する65歳以上75歳未満の者であって、厚生労働省令で定めるところにより、政令で定める程度の障害の状態にある旨の当該後期高齢者医療広域連合の認定を受けたもの
第51条 次の各号のいずれかに該当する者は、後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者としない。 (1) 生活保護法による保護を受けている世帯(その保護を停止されている世帯を除く。)に属する者 (2) 前号に掲げるもののほか、後期高齢者医療の適用除外とすべき特別の理由がある者で厚生労働省令で定めるもの |
過去問をどうぞ!
①【R5年出題】
都道府県は、後期高齢者医療の事務(保険料の徴収の事務及び被保険者の便益の増進に寄与するものとして政令で定める事務を除く。)を処理するため、都道府県の区域ごとに当該区域内のすべての市町村が加入する広域連合(以下「後期高齢者医療広域連合」という。)を設けるものとする。
【解答】
①【R5年出題】 ×
後期高齢者医療広域連合を設けるのは、都道府県ではなく「市町村」です。
②【H22年出題】
都道府県は、後期高齢者医療に関する収入及び支出について、厚生労働省令で定めるところにより、特別会計を設けなければならない。
【解答】
②【H22年出題】 ×
『「後期高齢者医療広域連合及び市町村」は、後期高齢者医療に関する収入及び支出について、「政令」で定めるところにより、特別会計を設けなければならない。』となります。
③【H29年出題】
後期高齢者医療は、高齢者の疾病又は負傷に関して必要な給付を行うものとしており、死亡に関しては給付を行わない。
【解答】
③【H29年出題】 ×
後期高齢者医療は、高齢者の疾病、負傷又は死亡に関して必要な給付を行うものとされています。死亡に関する給付も行っています。
なお、出産に関する給付はありません。
④【H22年出題】
後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者は、後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する70歳以上の者、または65歳以上70歳未満の者であって、厚生労働省令で定めるところにより、政令で定める程度の障害の状態にある旨の当該後期高齢者医療広域連合の認定を受けた者である。
【解答】
④【H22年出題】 ×
年齢が誤りです。
70歳以上ではなく「75歳以上の者」、「65歳以上70歳未満」ではなく「65歳以上75歳未満の者であって・・・」となります。
⑤【H28年出題】
高齢者医療確保法では、生活保護法による保護を受けている世帯(その保護を停止されている世帯を除く。)に属する者は、後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者としないことを規定している。
【解答】
⑤【H28年出題】 〇
生活保護法による保護を受けている世帯(その保護を停止されている世帯を除く。)に属する者は、後期高齢者医療の適用が除外されます。
⑥【R5年出題】
都道府県は、被保険者の死亡に関しては、高齢者医療確保法の定めるところにより、葬祭費の支給又は葬祭の給付を行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる。
【解答】
⑥【R5年出題】 ×
条文を読んでみましょう。
第86条第1項 後期高齢者医療広域連合は、被保険者の死亡に関しては、条例の定めるところにより、葬祭費の支給又は葬祭の給付を行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる。 |
問題文の誤りの部分は、「都道府県」ではなく「後期高齢者医療広域連合」、「高齢者医療確保法の定めるところにより」ではなく、「条例の定めるところにより」となります。
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R7-184 02.28
長期加入者の特例は、60歳台前半の老齢厚生年金が、「報酬比例部分」のみになる場合が対象です。
要件を満たした場合、定額部分・加給年金額が加算されます。
例えば、昭和28年4月2日生まれの男子が長期要件に該当した場合
61歳 65歳
報酬比例部分 | 老齢厚生年金 |
定額部分(特例) | 老齢基礎年金 |
★長期加入者の特例が適用される要件を確認しましょう。(法附則第9条の3)
・厚生年金保険の被保険者期間が44年以上あること
・特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)を受けていること
・厚生年金保険の被保険者でないこと(退職していること)
・請求手続きは不要
・加給年金額の対象者がいる場合は、加給年金額も加算される
過去問をどうぞ!
①【H27年選択式】
昭和30年4月2日生まれの男子に係る特別支給の老齢厚生年金について、報酬比例部分の支給開始年齢は62歳であり、定額部分の支給は受けられないが、
(1) 厚生年金保険法附則第9条の2第1項及び第5項各号に規定する、傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態にあるとき
(2) 被保険者期間が< A >以上であるとき
(3) 坑内員たる被保険者であった期間と船員たる被保険者であった期間とを合算した期間が< B >以上であるとき
のいずれかに該当する場合には、60歳台前半に定額部分の支給を受けることができる。
上記(1)から(3)のうち、「被保険者でない」という要件が求められるのは、 < C >であり、定額部分の支給を受けるために受給権者の請求が必要(請求があったものとみなされる場合を含む。)であるのは、< D >である。
(選択肢)
A | ① 42年 ②43年 ③44年 ④45年 |
B | ① 10年 ②15年 ③20年 ④25年 |
C | ① (1)及び(2) ② (1)、(2)及び(3) ③ (2)のみ ④ (2)及び(3) |
D | ① (1)のみ ② (1)及び(2) ③ (1)及び(3) ④ (1)、(2)及び(3) |
【解答】
①【H27年選択式】
<A> ③ 44年
<B> ② 15年
<C> ① (1)及び(2)
<D> ① (1)のみ
ポイント!
・ 報酬比例部分に定額部分が加算される特例には、(1)「障害者の特例」、(2)「長期加入者の特例」、(3)「坑内員・船員の特例」の3つのパターンがあります。
・ 「被保険者でない」という要件があるものは、(1)「障害者の特例」と(2)「長期加入者の特例」です。
・ 受給権者の請求が必要(請求があったものとみなされる場合を含む。)なものは、(1)「障害者の特例」のみです。
②【R6年出題】
第1号厚生年金被保険者として在職中である者が、報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金の受給権を取得したとき、第1号厚生年金被保険者としての期間が44年以上である場合は、老齢厚生年金の額の計算に係る特例の適用となり、その者の特別支給の老齢厚生年金に定額部分が加算される。
【解答】
②【R6年出題】 ×
長期加入者の特例が適用される条件は、「厚生年金保険の被保険者でないこと」です。問題文は、「第1号厚生年金被保険者として在職中である」となっていますので、老齢厚生年金の額の計算に係る特例は適用されません。
③【R3年出題】
昭和33年4月10日生まれの男性は、第1号厚生年金被保険者として4年、第2号厚生年金被保険者として40年加入してきた(これらの期間以外の被保険者期間は有していないものとする。)。当該男性は、厚生年金保険の被保険者でなければ、63歳から定額部分と報酬比例部分の特別支給の老齢厚生年金が支給される。
【解答】
③【R3年出題】 ×
44年の計算については、2以上の種別の被保険者であった期間は、合算されません。
問題文の第1号厚生年金被保険者としての4年と第2号厚生年金被保険者としての40年は合算できませんので、定額部分は加算されません。
(法附則第20条)
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R7-183 02.27
付加保険料(月400円)を納付した場合、老齢基礎年金に付加年金が上乗せされます。
条文を読んでみましょう。
第43条 付加年金は、付加保険料に係る保険料納付済期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに、その者に支給する。
第44条 付加年金の額は、200円に付加保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とする。
第47条 付加年金は、老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されているときは、その間、その支給を停止する。
第48条 付加年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する。 |
過去問をどうぞ!
①【H19年出題】
付加年金、寡婦年金及び死亡一時金は、第1号被保険者及び第3号被保険者としての被保険者期間を対象とした給付で、第2号被保険者としての被保険者期間は対象とされない。
【解答】
①【H19年出題】 ×
付加年金、寡婦年金及び死亡一時金は、「第1号被保険者」としての被保険者期間を対象とした給付です。
第2号被保険者・第3号被保険者としての被保険者期間は対象となりません。
②【R4年出題】
第1号被保険者期間中に支払った付加保険料に係る納付済期間を60月有する者は、65歳で老齢基礎年金の受給権を取得したときに、老齢基礎年金とは別に、年額で、400円に60月を乗じて得た額の付加年金が支給される。
【解答】
②【R4年出題】 ×
付加保険料に係る納付済期間が60月ある場合の付加年金の額は、400円ではなく、「200円」に60月を乗じて得た額です。
付加保険料の月額が400円ですので、60月納付した場合、納付した付加保険料の総額は24,000円、支給される付加年金は1年あたり12,000円です。2年受給すると納付した付加保険料と同額になります。
③【H29年出題】
寡婦年金及び付加年金の額は、毎年度、老齢基礎年金と同様の改定率によって改定される。
【解答】
③【H29年出題】 ×
付加年金の額は、改定率による改定はありません。200円×付加保険料に係る保険料納付済期間の月数で計算します。
④【R5年出題】
老齢基礎年金の繰上げの請求をした場合において、付加年金については繰上げ支給の対象とはならず、65歳から支給されるため、減額されることはない。
【解答】
④【R5年出題】 ×
老齢基礎年金と付加年金はワンセットです。老齢基礎年金の繰上げの請求をした場合は、付加年金も繰上げて支給され、老齢基礎年金と同じ率で減額されます。
(法附則第9条の2第6項)
⑤【H29年出題】
付加保険料に係る保険料納付済期間を有する者が老齢基礎年金の支給繰下げの申出を行ったときは、付加年金についても支給が繰り下げられ、この場合の付加年金の額は、老齢基礎年金と同じ率で増額される。なお、本問において振替加算を考慮する必要はない。
【解答】
⑤【H29年出題】 〇
老齢基礎年金の支給繰下げの申出を行ったときは、付加年金も支給が繰り下げられ、老齢基礎年金と同じ率で増額されます。
(法第46条)
⑥【H20年出題】
付加年金は、老齢基礎年金の全部又は一部が支給を停止されているときは、その間、その支給が停止される。
【解答】
⑥【H20年出題】 ×
付加年金が支給停止されるのは、「老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されているとき」です。「全部又は一部」ではありません。
⑦【R4年出題】
付加年金が支給されている老齢基礎年金の受給者(65歳に達している者に限る。)が、老齢厚生年金を受給するときには、付加年金も支給される。
【解答】
⑦【R4年出題】 〇
老齢基礎年金と老齢厚生年金は併給されます。その際は、付加年金も老齢基礎年金とセットで支給されます。
(法第20条)
⑧【R4年出題】
老齢基礎年金と付加年金の受給権を有する者が障害基礎年金の受給権を取得し、障害基礎年金を受給することを選択したときは、付加年金は、障害基礎年金を受給する間、その支給が停止される。
【解答】
⑧【R4年出題】 〇
障害基礎年金を受給することを選択したときは、老齢基礎年金の支給は停止されます。老齢基礎年金が全額支給停止されると、付加年金もセットで支給が停止されます。
(法第20条、第47条)
⑨【H26年出題】
65歳以上の老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金を併給するときには、付加年金は支給停止される。
【解答】
⑨【H26年出題】 ×
65歳以上については、老齢基礎年金と遺族厚生年金は併給されます。その際は、付加年金も支給されます。
(法第20条)
⑩【H21年出題】
遺族基礎年金の受給権者が65歳に達し、さらに老齢基礎年金と付加年金の受給権を取得したときは、その者の選択により遺族基礎年金か老齢基礎年金のいずれか一方が支給されるが、遺族基礎年金を選択した場合も付加年金が併せて支給される。
【解答】
⑩【H21年出題】 ×
遺族基礎年金と老齢基礎年金の受給権を取得し、遺族基礎年金を選択した場合は老齢基礎年金の支給が停止されます。老齢基礎年金が全額支給停止されると付加年金の支給も停止されます。
(法第20条、第47条)
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R7-182 02.26
出産手当金について条文を読んでみましょう。
第102条 ① 被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する。 ② 第99条第2項及び第3項の規定(傷病手当金の額)は、出産手当金の支給について準用する。
第103条 (出産手当金と傷病手当金との調整) ① 出産手当金を支給する場合(第108条第3項又は第4項に該当するときを除く。)においては、その期間、傷病手当金は、支給しない。ただし、その受けることができる出産手当金の額(同条第2項ただし書の場合においては、同項ただし書に規定する報酬の額と同項ただし書の規定により算定される出産手当金の額との合算額)が、第99条第2項の規定により算定される額(傷病手当金の額)より少ないときは、その差額を支給する。 ② 出産手当金を支給すべき場合において傷病手当金が支払われたときは、その支払われた傷病手当金(前項ただし書の規定により支払われたものを除く。)は、出産手当金の内払とみなす。 |
出産手当金が支給される期間をイメージしましょう。
|
| 出産日 | 出産の 翌日 |
|
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産前休業 42日(多胎妊娠98日) | 産後休業 56日 |
では、過去問をどうぞ!
①【H30年選択式】
健康保険法第102条第1項では、「被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)< A >(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日< B >までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する。」と規定している。
【解答】
①【H30年選択式】
<A> 以前42日
<B> 後56日
②【H18年出題】
被保険者が出産予定日の42日前から出産休暇をとったところ、予定日より5日遅れて出産した場合、出産日以前の出産手当金の支給日数は47日となり、また、5日の超過日数が出産日後の56日から差し引かれることはない。
【解答】
②【H18年出題】 〇
出産予定日より遅れて出産した場合は、その分、産前休業の期間が延長されます。
|
| 出産 予定日 |
| 出産日 | 出産の 翌日 |
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42日 | 5日 | 56日 | ||||||
産前休業 | 産後休業 |
問題文の場合は、産前休業は42日+5日=47日、産後休業は、出産の翌日から56日となります。
(昭31.3.14保文発1956号)
③【R2年出題】
被保険者(任意継続被保険者を除く。)が出産の日以前42日から出産の日後56日までの間において、通常の労務に服している期間があった場合は、その間に支給される賃金額が出産手当金の額に満たない場合に限り、その差額が出産手当金として支給される。
【解答】
③【R2年出題】 ×
出産手当金が支給されるのは、「労務に服さなかった期間」です。
「通常の労務に服している期間」は、出産手当金は支給されません。
④【R4年出題】
被保険者が出産手当金の支給要件に該当すると認められれば、その者が介護休業期間中であっても当該被保険者に出産手当金が支給される。
【解答】
④【R4年出題】 〇
出産手当金の支給要件に該当すると認められる者については、その者が介護休業期間中でも出産手当金が支給されます。
なお、出産手当金が支給される場合で、同一期間内に事業主から介護休業手当等で報酬と認められるものが支給されているときは、出産手当金の支給額が調整されます。
(平11.3.31保険発第46号・庁保険発第9号)
⑤【R4年出題】
出産手当金の支給要件を満たす者が、その支給を受ける期間において、同時に傷病手当金の支給要件を満たした場合は、出産手当金の支給が優先され、支給を受けることができる出産手当金の額が傷病手当金の額を上回っている場合は、当該期間中の傷病手当金は支給されない。
【解答】
⑤【R4年出題】 〇
出産手当金の支給要件と傷病手当金の支給要件を、同時に満たした場合は、出産手当金の支給が優先されます。
・出産手当金の額が傷病手当金の額を上回っている
→ 傷病手当金は支給されません。
・出産手当金の額が傷病手当金の額より少ない
→差額の傷病手当金が支給されます。
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R7-181 02.25
今回は、概算保険料の追加徴収です。
条文を読んでみましょう。
法第17条 (概算保険料の追加徴収) ① 政府は、一般保険料率、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引上げを行ったときは、労働保険料を追加徴収する。 ② 政府は、労働保険料を追加徴収する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、事業主に対して、期限を指定して、その納付すべき労働保険料の額を通知しなければならない。
則第26条 所轄都道府県労働局歳入徴収官は、労働保険料を追加徴収しようとする場合には、通知を発する日から起算して30日を経過した日をその納期限と定め、事業主に、次に掲げる事項を通知しなければならない。 (1) 一般保険料率、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引上げによる労働保険料の増加額及びその算定の基礎となる事項 (2) 納期限 |
過去問をどうぞ!
①【H30年出題】(労災)
政府が、保険年度の中途に、一般保険料率、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引上げを行ったときは、増加した保険料の額の多少にかかわらず、法律上、当該保険料の額について追加徴収が行われることとなっている。
【解答】
①【H30年出題】(労災) 〇
政府が、保険年度の中途に保険料率の引上げを行ったときの追加徴収は、「増加した保険料の額の多少にかかわらず」行われることがポイントです。
②【H30年出題】(労災)
追加徴収される概算保険料については、所轄都道府県労働局歳入徴収官が当該概算保険料の額の通知を行うが、その納付は納付書により行われる。
【解答】
②【H30年出題】(労災) 〇
追加徴収される概算保険料の納付は、「納付書」によって行われます。納入告知書ではありません。
(則第38条)
③【R4年出題】(雇用)
事業主は、政府が保険年度の中途に一般保険料率、第一種特別加入保険料率、第二種特別加入保険料率、第三種特別加入保険料率の引上げを行ったことにより、概算保険料の増加額を納付するに至ったとき、所轄都道府県労働局歳入徴収官が追加徴収すべき概算保険料の増加額等を通知した納付書によって納付することとなり、追加徴収される概算保険料に係る申告書を提出する必要はない。
【解答】
③【R4年出題】(雇用) 〇
追加徴収される概算保険料は、所轄都道府県労働局歳入徴収官が追加徴収すべき概算保険料の増加額等を通知した納付書によって納付することとなります。
事業主は、追加徴収される概算保険料に係る申告書を提出する必要はありません。
④【H22年出題】(労災)
政府が、保険年度の中途に、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引上げを行った場合、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、事業主に対して、保険料率の引上げによる労働保険料の増加額等を通知して、追加徴収を行うこととなるが、当該事業主は当該通知を発せられた日から起算して50日以内に増加額を納付しなければならない。
【解答】
④【H22年出題】(労災) ×
追加徴収の納期限は、「通知を発する日から起算して30日を経過した日」です。
⑤【H30年出題】(労災)
追加徴収される概算保険料については、延納することはできない。
【解答】
⑤【H30年出題】(労災) ×
追加徴収される概算保険料は、延納することができます。
ただし、元々の概算保険料の延納を行う事業主に限られています。
(則第31条)
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R7-180 02.24
老齢厚生年金は、「老齢基礎年金」に上乗せされる年金です。
65歳以上で、老齢基礎年金の受給要件を満たしていて、かつ、1か月でも厚生年金保険の被保険者期間があれば、支給されます。
<今日のお話の内容です>
・総報酬制導入前、導入後の計算の違い
・在職定時改定について
・退職時改定について
よく出るポイントを中心にお話ししています。
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R7-179 02.23
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年2月17日から22日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・事後重症の障害基礎年金についてお話しします(国民年金法)
・子に対する遺族基礎年金の支給停止事由を整理しましょう(国民年金法)
・「配偶者・子」に対する遺族厚生年金の調整(厚生年金保険法)
・妊産婦の「変形労働時間制の適用」・「時間外労働・休日労働・深夜労働」(労働基準法)
・遺族補償年金の受給資格者と受給権者(労災保険法)
・公共職業訓練等を受講する場合の「訓練延長給付」(雇用保険法)
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R7-178 02.22
基本手当の所定給付日数の延長制度として、「訓練延長給付」、「個別延長給付」、「広域延長給付」、「全国延長給付」、「地域延長給付」の5つが設けられています。
今回は、「訓練延長給付」をみていきます。
訓練延長給付は、公共職業安定所長の指示により公共職業訓練等を受ける受給資格者が対象で、3つの期間があります。
①所定給付日数分の基本手当の支給終了後もなお公共職業訓練等を受講するために待期している期間
②受講している期間
③受講終了後
要件に該当した場合、所定給付日数を超えて基本手当の支給を受けることができます。
★対象者は以下の要件を満たす者です。(行政手引52352)
・ 公共職業訓練等の受講を指示した日において受給資格者であること
・公共職業 安定所長の指示により公共職業訓練等を受ける者であること。
・公共職業訓練等の期間が2年以内のものを受ける者であること。
① 公共職業訓練等を受けるために待期している期間
→ 公共職業訓練等を受けるために待期している者に対しては、当該待期している期間のうちの当該公共職業訓練等を受け始める日の前日までの引き続く 90 日間の期間内の失業している日が対象です。 (行政手引52353) |
② 公共職業訓練等を受講している期間
→ 公共職業訓練等を受講している場合には、当該公共職業訓練等を受け終わる日までの間の失業している日が対象です。(2年が限度) (行政手引52354) |
③ 公共職業訓練等を受け終わった後
→ 公共職業訓練等を受け終わった者については、(イ)及び(ロ)のいずれにも該当するものが対象です。 (イ) 当該公共職業訓練等を受け終わる日における支給残日数が 30日に満たない者 (ロ) 公共職業安定所長が政令で定める基準に照らして当該公共職業訓練等を受け終わってもなお就職が相当程度に困難な者であると認めた者 (行政手引52355) |
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
訓練延長給付の対象となる公共職業訓練等は、公共職業安定所長の指示したもののうちその期間が1年以内のものに限られている。
【解答】
①【H27年出題】 ×
「1年以内」ではなく、「2年以内」のものに限られています。
(第24条、令第4条)
②【R5年出題】
受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるために待期している期間内の失業している日は、訓練延長給付の支給対象とならない。
【解答】
②【R5年出題】 ×
公共職業訓練等を受けるために待期している期間内の失業している日も、訓練延長給付の支給対象となります。
公共職業訓練等を受け始める日の前日までの引き続く 90 日間の期間内の失業している日が対象です。
(法第24条、令第4条)
③【R5年出題】
公共職業安定所長がその指示した公共職業訓練等を受け終わってもなお就職が相当程度に困難であると認めた者は、30日から当該公共職業訓練等を受け終わる日における基本手当の支給残日数(30日に満たない場合に限る。)を差し引いた日数の訓練延長給付を受給することができる。
【解答】
③【R5年出題】 〇
終了後については、「30日」がキーワードです。
(第24条、令第5条)
④【R2年出題】
訓練延長給付により所定給付日数を超えて基本手当が支給される場合、その日額は本来支給される基本手当の日額と同額である。
【解答】
④【R2年出題】 〇
訓練延長給付の日額は本来の基本手当の日額と同額です。
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R7-177 02.21
労災保険法の「遺族補償給付」には、「遺族補償年金」と「遺族補償一時金」があります。
今回は「遺族補償年金」の対象になる遺族についてみていきます。
遺族補償年金には「受給資格者」と「受給権者」があります。
遺族補償年金を受ける資格のある遺族が「受給資格者」です。受給資格者には、順位があり、その中の最先順位の遺族が実際に年金を受給する「受給権者」となります。
受 給 資 格 者 | ① | 受給権者 |
② |
| |
③ |
| |
④ |
| |
⑤ |
|
なお、遺族補償年金には「転給」の制度があります。
①の遺族が失権した場合は、②の遺族に受給権が移ります。
では、条文を読んでみましょう。
第16条の2第1項~第3項 ① 遺族補償年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものとする。ただし、妻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)以外の者にあっては、労働者の死亡の当時次の各号に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。 (1) 夫(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)、父母又は祖父母については、60歳以上であること。 (2) 子又は孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること。 (3) 兄弟姉妹については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること又は60歳以上であること。 (4) 前3号の要件(年齢要件)に該当しない夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、厚生労働省令で定める障害の状態にあること。 ② 労働者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、将来に向かって、その子は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた子とみなす。
③ 遺族補償年金を受けるべき遺族の順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の順序とする。 |
ポイント!
・労働者の死亡当時、労働者の収入によって生計を維持していたものが対象です。
・妻以外は、労働者の死亡当時、「年齢要件」か「障害要件」のどちらかを満たしていることが必要です。
★昭40法附則第43条について
・夫、父母、祖父母及び兄弟姉妹で、労働者の死亡の当時、その収入によって生計を維持し、かつ、55歳以上60歳未満であったものも遺族補償年金を受けることができる遺族とされます。
・ただし、その者が60歳に達する月までの間は、遺族補償年金は支給停止されます。(若年停止)といいます。
★受給資格者の順位は次のようになります。
① | 「妻」又は「60歳以上又は障害状態の夫」 |
② | 18歳の年度末までの間にある又は障害状態の子 |
③ | 60歳以上又は障害状態の父母 |
④ | 18歳の年度末までの間にある又は障害状態の孫 |
⑤ | 60歳以上又は障害状態の祖父母 |
⑥ | 18歳の年度末までの間にある又は60歳以上又は障害状態の兄弟姉妹 |
⑦ | 55歳以上60歳未満の夫 |
⑧ | 55歳以上60歳未満の父母 |
⑨ | 55歳以上60歳未満の祖父母 |
⑩ | 55歳以上60歳未満の兄弟姉妹 |
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
傷病補償年金の受給者が当該傷病が原因で死亡した場合には、その死亡の当時その収入によって生計を維持していた妻は、遺族補償年金を受けることができる。
【解答】
①【H28年出題】 〇
遺族補償年金は、業務上の即死又は業務上の負傷若しくは疾病に起因する死亡の場合に支給されます。
傷病補償年金の受給者がその傷病が原因で死亡した場合は、業務上の死亡となり、遺族補償年金が支給されます。
②【H28年出題】
労働者が業務災害により死亡した場合、当該労働者と同程度の収入があり、生活費を分担して通常の生活を維持していた妻は、一般に「労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた」ものにあたらないので、遺族補償年金を受けることはできない。
【解答】
②【H28年出題】 ×
「生計を維持していた」とは、「専ら、又は主として労働者の収入によって生計を維持していることを要せず、相互に収入の全部又は一部をもって生計費の全部又は一部を共同計算している状態があれば足りる。共稼ぎの夫婦も配偶者の他方の収入の一部によって生計を維持していたことになる」とされています。
問題文の「労働者と同程度の収入があり、生活費を分担して通常の生活を維持していた妻」は、「生計を維持していた」に当たりますので、遺族補償年金を受けることができます。
(昭41.1.31基発73号)
③【H19年出題】
遺族補償年金又は遺族年金の受給資格要件の一つである厚生労働省令で定める障害の状態は、身体に障害等級第5級以上に該当する障害がある状態又は傷病が治らないで、身体の機能若しくは精神に、労働が高度の制限を受けるか、若しくは労働に高度の制限を加えることを必要とする程度以上の障害がある状態である。
【解答】
③【H19年出題】〇
遺族の要件の一つである「厚生労働省令で定める障害の状態」のキーワードは、「第5級以上」、「労働が高度の制限を受ける」の部分です。
なお、この規定は、複数事業労働者遺族年金にも準用されます。
(則第15条)
④【R5年出題】
妻である労働者の死亡当時、無職であった障害の状態にない50歳の夫は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものであるから、遺族補償年金の受給資格者である。
【解答】
④【R5年出題】 ×
夫については、労働者の死亡当時、年齢要件か障害要件を満たす必要があります。
「障害の状態にない50歳の夫」は、両方とも満たしていませんので、遺族補償年金は受けられません。
⑤【R2年出題】
業務上の災害により死亡した労働者Yには2人の子がいる。1人はYの死亡の当時19歳であり、Yと同居し、Yの収入によって生計を維持していた大学生で、もう1人は、Yの死亡の当時17歳であり、Yと離婚した元妻と同居し、Yが死亡するまで、Yから定期的に養育費を送金されていた高校生であった。2人の子は、遺族補償年金の受給資格者であり、同順位の受給権者となる。
【解答】
⑤【R2年出題】 ×
「子」については、労働者の死亡当時、「年齢要件」か「障害要件」のどちらかを満たす必要があります。
・19歳の大学生について
→「年齢要件」を満たしていませんので、受給資格者になりません。なお、「障害要件」を満たしていれば受給資格者となります。
・17歳の高校生について
→「年齢要件」を満たしていて、かつ、「定期的に養育費を送金されていた=生計を維持されていた」ので、受給資格者となります。
⑥【R5年出題】
労働者の死亡当時、胎児であった子は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものとはいえないため、出生後も遺族補償年金の受給資格者ではない。
【解答】
⑥【R5年出題】 ×
「労働者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、将来に向かって、その子は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた子とみなす」とされています。生まれたときから、受給資格者となります。
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R7-176 02.20
母性保護のため、妊産婦については、「変形労働時間制の適用」が制限され、「時間外労働・休日労働・深夜労働」が禁止されています。
ただし、「妊産婦が請求した場合」に限られていることがポイントです。個人差に配慮したためです。
では、条文を読んでみましょう。
第66条 ① 使用者は、妊産婦が請求した場合においては、「1か月単位の変形労働時間制」、「1年単位の変形労働時間制」及び「1週間単位の非定型的変形労働時間制」の規定にかかわらず、1週間についての法定労働時間、1日についての法定労働時間を超えて労働させてはならない。 ② 使用者は、妊産婦が請求した場合においては、「災害その他避けることのできない事由により臨時の必要がある場合」及び「公務のため臨時の必要がある場合」並びに「36協定による場合」にかかわらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日に労働させてはならない。 ③ 使用者は、妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない。 |
①について
→「フレックスタイム制」は制限されません。
→「1か月単位の変形労働時間制」、「1年単位の変形労働時間制」及び「1週間単位の非定型的変形労働時間制」の適用を禁止する意味ではありません。
制限される時間は、変形労働時間制によって、1日又は1週間の法定労働時間を超える時間です。
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
使用者は、労働基準法第66条第2項の規定に基づき、妊産婦が請求した場合においては、同法第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日に労働させてはならない。
【解答】
①【H25年出題】 〇
妊産婦が請求した場合は、第33条第1項(災害その他避けることのできない事由により臨時の必要がある場合)及び第3項(公務のため臨時の必要がある場合)並びに第36条第1項の規定(36協定による場合)にかかわらず、時間外労働・休日労働は禁止されます。
②【R3年出題】
労働基準法第32条又は第40条に定める労働時間の規定は、事業の種類にかかわらず、監督又は管理の地位にある者には適用されないが、当該者が妊産婦であって、前記の労働時間に関する規定を適用するよう当該者から請求があった場合は、当該請求のあった規定については適用される。
【解答】
②【R3年出題】 ×
監督又は管理の地位にある者には、労働時間に関する規定が適用されません。
妊産婦で監督又は管理の地位にある者についても、労働時間に関する規定は適用されません。
そのため、妊産婦から請求があった場合でも、監督又は管理の地位にある者の場合は、「労働時間に関する規定」は適用されません。
★妊産婦で監督又は管理の地位にある者には、「妊産婦の労働時間に関する規定(「変形労働時間制の適用の制限」、「時間外労働・休日労働の禁止」)は適用されません。
(昭61.3.20基発第151号)
③【H19年出題】
使用者は、労働基準法第66条第2項の規定により、妊産婦が請求した場合においては、同法第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働又は休日労働をさせてはならないが、この第66条第2項の規定は、同法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある妊産婦にも適用される。
【解答】
③【H19年出題】 ×
第66条第2項の規定は、第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある妊産婦には適用されません。
(昭61.3.20基発第151号)
④【H17年出題】
使用者は、労働基準法第66条第2項及び第3項の規定により、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性(以下「妊産婦」という。)が請求した場合においては、同法第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働、休日労働又は深夜業をさせてはならないが、同法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある妊産婦については、時間外労働、休日労働及び深夜業をさせることができる。
【解答】
④【H17年出題】 ×
監督又は管理の地位にある妊産婦については、時間外労働、休日労働をさせることはできます。
ただし、「深夜」の規定は監督又は管理の地位にある者にも適用されます。そのため、監督又は管理の地位にある妊産婦から請求があった場合は、深夜業をさせることはできません。
(昭61.3.20基発第151号)
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R7-175 02.19
遺族厚生年金の「配偶者と子」に対する支給停止事由をみていきましょう。
遺族厚生年金の遺族の順位は、「配偶者及び子」→「父母」→「孫」→「祖父母」の順です。
「配偶者と子」は同じ順位で、配偶者と子で調整されます。
原則は「配偶者」が優先しますが、例外もおさえましょう。
条文を読んでみましょう。
第66条 ① 子に対する遺族厚生年金は、配偶者が遺族厚生年金の受給権を有する期間、その支給を停止する。ただし、配偶者に対する遺族厚生年金が前条本文(60歳未満の夫に対する支給停止、次項本文(次の②)又は次条(所在不明による支給停止)の規定によりその支給を停止されている間は、この限りでない。 ② 配偶者に対する遺族厚生年金は、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、配偶者が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有しない場合であって子が当該遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、その支給を停止する。ただし、子に対する遺族厚生年金が次条の規定(所在不明による支給停止)によりその支給を停止されている間は、この限りでない。
第67条 ① 配偶者又は子に対する遺族厚生年金は、その配偶者又は子の所在が1年以上明らかでないときは、遺族厚生年金の受給権を有する子又は配偶者の申請によって、その所在が明らかでなくなった時にさかのぼって、その支給を停止する。 ② 配偶者又は子は、いつでも、①の規定による支給の停止の解除を申請することができる。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
被保険者の死亡により、その妻と子に遺族厚生年金の受給権が発生した場合、子に対する遺族厚生年金は、妻が遺族厚生年金の受給権を有する期間、その支給が停止されるが、妻が自己の意思で妻に対する遺族厚生年金の全額支給停止の申出をしたときは、子に対する遺族厚生年金の支給停止が解除される。
【解答】
①【H30年出題】 ×
配偶者と子に遺族厚生年金の受給権が発生した場合は、「配偶者」が優先しますので、子に対する遺族厚生年金は、配偶者が遺族厚生年金の受給権を有する期間、その支給が停止されます。
なお、問題文のように、妻が自己の意思で妻に対する遺族厚生年金の全額支給停止の申出をしたときでも、子に対する遺族厚生年金の支給停止は解除されません。子に対する遺族厚生年金は引き続き支給が停止されます。
「国民年金法の遺族基礎年金」との違いに注意してください。
こちらの記事と比較してください。
↓
http://www.syarogo-itonao.jp/17397987862029
「子に対する遺族基礎年金の支給停止事由を整理しましょう」
②【R3年出題】
遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権を有する妻が、障害基礎年金と障害厚生年金の受給権を取得した。妻は、障害基礎年金と障害厚生年金を選択したため、遺族基礎年金と遺族厚生年金は全額支給停止となった。妻には生計を同じくする子がいるが、子の遺族基礎年金については、引き続き支給停止となるが、妻の遺族厚生年金が全額支給停止であることから、子の遺族厚生年金は支給停止が解除される。
【解答】
②【R3年出題】 ×
「妻の遺族厚生年金が全額支給停止であることから、子の遺族厚生年金は支給停止が解除される。」が誤りです。子の遺族厚生年金の支給停止は解除されず、引き続き支給停止されます。
妻が「障害基礎年金と障害厚生年金」を選択し、「遺族基礎年金と遺族厚生年金」が全額支給停止となった場合でも、子の遺族基礎年金と遺族厚生年金については、引き続き支給停止となります。
③【R5年出題】
配偶者と離別した父子家庭の父が死亡し、当該死亡の当時、生計を維持していた子が遺族厚生年金の受給権を取得した場合、当該子が死亡した父の元配偶者である母と同居することになったとしても、当該子に対する遺族厚生年金は支給停止とはならない。
【解答】
③【R5年出題】 〇
★ 「遺族厚生年金」については、母と同居することになったとしても、子に対する遺族厚生年金は支給停止となりません。
★ 「子に対する遺族基礎年金」は「生計を同じくするその子の父若しくは母があるとき」は、その間、その支給が停止されます。
違いに注意しましょう。
④【H26年出題】
被保険者の死亡により妻と子に遺族厚生年金の受給権が発生した場合、妻の遺族厚生年金は、妻が遺族基礎年金の受給権を有しない場合であって、子が当該遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、支給停止される。
※本問において遺族基礎年金及び遺族厚生年金の受給権者の所在が明らかでない場合を考慮する必要はない。
【解答】
④【H26年出題】 〇
配偶者と子に遺族厚生年金の受給権が発生した場合で、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有しない場合で、子が遺族基礎年金の受給権を有するときは、配偶者の遺族厚生年金は、その間、支給停止されます。
下の図でイメージしましょう。
⑤【R4年選択式】
厚生年金保険の被保険者であるX(50歳)は、妻であるY(45歳)及びYとYの先夫との子であるZ(10歳)と生活を共にしていた。XとZは養子縁組をしていないが、事実上の親子関係にあった。また、Xは、Xの先妻であるV(50歳)及びXとVとの子であるW(15歳)にも養育費を支払っていた。V及びWは、Xとは別の都道府県に在住している。この状況で、Xが死亡した場合、遺族厚生年金が最初に支給されるのは、< A >である。なお、遺族厚生年金に係る保険料納付要件及び生計維持要件は満たされているものとする。
(選択肢)
① V ② W ③ Y ④ Z
【解答】
⑤【R4年選択式】
<A> ② W
それぞれに発生する年金の受給権を確認しましょう。
・Xの妻Y
→ 遺族厚生年金の受給権のみ発生
※Xの子と生計を同じくしていないため、Yには遺族基礎年金の受給権は発生しません。
・Yの先夫との子であるZ(XとZは養子縁組をしていない)
→ 遺族基礎年金の受給権も遺族厚生年金の受給権も発生しません。
「子」は死亡した者の実子か養子であることが条件です。Zは死亡したXと養子縁組をしていないので「子」になりません。
・Xの先妻であるV
→ Xの妻ではありませんので、遺族基礎年金の受給権も遺族厚生年金の受給権も発生しません。
・XとVとの子W
→ Xの子で、かつXによって生計を維持されていた(養育費の支払い)ので、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方の受給権が発生します。
★「Xの妻Y」と「XとVとの子W」に遺族厚生年金の受給権が発生しますが、「Xの妻Y」には遺族基礎年金の受給権がありません。
「配偶者が遺族基礎年金の受給権を有しない場合で、子が遺族基礎年金の受給権を有する」状態ですので、妻の遺族厚生年金は、その間、支給停止されます。
遺族厚生年金が最初に支給されるのは、「XとVとの子W」となります。
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R7-174 02.18
遺族基礎年金には「支給停止」規定があります。
今回は、「子」独自の支給停止事由を見ていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第41条第2項 子に対する遺族基礎年金は、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するとき(配偶者に対する遺族基礎年金が第20条の2第1項若しくは第2項(受給権者の申出による年金の支給停止)又は次条第1項の規定(配偶者の所在が1年以上明らかでないときに、遺族基礎年金の受給権を有する子の申請による支給停止)によりその支給を停止されているときを除く。)、又は生計を同じくするその子の父若しくは母があるときは、その間、その支給を停止する。
第42条第1項、第2項 ① 遺族基礎年金の受給権を有する子が2人以上ある場合において、その子のうち1人以上の子の所在が1年以上明らかでないときは、その子に対する遺族基礎年金は、他の子の申請によって、その所在が明らかでなくなった時にさかのぼって、その支給を停止する。 ② 遺族基礎年金の支給を停止された子は、いつでも、その支給の停止の解除を申請することができる |
では、過去問をどうぞ!
①【R6年出題】
第2号被保険者である50歳の妻が死亡し、その妻により生計を維持されていた50歳の夫に遺族基礎年金の受給権が発生し、16歳の子に遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権が発生した。この場合、子が遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給し、その間は夫の遺族基礎年金は支給停止される。
【解答】
①【R6年出題】 ×
子に対する遺族基礎年金は、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するときは、原則として「支給停止」されます。
問題文の場合は、「夫」が遺族基礎年金を受給し、その間は、「子」に対する遺族基礎年金が支給停止されます。
★第2号被保険者である妻が死亡し、その妻により生計を維持されていた50歳の夫と16歳の子がいる場合
→ 夫には「遺族基礎年金」の受給権が発生しますが、年齢要件を満たさないので遺族厚生年金の受給権は発生しません。16歳の子には「遺族基礎年金と遺族厚生年金」の受給権が発生します。
この場合、夫が遺族基礎年金を受給し、子は遺族厚生年金のみ受給します。
②【H28年出題】
子に対する遺族基礎年金は、原則として、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、その支給が停止されるが、配偶者に対する遺族基礎年金が国民年金法第20条の2第1項の規定に基づき受給権者の申出により支給停止されたときは、子に対する遺族基礎年金は支給停止されない。
【解答】
②【H28年出題】 〇
子に対する遺族基礎年金は、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、その支給が停止されるのが原則です。
ただし、配偶者に対する遺族基礎年金が国民年金法第20条の2第1項の規定に基づき受給権者の申出により支給停止されたときは、例外で、子に対する遺族基礎年金は支給停止されません。
③【H30年出題】
夫の死亡により妻と子に遺族基礎年金の受給権が発生し、子の遺族基礎年金は支給停止となっている。当該妻が再婚した場合、当該妻の遺族基礎年金の受給権は消滅し、当該子の遺族基礎年金は、当該妻と引き続き生計を同じくしていたとしても、支給停止が解除される。
(本問における子は 18 歳に達した日以後の最初の3 月31日に達していないものとする。)
③【H30年出題】 ×
・夫の死亡により妻と子に遺族基礎年金の受給権が発生した場合
→子の遺族基礎年金は支給停止となります。
・妻が再婚した場合
→妻の遺族基礎年金の受給権は消滅します。
→子の遺族基礎年金は、当該妻(子からみると母)と生計を同じくしている場合は、支給停止となります。
④【H30年出題】
遺族基礎年金の受給権を有する子が2人ある場合において、そのうちの1人の子の所在が明らかでないとき、その子に対する遺族基礎年金は、他の子の申請によって、その申請のあった日の属する月の翌月から、その支給を停止する。
【解答】
④【H30年出題】 ×
「その申請のあった日の属する月の翌月から」ではなく、「その所在が明らかでなくなった時にさかのぼって」、その支給が停止されます。
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R7-173 02.17
今回の内容は以下の通りです。
★「通常の障害基礎年金」と「事後重症の障害基礎年金」との大きな違い
・通常の障害基礎年金→障害認定日に受給権が発生します
・事後重症の障害基礎年金→請求によって受給権が発生します
★「事後重症の障害基礎年金」の大切なキーワード
・65歳に達する日の前日までに
・請求する
★請求をしなくても事後重症の障害基礎年金が支給される例外の仕組みもおさえましょう
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R7-172 02.16
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年2月10日から15日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・追納についてお話しします(国民年金法)
・育児休業給付金は原則1歳に満たない子が対象(雇用保険法)
・延納(継続事業・一括有期事業の場合)(労働保険徴収法)
・傷病手当金の支給要件(健康保険法)
・標準賞与額に係る保険料(健康保険法)
・障害基礎年金に加算される子の加算(国民年金法)
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R7-171 02.15
障害基礎年金には、1級と2級があり、生計を維持する子がいる場合は、加算額がプラスされます。
障害基礎年金の額は、以下の通りです。
第1級 780,900円×改定率×100分の125
第2級 780,900円×改定率
※50円未満の端数は切り捨て、50円以上100円未満の端数は100円に切り上げます。
「子」の加算について条文を読んでみましょう。
法第33条の2 ① 障害基礎年金の額は、受給権者によって生計を維持しているその者の子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にある子に限る。)があるときは、障害基礎年金の額にその子1人につきそれぞれ74,900円に改定率を乗じて得た額(そのうち2人までについては、それぞれ224,700円に改定率を乗じて得た額とし、それらの額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)を加算した額とする。 ② 受給権者がその権利を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持しているその者の子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にある子に限る。)を有するに至ったことにより、加算額を加算することとなったときは、当該子を有するに至った日の属する月の翌月から、障害基礎年金の額を改定する。 ③ 子の加算額が加算された障害基礎年金については、子のうちの1人又は2人以上が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の翌月から、その該当するに至った子の数に応じて、年金額を改定する。 (1) 死亡したとき。 (2) 受給権者による生計維持の状態がやんだとき。 (3) 婚姻をしたとき。 (4) 受給権者の配偶者以外の者の養子となったとき。 (5) 離縁によって、受給権者の子でなくなったとき。 (6) 18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。ただし、障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。 (7) 障害等級に該当する障害の状態にある子について、その事情がやんだとき。ただし、その子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。 (8) 20歳に達したとき。 |
★子の加算額について
1人目・2人目 | 224,700円×改定率 |
3人目以降 | 74,900円×改定率 |
では過去問をどうぞ!
①【R4年出題】
障害基礎年金の受給権者が、その権利を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときは、当該配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、当該障害基礎年金に当該配偶者に係る加算額が加算される。
【解答】
①【R4年出題】 ×
障害基礎年金には、配偶者に係る加算額は加算されません。
★配偶者については、「1級・2級の障害厚生年金」に加給年金額が加算されます。
②【H25年出題】
障害基礎年金の受給権者が当該受給権を取得した後に18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子を有することとなった場合には、その子との間に生計維持関係があっても、その子を対象として加算額が加算されることはない。
【解答】
②【H25年出題】 ×
障害基礎年金の受給権者が当該受給権を取得した後に子を有することとなった場合でも、加算額の対象となります。
受給権者がその権利を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持しているその者の子を有するに至った場合は、子を有するに至った日の属する月の翌月から加算額が加算されます。
③【H22年出題】
障害基礎年金の受給権者の子についての加算額は、当該受給権者が再婚し、当該子がその再婚の相手の養子になったときは、加算額は減額される。
【解答】
③【H22年出題】 ×
障害基礎年金の受給権者の子についての加算額は、当該受給権者が再婚し、当該子がその再婚の相手の養子になったときでも、加算額は減額されません。
「受給権者の配偶者以外の者の養子となったとき」は減額されます。受給権者の配偶者の養子になっても、減額されません。
④【H19年出題】
障害基礎年金の受給権者によって生計を維持されているその者の子がある場合の加算は、その子が18歳に達する日以後の最初の3月31日が終了したとき、その子の障害の状態に関わらず、減額される。
【解答】
④【H19年出題】 ×
子の加算は、その子が18歳に達する日以後の最初の3月31日が終了したときに終了しますが、その子が障害等級に該当する障害の状態にあるときは終了しません。
「その子の障害の状態に関わらず、減額される。」が誤りです。
18歳年度末・障害なし
▼
|
18歳年度末・障害状態 20歳
▼ ▼
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18歳年度末 障害状態でなくなった 20歳
(障害状態)
▼ ▼ ▼
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R7-170 02.14
「標準賞与額」に係る保険料を確認しましょう。
「賞与」の定義を条文で読んでみましょう。
法第3条第6項 この法律において「賞与」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、3月を超える期間ごとに受けるものをいう。 |
★年3回以下支給されるボーナス等が該当します。
「標準賞与額の決定」について条文を読んでみましょう。
法第45条 保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに1,000円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。 ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与によりその年度(毎年4月1日から翌年3月31日までをいう。)における標準賞与額の累計額が573万円を超えることとなる場合には、当該累計額が573万円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とする。 |
★健康保険の標準賞与額の上限は、年度の累計額573万円です。
★「標準賞与額」に係る保険料
標準賞与額×毎月の保険料と同じ保険料率で計算します。
「保険料の源泉控除」について条文を読んでみましょう。
法第167条第2項 事業主は、被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに千円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与によりその年度における標準賞与額の累計額が540万円(第40条第2項の規定による標準報酬月額の等級区分の改定が行われたときは、政令で定める額。)を超えることとなる場合には、当該累計額が540万円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とする。
【解答】
①【H28年出題】 ×
その年度における標準賞与額の累計額が540万円ではなく、「573万円」です。
②【R1年出題】
全国健康保険協会管掌健康保険における同一の事業所において、賞与が7月150万円、12月250万円、翌年3月200万円であった場合の被保険者の標準賞与額は、7月150万円、12月250万円、3月173万円となる。一方、全国健康保険協会管掌健康保険の事業所において賞与が7月150万円であり、11月に健康保険組合管掌健康保険の事業所へ転職し、賞与が12月250万円、翌年3月200万円であった場合の被保険者の標準賞与額は、7月150万円、12月250万円、3月200万円となる。
【解答】
②【R1年出題】 〇
賞与の累計は、「保険者単位」で行います。
同一の年度内で複数の被保険者期間がある場合は、「同一の保険者である期間」に支払われた賞与について累計します。
(H18.8.18事務連絡)
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
全国健康保険協会管掌健康保険 | |||||||||||
|
|
| 150 万円 |
|
|
| 250 万円 |
|
|
| 173万円 |
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
全国健康保険協会管掌健康保険 | 健康保険組合管掌健康保険 | ||||||||||
|
|
| 150 万円 |
|
|
| 250 万円 |
|
|
| 200 万円 |
③【R4年出題】
育児休業期間中に賞与が支払われた者が、育児休業期間中につき保険料免除の取扱いが行われている場合は、当該賞与に係る保険料が徴収されることはないが、標準賞与額として決定され、その年度における標準賞与額の累計額に含めなければならない。
【解答】
③【R4年出題】 〇
育児休業期間中などの保険料免除期間中に支払われた賞与についても、標準賞与額として決定し、年間累計額に含みます。
(H18.8.18事務連絡)
④【H29年出題】
前月から引き続き被保険者であり、7月10日に賞与を30万円支給された者が、その支給後である同月25日に退職し、同月26日に被保険者資格を喪失した。この場合、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はない。
【解答】
④【H29年出題】 〇
法第156条第3項で、「前月から引き続き被保険者である者がその資格を喪失した場合においては、その月分の保険料は、算定しない。」と定められています。
そのため、前月から引き続き被保険者で、7月10日賞与支給、同月25日退職、同月26日被保険者資格喪失の場合、7月の賞与に係る保険料を納付する義務はありません。
⑤【R3年出題】
前月から引き続き被保険者であり、12月10日に賞与を50万円支給された者が、同月20日に退職した場合、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はないが、標準賞与額として決定され、その年度における標準賞与額の累計額に含まれる。
【解答】
⑤【R3年出題】 〇
前月から引き続き被保険者である場合、資格喪失月に支払われた賞与については保険料を納付する義務はありません。
ただし、標準賞与額として決定され、その年度の標準賞与額の累計額には含まれます。
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R7-169 02.13
病気やケガで仕事に就くことができない場合は、傷病手当金が支給されます。
傷病手当金の支給要件をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
法第99条第1項・第4項 ① 被保険者(任意継続被保険者を除く。)が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。 ④ 傷病手当金の支給期間は、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては、その支給を始めた日から通算して1年6月間とする。 |
<傷病手当金の支給要件を確認しましょう>
① 業務外の事由による傷病の療養のために労務に服することができないこと
② 連続して3日間労務不能であること(待期完成)
③ 労務不能の期間について報酬の支払いがないこと
過去問をどうぞ!
①【R1年選択式】※改正による修正あり
4月1日に労務不能となって3日間休業し、同月4日に一度は通常どおり出勤したものの、翌5日から再び労務不能となって休業した場合の傷病手当金の支給期間は、 < A >通算されることになる。また、報酬があったために、その当初から支給停止されていた場合の傷病手当金の支給期間は、報酬をうけなくなった< B >又は報酬の額が傷病手当金の額より少なくなった< B >から通算されることになる。
<選択肢>
① 4月1日から ② 4月3日から ③ 4月4日から ④ 4月5日から
⑤ 日 ⑥ 日の2日後 ⑦ 日の3日後 ⑧ 日の翌日
【解答】
<A> ④ 4月5日から
<B> ⑤ 日
ポイント!
傷病手当金の支給期間は、「その支給を始めた日から通算して1年6月間」です。
<A> 4月1日に労務不能となり3日間休業→同月4日通常どおり出勤→翌5日から再び労務不能となって休業した場合→傷病手当金は4月5日から支給されます。
4月1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 |
休 | 休 | 休 | 出勤 | 休 |
待期完成 |
| 支給開始 |
<B> 報酬があったために、その当初から傷病手当金が支給停止されていた場合
1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 | 6日目 | 7日目 |
休 | 休 | 休 | 休 | 休 | 休 | 休 |
有給 | 有給 | 有給 | 有給 | 有給 | 無給 | 無給 |
待期完成 | 停止 | 停止 | 支給開始 |
|
②【H28年出題】
被保険者が就業中の午後4時頃になって虫垂炎を発症し、そのまま入院した場合、その翌日が傷病手当金の待期期間の起算日となり、当該起算日以後の3日間連続して労務不能であれば待期期間を満たすことになる。
【解答】
②【H28年出題】 ×
・就業時間中に傷病の療養のため労務に服することができなくなった場合
→ その日の報酬の全部又は一部を受けると否とを問わず、その日は待期3日に含まれます。
・業務終了後に、傷病の療養のため労務に服することができなくなった場合
→待期は、翌日から起算します。
問題文は、就業中に労務不能になっていますので、待期期間の起算日は、「入院の日」となります。
(昭5.10.13保発52)
③【R3年出題】
傷病手当金の支給要件に係る療養は、一般の被保険者の場合、保険医から療養の給付を受けることを要件としており、自費診療による療養は該当しない。
【解答】
③【R3年出題】 ×
一般の被保険者の場合、「療養」は、保険医から療養の給付を受けることに限られません。自費診療による療養も、傷病手当金の対象となります。
(昭2.2.26保発345)
④【R5年出題】
傷病手当金の待期期間について、疾病又は負傷につき最初に療養のため労務不能となった場合のみ待期が適用され、その後労務に服し同じ疾病又は負傷につき再度労務不能となった場合は、待期の適用がない。
【解答】
④【R5年出題】 〇
待期期間を完成させなければならないのは、最初に療養のため労務不能となった場合のみです。その後労務に服し同じ疾病又は負傷につき再度労務不能となった場合は、待期は不要です。
(昭2.3.11保理1085)
⑤【R2年出題】
労災保険法に基づく休業補償給付を受給している健康保険の被保険者が、さらに業務外の事由による傷病によって労務不能の状態になった場合、休業補償給付が支給され、傷病手当金が支給されることはない。
【解答】
⑤【R2年出題】 ×
労災保険法に基づく休業補償給付を受給している健康保険の被保険者が、さらに業務外の事由による傷病によって労務不能の状態になった場合は、原則として傷病手当金は支給されません。
ただし、休業補償給付の額が傷病手当金の額より小さい場合は、差額の傷病手当金が支給されます。そのため、「傷病手当金が支給されることはない」は誤りです。
(昭33.7.8保険発95の2)
⑥【H26年出題】※改正による修正あり
被保険者が、業務外の事由による疾病で労務に服することができなくなり、4月25日から休業し、傷病手当金を請求したが、同年5月末日までは年次有給休暇を取得したため、同年6月1日から傷病手当金が支給された。この傷病手当金の支給期間は、同年4月28日から通算して1年6か月間である。
【解答】
⑥【H26年出題】 ×
傷病手当金の支給期間は、「その支給を始めた日から通算して1年6月間」です。問題文の場合、支給期間は、4月28日からではなく、傷病手当金の支給が始まった日=「6月1日」から通算して1年6か月間です。
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R7-168 02.12
「概算保険料」は延納(分割払)をすることができます。
今回は、継続事業・一括有期事業の延納をみていきます。
条文を読んでみましょう。
法第18条 (概算保険料の延納) 政府は、厚生労働省令で定めるところにより、事業主の申請に基づき、その者が概算保険料(認定決定も含みます)、増加概算保険料、概算保険料の追加徴収により納付すべき労働保険料を延納させることができる。 |
ポイント!
「確定保険料」は延納できません。
<延納の条件>
・概算保険料の額が40万円以上
(労災保険に係る保険関係又は雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業については、20万円)以上
又は
・労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されているもの
・保険年度において10月1日以降に保険関係が成立したものは延納できません。
・事業主が概算保険料申告書を提出する際に延納の申請をした場合
(原則)
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
第1期 | 第2期 | 第3期 | |||||||||
7月10日 (保険年度の6月1日から起算して40日以内) | 10月31日 ・労働保険事務組合に委託 →11月14日 | 1月31日 ・労働保険事務組合に委託 →2月14日 |
(年度途中に保険関係が成立した場合)
★4月1日から5月31日までに保険関係が成立した事業
第1期 | 第2期 | 第3期 |
保険関係成立の日 ~ 7月31日 | 8月1日 ~ 11月30日 | 12月1日 ~ 3月31日 |
保険関係成立の日の 翌日から起算して 50日以内 | 10月31日 ・労働保険事務組合に委託 →11月14日 | 1月31日 ・労働保険事務組合に委託 →2月14日 |
★6月1日から9月30日までに保険関係が成立した事業
第1期 | 第2期 |
保険関係成立の日 ~ 11月30日 | 12月1日 ~ 3月31日 |
保険関係成立の日の 翌日から起算して 50日以内 | 1月31日 ・労働保険事務組合に委託 →2月14日 |
★10月1日以降に保険関係が成立した事業は延納できません。
過去問をどうぞ!
①【R5年出題】(雇用)
令和4年4月1日に労働保険の保険関係が成立して以降金融業を継続して営んでおり、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している事業主は、令和5年度の保険年度の納付すべき概算保険料の額が10万円であるとき、その延納の申請を行うことはできない。
【解答】
①【R5年出題】(雇用) ×
「労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託」している事業主は、概算保険料の額に関係なく延納できます。問題文の場合は、延納の申請を行うことができます。
②【R2年出題】(雇用)
概算保険料について延納できる要件を満たす継続事業の事業主が、7月1日に保険関係が成立した事業について保険料の延納を希望する場合、2回に分けて納付することができ、最初の期分の納付期限は8月20日となる。
【解答】
②【R2年出題】(雇用) 〇
7月1日に保険関係が成立した場合は、2回に分けて納付することができます。
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
第1期 | 第2期 | |||||||
保険関係成立の日の翌日から起算して 50日以内 (8月20日) | 1月31日 ・労働保険事務組合に委託 →2月14日 |
③【H29年出題】(労災)
継続事業(一括有期事業を含む。)の概算保険料については、平成29年10月1日に保険関係が成立したときは、その延納はできないので、平成29年11月20日までに当該概算保険料を納付しなければならない。
【解答】
③【H29年出題】(労災) 〇
10月1日以降に保険関係が成立したときはその年度は延納できませんので、一括で納付しなければなりません。
保険年度の中途に保険関係が成立した場合、当該保険関係が成立した日から50日以内(翌日起算)に納付しなければなりませんので、納付期限は、平成29年11月20日となります。
(法第15条、則第27条)
④【H27年出題】(雇用)
概算保険料について延納が認められ、前保険年度より保険関係が引き続く継続事業(一括有期事業を含む。)の事業主の4月1日から7月31日までの期分の概算保険料の納期限は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合であっても、7月10日とされている。
【解答】
④【H27年出題】(雇用) 〇
第1期の納期限は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託していても、延長されません。
(則第27条第2項)
⑤【H29年出題】(労災)
概算保険料17万円を3期に分けて納付する場合、第1期及び第2期の納付額は各56,667円、第3期の納付額は56,666円である。
【解答】
⑤【H29年出題】(労災) ×
1円未満の端数は、「第1期分」にまとめます。
概算保険料17万円を3期に分けて納付する場合は、第1期の納付額は56,668円、第2期及び第3期の納付額は各56,666円です。
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R7-167 02.11
★令和7年4月に改正があります。
「育児休業等給付」は、「育児休業給付」、「出生後休業支援給付」、「育児時短就業給付」の3つになります。
・「育児休業給付」は、①「育児休業給付金」、②「出生時育児休業給付金(→産後パパ育休)」の2つ。
・「出生後休業支援給付」は、「出生後休業支援給付金」
・「育児時短就業給付」は、「育児時短就業給付金」
となります。
今回は、「育児休業給付金」をみていきます。
育児休業給付金は、原則として1歳未満の子が対象です。
ただし、雇用の継続のために特に必要と認められる場合は、「1歳6か月まで」、「2歳」まで延長されます。
1歳 | 1歳6か月 | 2歳 |
育児休業給付金 | 延 長① | 延 長② |
※なお、パパママ育休プラスの場合は、原則として1歳2か月までが対象となります。
条文を読んでみましょう。
第61条の7第1項 育児休業給付金は、被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。)が、厚生労働省令で定めるところにより、その1歳に満たない子 (その子が1歳に達した日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合にあっては、1歳6か月に満たない子(その子が1歳6か月に達した日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合にあっては、2歳に満たない子))を養育するための休業(以下「育児休業」という。)をした場合において、当該育児休業(当該子について2回以上の育児休業をした場合にあっては、初回の育児休業とする)を開始した日前2年間(当該育児休業を開始した日前2年間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を2年に加算した期間(その期間が4年を超えるときは、4年間))に、みなし被保険者期間が通算して12か月以上であったときに、支給単位期間について支給する。 |
★休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合について→令和7年4月に改正されます。
「育児休業の申出に係る子について、保育所等における保育の利用を希望し、申込みを行っているが、当該子が1歳に達する日後の期間について、当面その実施が行われない場合(速やかな職場復帰を図るために保育所等における保育の利用を希望しているものであると公共職業安定所長が認める場合に限る。)アンダーライン部分が追加されます。
厚生労働省令では、他にも理由が定められていますが、今回は省略します。
では、過去問をどうぞ!
①【R4年出題】
育児休業を開始した日前2年間のうち1年間事業所の休業により引き続き賃金の支払を受けることができなかった場合、育児休業開始日前3年間に通算して12か月以上みなし被保険者期間があれば、他の要件を満たす限り育児休業給付金が支給される。
【解答】
①【R4年出題】 〇
育児休業給付金の支給には、「育児休業(当該子について2回以上の育児休業をした場合にあっては、初回の育児休業とする)を開始した日前2年間に、みなし被保険者期間が通算して12か月以上」必要です。
ただし、「育児休業を開始した日前2年間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を2年に加算した期間(その期間が4年を超えるときは、4年間)」にみなし被保険者期間が通算して12か月以上あればよいとされています。
「疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由」には、「事業所の休業」も入っています。
そのため、「1年間事業所の休業により引き続き賃金の支払を受けることができなかった場合」は、原則の2年間に「1年間」が加算されます。育児休業開始日前「3年間」に通算して12か月以上みなし被保険者期間があれば、育児休業給付金が支給されます。
(則第101条の29)
②【R4年出題】
保育所等における保育が行われない等の理由により育児休業に係る子が1歳6か月に達した日後の期間について、休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合、延長後の対象育児休業の期間はその子が1歳9か月に達する日の前日までとする。
【解答】
②【R4年出題】 ×
延長後の対象育児休業の期間はその子が「1歳9か月に達する日」ではなく「2歳に達する日」の前日までです。
(法第61条の7第1項)
③【R3年出題】
対象育児休業を行った労働者が当該対象育児休業終了後に配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)が死亡したことによって再度同一の子について育児休業を取得した場合、子が満1歳に達する日以前であっても、育児休業給付金の支給対象となることはない。
【解答】
③【R3年出題】 ×
問題文の2回目の育児休業は、育児休業給付金の支給対象となります。
条文を読んでみましょう。
法第61条の7第2項 被保険者が育児休業について育児休業給付金の支給を受けたことがある場合において、当該被保険者が同一の子について3回以上の育児休業(厚生労働省令で定める場合に該当するものを除く。)をした場合における3回目以後の育児休業については、育児休業給付金は、支給しない。 |
育児休業給付金は、同一の子について2回目の育児休業まで支給されます。3回目以降は原則として支給されません。
④【R5年出題】
次の場合の第1子に係る育児休業給付金の支給単位期間の合計月数として正しいものはどれか。
令和3年10月1日、初めて一般被保険者として雇用され、継続して週5日勤務していた者が、令和5年11月1日産前休業を開始した。同年12月9日第1子を出産し、翌日より令和6年2月3日まで産後休業を取得した。翌日より育児休業を取得し、同年5月4日職場復帰した。その後同年6月10日から再び育児休業を取得し、同年8月10日職場復帰した後、同年11月9日から同年12月8日まで雇用保険法第61条の7第2項の厚生労働省令で定める場合に該当しない3度目の育児休業を取得して翌日職場復帰した。
(A) 0か月
(B) 3か月
(C) 4か月
(D) 5か月
(E) 6か月
【解答】
④【R5年出題】
(D) 5か月
ポイント!
令和6年11月9日から同年12月8日までの雇用保険法第61条の7第2項の厚生労働省令で定める場合に該当しない3度目の育児休業は、育児休業給付金の支給対象になりません。
★支給単位期間について
支給単位期間は、各月における休業開始日又は休業開始日に応当する日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日。以下「応当日」という。)から、それぞれその翌月の応当日の前日までの1か月間を単位とします。
<1回目>
令和6年
「2月4日~3月3日」
「3月4日~4月3日」
「4月4日~5月3日」
<2回目>
「6月10日~7月9日」
「7月10日~8月9日」
支給単位期間は、5か月となります。
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R7-166 02.10
国民年金には、「保険料免除」の制度があります。
「免除」を受けた期間がある場合は、その分、老齢基礎年金の年金額が減額されます。
また、学生納付特例・納付猶予の期間は、老齢基礎年金の額の計算には反映しません。
そのため、免除を受けた期間については後から「追納」することができます。
追納すると、その期間は「保険料納付済期間」となります。
・追納の要件(追納できる人)
・追納できる期間
・追納する額(加算が行われる場合があります)
などをお話しします。
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R7-165 02.09
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年2月3日から8日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・遺族基礎年金と遺族厚生年金を比較しましょう(国年・厚年)
・総括安全衛生管理者の選任(労働安全衛生法)
・介護補償給付の支給要件(労災保険法)
・介護補償給付の支給額・原則は実費・上限あり・最低保障額あり(労災保険法)
・賃金日額の算定ルール(雇用保険法)
・基本手当の受給期間(雇用保険法)
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R7-164 02.08
「受給期間」とは、「基本手当」を受けることができる有効期間です。
今回は「受給期間」をみていきましょう。
★基本手当の「受給期間」は以下の通りです。
基本手当は、受給期間内の失業している日について、所定給付日数に相当する日数分を限度として支給されます。
(1) (2)(3)以外 | 受給資格に係る離職の日(以下「基準日」)の翌日から起算して1年 |
(2) 基準日において45歳以上65歳未満で算定基礎期間が1年以上の就職困難者 (所定給付日数が360日) | 基準日の翌日から起算して 1年に60日を加えた期間 |
(3) 基準日において45歳以上60歳未満で算定基礎期間が20年以上の特定受給資格者 (所定給付日数が330日) | 基準日の翌日から起算して 1年に30日を加えた期間 |
★受給期間の延長
<1>定年退職者等の受給期間の延長
■離職理由が次のどちらかに当てはまる場合です。
・定年(60歳以上の定年に限る。)に達したことによる離職
・60歳以上の定年に達した後再雇用等により一定期限まで引き続き雇用されることとなっている場合に、当該期限が到来したことによる離職
■申し出が必要です
離職の日の翌日から起算して2か月以内に受給期間延長等申請書に離職票を添えて管轄公共職業安定所の長に提出します。
■最大1年間延長されます
原則の受給期間に「求職の申込みをしないことを希望する一定の期間」(1年が限度です。)が加算されます。
(例)1年間求職の申込みをしないことを希望する場合
| (受給期間)1年間+1年間 | |
| 原則の受給期間(1年) | 1年間 |
▲
離職日
<2>妊娠、出産、疾病等により引き続き30日以上職業に就くことができない場合の延長
■以下の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない者が対象です。
・妊娠
・出産
・育児
・疾病又は負傷(傷病手当の支給を受ける場合における当該傷病手当に係る疾病又は負傷を除く。)
・上記以外で、管轄公共職業安定所の長がやむを得ないと認めるもの
■申し出が必要です
引き続き30日以上職業に就くことができなくなるに至った日の翌日から基準日の翌日から起算して4年を経過する日までの間(加算された期間が4年に満たない場合は、当該期間の最後の日までの間)に申出をしなければなりません。
■受給期間が最長4年間になります
原則の受給期間に職業に就くことができない日数が加算されます。加算された期間が4年を超えるときは4年となります
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
基本手当の受給資格に係る離職の日において55歳であって算定基礎期間が25年である者が特定受給資格者である場合、基本手当の受給期間は基準日の翌日から起算して1年に30日を加えた期間となる。
【解答】
①【H26年出題】 〇
離職の日に55歳、算定基礎期間が25年である特定受給資格者の所定給付日数は330日です。受給期間は基準日の翌日から起算して1年+30日です。
(法第20条第1項第3号)
②【H28年出題】
60歳以上の定年に達した後、1年更新の再雇用制度により一定の期限まで引き続き雇用されることとなった場合に、再雇用の期限の到来前の更新時に更新を行わなかったことにより退職したときでも、理由の如何を問わず受給期間の延長が認められる。
【解答】
②【H28年出題】 ×
定年退職者等の受給期間の延長は、次のいずれかの理由で離職した者が対象です。
・ 60歳以上の定年に達したこと
・ 60歳以上の定年に達した後、勤務延長又は再雇用により一定期限まで引き続き被保険者として雇用されることとなっている場合に、当該勤務延長又は再雇用の期限が到来したこと
※勤務延長又は再雇用の期限が到来したことが必要です。
問題文のように、定年に達した後、1年更新の再雇用制度により一定期限まで引き続き雇用されることとなった場合に、再雇用の期限の到来前の更新時に更新を行わなかったことにより退職した場合は、受給期間の延長は認められません。
(法第20条第2項、則第31条の2第2項、行政手引50281)
③【H24年出題】
60歳以上で定年退職した者による雇用保険法第20条第2項に基づく受給期間の延長の申出は、天災その他申出をしなかったことについてやむを得ない理由があるときを除き、当該申出に係る離職の日の翌日から起算して2か月以内にしなければならない。
【解答】
③【H24年出題】 〇
60歳以上で定年退職した者による受給期間の延長の申出は、原則として当該申出に係る離職の日の翌日から起算して2か月以内にしなければなりません。
(則第31条の3第2項)
④【H28年出題】
配偶者の出産のため引き続き30日以上職業に就くことができない者が公共職業安定所長にその旨を申し出た場合には、当該理由により職業に就くことができない日数を加算した期間、受給期間が延長される。
【解答】
④【H28年出題】 ×
出産は「本人」の出産に限られますので、「配偶者の出産」の場合は、受給期間の延長は行われません。
(行政手引50271)
⑤【H23年出題】
所定給付日数が270日である受給資格者が、基準日の翌日から起算して1年以内に出産及び育児のため引き続き180日間職業に就くことができなかった場合、厚生労働省令で定めるところにより公共職業安定所長にその旨を申し出れば、基本手当の受給期間は1年に180日を加算したものとなる。
【解答】
⑤【H23年出題】 〇
所定給付日数が270日の場合、受給期間は基準日の翌日から起算して1年です。その間に、出産及び育児のため引き続き180日間職業に就くことができなかった場合は、公共職業安定所長にその旨を申し出れば、基本手当の受給期間は1年+180日となります。
⑥【H28年出題】
定年に達したことで基本手当の受給期間の延長が認められた場合、疾病又は負傷等の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない日があるときでも受給期間はさらに延長されることはない。
【解答】
⑥【H28年出題】 ×
問題文の場合、受給期間はさらに延長されます。
・定年退職者等の受給期間とされた期間内に、疾病又は負傷等の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない日がある場合
→さらに受給期間の延長が認められます。
・定年退職者等の受給期間とされた期間に、疾病又は負傷等の理由により職業に就くことができない期間の日数を加えることができます。
→ 加えた期間が4年を超えるときは、受給期間は4年となります。(受給期間は、最長4年間です)
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R7-163 02.07
「基本手当の日額」は、賃金日額×厚生労働省令で定める率で計算します。
今回は、「賃金日額」の算定方法をみていきます。
「賃金日額」の算定方法を条文で読んでみましょう。
第17条第1項、第2項 ① 賃金日額は、算定対象期間において被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の総額を180で除して得た額とする。 ② 賃金日額の最低保障の額 (1) 賃金が、労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められている場合には、最後の6か月間に支払われた賃金の総額を当該最後の6か月間に労働した日数で除して得た額の100分の70に相当する額 (2) 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によって定められている場合には、その部分の総額をその期間の総日数(賃金の一部が月によって定められている場合には、1か月を30日として計算する。)で除して得た額と(1)の額との合算額 |
<賃金日額の原則の算定式>
最後の6か月間に支払われた賃金の総額 |
180 |
※「賃金の総額」から、臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は除かれます。
過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
賃金が出来高払制によって定められている場合の賃金日額は、労働した日数と賃金額にかかわらず、被保険者期間として計算された最後の3か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の総額を90で除して得た額となる。
【解答】
①【H30年出題】 ×
・賃金が出来高払制によって定められている場合の賃金日額は、次の計算式の額のどちらか「高い方」となります。
<原則の計算式>
・ 被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の総額÷180
<最低保障>
・ 被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金の総額÷当該最後の6か月間に労働した日数×100分の70
②【H22年出題】
賃金日額の計算に当たり、家族手当、通勤手当及び住宅手当は、すべて賃金総額から除外されるので、それらの多寡によって基本手当の日額が異なることはない。
【解答】
②【H22年出題】 ×
賃金日額の計算に当たり、家族手当、通勤手当及び住宅手当は、すべて賃金総額に含まれます。
(行政手引50501)
③【H30年出題】
支払義務の確定した賃金が所定の支払日を過ぎてもなお支払われない未払賃金のある月については、未払額を除いて賃金額を算定する。
【解答】
③【H30年出題】 ×
被保険者として雇用された期間に対するものとして同期間中に事業主の支払義務が確定した賃金は、賃金日額の算定に含まれます。
そのため、賃金支払義務の確定した賃金が所定の支払日を過ぎてもなお支払われない未払賃金のある月については、未払額を含めて賃金額を算定します。
(行政手引50451、行政手引50609)
次は、賃金日額の最高限度額と最低限度額の問題です。
④【H26年出題】
賃金日額の最高限度額は45歳以上60歳未満が最も高いが、最低限度額は年齢に関わりなく一律である。
【解答】
④【H26年出題】 〇
<賃金日額の最高限度額>
・賃金日額の最高限度額は、「30歳未満」、「30歳以上45歳未満」、「45歳以上60歳未満」、「60歳以上65歳未満」の4つに分けて設定されています。
最も高く設定されているのが「45歳以上60歳未満」です。
<最低限度額>
・最低限度額は年齢に関わりなく一律です。
⑤【R5年出題】
雇用保険法第18条第3項に規定する最低賃金日額は、同条第1項及び第2項の規定により変更された自動変更対象額が適用される年度の4月1日に効力を有する地域別最低賃金の額について、一定の地域ごとの額を労働者の人数により加重平均して算定した額に20を乗じて得た額を7で除して得た額とされる。
【解答】
⑤【R5年出題】 〇
基本手当日額の算定基礎となる賃金日額の最高限度額、最低限度額は、毎年度の平均給与額の変動に応じて変更されます。(自動変更対象額といいます。)
ただし、自動変更対象額による最低限度額が、「最低賃金日額」を下回る場合は、最低賃金日額が最低限度額となります。
最低賃金日額は「地域別最低賃金の全国加重平均額× 20÷7」で計算した額です。
具体的には、1,004 円(令和6年4月1日時点での地域別最低賃金の全国加重平均額)×20÷7=2,869円です。
(法第18条第3項、則第28条の5)
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R7-162 02.06
前回は、介護補償給付の支給要件についてお話ししました。
今回は、介護補償給付として支給される額をみていきます。
★原則は介護費用として支払った額(実費)が支給されますが、上限と最低保障額があることがポイントです。
では、条文を読んでみましょう。
第19条の2 介護補償給付は、月を単位として支給するものとし、その月額は、常時又は随時介護を受ける場合に通常要する費用を考慮して厚生労働大臣が定める額とする。
則第18条の3の4 (介護補償給付の額) (1) その月において介護に要する費用を支出して介護を受けた日がある場合 → その月において介護に要する費用として支出された費用の額(実費) ※その額が177,950円を超えるときは、177,950円とする。(上限) (2) 親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がある場合(最低保障額が適用される) ・ その月において介護に要する費用を支出して介護を受けた日がある・親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がある・介護に要する費用として支出された費用の額が81,290円に満たないとき → 81,290円(最低保障額) ・ その月において介護に要する費用を支出して介護を受けた日がない・親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がある(介護費用を支出せず、親族等による介護のみ) → 81,290円(最低保障額) |
★「支給すべき事由が生じた月」は最低保障額が適用されません
「支給すべき事由が生じた月」において、介護に要する費用として支出された額が81,290円に満たない → 介護に要する費用として支出された額(実費・最低保障なし)
そのため、「支給事由が生じた月」に親族等による介護を受けた場合でも、介護に要する費用として支出された費用がゼロの場合は、介護補償給付の額もゼロとなります。
★ 「随時介護を要する状態」の場合は、上限が「88,980円」、最低保障額が「40,600円」となります。常時介護の2分の1です。(端数処理があります)
過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
介護補償給付は、月を単位として支給されるが、その月額は、常時又は随時介護を受ける場合に通常要する費用を考慮して厚生労働大臣が定める額とする。
【解答】
①【H23年出題】 〇
介護補償給付は、「月」単位で支給されます。
②【H25年出題】
介護補償給付の額は、常時介護を要する状態の被災労働者については、支給すべき事由が生じた月において介護に要する費用として支出された額が、労災保険法施行規則に定める額に満たない場合にあっては、当該介護に要する費用として支出された額である。
【解答】
②【H25年出題】 〇
★最低保障額のポイント!
・ 「支給すべき事由が生じた月」は、最低保障額は適用されません。
・ 最低保障額が適用される要件は、「親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がある」ことです。
※ 例えば、「支給すべき事由が生じた月」が1月で、介護に要する費用として支出された額が81,290円未満で、親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がある場合
→ 1月は最低保障額が適用されませんので、介護補償給付の額は「介護に要する費用として支出された額=実費」です。
2月以降は最低保障額の81,290円が支給されます。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
実 費 | 最低保障額 | 最低保障額 | 最低保障額 |
③【R2年出題】
介護補償給付は、親族又はこれに準ずる者による介護についても支給されるが、介護の費用として支出した額が支給されるものであり、「介護に要した費用の額の証明書」を添付しなければならないことから、介護費用を支払わないで親族又はこれに準ずる者による介護を受けた場合は支給されない。
【解答】
③【R2年出題】 ×
介護費用を支払わなくても、親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がある場合は、介護補償給付は支給されます。
※ ただし、「支給すべき事由が生じた月」は最低保障はありません。
例えば「支給すべき事由が生じた月」が1月で、介護に要する費用を支出しないで、親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がある場合
→ 1月は最低保障額が適用されませんので、介護補償給付は支給されません。
2月以降は最低保障額の81,290円が支給されます。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
支給なし | 最低保障額 | 最低保障額 | 最低保障額 |
なお、「介護に要した費用の額の証明書」は、「介護に要する費用を支出して介護を受けた日がある場合」に、添付しなければなりません。介護費用を支払っていない場合は、添付する必要はありません。
(則第18条の3の5)
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R7-161 02.05
介護補償給付が支給される要件と、支給されない場合をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第12条の8第4項 介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であって厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間(次に掲げる間を除く。)、当該労働者に対し、その請求に基づいて行う。 (1) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する障害者支援施設に入所している間(生活介護を受けている場合に限る。) (2) 障害者支援施設(生活介護を行うものに限る。)に準ずる施設として厚生労働大臣が定めるものに入所している間 (3) 病院又は診療所に入院している間 |
★厚生労働省令で定める程度とは?
→「第1級(すべて)」と「第2級の精神神経の障害、胸腹部臓器の障害」です。
★障害者支援施設(生活介護を行うものに限る。)に準ずる施設として厚生労働大臣が定めるものとは?
(1) 老人福祉法の規定による特別養護老人ホーム
(2) 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に規定する施設であって、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難な原子爆弾被爆者を入所させ、養護することを目的とするもの
など
過去問をどうぞ!
①【H19年選択式】
介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であって厚生労働省令で定める程度のものにより、< A >介護を要する状態にあり、かつ、 < A >介護を受けているときに、当該介護を受けている間(障害者総合支援法に規定する障害者支援施設に入所して同法に規定する生活介護を受けている間、病院又は診療所に入院している間等を除く。)、< B >に対し、その請求に基づいて行われる。
【解答】
①【H19年選択式】
<A> 常時又は随時
<B> 当該労働者
②【H21年出題】
介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害のため、現に常時又は随時介護を受けているときは、その障害の程度にかかわらず、当該介護を受けている間(所定の障害者支援施設等に入所している間を除く。)、当該労働者の請求に基づいて行われる。
【解答】
②【H21年出題】 ×
介護補償給付は、「常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているとき」に支給されます。
「その障害の程度にかかわらず」ではなく、「障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であって厚生労働省令で定める程度のもの」であることが要件です。
③【H24年出題】
労働者が老人福祉法の規定による特別養護老人ホームに入所している間については、介護補償給付は支給されない。
【解答】
③【H24年出題】 〇
老人福祉法の規定による特別養護老人ホームに入所している間は、介護補償給付は支給されません。
(則第18条の3の3)
④【H30年出題】
介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であって厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間、当該労働者に対し、その請求に基づいて行われるものであり、病院又は診療所に入院している間も行われる。
【解答】
④【H30年出題】 ×
病院又は診療所に入院している間は、介護補償給付は行われません。
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R7-160 02.04
「総括安全衛生管理者」は、事業場ごとに選任します。(企業単位ではありません。)
工場長などその事業場の労働者のトップが充てられます。
条文を読んでみましょう。
第10条 (総括安全衛生管理者) ① 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は救護の措置の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない。 (1) 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。 (2) 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。 (3) 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。 (4) 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。 (5) 前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの ② 総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。 ③ 都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる。 |
★総括安全衛生管理者を選任すべき事業場
林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業 | 常時100人以上 |
製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業 |
常時300人以上 |
その他の業種 | 常時1000人以上 |
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
総括安全衛生管理者は、労働安全衛生法施行令で定める業種の事業場の企業全体における労働者数を基準として、企業全体の安全衛生管理を統括管理するために、その選任が義務づけられている。
【解答】
①【R3年出題】 ×
労働安全衛生法は、「事業場単位」で、その業種、規模等に応じて、安全衛生管理体制、工事計画の届出等の規定を適用することにしています。
事業場の適用単位の考え方は、労働基準法の考え方と同じで、工場、鉱山、事務所、店舗等のごとく一定の場所において相関連する組織のもとに継続的に行なわれる作業の一体をいいます。(昭47.9.18発基第91号)
そのため、総括安全衛生管理者は、企業全体における労働者数ではなく、「事業場」の労働者数を基準として、「事業場単位」の安全衛生管理を統括管理するために、その選任が義務づけられています。
②【H19年出題】
総括安全衛生管理者は、厚生労働大臣の定める研修を修了した者のうちから選任しなければならない。
【解答】
②【H19年出題】 ×
総括安全衛生管理者は、「当該事業場においてその事業の実施を「統括管理」(※総括管理ではありません)する者をもって充てなければならない」とされています。
厚生労働大臣の定める研修の修了は要件ではありません。
なお、「事業の実施を統括管理する者」とは、工場長、作業所長等名称の如何を問わず、当該事業場における事業の実施について実質的に統括管理する権限および責任を有する者をいいます。
(昭47.9.18基発第602号)
③【H24年出題 】
常時120人の労働者を使用する清掃業の事業者は、総括安全衛生管理者を選任する義務があるが、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者であれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を総括安全衛生管理者に選任し、当該事業場の労働災害を防止するため必要な業務を統括管理させることができる。
【解答】
③【H24年出題 】 〇
・常時120人の労働者を使用する清掃業の事業者は、総括安全衛生管理者を選任する義務があります。
・当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者であれば、他に資格等を有していない場合でも、その者を総括安全衛生管理者に選任することができます。
④【H26年出題】
都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、事業者に対し、総括安全衛生管理者の解任を命ずることができる。
【解答】
④【H26年出題】 ×
都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、事業者に対し、「総括安全衛生管理者の解任を命ずることができる」ではなく、「総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる」です。
⑤【H28年選択式】
労働安全衛生法第10条第2項において、「総括安全衛生管理者は、< A >をもって充てなければならない。」とされている。
<選択肢>
① 当該事業場において選任が義務づけられている安全管理者及び衛生管理者の資格を有する者
② 当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者
③ 当該事業において、3年以上安全衛生管理の実務に従事した経験を有する者
④ 当該事業場における安全衛生委員会委員の互選により選任された者
【解答】
<A> ② 当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者
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R7-159 02.03
「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」を比較しましょう!
・死亡した人の要件
・遺族の範囲 を
比較してみましょう。
<今日の内容>
・ 遺族基礎年金の支給要件
・ 遺族厚生年金の支給要件
・ 遺族基礎年金の遺族の範囲
・ 遺族厚生年金の遺族の範囲
・ 遺族基礎年金の過去問
・ 遺族厚生年金の過去問
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R7-158 02.02
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年1月26日から2月1日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用について(健保・厚年)
・労働者の労働保険料「一般保険料」の額の計算(労働保険徴収法)
・第1号被保険者・第2号被保険者・第3号被保険者の資格喪失の時期(国民年金法)
・障害基礎年金の受給権の消滅(国民年金法)
・障害厚生年金に加算される加給年金額(厚生年金保険法)
・労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約(労働基準法)
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R7-157 02.01
労働基準法では、労働条件の最低基準が定められています。
今回は、労働基準法の基準を下回る労働契約についてみていきます。
条文を読んでみましょう。
第13条 この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準による。 |
・ 労働基準法で定められている1日の労働時間の上限は8時間です。
↓
・ ある労働契約で1日の労働時間を10時間と定めました。(労働基準法の基準を下回っている)
↓
・ 労働契約全体が無効になるのではなく、「労働基準法で定める基準に達しない」部分のみ無効になります。
↓
・ 法第13条により、「1日8時間」とする労働契約に修正されます。
★労働協約・就業規則との効力の力関係も確認しましょう。
労働基準法 | > | 労働協約 | > | 就業規則 | > | 労働契約 |
強い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・弱い
ポイント!
・使用者が一方的に定めた就業規則よりも、労働組合と使用者が対等の立場で約束した「労働協約」の方が強い
・個々の労働者ごとに締結した労働契約より、職場のルールである就業規則の方が強い。
・労働協約、就業規則、労働契約は、労働基準法の基準は守らなければならない。
では、過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
労働基準法で定める基準に違反する労働条件を定める労働契約の部分は、労働基準法で定める基準より労働者に有利なものも含めて、無効となる。
【解答】
①【H21年出題】 ×
無効となるのは、労働基準法で定める基準に「達しない」(=不利な)労働条件を定める部分です。労働基準法で定める基準より労働者に「有利」なものは有効です。
②【R5年出題】
労働基準法第14条第1項に規定する期間を超える期間を定めた労働契約を締結した場合は、同条違反となり、当該労働契約は、期間の定めのない労働契約となる。
【解答】
②【R5年出題】 ×
法第14条第1項に規定する期間(「高度の専門的知識等を有する労働者」及び「満60歳以上の労働者」については5年、その他のものについては「3年」)を超える期間を定めた労働契約を締結した場合は、その部分は無効となります。
その場合、労働契約の期間は、法第13条により、法第14条第1項に規定する期間(5年又は3年)となります。
(平成15.10.22基発第1022001号)
③【H25年出題】
労働基準法は、同法の定める基準に達しない労働条件を定める労働契約について、その部分を無効とするだけでなく、無効となった部分を同法所定の基準で補充することも定めている。
【解答】
③【H25年出題】 〇
労働基準法の定める基準に達しない労働条件を定める労働契約については、その部分は無効となり、無効となった部分は、労働基準法所定の基準で補充されます。
④【H27年出題】
労働協約に定める基準に違反する労働契約の部分を無効とする労働組合法第16条とは異なり、労働基準法第13条は、労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とすると定めている。
【解答】
④【H27年出題】 〇
労働組合法と労働基準法の異なる点を確認しましょう。
・労働組合法第16条
「労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。」
・労働基準法第13条
「労働基準法で定める基準に達しない(=不利な)労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする」
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R7-156 01.31
1級、2級の障害厚生年金には、配偶者加給年金額が加算されます。
条文を読んでみましょう。
第50条の2 ① 障害の程度が障害等級の1級又は2級に該当する者に支給する障害厚生年金の額は、受給権者によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者があるときは、障害厚生年金の額に加給年金額を加算した額とする。 ② 加給年金額は、22万4700円に改定率を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを 100円に切り上げるものとする。)とする。 ③ 受給権者がその権利を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者を有するに至ったことにより加給年金額を加算することとなったときは、当該配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、障害厚生年金の額を改定する。 |
ポイント!
・3級の障害厚生年金には、加給年金額は加算されません。
・「65歳未満の配偶者」が対象です。「子」については、国民年金法の「障害基礎年金」に加算が行われます。
・加給年金額は、22万4700円×改定率で計算します。老齢厚生年金と異なり、「特別加算」はありません。
・「受給権を取得した当時」だけでなく、「権利を取得した日の翌日以後」に
配偶者を有するに至った場合でも加給年金額の対象となります。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
障害等級1級に該当する障害厚生年金の受給権者が、その受給権を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときは、当該配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、当該障害厚生年金の額に加給年金額が加算される。
【解答】
①【H29年出題】 〇
受給権を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときでも加給年金額が加算されます。加給年金額は、配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、加算されます。
②【H29年出題】
障害等級1級又は2級の障害厚生年金の額は、受給権者によって生計を維持している子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満で障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある子に限る。)があるときは、当該子に係る加給年金額が加算された額とする。
【解答】
②【H29年出題】 ×
子は、障害厚生年金の加給年金額の対象になりません。子は国民年金法の障害基礎年金の加算の対象となります。
③【R4年出題】
昭和9年4月2日以後に生まれた障害等級1級又は2級に該当する障害厚生年金の受給権者に支給される配偶者に係る加給年金額については、受給権者の生年月日に応じた特別加算が行われる。
【解答】
③【R4年出題】 ×
障害厚生年金の受給権者に支給される配偶者加給年金額には、受給権者の生年月日に応じた特別加算は行われません。
④【R1年出題】
加給年金額が加算された障害厚生年金の額について、当該加給年金額の対象になっている配偶者(大正15年4月1日以前に生まれた者を除く。)が65歳に達した場合は、当該加給年金額を加算しないものとし、その該当するに至った月の翌月から当該障害厚生年金の額を改定する。
【解答】
④【R1年出題】 〇
障害厚生年金に加算される配偶者加給年金額は、以下に該当した場合は、加算が終了します。
(1) 死亡したとき。
(2) 受給権者による生計維持の状態がやんだとき。
(3) 配偶者が、離婚又は婚姻の取消しをしたとき。
(4) 配偶者が、65歳に達したとき。
加給年金額の対象になるのは65歳未満の配偶者ですので、「配偶者が65歳に達したとき」は加算されなくなります。
また、加給年金額が加算されなくなり年金額が改定されるのは、「該当するに至った月の翌月」からとなります。
ちなみに、配偶者が大正15年4月1日以前生まれの場合は、65歳以降も加給年金額の対象となります。
(法第44条第4項、法第50条の2第4項)
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R7-156 01.30
障害基礎年金の受給権の消滅をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第35条 (失権) 障害基礎年金の受給権は、第31条第2項の規定(障害基礎年金の併合によって従前の障害基礎年金の受給権の消滅)によって消滅するほか、受給権者が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。 (1) 死亡したとき。 (2) 厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級(3級)に該当する程度の障害の状態にない者が、65歳に達したとき。 ただし、65歳に達した日において、3級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過していないときを除く。 (3) 厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級(3級)に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過したとき。ただし、3年を経過した日において、当該受給権者が65歳未満であるときを除く。 |
ポイント!
「国民年金法」の障害等級は「1級、2級」ですが、「厚生年金保険法」の障害等級は「1級、2級、3級」です。
厚生年金保険法の障害等級は3級まであることに注意してください。
では、図①と図②でイメージしましょう。
ポイント!
少なくとも「65歳」までは失権しません。
それでは過去問をどうぞ!
①【H20年出題】
障害基礎年金の受給権者が63歳の時点で、厚生年金保険法に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3年を経過していたときは、その時点で当該障害基礎年金の受給権が消滅する。
【解答】
①【H20年出題】 ×
※厚生年金保険法に規定する障害等級に該当する程度の障害=障害等級3級です。
63歳時点で、3級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3年を経過していたとしても、65歳までは障害基礎年金の受給権は消滅しません。問題文の場合、63歳時点では障害基礎年金の受給権は消滅しません。
②【R3年出題】
障害基礎年金の受給権者が、厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して同項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過した日において、65歳に達していないときでも、当該障害基礎年金の受給権は消滅する。
【解答】
②【R3年出題】 ×
厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級(=3級)に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過したとしても、65歳に達していないときは障害基礎年金の受給権は消滅しません。
③【H30年出題】
63歳の時に障害状態が厚生年金保険法に規定する障害等級3級に該当する程度に軽減し、障害基礎年金の支給が停止された者が、3級に該当する程度の状態のまま5年経過後に、再び障害状態が悪化し、障害の程度が障害等級2級に該当したとしても、支給停止が解除されることはない。
【解答】
③【H30年出題】 ×
63歳の時に障害状態が3級に該当する程度に軽減し、障害基礎年金の支給が停止された者が、3級に該当する程度の状態のまま5年経過後に、再び障害状態が悪化し、障害の程度が障害等級2級に該当した場合は、「支給停止が解除されます」。
「3級」に該当している間は、失権することはありません。
図③でイメージしましょう。
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R7-155 01.29
国民年金の強制被保険者には、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3つの種別があります。
それぞれの資格喪失の時期をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第9条 (資格喪失の時期) 次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日((2)に該当するに至った日に更に第2号被保険者若しくは第3号被保険者に該当するに至ったとき又は(3)から(5)までのいずれかに該当するに至ったとき((4)については、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者となったときに限る。)は、その日)に、被保険者の資格を喪失する。 (1) 死亡したとき→(翌日喪失・共通) (2) 日本国内に住所を有しなくなったとき→(翌日喪失・第1号被保険者) (3) 60歳に達したとき(当日喪失・第1号被保険者、第3号被保険者) (4) 厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者となったとき(翌日喪失・厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者となったとき当日喪失・第1号被保険者) (5) 厚生年金保険の被保険者の資格を喪失したとき(当日喪失・第2号被保険者) (6) 被扶養配偶者でなくなったとき(翌日喪失・第3号被保険者) |
過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
第1号被保険者又は第3号被保険者が60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く。)は、60歳に達したときに該当するに至った日に被保険者の資格を喪失する。
【解答】
①【H30年出題】 〇
「第1号被保険者」、「第3号被保険者」は、「20歳以上60歳未満」の年齢要件がありますので、60歳に達した日に被保険者の資格を喪失します。「当日」喪失がポイントです。
なお、60歳に達した日とは、60歳の誕生日の前の日です。例えば、令和7年1月29日が60歳の誕生日だとすると、第1号被保険者・第3号被保険者は、令和7年1月28日に資格を喪失します。
②【R4年出題】
第1号被保険者又は第3号被保険者が60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く。)は、60歳に達した日に被保険者の資格を喪失する。また、第1号被保険者又は第3号被保険者が死亡したときは、死亡した日の翌日に資格を喪失する。
【解答】
②【R4年出題】 〇
第1号被保険者又は第3号被保険者は、60歳に達した日に被保険者の資格を喪失します。また、死亡したときは、死亡した日の翌日に資格を喪失します。
③【H25年出題】 ※改正による修正あり
厚生年金保険の被保険者は、60歳に達した日に国民年金の被保険者の資格を喪失する。
【解答】
③【H25年出題】 ×
第2号被保険者には、20歳以上60歳未満の年齢要件がありません。そのため、60歳に達したことによる資格の喪失はありません。
④【R4年出題】
厚生年金保険の被保険者が、65歳に達し老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を取得したときは、引き続き厚生年金保険の被保険者資格を有していても、国民年金の第2号被保険者の資格を喪失する。
【解答】
④【R4年出題】 〇
「厚生年金保険の被保険者」は原則として、「国民年金の第2号被保険者」です。
ただし、65歳以上で、老齢基礎年金、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付の受給権者は、第2号被保険者となりません。
そのため、厚生年金保険の被保険者が、65歳に達し老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を取得したときは、引き続き厚生年金保険の被保険者資格を有していても、国民年金の第2号被保険者の資格を喪失します。
(法附則第4条)
⑤【R3年出題】
第3号被保険者が被扶養配偶者でなくなった時点において、第1号被保険者又は第2号被保険者に該当するときは、種別の変更となり、国民年金の被保険者資格は喪失しない。
【解答】
⑤【R3年出題】 〇
第3号被保険者が被扶養配偶者でなくなった時点で、第1号被保険者又は第2号被保険者に該当するときは、国民年金の被保険者資格を喪失するのではなく、第3号被保険者から第1号被保険者又は、第3号被保険者から第2号被保険者への「種別変更」となります。
例えば、日本国内に居住する40歳の者が、離婚し被扶養配偶者でなくなった時点で無職の場合は、第1号被保険者に「種別変更」となります。
20歳 40歳
第3号被保険者 | 第1号被保険者 |
→ | 種別変更 |
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R7-154 01.28
労働保険料には6つの種類があります。
① 一般保険料
② 第1種特別加入保険料(中小事業主等が特別加入したときの保険料)
③ 第2種特別加入保険料(一人親方等が特別加入したときの保険料)
④ 第3種特別加入保険料(海外派遣者が特別加入したときの保険料)
⑤ 印紙保険料(日雇労働被保険者の雇用保険料。印紙で納付する。)
⑥ 特例納付保険料(雇用保険法の特例対象者の保険料)
今回は一般保険料の計算についてお話しします。
一般保険料は、一般の労働者の保険料で、原則として、労災保険料+雇用保険料です。
★一般保険料の額の計算について
「賃金総額」×「一般保険料率(一般保険料に係る保険料率)」で計算します。
■「賃金総額」とは→ 事業主がその事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額です。
■一般保険料率
①労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業
→「労災保険率」+「雇用保険率」
②労災保険に係る保険関係のみが成立している事業
→「労災保険率」
③雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業
→「雇用保険率」
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】(労災)
労働保険徴収法第10条において政府が徴収する労働保険料として定められているものは、一般保険料、第1種特別加入保険料、第2種特別加入保険料、第3種特別加入保険料及び印紙保険料の計5種類である。
【解答】
①【R1年出題】(労災) ×
労働保険料は、一般保険料、第1種特別加入保険料、第2種特別加入保険料、第3種特別加入保険料、印紙保険料、「特例納付保険料」の計6種類です。
(法第10条第2項)
②【H30年出題】(雇用)
労働保険徴収法第39条第1項に規定する事業以外の事業(一元適用事業)の場合は、労災保険に係る保険関係と雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業として一般保険料の額を算定することはない。
【解答】
②【H30年出題】(雇用) ×
二元適用事業は、「労災保険に係る保険関係」と「雇用保険に係る保険関係」を別個の事業とみなして徴収法を適用します。そのため、一般保険料額も、「労災保険に係る保険関係」と「雇用保険に係る保険関係」を別々に計算します。
一元適用事業の一般保険料額は、「賃金総額」×「一般保険料率(労災保険率+雇用保険率)」で算定します。
ただし、雇用保険法の適用を受けない者がいる場合は、「労災保険」と「雇用保険」で賃金総額が異なります。そのため、労災保険に係る保険関係と雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業として一般保険料の額を算定することになります。
(整備省令第17条第1項)
★下の図でイメージしましょう。
③【R4年出題】(雇用)
労働保険徴収法第39条第1項に規定する事業以外の事業(いわゆる一元適用事業)であっても、雇用保険の適用を受けない者を使用するものについては、二元適用事業に準じ、当該事業を労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなして一般保険料の額を算定するが、一般保険料の納付(還付、充当、督促及び滞納処分を含む。)については、一元適用事業と全く同様である。
【解答】
③【R4年出題】(雇用) 〇
一元適用事業で、二元適用事業に準じ、労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなして一般保険料の額を算定する場合でも、二元適用事業ではありませんので、一般保険料の納付(還付、充当、督促及び滞納処分を含む。)については、一元適用事業と全く同様です。
(整備省令第17条第1項、第2項)
④【H30年出題】(雇用)
1日30分未満しか働かない労働者に対しても労災保険は適用されるが、当該労働者が属する事業場に係る労災保険料は、徴収・納付の便宜を考慮して、当該労働者に支払われる賃金を算定の基礎となる賃金総額から除外して算定される。
【解答】
④【H30年出題】(雇用) ×
1日30分未満しか働かない労働者に対しても労災保険は適用されます。
保険料の計算のもとになる「賃金総額」は事業主がその事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額です。そのため、1日30分未満しか働かない労働者に支払われる賃金も、賃金総額に含まれます。
(法第11条第2項)
⑤【R4年出題】(雇用)
A及びBの2つの適用事業主に雇用される者XがAとの間で主たる賃金を受ける雇用関係にあるときは、XはAとの雇用関係においてのみ労働保険の被保険者資格が認められることになり、労働保険料の算定は、AにおいてXに支払われる賃金のみをAの賃金総額に含めて行い、BにおいてXに支払われる賃金はBの労働保険料の算定における賃金総額に含めない。
【解答】
⑤【R4年出題】(雇用) ×
Xは、A及びBの2つの適用事業主に雇用され、Aとの間で主たる賃金を受ける雇用関係にあります。
★雇用保険料について
同時に2以上の雇用関係にある労働者については、当該2以上の雇用関係のうち一の雇用関係(原則として、その者が生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける雇用関係とする=問題文の場合はA)についてのみ被保険者となります。(行政手引20352)
そのため、雇用保険料の算定は、問題文の通り、「A」の雇用保険料は、Xに支払われる賃金を賃金総額に含めて行います。「B」の雇用保険料には、Xに支払われる賃金は賃金総額には含まれません。
★労災保険料について
同時に2以上の雇用関係にある労働者については、それぞれで労災保険の適用を受けます。そのため、Aの労災保険料は、AにおいてXに支払われる賃金は賃金総額に含まれ、また、Bの労災保険料もBにおいてXに支払われる賃金が賃金総額に含まれます。
⑥【H26年出題】(労災)
慶弔見舞金は、就業規則に支給に関する規定があり、その規定に基づいて支払われたものであっても労働保険料の算定基礎となる賃金総額に含めない。
【解答】
⑥【H26年出題】(労災) 〇
結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金など個人的、臨時的な吉凶禍福に対して支給されるものは、労働協約等によって事業主にその支給が義務づけられていても、労働保険徴収法では「賃金として取り扱わない」ことになっています。
そのため、労働保険料の算定基礎となる賃金総額には含みません。
(昭25.2.16基発127号)
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R7-153 01.27
「1週間の所定労働時間」又は「1月間の所定労働日数」が 通常の労働者の4分の3未満でも 健康保険・厚生年金保険に加入することになる短時間労働者の条件についてお話ししています。
★基本の条件をおさえましょう。
①「特定適用事業所」「任意特定適用事業所」に使用されている
または
「国・地方公共団体に属する事業所」に使用されている
②次の要件をすべて満たしている
・週の所定労働時間が20時間以上
・賃金が月額88,000円以上
・学生でない
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R7-152 01.26
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年1月20日から1月25日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・遺族厚生年金の額の計算についてお話しします(厚生年金保険法)
・「賃金支払い5原則」通貨払いの原則と例外(労働基準法)
・雇入れ時・作業内容変更時の安全衛生教育(労働安全衛生法)
・労災「支給制限」労働者に対するペナルティ(労災保険法)
・基本手当の受給資格「算定対象期間」(雇用保険法)
・所定給付日数の基になる「算定基礎期間」(雇用保険法)
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R7-151 01.25
基本手当の所定給付日数は、離職理由、就職困難者であるかどうか、雇用保険に加入した期間(算定基礎期間)、年齢で決まります。
今回は「算定基礎期間」をみていきます。
算定基礎期間は、雇用保険に加入した期間です。
では、条文を読んでみましょう。
なお、「基準日」とは、「受給資格に係る離職の日」のことです。
法第22条第3項~第5項 ③ 算定基礎期間は、受給資格者が基準日まで引き続いて同一の事業主の適用事業に被保険者として雇用された期間(当該雇用された期間に係る被保険者となった日前に被保険者であったことがある者については、当該雇用された期間と当該被保険者であった期間を通算した期間)とする。ただし、当該期間に次の各号に掲げる期間が含まれているときは、当該各号に掲げる期間に該当するすべての期間を除いて算定した期間とする。 (1) 当該雇用された期間又は当該被保険者であった期間に係る被保険者となった日の直前の被保険者でなくなった日が当該被保険者となった日前1年の期間内にないときは、当該直前の被保険者でなくなった日前の被保険者であった期間 (2) 当該雇用された期間に係る被保険者となった日前に基本手当又は特例一時金の支給を受けたことがある者については、これらの給付の受給資格又は特例受給資格に係る離職の日以前の被保険者であった期間 ④ 一の被保険者であった期間に関し、被保険者となった日が第9条の規定による被保険者となったことの確認があつた日の2年前の日より前であるときは、当該確認のあった日の2年前の日に当該被保険者となったものとみなして、算定基礎期間の算定を行うものとする。 ⑤ 次に掲げる要件のいずれにも該当する者(第1号に規定する事実を知っていた者を除く。)については、被保険者の負担すべき保険料がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期のうち最も古い時期として厚生労働省令で定める日に被保険者となったものとみなして、算定基礎期間の算定を行うものとする。 (1) その者に係る資格取得の届出がされていなかったこと。 (2) 厚生労働省令で定める書類に基づき、第9条の規定による被保険者となったことの確認があった日の2年前の日より前に被保険者の負担すべき保険料がその者に支払われた賃金から控除されていた(=雇用保険料が給与から天引きされていた)ことが明らかである時期があること。 |
★下の図でイメージしましょう。
では過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
かつて被保険者であった者が、離職後1年以内に被保険者資格を再取得しなかった場合には、その期間内に基本手当又は特例一時金の支給を受けていなかったとしても、当該離職に係る被保険者であった期間は算定基礎期間に含まれない。
【解答】
①【R3年出題】 〇
離職後1年以内に被保険者資格を再取得しなかった場合は、基本手当又は特例一時金の支給を受けていなかったとしても、前職で被保険者であった期間は算定基礎期間に含まれません。
②【R3年出題】
雇用保険法第9条の規定による被保険者となったことの確認があった日の2年前の日より前であって、被保険者が負担すべき保険料が賃金から控除されていたことが明らかでない期間は、算定基礎期間に含まれない。
【解答】
②【R3年出題】 〇
被保険者となった日が被保険者となったことの確認があった日の2年前の日より前であるときは、2年前の日より前の期間は、算定基礎期間の算定には入りません。
ただし、給与明細等の確認書類により、確認があった日の2年前の日より前に被保険者の負担すべき雇用保険料が給与から天引きされていたことが明らかである時期があるときは、その時期のうち最も古い時期までさかのぼることができます。
問題文のように、被保険者となったことの確認があった日の2年前の日より前で、被保険者が負担すべき保険料が賃金から控除されていたことが明らかでない期間は、算定基礎期間に含まれません。
③【R3年出題】
育児休業給付金の支給に係る休業の期間は、算定基礎期間に含まれない。
【解答】
③【R3年出題】 〇
算定基礎期間は、育児休業給付金の支給に係る休業の期間を除いて算定します。
(第61条の7第9項)
④【H29年出題】
雇用保険法第22条に定める算定基礎期間には、介護休業給付金の支給に係る休業の期間が含まれない。
【解答】
④【H29年出題】 ×
介護休業給付金の支給に係る休業の期間は、算定基礎期間に含まれます。
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R7-150 01.24
基本手当の支給を受けることができる資格のことを「受給資格」、受給資格を有する者を受給資格者といいます。
基本手当の受給資格は、原則として、離職の日以前2年間(算定対象期間)に、被保険者期間が通算して12か月以上あることです。
今回は「算定対象期間」をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第13条第1項 基本手当は、被保険者が失業した場合において、離職の日以前2年間(当該期間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を2年に加算した期間(その期間が4年を超えるときは、4年間)。「算定対象期間」という。)に、被保険者期間が通算して12か月以上であったときに、支給する。 |
★特定理由離職者及び特定受給資格者について
・離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あれば受給資格を満たします。
■算定対象期間とは
→ (原則)離職の日以前2年間(特定理由離職者及び特定受給資格者の場合は2年間又は1年間)
→ (受給要件の緩和)
当該期間に疾病、負傷その他一定の理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を原則の算定対象期間に加算した期間(最長4年間)
※受給要件の緩和が認められる理由
・疾病、負傷(業務上、業務外の別を問わない。)
・事業所の休業
・出産
・事業主の命による外国における勤務
・国と民間企業との間の人事交流に関する法律に該当する交流採用
・前各号に掲げる理由に準ずる理由で、管轄公共職業安定所の長がやむを得ないと認めるもの
★算定対象期間について下の図でイメージしましょう。
では、過去問をどうぞ!
①【R3年選択式】
被保険者期間の算定対象期間は、原則として、離職の日以前2年間(受給資格に係る離職理由が特定理由離職者又は特定受給資格者に該当する場合は2年間又は < A >)(以下「原則算定対象期間」という。)であるが、当該期間に疾病、負傷その他一定の理由により引き続き< B >日以上賃金の支払を受けることができなかった被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を原則算定対象期間に加算した期間について被保険者期間を計算する。
【解答】
①【R3年選択式】
<A> 1年間
<B> 30
②【H26年出題】
被保険者であった者が、離職の日まで業務外の事由による傷病のため欠勤し引き続き6か月間賃金を受けていなかった場合、雇用保険法第13条第1項にいう「離職の日以前2年間」は、2年間にその6か月間を加算した期間となる。
【解答】
②【H26年出題】 〇
離職の日まで業務外の事由による傷病のため欠勤し引き続き6か月間賃金を受けていなかった場合の算定対象期間は、離職の日以前2年間にその6か月間を加算した期間となります。
③【H26年出題】
事業主の命により離職の日以前外国の子会社に出向していたため日本での賃金の支払いを引き続き5年間受けていなかった者は、基本手当の受給資格を有しない。
【解答】
③【H26年出題】 〇
外国の子会社への出向は、算定対象期間の延長の理由となります。
しかし、算定対象期間は延長した場合でも4年間が最長です。問題文の場合は、離職の日以前4年間に、賃金の支払いを受けていないため、被保険者期間もありません。そのため、基本手当の受給資格はありません。
④【H29年出題】
離職の日以前2年間に、疾病により賃金を受けずに15日欠勤し、復職後20日で再び同一の理由で賃金を受けずに80日欠勤した後に離職した場合、受給資格に係る離職理由が特定理由離職者又は特定受給資格者に係る者に該当しないとき、算定対象期間は2年間に95日を加えた期間となる。
【解答】
④【H29年出題】〇
算定対象期間の延長の要件は、賃金を受けなかった日数が、「30日以上継続」することです。そのため、問題文の「80日間」については、算定対象期間に加算されますが、「15日間」は原則は加算されません。
しかし、問題文のように、15日欠勤し、復職後再び「同一の理由」で80日欠勤した場合で、中断の期間が「30日未満(問題文では20日)」の場合は、「15日の欠勤期間」も算定対象期間に加算されます。
問題文の場合は「15日間」と「80日間」の両方の期間が加算され、算定対象期間は2年間に95日を加えた期間となります。
(行政手引50153)
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R7-149 01.23
例えば、労働者が故意にケガの原因となった事故を生じさせた場合は、労災保険の保険給付は行われません。
事故の発生について労働者に非がある場合は、保険給付の支給制限を行うことによってペナルティが課されます。
支給制限の条文を読んでみましょう。
第12条の2の2 ① 労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない。
② 労働者が故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、負傷、疾病、障害若しくは死亡若しくはこれらの原因となった事故を生じさせ、又は負傷、疾病若しくは障害の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げたときは、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない。
【解答】
①【H29年出題】 〇
「故意に」のときは、政府は、「保険給付を行わない」=絶対的給付制限となります。
②【H26年出題】
業務遂行中の災害であっても、労働者が故意に自らの負傷を生じさせたときは、政府は保険給付を行わない。
【解答】
②【H26年出題】 〇
「故意に」のときは、絶対的給付制限です。
③【H26年出題】
業務遂行性が認められる災害であっても、労働者が故意に自らの死亡の直接の原因となった事故を生じさせたときは、政府は保険給付を行わない。
【解答】
③【H26年出題】 〇
「故意に」のときは、絶対的給付制限です。
④【H26年出題】
業務起因性の認められる負傷であっても、被災した労働者が正当な理由なく療養に関する指示に従わないことにより負傷の回復を妨げた場合は、政府は保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
【解答】
④【H26年出題】 〇
「正当な理由なく療養に関する指示に従わない」場合は、「保険給付の全部又は一部を行わないことができる」となります。
⑤【R2年出題】
業務遂行中の負傷であれば、労働者が過失により自らの負傷を生じさせた場合、それが重大な過失でない限り、政府は保険給付の全部又は一部を行わないとすることはできない。
【解答】
⑤【R2年出題】 〇
「保険給付の全部又は一部を行わないことができる」のは、「重大な過失」の場合です。単なる「過失」の場合は、支給制限は行われません。
⑥【R2年出題】
業務遂行中の負傷であれば、負傷の原因となった事故が、負傷した労働者の故意の犯罪行為によって生じた場合であっても、政府は保険給付の全部又は一部を行わないとすることはできない。
【解答】
⑥【R2年出題】 ×
「故意の犯罪行為」の場合は、政府は「保険給付の全部又は一部を行わないことができる」です。
⑦【R6年出題】
労働者が、重大な過失により、負傷、疾病、障害若しくは死亡又はこれらの原因となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
【解答】
⑦【R6年出題】 〇
「重大な過失」の場合は、「保険給付の全部又は一部を行わないことができる」となります。
⑧【R2年出題】
業務起因性の認められる疾病に罹患した労働者が、療養に関する指示に従わないことにより疾病の回復を妨げた場合であっても、指示に従わないことに正当な理由があれば、政府は保険給付の全部又は一部を行わないとすることはできない。
【解答】
⑧【R2年出題】 〇
「正当な理由がなくて療養に関する指示に従わない」ときは、政府は保険給付の全部又は一部を行わないことができるとなります。指示に従わないことに正当な理由があれば、支給制限は行われません。
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R7-148 01.22
労働安全衛生法の「雇入時・作業内容変更時」の安全衛生教育をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第59条第1項、第2項 ① 事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。 ② ①の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。
則第35条 (雇入れ時等の教育) ① 事業者は、労働者を雇い入れ、又は労働者の作業内容を変更したときは、当該労働者に対し、遅滞なく、次の事項のうち当該労働者が従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項について、教育を行なわなければならない。 (1) 機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法に関すること。 (2) 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること。 (3) 作業手順に関すること。 (4) 作業開始時の点検に関すること。 (5) 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること。 (6) 整理、整頓及び清潔の保持に関すること。 (7) 事故時等における応急措置及び退避に関すること。 (8) 前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全又は衛生のために必要な事項 ② 事業者は、前項各号に掲げる事項の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての教育を省略することができる。 |
※特定の業種で一部教育項目の省略が認められていましたが、令和6年4月より省略規定は廃止されています。
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
事業者は、常時使用する労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行わなければならない。臨時に雇用する労働者については、同様の教育を行うよう努めなければならない。
【解答】
①【R2年出題】 ×
常時使用する労働者だけでなく、臨時に雇用する労働者についても、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うことが義務付けられています。
②【R2年出題】
事業者は、作業内容を変更したときにも新規に雇い入れたときと同様の安全衛生教育を行わなければならない。
【解答】
②【R2年出題】 〇
作業内容を変更したときも、新規に雇い入れたときと同様の安全衛生教育を行わなければなりません。
③【H17年出題】
労働安全衛生法上、雇入れ時の健康診断の対象となる労働者と雇入れ時の安全衛生教育の対象となる労働者は、いずれも常時使用する労働者である。
【解答】
③【H17年出題】 ×
「雇入れ時の健康診断」と「雇入れ時の安全衛生教育」の対象となる労働者の範囲が違うことに注意してください。
・雇入れ時の健康診断の対象となる労働者 → 常時使用する労働者
・雇入れ時の安全衛生教育の対象となる労働者 → 常時使用する労働者だけでなく「すべての労働者」
です。
(雇入れ時の健康診断→則第43条)
④【H22年出題】
事業者は、労働者の作業内容を変更したときは、労働安全衛生規則に定める事項について安全衛生教育を行わなければならないが、当該事項の全部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者であっても、その全部の事項についての安全衛生教育を省略することはできない。
【解答】
④【H22年出題】 ×
全部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、その全部の事項についての安全衛生教育を省略することができます。
⑤【H19年出題】
労働安全衛生法第59条第2項の規定に基づくいわゆる作業内容変更時の安全衛生教育の実施の義務は、派遣先事業者のみに課せられている。
【解答】
⑤【H19年出題】 ×
| 派遣元事業者 | 派遣先事業者 |
雇入れ時の安全衛生教育 | 義務あり |
|
作業内容変更時の安全衛生教育 | 義務あり | 義務あり |
「作業内容変更時の安全衛生教育」の実施義務は、派遣元事業者と派遣先事業者の両方に課せられています。
ちなみに、「雇入れ時の安全衛生教育」の実施義務は派遣元事業者のみに課せられています。(労働契約関係にあるのは派遣元なので)
(派遣法第45条)
⑥【R2年出題】
安全衛生教育の実施に要する時間は労働時間と解されるので、当該教育が法定労働時間外に行われた場合には、割増賃金が支払われなければならない。
【解答】
⑥【R2年出題】 〇
安全衛生教育の実施に要する時間は労働時間です。安全衛生教育は所定労働時間内に行なうことが原則ですが、法定労働時間外に安全衛生教育を行った場合は、割増賃金を支払う義務があります。
(昭47.9.18基発602号)
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R7-147 01.21
賃金は、「労働の対償」として支払われるものです。
労働者が、労働した分の賃金を、間違いなく受け取ることができるよう、労働基準法では、賃金の支払いについて5つの原則を定めています。
賃金支払い5原則は次のとおりです。
① 通貨払い
② 直接払い
③ 全額払い
④ 毎月1回以上払い
⑤ 一定期日払い
条文を読んでみましょう。
第24条 (賃金の支払) ① 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。 ② 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金については、この限りでない。 |
今回は、「通貨払いの原則とその例外」をみていきます。
原則 → 賃金は通貨(例えば、1万円札や100円硬貨など)で支払わなければなりません。
例外 → 通貨以外で支払うことができる場合もあります。
・ 法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合
・ 厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
労働基準法第24条第1項は、賃金は、「法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、通貨以外のもので支払うことができる。」と定めている。
【解答】
①【R1年出題】 ×
賃金を「通貨以外のもの」で支払うことができるのは、「法令に別段の定めがある場合又は「労使協定」がある場合」ではなく、「法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合」です。
「労働協約」と「労使協定」の違いに注意しましょう。
★「労働協約」とは
↓
労働組合(労働者側)と使用者又はその団体(使用者側)との間の労働条件等に関する約束のことです。労働者側が「労働組合」であることがポイントです。労働組合がない事業場では、労働協約は締結できません。
★「労使協定」とは
↓
・事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合
労働者の過半数で組織する労働組合がないときは
・労働者の過半数を代表する者
との書面による協定です。労働組合がなくても労使協定は締結できます。
労使協定は、事業場全体に効力が及びます。
②【H29年出題】
労働協約の定めによって通貨以外のもので賃金を支払うことが許されるのは、その労働協約の適用を受ける労働者に限られる。
【解答】
②【H29年出題】 〇
労働協約は、締結当事者である「使用者」と「労働組合とその構成員」のみに適用されます。
労働協約の定めによって通貨以外のもので賃金を支払うことが許されるのは、その労働協約の適用を受ける労働者に限られます。労働協約の適用を受けない労働者については、通貨以外のもので支払うことはできません。
(昭63.3.14基発150号)
③【H28年出題】
使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について当該労働者が指定する銀行口座への振込みによることができるが、「指定」とは、労働者が賃金の振込み対象として銀行その他の金融機関に対する当該労働者本人名義の預貯金口座を指定するとの意味であって、この指定が行われれば同意が特段の事情のない限り得られているものと解されている。
【解答】
③【H28年出題】 〇
労働者の「同意」を得た場合は、賃金を口座振込みで支払うことができます。
「同意」については、労働者の意思に基づくものである限り、その形式は問われません。
労働者が、賃金の振込み対象として労働者本人名義の預貯金口座の指定を行えば、原則として、同意が得られているものと解されます。
(則第7条の2、昭63.1.1基発1号)
④【R3年出題】
使用者は、退職手当の支払については、現金の保管、持ち運び等に伴う危険を回避するため、労働者の同意を得なくても、当該労働者の預金又は貯金への振込みによることができるほか、銀行その他の金融機関が支払保証をした小切手を当該労働者に交付することによることができる。
【解答】
④【R3年出題】 ×
退職手当の支払についても、労働者の預金又は貯金への振込みで支払う場合は、「労働者の同意」が必要です。
また、通常の賃金とは違い、退職手当は、小切手を労働者に交付することによって支払うことができますが、この場合も「労働者の同意」が必要です。
(則第7条の2第2項)
⑤【R6年出題】 ※問題文を修正しています
使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払方法として、労働基準法施行規則第7条の2第1項第3号に掲げる要件を満たすものとして厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者(指定資金移動業者)のうち労働者が指定するものの第二種資金移動業に係る口座への資金移動によることができる(いわゆる賃金のデジタル払い)が、賃金の支払いに係る資金移動を行う口座について、労働者に対して負担する為替取引に関する債務の額が500万円を超えることがないようにするための措置又は当該額が500万円を超えた場合に当該額を速やかに500万円以下とするための措置を講じていることが、労働基準法施行規則第7条の2第1項第3号に定められている。
【解答】
⑤【R6年出題】 ×
いわゆる賃金のデジタル払いの要件の一つに「賃金の支払に係る資金移動を行う口座残高上限額を100万円以下に設定又は100万円を超えた場合でも速やかに100万円以下にするための措置を講じていること。」があります。
問題文は500万円になっているので誤りです。
(則第7条の2第1項第3号)
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R7-146 01.20
遺族厚生年金の額の計算のポイントをお話ししています。
★「短期要件」と「長期要件」それぞれの要件をおさえましょう
★遺族厚生年金の計算の注意点
「短期要件」→被保険者期間に300月の最低保障があります
「長期要件」→生年月日によって給付乗率の引上げがあります
★遺族が「65歳以上で老齢厚生年金の受給権がある配偶者」の場合の計算式をおさえましょう
★65歳以上で、「老齢厚生年金」と「遺族厚生年金」の受給権がある場合は、「老齢厚生年金」が優先します
図でイメージしながらポイントをつかみましょう。
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R7-145 01.19
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年1月13日から1月19日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・併給調整の覚え方をお話しします(国民年金法)
・令和7年4月1日高年齢雇用継続給付の支給率が改正されます(雇用保険法)
・「療養の給付」を受けようとする場合(健康保険法)
・国庫負担と国庫補助(健康保険法)
・給付費に対する国庫負担(国民年金法)
・ 年金の内払調整(厚生年金保険法)
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R7-144 01.18
例えば、「遺族厚生年金」の受給権者が「障害厚生年金」の受給権を取得し、「障害厚生年金」の支給を受けることを選択した場合、「遺族厚生年金」の支給は停止されます。
にもかかわらず、届出が遅れたことなどによって、引き続き「遺族厚生年金」が支払われる場合があります。
その場合、遺族厚生年金を返還させ、改めて障害厚生年金を支給するのは、利便性に欠けますので、調整を簡単にするため、遺族厚生年金と障害厚生年金について「内払調整」を行います。
なお「内払」は「同一人」の年金の間の調整です。
「内払」について、図でイメージしましょう。
では、条文を読んでみましょう。
第39条 (年金の支払の調整) ① 乙年金の受給権者が甲年金の受給権を取得したため乙年金の受給権が消滅し、又は同一人に対して乙年金の支給を停止して甲年金を支給すべき場合において、乙年金の受給権が消滅し、又は乙年金の支給を停止すべき事由が生じた月の翌月以後の分として、乙年金の支払が行われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。 ② 年金の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金が支払われたときは、その支払われた年金は、その後に支払うべき年金の内払とみなすことができる。年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金が支払われた場合における当該年金の当該減額すべきであった部分についても、同様とする。 ③ 同一人に対して国民年金法による年金たる給付の支給を停止して年金たる保険給付(厚生労働大臣が支給するものに限る。)を支給すべき場合において、年金たる保険給付を支給すべき事由が生じた月の翌月以後の分として同法による年金たる給付の支払が行われたときは、その支払われた同法による年金たる給付は、年金たる保険給付の内払とみなすことができる。 |
■内払調整
①について
・乙年金の受給権者が甲年金の受給権を取得したため乙年金の受給権が消滅したにもかかわらず、翌月以後、乙年金の支払が行われた
・同一人に対して乙年金の支給を停止して甲年金を支給すべき場合に、翌月以後、乙年金の支払が行われた
②について
・年金の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金が支払われた
・年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、翌月以後も減額しない額の年金が支払われた
③について(国民年金と厚生年金保険の調整)
・同一人に対して国民年金法の年金の支給を停止して、厚生年金保険の年金(厚生労働大臣が支給するものに限る。)を支給すべき場合に、翌月以後の分として国民年金の年金の支払が行われた
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題】 ※問題文の者は、「第1号厚生年金被保険者期間」のみを有するものとします。(改正による修正)
障害等級1級又は2級の障害厚生年金の受給権者が、新たに障害等級1級又は2級に該当する障害を受け、厚生年金保険法第48条第1項の規定に基づいて、前後の障害を併合した障害の程度による新たな障害厚生年金の受給権を取得した場合、従前の障害厚生年金の受給権が消滅した月の翌月以後の分として、従前の障害厚生年金の支払が行われたときは、その支払われた従前の障害厚生年金は、新たな障害厚生年金の内払とみなす。
【解答】
①【H25年出題】 〇
従前の障害厚生年金の受給権が消滅した月の翌月以後の分として、従前の障害厚生年金の支払が行われたときは、「従前の障害厚生年金の返還を求める」のではなく、その支払われた従前の障害厚生年金は、新たな障害厚生年金の「内払とみなす」となります。
②【H25年出題】※問題文の者は、「第1号厚生年金被保険者期間」のみを有するものとします。(改正による修正)
遺族厚生年金の受給権者が障害厚生年金の受給権を取得し、障害厚生年金の支給を選択した場合において、遺族厚生年金の支給を停止すべき事由が生じた月の翌月以後の分として遺族厚生年金の支払が行われたときは、その支払われた遺族厚生年金は、障害厚生年金の内払とみなす。
【解答】
②【H25年出題】 〇
遺族厚生年金の受給権者が障害厚生年金の受給権を取得し、障害厚生年金の支給を選択した場合、遺族厚生年金の支給が停止されますが、にもかかわらず、翌月以後も遺族厚生年金の支払が行われたときは、その支払われた遺族厚生年金は、障害厚生年金の「内払とみなす」となります。
③【R6年出題】
同一人に対して国民年金法による年金たる給付の支給を停止して年金たる保険給付(厚生労働大臣が支給するものに限る。以下本肢において同じ。)を支給すべき場合において、年金たる保険給付を支給すべき事由が生じた月の翌月以後の分として同法による年金たる給付の支払いが行われたときは、その支払われた同法による年金たる給付は、年金たる保険給付の内払とみなすことができる。
【解答】
③【R6年出題】 〇
同一人に対する「国民年金法による年金たる給付」と「年金たる保険給付(厚生労働大臣が支給するものに限る。)」との間の内払調整の規定です。
④【H25年出題】(※改正による修正あり)
同一人に対して国民年金法による寡婦年金の支給を停止して60歳台前半の老齢厚生年金(厚生労働大臣が支給するものに限る。)を支給すべき場合において、老齢厚生年金を支給すべき事由が生じた月の翌月以後の分として寡婦年金の支払が行われたときは、その寡婦年金は、老齢厚生年金の内払とみなすことができる。
【解答】
④【H25年出題】 〇
③の問題と同じです。
※国民年金法の寡婦年金と60歳台前半の老齢厚生年金は、どちらか選択です。
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R7-143 01.17
通常、基礎年金(老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金)の給付に要する費用の総額の「2分の1」は国庫負担で賄われています。
また、免除期間等については、特別国庫負担があります。
下の図①でイメージしてください。
問題を解いてみましょう。
①【H26年出題】
保険料4分の1免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用については、480から保険料納付済期間の月数を乗じて得た月数を限度として、その7分の4を国庫が負担することとなる。
【解答】
①【H26年出題】 〇
<ポイントその1>
・4分の1免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用に対する国庫負担
→ 「480」から保険料納付済期間の月数を乗じて得た月数が限度となります。
★例えば、60歳以降に任意加入した場合、480月を超える場合がありますが、国庫負担が行われるのは、「480月」が限度です。
図②でイメージしましょう。
<ポイントその2>
・保険料4分の1免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用については、その7分の4を国庫が負担します。
「7分の4」とは?図③でイメージしましょう。
(法第85条)
②【R3年出題】
保険料4分の1免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用については、480から保険料納付済期間の月数を控除して得た月数を限度として国庫負担の対象となるが、保険料の学生納付特例及び納付猶予の期間(追納が行われた場合にあっては、当該追納に係る期間を除く。)は国庫負担の対象とならない。
【解答】
②【R3年出題】 〇
「学生納付特例」及び「納付猶予」の期間は国庫負担の対象となりません。そのため、老齢基礎年金の額は、ゼロで計算されます。
(法第85条)
③【R3年出題】
国庫は、当該年度における20歳前傷病による障害基礎年金の給付に要する費用について、当該費用の100分の20に相当する額と、残りの部分(100分の80)の4分の1に相当する額を合計した、当該費用の100分の40に相当する額を負担する。
【解答】
③【R3年出題】 ×
国庫は、当該年度における20歳前傷病による障害基礎年金の給付に要する費用について、当該費用の100分の20に相当する額と、残りの部分(100分の80)の「4分の1」ではなく、「2分の1」に相当する額を合計した、当該費用の「100分の40」ではなく「100分の60」に相当する額を負担することになっています。
図④でイメージしましょう。
(法第85条)
④【R4年出題】
国庫は、当分の間、毎年度、国民年金事業に要する費用に充てるため、当該年度における国民年金法による付加年金の給付に要する費用及び同法による死亡一時金の給付に要する費用(同法第52条の4第1項に定める額に相当する部分の給付に要する費用を除く。)の総額の4分の1に相当する額を負担する。
【解答】
④【R4年出題】 〇
「付加年金」の給付に要する費用及び「死亡一時金の加算額(8500円)」の給付に要する費用の総額の「4分の1」に相当する額に、国庫負担が行われています。
(昭60法附則第34条第1項第1号)
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R7-142 01.16
健康保険の事業を運営するための費用には、保険給付に要する費用、事務の執行に要する費用などがあります。
今回は、国庫が負担する費用、国庫が補助する部分をみていきます。
「国庫負担」の条文を読んでみましょう。
法第151条 (国庫負担) 国庫は、毎年度、予算の範囲内において、健康保険事業の事務(前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金、介護納付金並びに流行初期医療確保拠出金の納付に関する事務を含む。)の執行に要する費用を負担する。
第152条 ① 健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数を基準として、厚生労働大臣が算定する。 ② ①の国庫負担金については、概算払をすることができる。 |
事務の執行に要する費用(事務費)については、国庫が全額負担します。
過去問をどうぞ!
①【H23年選択式】※改正による修正あり
1 国庫は、毎年度、< A >の範囲内において、健康保険事業の事務(前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金、< B >並びに流行初期医療確保拠出金の納付に関する事務を含む。)の執行に要する費用を負担する。
2 健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における< C >を基準として、厚生労働大臣が算定する。
3 上記2の国庫負担金については、< D >をすることができる。
【解答】
<A> 予算
<B> 介護納付金
<C> 被保険者数
<D> 概算払い
★介護納付金のイメージ
| 介護保険第2号被保険者 (40歳以上65歳未満) |
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↓(介護保険料)
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| 健康保険組合・全国健康保険協会 |
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↓(介護納付金)
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| 社会保険診療報酬支払基金 |
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↓
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| 介護保険 |
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②【H29年出題】
健康保険事業の事務の執行に要する費用について、国庫は、全国健康保険協会に対して毎年度、予算の範囲内において負担しているが、健康保険組合に対しては負担を行っていない。
【解答】
②【H29年出題】 ×
健康保険事業の事務の執行に要する費用については、全国健康保険協会に対しても、健康保険組合に対しても、国庫が負担しています。
②【R6年出題】
国庫は、毎年度、予算の範囲内において、健康保険事業の事務の執行に要する費用を負担することになっており、健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数を基準として、厚生労働大臣が算定する。また、その国庫負担金は、概算払をすることができる。
【解答】
②【R6年出題】 〇
国庫は、健康保険組合に対しても、事務費を負担しています。健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数が基準となっています。「被扶養者数や標準報酬月額」などは基準に入っていませんので、注意してください。
また、その国庫負担金は、概算払をすることができることになっています。
次は、「国庫補助」についての過去問です。
【R3年出題】
全国健康保険協会管掌健康保険の事業の執行に要する費用のうち、出産育児一時金、家族出産育児一時金、埋葬料(埋葬費)及び家族埋葬料の支給に要する費用については、国庫補助は行われない。
【解答】
【R3年出題】 〇
全国健康保険協会が管掌する健康保険の療養の給付などの支給に要する費用等の1000分の164について、国庫補助が行われています。
ただし、出産育児一時金、家族出産育児一時金、埋葬料(埋葬費)及び家族埋葬料の支給に要する費用については、国庫補助は行われません。
(法第153条)
最後に、特定健康診査等についての過去問です。
【H30年出題】
国庫は、予算の範囲内において、健康保険事業の執行に要する費用のうち、高齢者医療確保法の規定による特定健康診査及び特定保健指導の実施に要する費用の全部を補助することができる。
【解答】
【H30年出題】 ×
費用の全部ではなく、「費用の一部」です。
条文を読んでみましょう。
第154条の2 国庫は、予算の範囲内において、健康保険事業の執行に要する費用のうち、特定健康診査等の実施に要する費用の一部を補助することができる。 |
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R7-141 01.15
「療養の給付」は、健康保険の代表的な給付です。
療養の給付は「現物給付」で、病気で医療機関に行くと、診察等を受けて、かかった費用の原則3割の一部負担金を医療機関に支払います。
「療養の給付」が受けられる医療機関をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
法第63条第3項 療養の給付を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる病院若しくは診療所又は薬局のうち、自己の選定するものから、電子資格確認その他厚生労働省令で定める方法(以下「電子資格確認等」という。)により、被保険者であることの確認を受け、療養の給付を受けるものとする。 (1) 厚生労働大臣の指定を受けた病院若しくは診療所(第65条の規定により病床の全部又は一部を除いて指定を受けたときは、その除外された病床を除く。以下「保険医療機関」という。)又は薬局(以下「保険薬局」という。) (2) 特定の保険者が管掌する被保険者に対して診療又は調剤を行う病院若しくは診療所又は薬局であって、当該保険者が指定したもの (3) 健康保険組合である保険者が開設する病院若しくは診療所又は薬局 |
それぞれをイメージしてみましょう。
(1)保険医療機関・保険薬局(誰でも行くことができる一般の病院など)
(2)事業主医局(健康保険組合管掌健康保険の事業主が開設する病院)など
(3)健康保険組合が開設する病院など
過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
保険医療機関として指定を受けた病院であっても、健康保険組合が開設した病院は、診療の対象者をその組合員である被保険者及び被扶養者のみに限定することができる。
【解答】
①【H30年出題】 ×
「保険医療機関」は、すべての被保険者及び被扶養者の診療を行うもので、一部の被保険者及び被扶養者に限定することはできません。
「保険医療機関として指定を受けた」場合は、健康保険組合が開設した病院でも、診療の対象者をその組合員である被保険者及び被扶養者のみに限定することはできません。
(昭32.9.2保険発123号)
②【R6年出題】
健康保険組合である保険者の開設する病院若しくは診療所又は薬局は、保険医療機関としての指定を受けなくとも当該健康保険組合以外の保険者の被保険者の診療を行うことができる。
【解答】
②【R6年出題】 ×
健康保険組合である保険者の開設する病院若しくは診療所又は薬局が、当該健康保険組合以外の保険者の被保険者の診療を行うには、「保険医療機関の指定」を受けなければなりません。
(昭32.9.2保険発123号)
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R7-140 01.14
「高年齢雇用継続給付」の支給率が、令和7年4月1日に改正されます。ポイントをみていきましょう。
令和7年4月1日前(改正前)
賃金の低下率 | 支給率 |
61%未満 | 15% |
61%以上75%未満 | 15%から一定の割合で逓減する率 |
75%以上 | 不支給 |
↓
令和7年4月1日以後(改正後)
賃金の低下率 | 支給率 |
64%未満 | 10% |
64%以上75%未満 | 10%から一定の割合で逓減する率 |
75%以上 | 不支給 |
条文を読んでみましょう。
法第61条第5項、第6項(令和7年4月以降) ⑤ 高年齢雇用継続基本給付金の額は、一支給対象月について、次の各号に掲げる区分に応じ、当該支給対象月に支払われた賃金の額に当該各号に定める率を乗じて得た額とする。ただし、その額に当該賃金の額を加えて得た額が支給限度額を超えるときは、支給限度額から当該賃金の額を減じて得た額とする。 (1) 当該賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の64に相当する額未満であるとき → 100分の10 (2) 前号に該当しないとき → みなし賃金日額に30を乗じて得た額に対する当該賃金の額の割合が逓増する程度に応じ、100分の10から一定の割合で逓減するように厚生労働省令で定める率 ⑥ 支給対象月における高年齢雇用継続基本給付金の額として算定された額が雇用保険法第17条第4項第1号に掲げる賃金日額の最低限度額(その額が同法第18条の規定により変更されたときは、その変更された額)の100分の80に相当する額を超えないときは、当該支給対象月については、高年齢雇用継続基本給付金は、支給しない。 |
ポイント!
★支給対象月に支払われた賃金の額が支給限度額以上の場合
→ 高年齢雇用継続基本給付金は支給されません。
★「支給対象月に支払われた賃金の額」+「高年齢雇用継続基本給付金として算定された額」が支給限度額を超える場合
→ 「支給限度額」-「支給対象月の賃金の額」が高年齢雇用継続基本給金の額となります。
※支給限度額は令和6年8月から376,750円です。
★「高年齢雇用継続基本給付金として算定された額」が「賃金日額の最低限度額×100分の80」を超えない場合
→ 高年齢雇用継続基本給付金は、支給されません。
※令和6年8月から「賃金日額の最低限度額×100分の80」は、2,869円×100分の80=2,295円です。
では、過去問をどうぞ!
①【R6年出題】※令和7年4月改正に合わせて問題文を修正しています
高年齢再就職給付金の受給資格者に対して再就職後の支給対象月に支払われた賃金の額が、基本手当の日額の算定の基礎となった賃金日額に30を乗じて得た額の100分の85に相当する額未満であるとき、当該受給資格者に対して支給される高年齢再就職給付金の額は、支給対象月に支払われた賃金の額の100分の10となる。
【解答】
①【R6年出題】 ×
高年齢再就職給付金の額が、支給対象月に支払われた賃金の額の100分の10となるのは、再就職後の支給対象月の賃金額が、基本手当の日額の算定の基礎となった賃金日額に30を乗じて得た額の「100分の85に相当する額未満」ではなく、「100分の64に相当する額未満」であるときです。
(法第61条の2第3項)
②【R1年出題】※令和7年4月改正に合わせて問題文を修正しています
支給対象月に支払われた賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の60に相当する場合、高年齢雇用継続基本給付金の額は、当該賃金の額に100分の10を乗じて得た額(ただし、その額に当該賃金の額を加えて得た額が支給限度額を超えるときは、支給限度額から当該賃金の額を減じて得た額)となる。
【解答】
②【R1年出題】 〇
支給対象月に支払われた賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の60に相当する場合(100分の64未満の場合)、高年齢雇用継続基本給付金の支給率は、「100分の10」となります。
③【R6年出題】
支給対象月における高年齢雇用継続基本給付金の額として算定された額が雇用保険法第17条第4項第1号に掲げる賃金日額の最低限度額(その額が同法第18条の規定により変更されたときは、その変更された額)の100分の80に相当する額を超えないとき、当該支給対象月については、高年齢雇用継続基本給付金は支給されない。
【解答】
③【R6年出題】 〇
高年齢雇用継続基本給付金の額として算定された額が賃金日額の最低限度額の100分の80に相当する額を超えないときは、高年齢雇用継続基本給付金は支給されません。
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R7-139 01.13
同一人に複数の年金の受給権が発生することがあります。
★原則は一人一年金です
★例外もあります
<例外の重要ポイント!>
・老齢基礎年金と付加年金はセットで支給されます
・支給事由が同じ「国民年金の年金」と「厚生年金保険の年金」は2階建てで併給されます
・支給事由が異なっていても「65歳以上限定」で併給される組合せがあります
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R7-138 01.12
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年1月6日から1月11日までの動画の総集編です。
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☟
・繰上げ支給の老齢基礎年金についてお話しします(国民年金法)
・日本最初の社会保険「健康保険法」についてお話しします
・国民年金法・厚生年金保険法「最低限おさえたい歴史」
・ 国民年金法・厚生年金保険法「目的の異なる点」
・ 退職等の際の金品の返還義務(労働基準法)
・ 特別加入者のうち「中小事業主等」について(労災保険法)
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R7-137 01.11
労災保険には「特別加入制度」があります。
・労災保険法は「労働者」を保護するための制度ですが、労働者に準じて保護するにふさわしい者は、特別加入することができます。
・また、労災保険は日本国内に限って適用されますが、日本から海外の事業場に派遣された労働者についても、特別加入することができます。
特別加入者には、「中小事業主等」、「一人親方等」、「海外派遣者」の3つの種別があります。
今回は、「中小事業主等」についてお話しします。
「中小事業主等」として特別加入できる者の要件を確認しましょう。
① 厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業の事業主で「労働保険事務組合」に労働保険事務の処理を委託するものである者(事業主が法人その他の団体であるときは、代表者)
② ①の事業主が行う事業に従事する者(→家族労働者や法人企業の場合の代表権をもたない重役など)
※厚生労働省令で定める数について
金融業、保険業、不動産業、小売業 | 50人以下 |
卸売業、サービス業 | 100人以下 |
上記以外 | 300人以下 |
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】※改正による修正あり
労災保険は、労働者の業務災害、複数業務要因災害又は通勤災害に対して保険給付を行う制度であるが、業務の実態、災害の発生状況等に照らし、実質的に労働基準法適用労働者に準じて保護するにふさわしい者に対し、労災保険の適用を及ぼそうとする趣旨から、中小事業主等に特別加入の制度を設けている。
【解答】
①【H26年出題】 〇
特別加入の制度は、実質的に労働基準法適用労働者に準じて保護するにふさわしい者に対し、労災保険の適用を及ぼそうとする趣旨で設けられています。
(昭40.11.1基発第1454号)
②【H30年選択式】
労災保険法においては、労働基準法適用労働者には当たらないが、業務の実態、災害の発生状況等からみて、労働基準法適用労働者に準じて保護するにふさわしい一定の者に対して特別加入の制度を設けている。まず、中小事業主等の特別加入については、主たる事業の種類に応じ、厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業の事業主で< A >に労働保険事務の処理を委託している者及びその事業に従事する者である。この事業の事業主としては、卸売業又は< B >を主たる事業とする事業主の場合は、常時100人以下の労働者を使用する者が該当する。この特別加入に際しては、中小事業主が申請をし、政府の承認を受ける必要がある。給付基礎日額は、当該事業に使用される労働者の賃金の額その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定める額とされており、最高額は< C >である。
<選択肢>
A | ① 社会保険事務所 ② 商工会議所 ③ 特定社会保険労務士 ④ 労働保険事務組合 |
B | ① 小売業 ② サービス業 ③ 不動産業 ④ 保険業 |
C | ① 20,000円 ② 22,000円 ③ 24,000円 ④ 25,000円 |
【解答】
<A> ④ 労働保険事務組合
<B> ② サービス業
<C> ④ 25,000円
(法第33条第1号、第34条、則第46条の16、則第46条の20)
③【R4年出題】
厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業の事業主で、労働保険徴収法第33条第3項の労働保険事務組合に同条第1項の労働保険事務の処理を委託するものである者(事業主が法人その他の団体であるときは、代表者)は労災保険に特別加入することができるが、労災保険法第33条第1号の厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業の事業主に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
<A> 金融業を主たる事業とする事業主については常時100人以下の労働者を使用する事業主
<B> 不動産業を主たる事業とする事業主については常時100人以下の労働者を使用する事業主
<C> 小売業を主たる事業とする事業主については常時100人以下の労働者を使用する事業主
<D> サービス業を主たる事業とする事業主については常時100人以下の労働者を使用する事業主
<E> 保険業を主たる事業とする事業主については常時100人以下の労働者を使用する事業主
【解答】
③【R4年出題】
<D> サービス業を主たる事業とする事業主については常時100人以下の労働者を使用する事業主
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R7-136 01.10
労働者が死亡又は退職した際に、権利者の請求があった場合、使用者は請求があった日から7日以内に金品を返還しなければなりません。
労働者の足止め策に利用させないようにするためです。
第23条 (金品の返還)
① 使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。 ② 賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、異議のない部分を、①の期間中に支払い、又は返還しなければならない。 |
請求する権利がある「権利者」は、退職の場合は労働者本人、死亡の場合は遺産相続人です。一般債権者は含まれません。
(昭22.9.13発基17号)
では、過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならないが、この賃金又は金品に関して争いがある場合においては、使用者は、異議のない部分を、7日以内に支払い、又は返還しなければならない。
【解答】
①【R2年出題】 〇
労働者の死亡又は退職の際に
・ 権利者の請求があった場合 → 7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければなりません
ただし、
・賃金又は金品に関して争いがある場合 → 異議のない部分を、7日以内に支払い、又は返還しなければなりません
②【H30年出題】
労働基準法第20条第1項の解雇予告手当は、同法第23条に定める、労働者の退職の際、その請求に応じて7日以内に支払うべき労働者の権利に属する金品にはあたらない。
【解答】
②【H30年出題】 〇
解雇予告手当は、「解雇の申し渡しと同時に支払うべきもの」です。
労働者の退職の際、その請求に応じて7日以内に支払うべき労働者の権利に属する金品にはあたりません。
(昭23.3.17基発464号)
③【H12年出題】
使用者は、労働者が退職する場合において、労働者から請求があった場合においては、争いがある部分を除き、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称のいかんを問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。このことは、退職手当についても同様である。
【解答】
③【H12年出題】 ×
退職手当は、通常の賃金の場合と異なります。
退職手当は、予め就業規則等で定められた支払時期に支払えば足ります。
(昭26.12.27基収5483号)
④【R6年出題】
労働基準法第23条は、労働の対価が完全かつ確実に退職労働者又は死亡労働者の遺族の手に渡るように配慮したものであるが、就業規則において労働者の退職又は死亡の場合の賃金支払期日を通常の賃金と同一日に支払うことを規定しているときには、権利者からの請求があっても、7日以内に賃金を支払う必要はない。
【解答】
④【R6年出題】 ×
通常の賃金は、「一定期日払い」の原則がありますが、第23条はその特例で、権利者の請求があれば7日以内に支払うことを強行的に義務付けています。
そのため、就業規則で労働者の退職又は死亡の場合の賃金支払期日を通常の賃金と同一日に支払うことを規定していたとしても、請求があれば7日以内に賃金を支払わなければなりません。
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R7-135 01.09
国民年金法と厚生年金保険法の違いを条文で確認しましょう。
国民年金法の第1条と第2条です。
第1条 (国民年金制度の目的) 国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。 第2条 (国民年金の給付) 国民年金は、前条の目的を達成するため、国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な給付を行うものとする。 |
(参考)
日本国憲法第25条
① すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
② 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基づいています。
厚生年金保険法第1条です。
第1条 (この法律の目的) この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。 |
過去問をどうぞ!
①【国年H28年選択式】
国民年金法は、「国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によって国民生活の< A >がそこなわれることを国民の < B >によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。」と規定している。
【解答】
<A> 安定
<B> 共同連帯
②【国年R5年選択式】
国民年金法第2条では、「国民年金は、前条の目的を達成するため、国民の老齢、障害又は死亡に関して< A >を行うものとする。」と規定されている。
<選択肢>
① 年金支給
② 年金の給付
③ 必要な給付
④ 保険給付
【解答】
<A> ③ 必要な給付
③【国年H26年出題】
国民年金は、国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとされ、国民年金法に基づくすべての給付は保険原理により行われる。
【解答】
③【国年H26年出題】 ×
国民年金は、国民の老齢、障害又は死亡に関して「必要な保険給付」ではなく、「必要な給付」を行うものとされています。
「保険原理」とは、保険料を負担することによって給付が受けられる仕組みのことですが、国民年金法の給付には、保険原理によらないものもあります。例えば、20歳前傷病による障害基礎年金は、保険料の負担なく給付されるものです。
国民年金法に基づくすべての給付が保険原理により行われるものではないので、国民年金法では「保険給付」ではなく、「必要な給付」という用語を使います。
なお、厚生年金保険法では「保険給付」という用語を使います。
ちなみに法律の名称も「国民年金法」には「保険」が入っていません。「厚生年金保険法」は「保険」が入っています。
④【厚年H30年出題】
厚生年金保険制度は、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的としている。
【解答】
④【厚年H30年出題】 ×
問題文は国民年金制度の目的条文です。国民年金はすべての国民が対象ですので、「国民」という言葉が使われています。
厚生年金保険制度は「労働者」が対象ですので、「労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的」としています。
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R7-134 01.08
国民年金法、厚生年金保険法の歴史で重要な年号をまとめました。
昭和14年 | 船員保険法制定 | ・社会保険方式による日本で最初の公的年金 ・昭和15年施行 |
昭和16年 | 労働者年金保険法制定 | ・昭和17年施行 ・昭和19年に「厚生年金保険法」に改称 |
昭和34年 | 国民年金法制定 | ・昭和34年11月福祉年金(無拠出制)開始 |
昭和36年 4月 | 国民皆年金の実施 | ・国民年金(拠出制)開始 |
昭和61年 4月 | 基礎年金の導入 | ・「基礎年金」と「報酬比例」の2階建て ・基礎年金は全国民が対象 第1号被保険者(自営業等) 第2号被保険者(会社員、公務員等) 第3号被保険者(専業主婦等) |
平成27年 10月 | 被用者年金一元化 | ・被用者の年金制度が厚生年金に統一された |
年金の歴史を図でイメージしましょう。(下の図を参照してください)
ポイント!
・昭和36年4月「国民皆年金」
・昭和61年4月「基礎年金の導入」
★昭和61年4月前の制度を「旧法」、昭和61年4月以降の制度を「新法」といいます。
過去問をどうぞ!
①【H19年出題(社一)】
医療面で国民皆保険が進められるのに対応して国民皆年金の実現が強く要請されるようになり、自営業者等を対象とする国民年金法が昭和34年に制定され、昭和36年4月から全面施行された。
【解答】
①【H19年出題(社一)】 〇
国民年金法は昭和34年に制定、昭和36年4月から全面施行され、国民皆年金が実現しました。
②【H19年出題(国年)】
国民年金は、昭和34年に制定された国民年金法に基づき、同年10月から無拠出制の福祉年金の給付が開始され、昭和36年4月から拠出制の年金制度が開始されて、国民皆年金の体制が成立した。
【解答】
②【H19年出題(国年)】 ×
国民年金法は昭和34年に制定され、同年10月ではなく「同年11月」から無拠出制の福祉年金の給付が開始されました。また、昭和36年4月から拠出制の年金制度が開始されて、国民皆年金の体制が成立しました。
③【H15年選択式(国年)】
年金改正では、激変を緩和するという観点から、しばしば経過措置が設けられる。昭和60年改正によって導入された基礎年金の給付の適用を受けるのは、老齢基礎年金については< A >以降に生まれた者(施行日に旧制度の老齢・退職給付の受給権のあった者を除く。)、障害基礎年金については< B >が昭和61年4月1日以降の者(福祉年金を除く。)であり、それ以外の者には旧制度の給付が適用されている。
<選択肢>
① 大正15年4月1日
② 大正15年4月2日
③ 昭和2年4月1日
④ 昭和2年4月2日
⑤ 裁定日
⑥ 初診日
⑦ 障害認定日
⑧ 裁定請求日
【解答】
<A> ② 大正15年4月2日
<B> ⑦ 障害認定日
ポイント!
・ 「大正15年4月2日」以降生まれの人は、老齢基礎年金(新法の年金)の対象となります。ただし、施行日に旧制度の老齢・退職給付の受給権のあった人を除きます。
・ 「障害認定日」が昭和61年4月1日以降の人は、障害基礎年金(新法の年金)の対象となります。
④【R6年出題(社一)】
日本の公的年金制度は、予測することが難しい将来のリスクに対して、社会全体であらかじめ備えるための制度であり、現役世代の保険料負担により、その時々の高齢世代の年金給付をまかなう世代間扶養である賦課方式を基本とした仕組みで運営されている。賃金や物価の変化を年金額に反映させながら、生涯にわたって年金が支給される制度として設計されており、必要なときに給付を受けることができる保険として機能している。
【解答】
④【R6年出題(社一)】 〇
日本の公的年金制度は、「賦課方式」を基本とした仕組みで運営されていることがポイントです。
賦課方式とは、現役世代の保険料負担で、その時々の高齢世代の年金給付をまかなう世代間扶養の仕組みです。
(令和5年版厚生労働白書P256)
【R1年出題(社一)】※問題文修正あり
被用者年金一元化により、所定の要件に該当する国家公務員共済組合の組合員が厚生年金保険の被保険者資格を取得したのは、平成27年10月1日である。
【解答】
【R1年出題(社一)】 〇
被用者年金一元化が行われたのは、平成27年10月1日です。
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R7-133 01.07
<健康保険の歴史>
健康保険法は労働者を対象にした保険で、大正11年に制定された日本で最初の社会保険です。
しかし、大正12年に関東大震災が発生したため、全体が施行されたのは、昭和2年です。
当初の健康保険は業務上の傷病等も保険給付の対象になっていました。当時は、業務上、業務外を判別することが難しかったからです。ただし、昭和22年に労災保険法がスタートし、業務災害は労災保険の対象になりました。
ちなみに、日本で最初の社会保険方式の公的年金は、昭和14年に制定された船員保険制度の年金です。
国民皆保険が実現したのは、国民皆年金と同じ昭和36年4月です。
国民皆保険のイメージ
健 康 保 険 |
船 員 保 険 |
国家公務員共済組合 |
地方公務員共済組合 |
私立学校教職員共済 |
国民健康保険 |
後期高齢者医療(原則75歳以上) |
健康保険法の第1条を読んでみましょう。
第1条 (目的) この法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害(労働者災害補償保険法第7条第1項第1号に規定する業務災害をいう。)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H28年選択式(社一)】
世界初の社会保険は、< A >で誕生した。当時の< A >では、資本主義経済の発達に伴って深刻化した労働問題や労働運動に対処するため、明治16年に医療保険に相当する疾病保険法、翌年には労災保険に相当する災害保険法を公布した。
一方日本では、政府は、労使関係の対立緩和、社会不安の沈静化を図る観点から、 < A >に倣い労働者を対象とする疾病保険制度の検討を開始し、< B >に「健康保険法」を制定した。
<選択肢>
① アメリカ
② イギリス
③ ドイツ
④ フランス
⑤ 昭和13年
⑥ 昭和16年
⑦ 大正11年
⑧ 大正15年
【解答】
<A> ③ ドイツ
<B> ⑦ 大正11年
(平成23年版厚生労働白書P35)
②【H21年出題】
健康保険法は、大正11年に制定され、同時に施行された日本で最初の社会保険に関する法である。
【解答】
②【H21年出題】 ×
健康保険法は、大正11年に制定された日本で最初の社会保険に関する法ですが、制定と同時に施行されたのではありません。
施行は大正15年(保険給付及び費用の負担に関する規定は昭和2年)です。
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R7-132 01.06
繰上げ支給の老齢基礎年金のポイントは、
・請求によって受給権が発生すること
・繰り上げた月数に応じて減額されること
です。
その他さまざまな注意点があり、本試験でも頻出される箇所です。
繰り上げ支給の老齢基礎年金の注意点をYouTubeでお話ししています。
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R7-131 01.05
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年12月30日から令和7年1月4日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・適用除外を整理しましょう(労基、安衛、労災、雇用、健保、厚年、国年)
・各法律から適用除外されるもの(実践編)(労基、安衛、労災、雇用、健保、厚年、国年)
・労働基準法第1条を読んでみましょう(労働基準法)
・制定時の状況などから労働安全衛生法を知りましょう(労働安全衛生法)
・労災保険法の沿革をお話しします~労災保険法の歴史(労災保険法)
・雇用保険法の沿革をお話しします(雇用保険法)
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R7-130 01.04
今日は、雇用保険法についてお話しします。
<歴史>
昭和22年に「失業保険法」が施行されました。
当初の目的条文は、「失業保険は、被保険者が失業した場合に、失業保険金を支給して、その生活の安定を図ることを目的とする。」となっていて、保険の対象は「失業」のみでした。
「雇用保険法」が施行されたのは、昭和50年4月からです。「雇用保険法」の保険の対象は「失業」だけではありません。
<目的>
では、現在の目的条文を読んでみましょう。
第1条 (目的) 雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が子を養育するための休業をした場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的とする。 |
第3条 (雇用保険事業) 雇用保険は、第1条の目的を達成するため、失業等給付及び育児休業給付を行うほか、雇用安定事業及び能力開発事業を行うことができる。 |
雇用保険事業の内容を体系図でみてみましょう。
(この記事の下に図を入れています。)
では、過去問をどうぞ!
【H28年選択式】※改正による修正あり
雇用保険法第1条は、「雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が子を養育するための休業をした場合に必要な給付を行うことにより、労働者の< A >を図るとともに、< B >を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の< C >を図ることを目的とする。」と規定されている。
【解答】
<A> 生活及び雇用の安定
<B> 求職活動
<C> 福祉の増進
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R7-129 01.03
★ 労働者災害補償保険法は、昭和22年4月7日公布、同年9月1日から施行されました。
★ 労働条件の最低基準を定めた労働基準法は昭和22年9月に施行、同時に、業務上の災害を保護するため、労働者災害補償保険法が施行されました。
<その後の主な改正>
■昭和48年
「通勤災害」について、業務災害に準じた保護が加えられることになりました
■平成13年
「二次健康診断等給付」が施行されました。「二次健康診断」とその結果に基づく「特定保健指導」を労災保険の保険給付として行うことになりました。
■令和2年
「複数業務要因災害」に関する保険給付が加わりました。
条文を読んでみましょう。
第1条 労働者災害補償保険は、業務上の事由、事業主が同一人でない2以上の事業に使用される労働者(以下「複数事業労働者」という。)の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかった労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もって労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。 |
労災保険の第1の目的は「保険給付」を行うことです。
第2の目的が、「社会復帰促進等事業」です。
第2条の2 労働者災害補償保険は、第1条の目的を達成するため、業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に関して保険給付を行うほか、社会復帰促進等事業を行うことができる。 第7条 この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。 (1) 労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡(以下「業務災害」という。)に関する保険給付 (2) 複数事業労働者(これに類する者として厚生労働省令で定めるものを含む。)の2以上の事業の業務を要因とする負傷、疾病、障害又は死亡(以下「複数業務要因災害」という。)に関する保険給付(前号に掲げるものを除く。) (3) 労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡(以下「通勤災害」という。)に関する保険給付 (4) 二次健康診断等給付
第29条 政府は、この保険の適用事業に係る労働者及びその遺族について、社会復帰促進等事業として、次の事業を行うことができる。 (1) 療養に関する施設及びリハビリテーションに関する施設の設置及び運営その他業務災害、複数業務要因災害及び通勤災害を被った労働者(「被災労働者」という。)の円滑な社会復帰を促進するために必要な事業 (2) 被災労働者の療養生活の援護、被災労働者の受ける介護の援護、その遺族の就学の援護、被災労働者及びその遺族が必要とする資金の貸付けによる援護その他被災労働者及びその遺族の援護を図るために必要な事業 (3) 業務災害の防止に関する活動に対する援助、健康診断に関する施設の設置及び運営その他労働者の安全及び衛生の確保、保険給付の適切な実施の確保並びに賃金の支払の確保を図るために必要な事業 |
過去問をどうぞ!
【令和元年選択式】 ※改正による修正あり
労災保険法第1条によれば、労働者災害補償保険は、業務上の事由、事業主が同一人でない2以上の事業に使用される労働者(「複数事業労働者」という。)の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行うこと等を目的とする。同法の労働者とは、< A >法上の労働者であるとされている。そして同法の保険給付とは、業務災害に関する保険給付、複数業務要因災害に関する保険給付、通勤災害に関する保険給付及び< B >給付の4種類である。通勤災害に関する保険給付のうち年金として支払われるのは、障害年金、遺族年金及び< C >年金である。
<選択肢>
<A> ① 労働関係調整 ② 労働基準 ③ 労働組合 ④ 労働契約
<B> ① 求職者 ② 教育訓練 ③ 失業等 ④ 二次健康診断等
<C> ① 厚生 ② 国民 ③ 傷病 ④ 老齢
【解答】
<A> ② 労働基準
<B> ④ 二次健康診断等
<C> ③ 傷病
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R7-128 01.02
労働安全衛生法は、昭和47年に公布されました。
【労働安全衛生法制定の背景】
『近年のわが国の産業経済の発展は、世界にも類のない目ざましいものがあり、それに伴い、技術革新、生産設備の高度化等が急激に進展したが、この著しい経済興隆のかげに、今なお多くの労働者が労働災害を被っているという状況にある。』中で、労働安全衛生法は制定されました。
『1970年代に入り、従来の経済成長のあり方に反省が加えられ、国の施策の重点は国民福祉の向上へ向けられつつある。このような情勢のもとに、今後における労働災害防止対策は、人命尊重の基本的理念に立ち、この法律を軸として、より強力、より的確に推進されなければならない。』とされています。
(参照:昭和47.9.18発基第91号)
労働安全衛生法は、労働基準法から分離独立したものです。
【労働基準法との関係】
『労働安全衛生法は、形式的には労働基準法から分離独立したものとなっているが、安全衛生に関する事項は労働者の労働条件の重要な一端を占めるものというべく、第1条(目的)、労働基準法第42条等の規定により、この法律と労働条件についての一般法である労働基準法とは、一体としての関係に立つものであることが明らかにされている。』となっています。
『したがって、労働基準法の労働憲章的部分(具体的には第1条から第3条まで)は、この法律の施行にあたっても当然その基本とされなければならない。』
『賃金、労働時間、休日などの一般的労働条件の状態は、労働災害の発生に密接な関連を有することにかんがみ、かつ、この法律の第1条の目的の中で「労働基準法と相まって、……労働者の安全と健康を確保する……ことを目的とする。」と謳っている趣旨に則り、この法律と労働基準法とは、一体的な運用が図られなければならないもの』となっています。
(参照:昭和47.9.18発基第91号)
労働安全衛生法第1条(目的)を読んでみましょう。
この法律は、労働基準法と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。 |
労働安全衛生法の目的は、「職場における労働者の安全と健康を確保」すること、「快適な職場環境の形成を促進すること」です。
では、過去問をどうぞ!
①【R1年選択式】
労働安全衛生法は、その目的を第1条で「労働基準法(昭和22年法律第49号)と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、< A >の形成を促進することを目的とする。」と定めている。
【解答】
<A>快適な職場環境
②【H24年選択式】
労働安全衛生法第1条は、労働災害の防止のための< C >の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、< D >を促進することを目的とすると規定している。
【解答】
<C> 危害防止基準
<D> 快適な職場環境の形成
③【H15選択式】
労働安全衛生法と労働基準法との関係については、労働安全衛生法制定時の労働事務次官通達で明らかにされており、それによると、労働安全衛生法は形式的には労働基準法から分離独立したものとなっているが、安全衛生に関する事項は労働者の< E >の重要な一端を占めるものであり、労働安全衛生法第1条、労働基準法第42条等の規定により、労働安全衛生法と< E >についての一般法である労働基準法とは < F >関係に立つものである、とされている。
【解答】
<E> 労働条件
<F> 一体としての
④【H29年出題】
労働安全衛生法は、労働基準法と一体的な関係にあるので、例えば「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、」に始まる労働基準法第1条第2項に定めるような労働憲章的部分は、労働安全衛生法の施行においても基本となる。
【解答】
④【H29年出題】 〇
労働安全衛生法と労働条件についての一般法である労働基準法とは、「一体としての関係」に立つものです。そのため、労働基準法の労働憲章的部分は、労働安全衛生法の施行にあたっても、その基本とされています。
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R7-127 01.01
労働基準法第1条を読んでみましょう。
法第1条 (労働条件の原則) ① 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。 ② この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。 |
<第1条のポイント!>
・ 第1条は、労働者に人格として価値ある生活を営む必要を充たすべき労働条件を保障することを宣明したものです。労働基準法各条の解釈にあたり基本観念として常に考慮されなければならないものです。
・ 労働者が人たるに値する生活を営むためにはその標準家族の生活をも含めて考えることとされます。
・ 第2項については労働条件の低下がこの法律の基準を理由としているか否かに重点を置いて認定されます。経済諸条件の変動に伴うものは本条に抵触するものとされません。
(昭和22.9.13発基第17号)
過去問をどうぞ!
①【H19年選択式】
労働基準法第1条第1項においては、「労働条件は、労働者< A >ための必要を充たすべきものでなければならない。」と規定されている。
【解答】
①【H19年選択式】
<A> が人たるに値する生活を営む
②【H25年出題】
労働基準法第1条にいう「労働条件」とは、賃金、労働時間、解雇、災害補償等の基本的な労働条件を指し、安全衛生、寄宿舎に関する条件は含まない。
【解答】
②【H25年出題】 ×
労働基準法第1条にいう「労働条件」とは、労働者の職場に関する一切の待遇をいいますので、賃金、労働時間、解雇、災害補償等だけでなく、安全衛生、寄宿舎等の条件も含まれます。
③【H28年出題】
労働基準法第1条は、労働保護法たる労働基準法の基本理念を宣明したものであって、本法各条の解釈にあたり基本観念として常に考慮されなければならない。
【解答】
③【H28年出題】 〇
労働基準法第1条は、本法各条の解釈にあたり基本観念として常に考慮されます。
(昭和22.9.13発基第17号)
④【H25年出題】
労働基準法は労働条件の最低基準を定めたものであり、この最低基準が標準とならないように、同法は、この最低基準を理由として労働条件を低下させることを禁止し、その向上を図るように努めることを労働関係の当事者に義務づけている。
【解答】
④【H25年出題】 〇
労働基準法で定める労働条件の最低基準が標準とならないように、この最低基準を理由として労働条件を低下させることは禁止され、その向上を図るように努めることが労働関係の当事者に義務づけられています。
⑤【R3年出題】
労働基準法第1条第2項にいう「この基準を理由として」とは、労働基準法に規定があることが決定的な理由となって、労働条件を低下させている場合をいうことから、社会経済情勢の変動等他に決定的な理由があれば、同条に抵触するものではない。
【解答】
⑤【R3年出題】 〇
「この基準を理由として」とは、労働基準法に規定があることが決定的な理由となって、労働条件を低下させている場合をいいます。社会経済情勢の変動等他に決定的な理由がある場合は、労働基準法の基準が理由になっていませんので、同条に抵触しません。
(昭63.3.14基発150号)
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R7-126 12.31
前回は、各法律から適用除外されるものを整理しました。
こちらをどうぞ(YouTubeでお話ししています)
↓
https://youtu.be/dwiAd9i80bI?si=Pg9gvWQba8Od0TVL
今回は適用除外の実践編です。
過去問を解きながら、おぼえましょう。
労働基準法
①【R4年出題】
同居の親族のみを使用する事業において、一時的に親族以外の者が使用されている場合、この者は、労働基準法の労働者に該当しないこととされている。
【解答】
①【R4年出題】 ×
同居の親族のみを使用する事業で、一時的に使用される「親族以外の者」は、労働基準法の労働者に該当します。
②【H29年出題】
法人に雇われ、その役職員の家庭において、その家族の指揮命令の下で家事一般に従事している者については、法人に使用される労働者であり労働基準法が適用される。
【解答】
②【H29年出題】 ×
法人に雇われ、その役職員の家庭において、その家族の指揮命令の下で家事一般に従事している者は、「家事使用人」ですので、労働基準法は適用されません。
(H11.3.31基発168号)
③【H16年出題】
船員法第1条第1項に規定する船員については労働基準法は適用されず、したがって、同法第1条「労働条件の原則」、第2条「労働条件の決定」等の労働憲章的部分も、当然適用されない。
【解答】
③【H16年出題】 ×
船員にも労働基準法が一部適用されます。
船員法第1条第1項に規定する船員については、労働基準法の第1条から第11条までとそれに関連する罰則規定が適用されます。
第1条「労働条件の原則」、第2条「労働条件の決定」等の労働憲章的部分は適用されます。
(第116条)
労働安全衛生法
【R2年出題】
労働安全衛生法は、同居の親族のみを使用する事業又は事務所については適用されない。また、家事使用人についても適用されない。
【解答】
【R2年出題】 〇
労働安全衛生法は、同居の親族のみを使用する事業又は事務所、家事使用人には適用されません。
(法第2条)
労災保険法
①【H29年出題】
労災保険法は、市の経営する水道事業の非常勤職員には適用されない。
【解答】
①【H29年出題】 ×
市の経営する水道事業の非常勤職員には、労災保険が適用されます。
★ 地方公務員のうち、「現業部門の非常勤職員」には、労災保険が適用されます。
なお、現業部門の「常勤職員」は、地方公務員災害補償法の規定で、労災保険の適用が排除されています。
②【H29年出題】
労災保険法は、行政執行法人の職員に適用される。
【解答】
②【H29年出題】 ×
行政執行法人の職員には、労災保険法は適用されません。行政執行法人の職員は、国家公務員災害補償制度の対象となります。
③【H29年出題】
労災保険法は、非現業の一般職の国家公務員に適用される。
【解答】
③【H29年出題】 ×
非現業の一般職の国家公務員には、労災保険は適用されません。非現業の一般職の国家公務員は、国家公務員災害補償制度の対象となります。
(法第3条)
④【H29年出題】
労災保険法は、国の直営事業で働く労働者には適用されない。
【解答】
④【H29年出題】 〇
国の直営事業は、労災保険の適用が除外されています。
(法第3条)
⑤【H29年出題】
労災保険法は、常勤の地方公務員に適用される。
【解答】
⑤【H29年出題】 ×
常勤の地方公務員には、労災保険は適用されません。
(地方公務員災害補償法の規定による)
雇用保険法
①【H27年出題】
学校教育法第1条、第124条又は第134条第1項の学校の学生又は生徒であっても、休学中の者は、他の要件を満たす限り雇用保険法の被保険者となる。
【解答】
①【H27年出題】 〇
学生又は生徒は雇用保険の適用が除外されますが、「休学中の者」は、雇用保険法の被保険者となり得ます。
(法第6条第4号、則第3条の2)
②【H25年出題】
船員法第1条に規定する船員であって、漁船に乗り組むために雇用される者であっても、雇用保険法が適用される場合がある。
【解答】
②【H25年出題】 〇
船員法第1条に規定する船員であって、漁船に乗り組むために雇用される者は、雇用保険の適用が除外されますが、1年を通じて船員として適用事業に雇用される場合は、雇用保険法が適用されます。
(法第6条第5号)
健康保険法
①【R5年出題】
適用事業所に臨時に使用される者で、当初の雇用期間が2か月以内の期間を定めて使用される者であっても、就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が更新される場合がある旨が明示されていることなどから、2か月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合には、最初の雇用契約期間の開始時から被保険者となる。
【解答】
①【R5年出題】 〇
「2月以内の期間を定めて使用される者であって、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれないもの」は、健康保険の適用が除外されます。
ただし、契約の更新等により実際には最初の雇用契約の期間を超えて継続して使用されることが見込まれる場合は、最初の雇用契約の期間から被保険者資格を取得します。
最初の雇用契約の期間が2月以内であっても、次の(ア)又は(イ)に該当する場合は、「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」に該当するものとして、最初の雇用契約に基づき使用され始めた時に被保険者資格を取得することになります。
(ア) 就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が「更新される旨」又は「更新される場合がある旨」が明示されていること。
(イ) 同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき使用されている者が、契約更新等により最初の雇用契約の期間を超えて使用された実績があること。
(令和4.9.9事務連絡)
②【R2年出題】
季節的業務に使用される者について、当初4か月以内の期間において使用される予定であったが業務の都合その他の事情により、継続して4か月を超えて使用された場合には使用された当初から一般の被保険者となる。
【解答】
②【R2年出題】 ×
当初4か月以内の期間において使用される予定で季節的業務に使用される者については、健康保険の被保険者になりません。業務の都合その他の事情により、継続して4か月を超えて使用された場合でも、被保険者になりません。
(法第3条第1項)
③【H20年出題】
法律によって組織された共済組合の組合員は、共済組合の組合員資格を有したまま健康保険の被保険者となることはない。
【解答】
③【H20年出題】 ×
共済組合の組合員は、共済組合の組合員資格を有したまま健康保険の被保険者となります。
④【R1年出題】
国に使用される被保険者であって、健康保険法の給付の種類及び程度以上である共済組合の組合員であるものに対しては、同法による保険給付を行わない。
【解答】
④【R1年出題】 〇
「国に使用される被保険者、地方公共団体の事務所に使用される被保険者又は法人に使用される被保険者」であって共済組合の組合員であるものに対しては、健康保険法による保険給付は、行わない、と規定されています。
また、共済組合の給付の種類及び程度は、健康保険法の給付の種類及び程度以上であることを要すると規定されています。
(法第200条)
厚生年金保険法
①【R2年出題】
特定適用事業所に使用される者は、その1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満であって、厚生年金保険法の規定により算定した報酬の月額が88,000円未満である場合は、厚生年金保険の被保険者とならない。
【解答】
①【R2年出題】 〇
1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満で、報酬の月額が88,000円未満である場合は、厚生年金保険の被保険者となりません。
(法第12条第5号)
②【H25年出題】 × ※修正あり
船舶所有者に使用される船員であって、その者が継続して4か月を超えない期間季節的業務に使用される場合は厚生年金保険の被保険者とならない。
【解答】
②【H25年出題】 ×
船舶所有者に使用される船員の場合は、継続して4か月を超えない期間季節的業務に使用される場合でも、最初から厚生年金保険の被保険者となります。
(法第12条第3号)
③【H25年出題】※修正あり
船舶所有者に臨時に使用される船員であって、その者が引き続き1か月未満の期間日々雇入れられる場合は厚生年金保険の被保険者とならない。
【解答】
③【H25年出題】 ×
船舶所有者に臨時に使用される船員の場合は、日々雇入れられる場合でも、厚生年金保険の被保険者となります。
(法第12条第1号)
④【H25年出題】※修正あり
巡回興行などの所在地が一定しない事業所に使用される者については、その者が引き続き6か月以上使用される場合でも厚生年金保険の被保険者とならない。
【解答】
④【H25年出題】 〇
巡回興行などの所在地が一定しない事業所に使用される者は、使用される期間に関係なく、厚生年金保険の被保険者にはなりません。
(法第12条第2号)
⑤【H25年出題】※修正あり
臨時的事業の事業所に使用される者であって、その者が継続して6か月を超えない期間使用される場合は厚生年金保険の被保険者とならない。
【解答】
⑤【H25年出題】 〇
臨時的事業の事業所に使用される者で、継続して6か月を超えない期間使用される場合は、厚生年金保険の被保険者になりません。
(法第12条第4号)
国民年金法
【R3年出題】
日本の国籍を有しない者であって、出入国管理及び難民認定法の規定に基づく活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において1年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うものは、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であっても第1号被保険者とならない。
【解答】
【R3年出題】〇
日本の国籍を有しない者で、次に該当する場合は、国民年金の第1号被保険者、第3号被保険者から除外されます。
・日本に相当期間滞在して、病院もしくは診療所に入院し疾病もしくは傷害について医療を受ける活動または当該入院の前後に当該疾病もしくは傷害について継続して医療を受ける活動を行う場合
・ 日本に1年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行う場合
(則第1条の2)
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R7-125 12.30
各法律の適用を除外されるものを整理しましょう
★労働基準法
船員や公務員についてなど
★労働安全衛生法
労働者から除外されるものなど
★労災保険法
公務員についてなど
★雇用保険法
雇用保険から除外されるもの(学生など)
★健康保険法
短時間労働者などについて
★厚生年金保険法
臨時に使用される者、季節的業務に使用される者、臨時的事業の事業所に使用されるものなど
★国民年金法
国民年金の適用を除外すべき特別の理由がある者
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R7-124 12.29
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年12月23日から28日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・死亡一時金についてお話しします(国民年金法)
・労働安全衛生調査からの出題(労働に関する一般常識)
・日雇特例被保険者に関する問題(健康保険法)
・保険医療機関・保険薬局の指定(健康保険法)
・保険医・保険薬剤師の登録(健康保険法)
・資格を取得した際の標準報酬月額の決定(厚生年金保険法)
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R7-123 12.28
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
資格取得時の標準報酬月額の決定について条文を読んでみましょう。
法第22条 (被保険者の資格を取得した際の決定) ① 実施機関は、被保険者の資格を取得した者があるときは、次の各号に規定する額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。 (1) 月、週その他一定期間によって報酬が定められる場合には、被保険者の資格を取得した日の現在の報酬の額をその期間の総日数で除して得た額の30倍に相当する額 (2) 日、時間、出来高又は請負によって報酬が定められる場合には、被保険者の資格を取得した月前1か月間に当該事業所で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額 (3) (1)、(2)によって算定することが困難であるものについては、被保険者の資格を取得した月前1か月間に、その地方で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額 (4) 前3号の2以上に該当する報酬を受ける場合には、それぞれについて、前3号の規定によって算定した額の合算額 ② 決定された標準報酬月額は、被保険者の資格を取得した月からその年の8月(6月1日から12月31日までの間に被保険者の資格を取得した者については、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とする。 |
(資格取得時の標準報酬月額の有効期間)
例えば、令和6年5月15日に資格を取得した場合
定時決定(7月1日現在)
△
5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月~翌年8月 |
資格取得時の標月 | 資格取得時の標月 | 資格取得時の標月 | 資格取得時の標月 | 定時決定で定められた 標準報酬月額 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問7-B】
厚生年金保険法第22条によれば、実施機関は、被保険者の資格を取得した者について、月、週その他一定期間によって報酬が定められる場合には、被保険者の資格を取得した日の現在の報酬の額をその期間の総日数で除して得た額の30倍に相当する額を報酬月額として、その者の標準報酬月額を決定する。
【解答】
【R6年問7-B】 〇
月、週その他一定期間によって報酬が定められる場合 → 月給制や週給制等です。
例えば、週給の場合、週給の額÷7日(その期間の総日数)×30が「報酬月額」となります。その報酬月額を標準報酬月額等級に当てはめて、その者の標準報酬月額が決定されます。
では、過去問をどうぞ!
【H30年出題】
実施機関は、被保険者の資格を取得した者について、日、時間、出来高又は請負によって報酬が定められる場合には、被保険者の資格を取得した月前1か月間に当該事業所で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額を報酬月額として、その者の標準報酬月額を決定する。当該標準報酬月額は、被保険者の資格を取得した月からその年の8月(6月1日から12月31日までの間に被保険者の資格を取得した者については、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とする。
【解答】
【H30年出題】 〇
ポイントを確認しましょう。
・日、時間、出来高又は請負によって報酬が定められる場合 → 日給制や時給制など
資格を取得した月前1か月間に当該事業所で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額=報酬月額となり、標準報酬月額が決まります。
・有効期間
資格取得時の標準報酬月額の有効期間は、資格を取得した月からその年の8月までです。9月以降は、その年の定時決定で定められた標準報酬月額となります。
ただし、6月1日から12月31日までの間に被保険者の資格を取得した場合は、翌年の8月までです。
6月1日から7月1日までに資格を取得した者は、その年の定時決定を行わないからです。
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R7-122 12.27
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、健康保険法の択一式です。
保険医、保険薬剤師とは?
厚生労働大臣の登録を受けた医師若しくは歯科医師を「保険医」、薬剤師を「保険薬剤師」といいます。
保険医療機関で健康保険の診療に従事する医師若しくは歯科医師又は保険薬局で健康保険の調剤に従事する薬剤師は、保険医又は保険薬剤師でなければなりません。
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問9-ウ】
保険医療機関において健康保険の診療に従事する医師若しくは歯科医師又は保険薬局において健康保険の調剤に従事する薬剤師は、厚生労働大臣の登録を受けた医師若しくは歯科医師又は薬剤師(以下本肢において「保険医等」という。)でなければならない。当該登録の日から起算して6年を経過したときは、その効力を失うが、その登録の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間に、別段の申出がないときは、保険医等の申請があったものとみなす。
【解答】
【R6年問9-ウ】 ×
保険医等の登録には、有効期間がありませんので誤りです。
なお、保険医療機関・保険薬局の指定には、6年間の有効期間がありますので違いに注意して下さい。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
保険医の登録をした医師の開設した診療所で、かつ、当該開設者である医師のみが診療に従事している場合には、当該診療所は、保険医療機関の指定があったものとみなされる。ただし、当該診療所は、第65条第3項又は第4項に規定するいわゆる指定の拒否又は一部拒否の要件に該当しないものとする。
①【H29年出題】 〇
「保険医療機関又は保険薬局のみなし指定」の規定です。
条文を読んでみましょう。
第69条 診療所又は薬局が医師若しくは歯科医師又は薬剤師の開設したものであり、かつ、当該開設者である医師若しくは歯科医師又は薬剤師のみが診療又は調剤に従事している場合において、当該医師若しくは歯科医師又は薬剤師について保険医又は保険薬剤師の登録があったときは、当該診療所又は薬局について、保険医療機関又は保険薬局の指定があったものとみなす。ただし、当該診療所又は薬局が、第65条第3項又は第4項に規定する要件に該当する場合であって厚生労働大臣が同号の指定があったものとみなすことが不適当と認められるときは、この限りでない。 |
「保険医」として登録を受けた個人の開業医が開設した診療所で、かつ、開設者である医師のみが診療に従事している場合は、保険医療機関の指定の申請をしなくても、「保険医療機関」の指定があったものとみなされます。
②【H19年出題】
保険医療機関において診療に従事する保険医又は保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師は、健康保険の診療又は調剤のほか健康保険法以外の医療保険各法又は高齢者の医療の確保に関する法律による診療又は調剤を担当する。
【解答】
②【H19年出題】 〇
保険医又は保険薬剤師は、健康保険法以外の医療保険各法又は高齢者の医療の確保に関する法律による診療又は調剤も担当します。
(法第72条)
③【H19年出題】
保険医等の登録の申請があった場合において、以前に登録を取り消されたことがあり、その取消された日から10年を経過しない者であるとき、その他著しく不適当と認められるときは、登録されない。
【解答】
③【H19年出題】 ×
以前に登録を取り消されたことがあり、その取消の日から「5年」を経過しない者であるときは、厚生労働大臣は登録しないことができるとされています。
(法第71条第2項)
④【H29年出題】
厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局の指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師の登録を取り消そうとするときは、政令で定めるところにより、地方社会保険医療協議会に諮問するものとされている。
【解答】
④【H29年出題】 〇
<地方社会保険医療協議会に諮問する>(法第82条第2項)
・保険医療機関、保険薬局の指定
・保険医療機関、保険薬局の指定の取り消し
・保険医、保険薬剤師の登録の取り消し
<地方社会保険医療協議会の議を経なければならない>(法第67条、第71条)
・保険医療機関、保険薬局の指定をしない
・病床の全部若しくは一部を除いて指定(指定の変更を含む。)
・保険医、保険薬剤師の登録をしない
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R7-121 12.26
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、健康保険法の択一式です。
保険医療機関、保険薬局とは?
→ 厚生労働大臣の指定を受けた病院若しくは診療所(病床の全部又は一部を除いて指定を受けたときは、その除外された病床を除く。)又は薬局のこと
※保険医療機関、保険薬局の指定は、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により行われます。
※保険医療機関で健康保険の診療に従事する医師若しくは歯科医師又は保険薬局で健康保険の調剤に従事する薬剤師は、厚生労働大臣の登録を受けた医師若しくは歯科医師でなければなりません。
→ 「保険医」・「保険薬剤師」といいます。
では、令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問9-ア】
厚生労働大臣により保険医療機関の指定を受けた病院及び病床を有する診療所は、指定の日から起算して6年を経過したときは、その効力を失うが、その指定の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間に、別段の申出がないときは、保険医療機関の申請があったものとみなす。
【解答】
①【R6年問9-ア】 ×
保険医療機関・保険薬局の指定の効力は、指定の日から起算して6年です。6年を経過したときは、効力を失います。
ただし、「その指定の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間に、別段の申出がないときは、保険医療機関の申請があったものとみなす。」扱いがあります。ただし、この規定から、「病院又は病床を有する診療所」は除かれています。
この規定が適用されるのは、個人開業医です。
個人開業医については、「指定の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間」に、「更新しない」旨の申出をしなければ、保険医療機関の申請があったものとみなされ、指定が更新されます。
(法第68条)
②【R6年問9-イ】
厚生労働大臣による保険医療機関又は保険薬局の指定は、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により行う。当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、保険医療機関又は保険薬局の指定を取り消され、その取消しの日から5年を経過しないものであるときは、厚生労働大臣は、保険医療機関又は保険薬局の指定をしないことができるが、厚生労働大臣は、指定をしないこととするときは、地方社会保険医療協議会の議を経なければならない。
【解答】
②【R6年問9-イ】 〇
・ 厚生労働大臣による保険医療機関又は保険薬局の指定は、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により行われます。
(法第65条第1項)
・ 厚生労働大臣は、申請があった場合、法第65条第3項第1号~第6号のいずれかに該当するときは、指定をしないことができます。
「申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、保険医療機関又は保険薬局の指定を取り消され、その取消しの日から5年を経過しないものであるとき」は、第1号に該当しますので、厚生労働大臣は、保険医療機関又は保険薬局の指定をしないことができます。
(法第65条第3項第1号)
・ 厚生労働大臣は、指定をしないこととするときは、「地方社会保険医療協議会」の議を経なければならないとされています。「中央社会保険医療協議会」と間違えないようにしてください。
(法第67条)
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
厚生労働大臣は、保険医療機関又は保険薬局の指定の申請があった場合において、当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局の開設者又は管理者が、健康保険法その他国民の保健医療に関する法律で、政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるときは、その指定をしないことができる。
【解答】
①【R1年出題】 〇
問題文は、法第65条第3項第3号に該当しますので、厚生労働大臣は、指定をしないことができます。
②【H29年出題】
保険医療機関又は保険薬局は、14日以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができ、保険医又は保険薬剤師は、14日以上の予告期間を設けて、その登録の抹消を求めることができる。
【解答】
②【H29年出題】 ×
予告期間は、14日以上ではなく「1月以上」です。
法第79条 ① 保険医療機関又は保険薬局は、1月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。 ② 保険医又は保険薬剤師は、1月以上の予告期間を設けて、その登録の抹消を求めることができる。 |
③【H29年出題】
厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局の指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師の登録を取り消そうとするときは、政令で定めるところにより、地方社会保険医療協議会に諮問するものとされている。
【解答】
③【H29年出題】 〇
<地方社会保険医療協議会に諮問する>(法第82条第2項)
・保険医療機関、保険薬局の指定
・保険医療機関、保険薬局の指定の取り消し
・保険医、保険薬剤師の登録の取り消し
<地方社会保険医療協議会の議を経なければならない>(法第67条、第71条)
・保険医療機関、保険薬局の指定をしない
・病床の全部若しくは一部を除いて指定(指定の変更を含む。)
・保険医、保険薬剤師の登録をしない
④【R2年選択式】
健康保険法第82条第2項の規定によると、厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局に係る同法第63条第3項第1号の指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師に係る第64条の登録を取り消そうとするときは、政令で定めるところにより、< A >ものとされている。
<選択肢>
① 中央社会保険医療協議会に諮問する
② 地方社会保険医療協議会に諮問する
③ 社会保障審議会の意見を聴く
④ 都道府県知事の意見を聴く
【解答】
<A> ②地方社会保険医療協議会に諮問する
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R7-120 12.25
和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、健康保険法の択一式です。
日雇特例被保険者の保険者は、「全国健康保険協会」のみです。
条文を読んでみましょう。
第123条 ① 日雇特例被保険者の保険の保険者は、全国健康保険協会とする。 ② 日雇特例被保険者の保険の保険者の業務のうち、日雇特例被保険者手帳の交付、日雇特例被保険者に係る保険料の徴収及び日雇拠出金の徴収並びにこれらに附帯する業務は、厚生労働大臣が行う。 |
★ 日雇特例被保険者手帳の交付、日雇特例被保険者に係る保険料の徴収及び日雇拠出金の徴収は、「厚生労働大臣」が行います。
では、「日雇拠出金」について条文を読んでみましょう。
第173条 (日雇拠出金の徴収及び納付義務) ① 厚生労働大臣は、日雇特例被保険者に係る健康保険事業に要する費用(前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等、介護納付金並びに流行初期医療確保拠出金等の納付に要する費用を含む。)に充てるため、保険料を徴収するほか、毎年度、日雇特例被保険者を使用する事業主の設立する健康保険組合(以下「日雇関係組合」という。)から拠出金を徴収する。 ② 日雇関係組合は、「日雇拠出金」を納付する義務を負う。 |
日雇関係組合 ・日雇特例被保険者を使用する 事業主の設立する健康保険組合 | →→→→→→→→→ 日雇拠出金 | 厚生労働大臣 |
厚生労働大臣は、日雇特例被保険者に係る健康保険事業に要する費用に充てるため、「保険料の徴収」と、「日雇関係組合から拠出金の徴収」を行います。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問2-E】
厚生労働大臣は、日雇特例被保険者に係る健康保険事業に要する費用(前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等、介護納付金並びに流行初期医療確保拠出金等の納付に要する費用を含む。)に充てるため、健康保険法第155条の規定により保険料を徴収するほか、毎年度、日雇特例被保険者を使用する事業主の設立する健康保険組合から拠出金を徴収する。
【解答】
【R6年問2-E】 〇
厚生労働大臣は、日雇特例被保険者に係る健康保険事業に要する費用に充てるため、保険料を徴収し、毎年度、日雇特例被保険者を使用する事業主の設立する健康保険組合から拠出金を徴収します。
過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
日雇特例被保険者の保険の保険者は、全国健康保険協会及び健康保険組合である。
【解答】
①【H21年出題】 ×
日雇特例被保険者の保険の保険者は、「全国健康保険協会」のみです。
②【R1年出題】
日雇特例被保険者の保険の保険者の業務のうち、日雇特例被保険者手帳の交付、日雇特例被保険者に係る保険料の徴収及び日雇拠出金の徴収並びにこれらに附帯する業務は、全国健康保険協会が行う。
【解答】
②【R1年出題】 ×
全国健康保険協会ではなく「厚生労働大臣」が行います。
③【R4年出題】
日雇特例被保険者が、同日において、午前にA健康保険組合管掌健康保険の適用事業所で働き、午後に全国健康保険協会管掌健康保険の適用事業所で働いた。この場合の保険料の納付は、各適用事業所から受ける賃金額により、標準賃金日額を決定し、日雇特例被保険者が提出する日雇特例被保険者手帳に適用事業所ごとに健康保険印紙を貼り、これに消印して行われる。
【解答】
③【R4年出題】 ×
事業主は、日雇特例被保険者を使用する日ごとに、その者及び自己の負担すべきその日の標準賃金日額に係る保険料を納付する義務を負います。
ただし、日雇特例被保険者が1日に2以上の事業所に使用される場合は、初めにその者を使用する事業主が、保険料を納付する義務を負います。
問題文の場合は、午前と午後で2か所の事業所に使用されていますが、午前に働いた適用事業所(初めにその者を使用する事業主)から受ける賃金額で標準賃金日額を決定し、保険料の納付も、午前に働いた適用事業所(初めにその者を使用する事業主)が健康保険印紙を貼り、消印して行います。
(第169条第2項、第3項)
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R7-119 12.24
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、労働に関する一般常識の択一式です。
令和6年は、「令和4年労働安全衛生調査(実態調査)(事業所調査)(厚生労働省)」から出題されました。
※なお、令和6年7月25日に、「令和5年」の結果が公表されています。
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問1-A】
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は6割を超えている。このうち、対策に取り組んでいる事業所の取組内容(複数回答)をみると、「ストレスチェックの実施」の割合が最も多く、次いで「メンタルヘルス不調の労働者に対する必要な配慮の実施」となっている。
【解答】
①【R6年問1-A】 〇
<メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合>
令和5年調査では63.8%(令和4年調査63.4%)ですので、6割を超えています。
<事業所の取組内容(複数回答)>
・最も割合が多いのは、「ストレスチェックの実施」です。
(令和5年調査65.0%、令和4年調査63.1%)
・次は、「メンタルヘルス不調の労働者に対する必要な配慮の実施」です。
(令和5年調査49.6%、令和4年調査53.6%)
②【R6年問1-B】
過去1年間(令和3年11月1日から令和4年10月31日までの期間)に一般健康診断を実施した事業所のうち所見のあった労働者がいる事業所の割合は約7割となっている。このうち、所見のあった労働者に講じた措置内容(複数回答)をみると、「健康管理等について医師又は歯科医師から意見を聴いた」の割合が最も多くなっている。
【解答】
②【R6年問1-B】 〇
<過去1年間に一般健康診断を実施した事業所のうち所見のあった労働者がいる事業所の割合>
・約7割(令和4年調査69.8%)です。
<所見のあった労働者に講じた措置内容(複数回答)>
・最も割合が多いのは、「健康管理等について医師又は歯科医師から意見を聴いた」です。(令和4年調査45.3%)
③【R6年問1-C】
傷病(がん、糖尿病等の私傷病)を抱えた何らかの配慮を必要とする労働者に対して、治療と仕事を両立できるような取組がある事業所の割合は約6割となっている。このうち、取組内容(複数回答)をみると、「通院や体調等の状況に合わせた配慮、措置の検討(柔軟な労働時間の設定、仕事内容の調整)」の割合が最も多く、次いで「両立支援に関する制度の整備(年次有給休暇以外の休暇制度、勤務制度等)」となっている。
【解答】
③【R6年問1-C】 〇
<治療と仕事を両立できるような取組がある事業所の割合>
・約6割(令和4年調査 58.8%)です。
<取組内容(複数回答)>
・最も割合が多いのは、「通院や体調等の状況に合わせた配慮、措置の検討(柔軟な労働時間の設定、仕事内容の調整)」です。(令和4年調査 86.4%)
・次が「両立支援に関する制度の整備(年次有給休暇以外の休暇制度、勤務制度等)」です。(令和4年調査 35.9%)
④【R6年問1-D】
傷病(がん、糖尿病等の私傷病)を抱えた労働者が治療と仕事を両立できるような取組がある事業所のうち、取組に関し困難や課題と感じていることがある事業所の割合は約8割となっている。このうち、困難や課題と感じている内容(複数回答)をみると、「上司や同僚の負担」の割合が最も多く、次いで「代替要員の確保」となっている。
【解答】
④【R6年問1-D】 ×
<治療と仕事を両立できるような取組がある事業所のうち、取組に関し困難や課題と感じていることがある事業所の割合>
・約8割(令和4年調査 81.8%)です。
<困難や課題と感じている内容(複数回答)>
・最も割合が多いのは、「代替要員の確保」です。(令和4年調査 77.2%)
・次が「上司や同僚の負担」です。(令和4年調査 51.2%)
⑤【R6年問1-E】
転倒災害を防止するための対策に取り組んでいる事業所の割合は8割を超えている。このうち、転倒災害防止対策の取組内容(複数回答)をみると、「通路、階段、作業場所等の整理・整頓・清掃の実施」の割合が最も多く、次いで「手すり、滑り止めの設置、段差の解消、照度の確保等の設備の改善」となっている。
【解答】
⑤【R6年問1-E】 〇
<転倒災害を防止するための対策に取り組んでいる事業所の割合>
・8割を超えています。(令和4年調査 84.6%)
<転倒災害防止対策の取組内容(複数回答)>
最も割合が多いのは、「通路、階段、作業場所等の整理・整頓・清掃の実施」です。
(令和4年調査 85.4%)
次が、「手すり、滑り止めの設置、段差の解消、照度の確保等の設備の改善」です。
(令和4年調査 56.6%)
<参照>
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R7-118 12.23
YouTubeで「死亡一時金」についてお話ししました。
今日の内容です。
・死亡一時金の支給要件 → キーワードは36月
・死亡一時金が支給されないのは、どんなとき? → (ヒントは掛け捨てにならない)
・死亡一時金の遺族となるのは? → 生計維持と生計同一の違いもポイントです
・死亡一時金の額(最低と最高は覚えましょう)
・付加保険料を納付していた場合の加算
・死亡一時金と寡婦年金の両方の要件を満たしたとき
・死亡一時金と遺族厚生年金は併給できる?
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R7-117 12.22
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年12月16日から21日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
寡婦年金についてお話しします(国民年金法)
労働基準法の適用単位(労働基準法)
複数事業労働者の休業(補償)等給付について(労災保険法)
自己の労働によって収入を得た場合(雇用保険法)
偽りその他不正の行為により支給を受けた場合(雇用保険法)
追徴金の額・納期限など(労働保険徴収法)
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R7-116 12.21
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、労働保険徴収法の択一式です。
「追徴金」について条文を読んでみましょう。
法第21条第1項、2項 (追徴金) ① 政府は、事業主が認定決定された確定保険料又は不足額を納付しなければならない場合には、その納付すべき額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)に100分の10を乗じて得た額の追徴金を徴収する。ただし、事業主が天災その他やむを得ない理由により、認定決定された確定保険料又はその不足額を納付しなければならなくなった場合は、この限りでない。 ② 認定決定された確定保険料又はその不足額が1,000円未満であるときは、追徴金を徴収しない。
法第25条第1項、2項 ① 事業主が印紙保険料の納付を怠った場合には、政府は、その納付すべき印紙保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。 ② 事業主が、正当な理由がないと認められるにもかかわらず、印紙保険料の納付を怠ったときは、政府は、厚生労働省令で定めるところにより、①により認定決定された印紙保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)の100分の25に相当する額の追徴金を徴収する。ただし、納付を怠った印紙保険料の額が1,000円未満であるときは、この限りでない。 |
★追徴金が徴収される場合
確定保険料の額を認定決定した場合 | 100分の10 |
印紙保険料の額を認定決定した場合 | 100分の25 |
※「概算保険料の額」を認定決定した場合は、追徴金は徴収されません。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問10-E(雇用)】
労働保険徴収法第21条の規定により追徴金を徴収しようとする場合、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、事業主が通知を受けた日から起算して30日を経過した日をその納期限と定め、納入告知書により、事業主に当該追徴金の額、その算定の基礎となる事項及び納期限を通知しなければならない。
【解答】
【R6年問10-E(雇用)】 ×
追徴金の納期限は、「事業主が通知を受けた日」から起算して30日ではなく「通知を発する日から起算して30日を経過した日」です。
また、追徴金は、「納付書」ではなく「納入告知書」で通知することもポイントです。
(法第21条第3項、則第26条)
★認定決定された保険料の納期限について
認定決定された概算保険料(納付書) | その通知を受けた日から15日以内 |
認定決定された確定保険料(納入告知書) |
過去問をどうぞ!
①【H26年出題(雇用)】
事業主が、所定の期限までに概算保険料申告書を提出しなかったことにより、所轄都道府県労働局歳入徴収官より納付すべき労働保険料の額の通知を受けたときは、当該事業主は、通知された労働保険料の額及び当該保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。)に100分の10を乗じて得た額の追徴金を納付しなければならない。
【解答】
①【H26年出題(雇用)】 ×
認定決定された概算保険料については、追徴金は徴収されません。
②【R4年出題(労災)】
事業主が所定の納期限までに確定保険料申告書を提出したが、当該事業主が法令の改正を知らなかったことによりその申告書の記載に誤りが生じていると認められるとき、所轄都道府県労働局歳入徴収官が正しい確定保険料の額を決定し、その不足額が1,000円以上である場合には、労働保険徴収法第21条に規定する追徴金が徴収される。
【解答】
②【R4年出題(労災)】 〇
以下の場合は、追徴金は徴収されません。
■事業主が天災その他やむを得ない理由により、認定決定された確定保険料又はその不足額を納付しなければならなくなった場合
■認定決定された確定保険料又はその不足額が1,000円未満であるとき
→「天災その他やむを得ない理由」とは、地震、火災、洪水、暴風雨等不可抗力的なできごと及びこれに類する真にやむを得ない客観的な事故をいいます。「法令の不知、営業の不振、資金難等」は含まれません。
問題文のように「事業主が法令の改正を知らなかった」場合は、追徴金が徴収されます。
③【H28年出題(雇用)】
事業主は、正当な理由がないと認められるにもかかわらず、印紙保険料の納付を怠ったときは、認定決定された印紙保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる)の100分の10に相当する追徴金を徴収される。
【解答】
③【H28年出題(雇用)】 ×
追徴金は、認定決定された印紙保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる)の100分の10ではなく「100分の25」です。
④【H25年出題(雇用)】
事業主が印紙保険料の納付を怠ったことにより、所轄都道府県労働局歳入徴収官が行う認定決定の通知は、納入告知書によって行われる。
【解答】
④【H25年出題(雇用)】 〇
事業主が印紙保険料の納付を怠ったことにより、所轄都道府県労働局歳入徴収官が行う認定決定の通知は、「納入告知書」によって行われます。
(法第25条、則第38条第5項)
⑤【H28年出題(雇用)】
印紙保険料を所轄都道府県労働局歳入徴収官が認定決定したときは、納付すべき印紙保険料については、日本銀行(本店、支店、代理店及び歳入代理店をいう。)に納付することはできず、所轄都道府県労働局収入官吏に現金で納付しなければならない。
【解答】
⑤【H28年出題(雇用)】 ×
認定決定された印紙保険料と追徴金は、雇用保険印紙ではなく、日本銀行又は所轄都道府県労働局収入官吏に「現金」で納付します。日本銀行に納付することもできます。
(則第38条第3項第2号)
⑥【H26年出題(雇用)】
所轄都道府県労働局歳入徴収官は、追徴金を納期限までに納付しない事業主に対し、期限を指定して当該追徴金の納付を督促するが、当該事業主は、その指定した期限までに納付しない場合には、未納の追徴金の額につき、所定の割合に応じて計算した延滞金を納付しなければならない。
【解答】
⑥【H26年出題(雇用)】 ×
追徴金を納期限までに納付しない事業主に対し、期限を指定して当該追徴金の納付を督促します。ただし、追徴金については、延滞金は徴収されません。
(法第27条、第28条)
条文を読んでみましょう。
法第27条第1項 労働保険料その他この法律の規定による徴収金(→追徴金も含まれます)を納付しない者があるときは、政府は、期限を指定して督促しなければならない。 法第28条 政府は、労働保険料(→追徴金は含まれません)の納付を督促したときは、労働保険料の額に、納期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの期間の日数に応じ、年14.6パーセント(当該納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年7.3パーセント)の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。 |
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R7-115 12.20
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、雇用保険法の択一式です。
条文を読んでみましょう。
法第34条第1項、2項 ① 偽りその他不正の行為により求職者給付又は就職促進給付の支給を受け、又は受けようとした者には、これらの給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、基本手当を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、基本手当の全部又は一部を支給することができる。 ② ①に規定する者が①に規定する日以後新たに受給資格を取得した場合には、その新たに取得した受給資格に基づく基本手当を支給する。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問5-オ】
偽りその他不正の行為により基本手当の支給を受けた者にやむを得ない理由がある場合、基本手当の全部又は一部を支給することができる。
【解答】
【R6年問5-オ】 〇
基本手当は、「求職者給付」の中の一つです。
偽りその他不正の行為により基本手当の支給を受けた者には、基本手当の支給を受けた日以後、基本手当を支給しないのが原則です。ただし、やむを得ない理由がある場合には、基本手当の全部又は一部を支給することができるとされています。
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
偽りその他不正な行為により就職促進給付を受けたことにより処分を受けた者が、給付を受けた日以後新たに受給資格を取得した場合には、その受給資格に基づく就職促進給付を受けることができる。
【解答】
①【H26年出題】 〇
条文を読んでみましょう。
第60条第1項、第2項 ① 偽りその他不正の行為により求職者給付又は就職促進給付の支給を受け、又は受けようとした者には、これらの給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、就職促進給付を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、就職促進給付の全部又は一部を支給することができる。 ② ①に規定する者が①に規定する日以後新たに受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格を取得した場合には、その受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格に基づく就職促進給付を支給する。 |
②【H25年出題】
偽りその他不正の行為により基本手当の支給を受けようとした者には、やむを得ない理由がある場合を除き、当該基本手当の支給を受けようとした日から起算して1か月に限り、基本手当を支給しない。
【解答】
②【H25年出題】 ×
偽りその他不正の行為により基本手当の支給を受けようとした者には、やむを得ない理由がある場合を除き、「以後、基本手当を支給しない」となります。「1か月に限り」は誤りです。
(法第34条)
③【R2年出題】
不正な行為により基本手当の支給を受けようとしたことを理由として基本手当の支給停止処分を受けた場合であっても、その後再就職し新たに受給資格を取得したときには、当該新たに取得した受給資格に基づく基本手当を受けることができる。
【解答】
③【R2年出題】 〇
再就職し新たに受給資格を取得したときには、新たに取得した受給資格に基づく基本手当は支給されます。
(法第34条第2項)
④【R2年出題】
偽りその他不正の行為により高年齢雇用継続基本給付金の給付制限を受けた者は、当該被保険者がその後離職した場合に当初の不正の行為を理由とした基本手当の給付制限を受けない。
【解答】
④【R2年出題】 〇
条文を読んでみましょう
法第61条の3 偽りその他不正の行為により次の各号に掲げる失業等給付の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、当該各号に定める高年齢雇用継続給付を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、当該高年齢雇用継続給付の全部又は一部を支給することができる。 (1) 高年齢雇用継続基本給付金 → 高年齢雇用継続基本給付金 (2) 高年齢再就職給付金又は当該給付金に係る受給資格に基づく求職者給付若しくは就職促進給付 → 高年齢再就職給付金 |
偽りその他不正の行為により高年齢雇用継続基本給付金を受けた者は、受けた日以後高年齢雇用継続基本給付金は支給されません。
偽りその他不正の行為により高年齢雇用継続基本給付金の給付制限を受けた被保険者が、その後離職した場合、当初の不正の行為を理由とした基本手当の給付制限は受けません。
(法第34条)
⑤【H22年出題】
不正な行為により基本手当の支給を受けたとして、基本手当に係る支給停止処分を受けた受給資格者は、やむを得ない理由がない限り、60歳に達した日以後、当該受給資格に基づく基本手当の支給日数を100日以上残して安定した職業に就いたとしても、高年齢再就職給付金の支給を受けることはできない。
【解答】
⑤【H22年出題】 〇
不正な行為により「高年齢再就職給付金又は当該給付金に係る受給資格に基づく求職者給付若しくは就職促進給付」の支給を受けた者には、以後、高年齢再就職給付金は支給されません。
問題文の場合は、不正な行為により基本手当の支給を受けていますので、60歳に達した日以後、当該受給資格に基づく基本手当の支給日数を100日以上残して安定した職業に就いたとしても、高年齢再就職給付金の支給を受けることはできません。
(法第61条の3第2号)
⑥【R3年出題】
偽りその他不正の行為により教育訓練給付金の支給を受けたことから教育訓練給付金を受けることができないとされた者であっても、その後新たに教育訓練給付金の支給を受けることができるものとなった場合には、教育訓練給付金を受けることができる。
【解答】
⑥【R3年出題】 〇
条文を読んでみましょう。
法第60条の3 ① 偽りその他不正の行為により教育訓練給付金の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付金の支給を受け、又は受けようとした日以後、教育訓練給付金を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、教育訓練給付金の全部又は一部を支給することができる。 ② ①の規定により教育訓練給付金の支給を受けることができない者とされたものが、①に規定する日以後、新たに教育訓練給付金の支給を受けることができる者となった場合には、教育訓練給付金を支給する。 |
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R7-114 12.19
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、雇用保険法の択一式です。
「自己の労働によって収入を得た」場合について、条文を読んでみましょう。
法第19条第1項、第3項 (基本手当の減額) ① 受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得た場合には、その収入の基礎となった日数(以下「基礎日数」という。)分の基本手当の支給については、次に定めるところによる。 ① 「収入の1日分に相当する額-控除額」+「基本手当の日額」(=「合計額」) → 「合計額」が賃金日額の100分の80以下の場合 → 基本手当の日額に基礎日数を乗じて得た額を支給する。(減額されません) ② 「合計額」が賃金日額の100分の80に相当する額を超えるとき → その超える額(超過額)を基本手当の日額から控除した残りの額×基礎日数を支給する。(減額されます) ③ 超過額が基本手当の日額以上の場合 → 基礎日数分の基本手当を支給しない。(基礎日数分の基本手当は支給されません)
③ 受給資格者は、失業の認定を受けた期間中に自己の労働によって収入を得たときは、厚生労働省令で定めるところにより、その収入の額その他の事項を公共職業安定所長に届け出なければならない。 |
※「控除額」は、令和6年8月1日以後、1,331円→ 1,354円に引き上げられています。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問5-ア】
基本手当の受給資格者が自己の労働によって収入を得た場合、当該収入が基本手当の減額の対象とならない額であっても、これを届け出なければ不正の行為として取り扱われる。
【解答】
【R6年問5-ア】 ×
自己の労働によって収入を得たときは、その収入の額その他の事項を公共職業安定所長に届け出なければなりません。
管轄公共職業安定所の長は、届出をしない受給資格者について、自己の労働による収入があったかどうかを確認するために調査を行う必要があると認めるときは、失業の認定日において失業の認定をした日分の基本手当の支給の決定を次の基本手当を支給すべき日(以下「支給日」という。)まで延期することができることになっています。
「これを届け出なければ不正の行為として取り扱われる」という規定はありません。
(則第29条第2項)
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
失業の認定に係る期間中に得た収入によって基本手当が減額される自己の労働は、原則として1日の労働時間が4時間未満のもの(被保険者となる場合を除く。)をいう。
【解答】
①【R1年出題】 〇
自己の労働による収入とは短時間就労による収入で、原則として1日の労働時間が 4時間未満のもの(被保険者となる場合を除く。)で、就職とはいえない程度のものをいいます。(雇用関係の有無は問われません)。また「自己の労働による収入」ですので、衣服、家具等を売却して得た収入、預金利息等は含みません。
(行政手引51652(2))
②【H26年出題】
受給資格者が失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得た場合、その収入の1日分に相当する額に雇用保険法第19条第2項に定める額を控除した額と基本手当の日額との合計額が賃金日額の100分の80に相当する額を超えないときは、基本手当の日額に100分の80を乗じ、基礎日数を乗じて得た額を支給する。
【解答】
②【H26年出題】 ×
その収入の1日分に相当する額から控除額を控除した額と基本手当の日額との合計額が賃金日額の100分の80に相当する額を超えないときは、基本手当は減額されません。
「基本手当の日額に100分の80を乗じ」ではなく、「基本手当の日額」に基礎日数を乗じて得た額が支給されます。
③【H26年出題】
受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得たときは、収入を得るに至った日の後における最初の失業の認定日に、管轄公共職業安定所長にその収入の額を届け出なければならない。
【解答】
③【H26年出題】 〇
条文で確認しましょう。
則第29条 ① 受給資格者が自己の労働によって収入を得た場合に行う届出は、その者が自己の労働によって収入を得るに至った日の後における最初の失業の認定日に、失業認定申告書により管轄公共職業安定所の長にしなければならない。 ② 管轄公共職業安定所の長は、届出をしない受給資格者について、自己の労働による収入があったかどうかを確認するために調査を行う必要があると認めるときは、失業の認定日において失業の認定をした日分の基本手当の支給の決定を次の基本手当を支給すべき日まで延期することができる。 |
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R7-113 12.18
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、労災保険法の択一式です。
■複数事業労働者の給付基礎日額の算定方法を確認しましょう。
法第8条第3項 複数事業労働者の業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は複数事業労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡により、当該複数事業労働者、その遺族その他厚生労働省令で定める者に対して保険給付を行う場合における給付基礎日額は、当該複数事業労働者を使用する事業ごとに算定した給付基礎日額に相当する額を合算した額を基礎として、厚生労働省令で定めるところによって政府が算定する額とする。 |
複数事業労働者の給付基礎日額は、複数の就業先ごとに算定した給付基礎日額に相当する額を合算した額となります。
■「部分算定日」定義を確認しましょう。
★療養のために所定労働時間のうちその一部分についてのみ労働する日
★賃金が支払われる休暇(有給休暇、通勤手当・住宅手当等が支給される休業日)
例えば、給付基礎日額が10,000円、午前中の労働に対する賃金が4,000円の場合、休業(補償)等給付の額は以下の式で計算します。
(10,000円-4,000円)×60%=3,600円
・(給付基礎日額-部分算定日に対して実際に支払われた賃金)×60%です。
「複数事業労働者」についての通達を確認しましょう。
<複数事業労働者に係る休業(補償)等給付の支給要件について>
(1) 休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付(以下「休業(補償)等給付」という。)の給付事由
①「療養のため」
②「労働することができない」ために
③「賃金を受けない日」という3要件を満たした日の
第4日目から支給されます。
(2) 「労働することができない」とは
必ずしも負傷直前と同一の労働ができないという意味ではなく、一般的に働けないことをいいます。したがって、軽作業に就くことによって症状の悪化が認められない場合、あるいはその作業に実際に就労した場合には、給付の対象とはなりません。 |
★複数事業労働者について
複数就業先における全ての事業場における就労状況等を踏まえて、休業(補償)等給付に係る支給の要否を判断する必要があります。
→ 例えば、複数事業労働者が、現に一の事業場において労働者として就労した場合には、原則、「労働することができない」とは認められないことから、「賃金を受けない日」に該当するかの検討を行う必要はなく、休業(補償)等給付に係る保険給付については不支給決定となります。
→ ただし、複数事業労働者が、現に一の事業場において労働者として就労しているものの、他方の事業場において通院等のため、所定労働時間の全部又は一部について労働することができない場合には、「労働することができない」に該当すると認められることがあります。
(3) 「賃金を受けない日」について
「賃金を受けない日」には、賃金の全部を受けない日と一部を受けない日があります。 →賃金の一部を受けない日とは ① 所定労働時間の全部について「労働することができない」場合で、平均賃金の 60%未満の金額しか受けない日 ② 通院等のため所定労働時間の一部について「労働することができない」場合で、当該一部休業した時間について全く賃金を受けないか、又は「平均賃金と実労働時間に対して支払われる賃金との差額の60%未満の金額」しか受けない日 |
★複数事業労働者については
複数の就業先のうち、一部の事業場において、年次有給休暇等により当該事業場における平均賃金相当額(複数事業労働者を使用する事業ごとに算定した平均賃金に相当する額をいう。)の60%以上の賃金を受けることにより賃金を受けない日に該当しない状態でありながら、他の事業場において、傷病等により無給での休業をしているため、賃金を受けない日に該当する状態があり得ます。
したがって、複数事業労働者の休業(補償)等給付に係る「賃金を受けない日」の判断については、まず複数就業先における事業場ごとに行うこととされています。
その結果、一部の事業場でも賃金を受けない日に該当する場合には、当該日は「賃金を受けない日」に該当するものとして取り扱うこととなっています。
一方、全ての事業場において賃金を受けない日に該当しない場合は、当該日は「賃金を受けない日」に該当せず、保険給付を行わないこととなっています。
(令和3年3月18日/基管発0318第1号/基補発0318第6号/基保発0318第1号/)
では、令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問4-A】
休業補償給付が支給される三要件のうち「労働することができない」に関して、業務災害に被災した複数事業労働者が、現に一の事業場において労働者として就労しているものの、他方の事業場において当該業務災害に係る通院のため、所定労働時間の全部又は一部について労働することができない場合には、「労働することができない」に該当すると認められることがある。
【解答】
①【R6年問4-A】 〇
A社では労働者として就労している。しかし、B社では業務災害に係る通院のため、所定労働時間の全部又は一部について労働することができない。
→「労働することができない」に該当すると認められることがある。
②【R6年問4-B】
休業補償給付が支給される三要件のうち「賃金を受けない日」に関して、被災した複数事業労働者については、複数の就業先のうち、一部の事業場において、年次有給休暇等により当該事業場における平均賃金相当額(複数事業労働者を使用する事業ごとに算定した平均賃金に相当する額をいう。)の60%以上の賃金を受けることにより「賃金を受けない日」に該当しない状態でありながら、他の事業場において、当該業務災害による傷病等により無給での休業をしているため、「賃金を受けない日」に該当する状態があり得る。
【解答】
②【R6年問4-B】 〇
A社では、年次有給休暇等により平均賃金相当額の60%以上の賃金を受けることにより「賃金を受けない日」に該当しない状態である。しかし、B社では無給での休業をしている
→ 「賃金を受けない日」に該当する状態があり得る。
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R7-112 12.17
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、労働基準法の択一式です。
労働者の定義を条文で読んでみましょう。
第9条 この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。 |
労働基準法の「労働者」は、「事業」に使用される者で、賃金を支払われる者をいいます。
「事業」のイメージです。
〇〇株式会社 | ||||
本社
|
|
工場 |
|
営業所 |
〇〇株式会社全体が事業となるのではなく、「本社」、「工場」、「営業所」それぞれが事業となります。
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問2-ア】
労働基準法において一の事業であるか否かは主として場所的観念によって決定するが、例えば工場内の診療所、食堂等の如く同一場所にあっても、著しく労働の態様を異にする部門が存する場合に、その部門が主たる部門との関連において従事労働者、労務管理等が明確に区別され、かつ、主たる部門と切り離して適用を定めることによって労働基準法がより適切に運用できる場合には、その部門を一の独立の事業とするとされている。
【解答】
【R6年問2-ア】 〇
|
|
|
| 工 場 |
|
|
| 診療所 |
<原則>
・一の事業であるか否かは主として場所的観念によって決定する
→ 同一場所にあるものは原則として1個の事業とする
→ 場所的に分散しているものは原則として別個の事業とする
<例外>
・ 例えば工場内の診療所、食堂のように同一場所にあっても、著しく労働の態様を異にする部門が存する場合は?
→ その部門を一の独立の事業とする
・ 場所的に分散しているものであっても、出張所や支社等で、一の事業という程度の独立性がないものは?
→ 直近上位の機構と一括して一の事業として取り扱う
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
労働基準法第9条にいう「事業」とは、経営上一体をなす支店、工場等を総合した全事業を指称するものであって、場所的観念によって決定されるべきものではない。
①【H26年出題】 ×
労働基準法第9条にいう「事業」とは、場所的観念によって決定されるべきものです。支店、工場等それぞれが事業となりますので、それぞれで労働基準法が適用されます。
②【H29年出題】
何ら事業を営むことのない大学生が自身の引っ越しの作業を友人に手伝ってもらい、その者に報酬を支払ったとしても、当該友人は労働基準法第9条に定める労働者に該当しないので、当該友人に労働基準法は適用されない。
【解答】
②【H29年出題】 〇
労働基準法の労働者は、「事業に使用される者で、賃金を支払われる者」をいいます。
事業とは、「工場、鉱山、事務所、店舗等の如く一定の場所において相関連する組織のもとに業として継続的に行われる作業の一体をいう」とされています。
何ら事業を営むことのない大学生が、引っ越しの作業を手伝ってもらった友人は労働基準法第9条に定める労働者に該当しません。
(昭22.9.13発基17号など)
③【R4年出題】
明確な契約関係がなくても、事業に「使用」され、その対償として「賃金」が支払われる者であれば、労働基準法の労働者である。
【解答】
③【R4年出題】 〇
事業に「使用」され、その対償として「賃金」が支払われる者は、労働基準法の労働者となります。
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R7-111 12.16
今日は寡婦年金についてお話ししています。
寡婦年金は「第1号被保険者」独自の給付です。
・死亡した夫の要件
・妻の要件
・寡婦年金の額の計算方法
・寡婦年金の失権 などがポイントです。
特に、「繰上げ支給の老齢基礎年金」との関係、「死亡一時金」との関係もよく出題されますので注意してください。
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R7-110 12.15
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年12月9日から14日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
合算対象期間の「基本」についてお話しします(国民年金法)
障害・遺族基礎年金と労働基準法の災害補償との調整(国民年金法)
保険料の督促・滞納処分、延滞金(厚生年金保険法)
産前産後休業中の保険料免除(厚生年金保険法)
標準報酬月額の最高等級(厚生年金保険法)
未支給の保険給付(厚生年金保険法)
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R7-109 12.14
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
条文を読んでみましょう。
第37条第1項、3項~5項 (未支給の保険給付) ① 保険給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の3親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。 ③ 死亡した受給権者が死亡前にその保険給付を請求していなかったときは、①に規定する者は、自己の名で、その保険給付を請求することができる。 ④ 未支給の保険給付を受けるべき者の順位は、政令で定める。 ⑤ 未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。 |
★ 年金は、後払い(例えば、12月に支給される年金は10月分と11月分です)で、受給権が消滅した月まで支給されます。
そのため、年金の受給権者が死亡した場合は、必ず未支給の年金が発生します。
★ 国民年金との違い
厚生年金保険法は「未支給の保険給付」
→ 「死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったもの」ですので、年金だけでなく一時金も対象です。
国民年金法は「未支給年金」
→ 「死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかったもの」となりますので、「年金」だけが対象です。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問8-D】
未支給の保険給付の支給を請求できる遺族として、死亡した受給権者とその死亡の当時生計を同じくしていた妹と祖父がいる場合、祖父が先順位者になる。
【解答】
【R6年問8-D】 〇
未支給の保険給付を受けるべき者の順位は、「死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及びこれらの者以外の3親等内の親族の順序」とされています。妹と祖父がいる場合は、祖父が先順位者になります。
(令第3条の2)
過去問をどうぞ!
①【R4年出題】
保険給付の受給権者が死亡し、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときにおいて、未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対しての支給は、全員に対してしたものとみなされる。
【解答】
①【R4年出題】 〇
未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、そのうち1人が代表で請求します。
②【H23年出題】
保険給付の受給権者の死亡に係る未支給の保険給付がある場合であって、当該未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、当該同順位者の数で按分した額をそれぞれに支給する。
【解答】
②【H23年出題】 ×
未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、同順位者の数で按分した額をそれぞれに支給するのではなく、代表の者に全額支給されます。
③【H26年出題】
脱退一時金を請求した者が、当該脱退一時金を受給する前に死亡した場合、一定の遺族は未支給の脱退一時金を請求することができる。
【解答】
③【H26年出題】 〇
脱退一時金も未支給の保険給付の請求の対象となります。
(法附則第29条第9項)
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R7-108 12.13
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
条文を読んでみましょう。
法第20条第2項 毎年3月31日における全被保険者の標準報酬月額を平均した額の100分の200に相当する額が標準報酬月額等級の最高等級の標準報酬月額を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、その年の9月1日から、健康保険法第40条第1項に規定する標準報酬月額の等級区分を参酌して、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができる。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問7-A】
令和2年9月から厚生年金保険の標準報酬月額の上限について、政令によって読み替えて法の規定を適用することとされており、変更前の最高等級である第31級の上に第32級が追加された。第32級の標準報酬月額は65万円である。
【解答】
【R6年問7-A】 〇
令和2年9月から厚生年金保険の標準報酬月額の上限は、「第32級」です。第32級の標準報酬月額は65万円です。
「平成28年3月以降、全厚生年金被保険者の平均標報の2倍が、当時の最高等級(第31級:62万円)を超える状況が続き、令和2年3月末においても、全厚生年金被保険者の平均標報の2倍が62万円を超えていたことから、令和2年9月より、政令改正により標準報酬月額の上限を引き上げる(第32級(65万円)を加える)こととした。」とされています。
(厚生労働省ホームページより)
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】※改正による修正あり
厚生年金保険の標準報酬月額は標準報酬月額等級の第1級88,000円から第32級650,000円まで区分されており、この等級区分については毎年3月31日における全被保険者の標準報酬月額を平均した額の100分の200に相当する額が標準報酬月額等級の最高等級の標準報酬月額を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、その年の4月1日から、健康保険法第40条第1項に規定する標準報酬月額の等級区分を参酌して、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができる。
【解答】
①【R1年出題】 ×
政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができるのは、その年の4月1日からではなく、その年の9月1日からです。
②【R5年出題】
毎年12月31日における全被保険者の標準報酬月額を平均した額の100分の200に相当する額が標準報酬月額等級の最高等級の標準報酬月額を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行わなければならない。
【解答】
②【R5年出題】 ×
「毎年12月31日」ではなく「毎年3月31日」における全被保険者の標準報酬月額を平均した額の100分の200に相当する額が標準報酬月額等級の最高等級の標準報酬月額を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、「その年の9月1日から」、健康保険法第40条第1項に規定する標準報酬月額の等級区分を参酌して、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の「改定を行わなければならない」ではなく、「改定を行うことができる。」です。
<比較>健康保険法の条文も読んでみましょう。
法第40条第2項、第3項 ② 毎年3月31日における標準報酬月額等級の最高等級に該当する被保険者数の被保険者総数に占める割合が100分の1.5を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、その年の9月1日から、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができる。ただし、その年の3月31日において、改定後の標準報酬月額等級の最高等級に該当する被保険者数の同日における被保険者総数に占める割合が100分の0.5を下回ってはならない。 ③ 厚生労働大臣は、政令の制定又は改正について立案を行う場合には、社会保障審議会の意見を聴くものとする。 |
健康保険法の標準報酬月額の上限は、「第50等級1,390,000円」で、全被保険者に対する上限該当者の割合は、0.79%です。
(厚生労働省ホームページより)
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R7-107 12.12
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
条文を読んでみましょう。
第81条の2の2(産前産後休業期間中の保険料の徴収の特例) ① 産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、主務省令で定めるところにより実施機関に申出をしたときは、当該被保険者に係る保険料であってその産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間に係るものの徴収は行わない。 ② 第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者に係る保険料について、①の規定を適用する場合においては、「被保険者が使用される事業所の事業主」とあるのは、「被保険者」とする。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問7-E】
産前産後休業をしている被保険者に係る保険料については、事業主負担分及び被保険者負担分の両方が免除される。
【解答】
【R6年問7-E】 〇
事業主負担分と被保険者負担分の両方が免除されます。
過去問をどうぞ!
①【R4年選択式】
厚生年金保険法第81条の2の2第1項の規定によると、産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、主務省令で定めるところにより実施機関に申出をしたときは、同法第81条第2項の規定にかかわらず当該被保険者に係る保険料であってその産前産後休業を< A >からその産前産後休業が< B >までの期間に係るものの徴収は行わないとされている。
【解答】
<A> 開始した日の属する月
<B> 終了する日の翌日が属する月の前月
②【H29年出題】
産前産後休業期間中の保険料の免除の申出は、被保険者が第1号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者である場合には当該被保険者が使用される事業所の事業主が、また第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者である場合には当該被保険者本人が、主務省令で定めるところにより実施機関に行うこととされている。
【解答】
②【H29年出題】 〇
産前産後休業期間中の保険料の免除の申出について
・第1号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者
→ 当該被保険者が使用される事業所の事業主が行う
・第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者
→ 被保険者本人が行う
③【H30年出題】
産前産後休業期間中の保険料の免除の適用を受ける場合、その期間中における報酬の支払いの有無は問われない。
【解答】
③【H30年出題】 〇
産前産後休業期間中の報酬の支払いの有無は問われません。
④【R1年出題】
適用事業所の事業主は、第1号厚生年金被保険者であって、産前産後休業期間中や育児休業期間中における保険料の免除が適用されている者に対して、当該休業期間中に賞与を支給した場合は、賞与額の届出を行わなければならない。
【解答】
④【R1年出題】 〇
産前産後休業期間中や育児休業期間中の保険料の免除が適用されている者に対して、賞与を支給した場合でも、賞与額の届出は必要です。
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R7-106 12.11
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
督促と延滞金を図でイメージしましょう。
納期限 ▼ |
| 督促状 ▼ |
| 督促状の指定期限 ▼ |
| 完納 ▼ | |
|
| 10日以上経過した日 |
|
| |||
納期限の翌日 |
|
|
|
|
| 完納又は財産差押えの日の前日 | |
条文を読んでみましょう。
法第86条 (保険料等の督促及び滞納処分) ① 保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、期限を指定して、これを督促しなければならない。ただし、繰上徴収により保険料を徴収するときは、この限りでない。 ② 督促をしようとするときは、厚生労働大臣は、納付義務者に対して、督促状を発する。 ③ 督促状は、納付義務者が、健康保険法第180条の規定によって督促を受ける者であるときは、同法同条の規定による督促状に併記して、発することができる。 ④ 督促状により指定する期限は、督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日でなければならない。 ⑤ 厚生労働大臣は、納付義務者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、国税滞納処分の例によってこれを処分し、又は納付義務者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村(特別区を含む。以下同じ。)に対して、その処分を請求することができる。 (1) 督促を受けた者がその指定の期限までに保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないとき。 (2) 納期を繰り上げて保険料納入の告知を受けた者がその指定の期限までに保険料を納付しないとき。 ⑥ 市町村は、処分の請求を受けたときは、市町村税の例によってこれを処分することができる。この場合においては、厚生労働大臣は、徴収金の100分の4に相当する額を当該市町村に交付しなければならない。
法第87条 (延滞金) ① 督促をしたときは、厚生労働大臣は、保険料額に、納期限の翌日から保険料完納又は財産差押の日の前日までの期間の日数に応じ、年14.6パーセント(当該納期限の翌日から3月を経過する日までの期間については、年7.3パーセント)の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合又は滞納につきやむを得ない事情があると認められる場合は、この限りでない。 (1) 保険料額が1000円未満であるとき。 (2) 納期を繰り上げて徴収するとき。 (3) 納付義務者の住所若しくは居所が国内にないため、又はその住所及び居所がともに明らかでないため、公示送達の方法によって督促したとき。 ② 保険料額の一部につき納付があったときは、その納付の日以後の期間に係る延滞金の計算の基礎となる保険料は、その納付のあった保険料額を控除した金額による。 ③ 延滞金を計算するにあたり、保険料額に1000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。 ④ 督促状に指定した期限までに保険料を完納したとき、又は延滞金の額が100円未満であるときは、延滞金は、徴収しない。 ⑤ 延滞金の金額に100円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。 |
※延滞税特例基準割合(1.4%)に基づく令和6年中の延滞金の割合は以下の通りです。
・納期限の翌日から3月を経過する日までの期間 → 年2.4%
・納期限の翌日から3月を経過する日の翌日以後 → 年8.7%
では、令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問2-B】
厚生年金保険の保険料を滞納した者に対して督促が行われたときは、原則として延滞金が徴収されるが、納付義務者の住所及び居所がともに明らかでないため公示送達の方法によって督促したときは、延滞金は徴収されない。
【解答】
①【R6年問2-B】 〇
公示送達の方法によって督促したときは、延滞金は徴収されません。
②【R6年問2-C】
厚生年金保険の保険料を滞納した者に対して督促が行われた場合において、督促状に指定した期限までに保険料を完納したとき、又は厚生年金保険法第87条第1項から第3項までの規定によって計算した金額が1,000円未満であるときは、延滞金は徴収しない。
【解答】
②【R6年問2-C】 ×
厚生年金保険法第87条第1項から第3項までの規定によって計算した額(=延滞金の金額)が1,000円未満ではなく「100円未満」であるときは、延滞金は徴収されません。
③【R6年問2-D】
保険料の納付の督促を受けた納付義務者がその指定の期限までに保険料を納付しないときは、厚生労働大臣は、自ら国税滞納処分の例によってこれを処分することができるほか、納付義務者の居住地等の市町村(特別区を含む。以下本肢において同じ。)に対して市町村税の例による処分を請求することもできる。後者の場合、厚生労働大臣は徴収金の100分の5に相当する額を当該市町村に交付しなければならない。
【解答】
③【R6年問2-D】 ×
納付義務者の居住地等の市町村に対して市町村税の例による処分を請求した場合、厚生労働大臣は徴収金の100分の5ではなく「100分の4」に相当する額を当該市町村に交付しなければなりません。
④【R6年問2-E】
滞納処分等を行う徴収職員は、滞納処分等に係る法令に関する知識並びに実務に必要な知識及び能力を有する日本年金機構の職員のうちから厚生労働大臣が任命する。
【解答】
④【R6年問2-E】 ×
徴収職員は、滞納処分等に係る法令に関する知識並びに実務に必要な知識及び能力を有する日本年金機構の職員のうちから、厚生労働大臣の認可を受けて、日本年金機構の理事長が任命する、とされています。
(第100条の6第2項)
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R7-105 12.10
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
条文を読んでみましょう。
第36条第1項 障害基礎年金は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働基準法の規定による障害補償を受けることができるときは、6年間、その支給を停止する。
第41条第1項 遺族基礎年金は、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、労働基準法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときは、死亡日から6年間、その支給を停止する。
第52条 寡婦年金は、当該夫の死亡について労働基準法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときは、死亡日から6年間、その支給を停止する。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問3-B】
労働基準法の規定による障害補償を受けることができるときにおける障害基礎年金並びに同法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときにおける遺族基礎年金又は寡婦年金については、6年間、その支給を停止する。
【解答】
【R6年問3-B】 〇
・ 労働基準法の規定による障害補償を受けることができるときにおける障害基礎年金は、6年間、支給が停止されます。
・ 労働基準法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときは、遺族基礎年金又は寡婦年金については、6年間、支給が停止されます。
「労働基準法の障害補償(遺族補償)」との調整規定です。「労働者災害補償保険法の障害(補償)年金、遺族(補償)年金」ではありませんので注意しましょう。
過去問をどうぞ!
①【H20年出題】
労働者災害補償保険法による遺族補償年金が支給されるときは、遺族基礎年金は全額が支給停止される。
【解答】
①【H20年出題】 ×
同一の支給事由で、労働者災害補償保険法による遺族補償年金と遺族基礎年金が支給されるときは、遺族補償年金が減額され、遺族基礎年金は全額支給されます。
(労災保険法別表第1)
同一事由で労災保険法から年金が支給されても、国民年金・厚生年金は、本人が保険料を負担していますので、減額されません。
労災保険の保険料は全額事業主負担ですので、同一事由で、労災保険の年金と国民年金・厚生年金が支給される場合は、労災保険の年金が減額されます。
②【H26年出題】
遺族基礎年金の受給権者が、同一の支給事由により労災保険法の規定による遺族補償年金の支給を受けることができる場合、遺族基礎年金は支給停止されない。
【解答】
②【H26年出題】 〇
遺族基礎年金の受給権者が、同一の支給事由により労災保険法の規定による遺族補償年金の支給を受けることができる場合、労災保険法の遺族補償年金が減額され、遺族基礎年金は支給停止されません。
③【H20年出題】
障害基礎年金(いわゆる20歳前の障害に基づくものを除く。)は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働者災害補償保険法の規定による障害補償年金を受けることができるときであっても、その支給は停止されない。
【解答】
③【H20年出題】 〇
障害基礎年金(いわゆる20歳前の障害に基づくものを除く。)は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働者災害補償保険法の規定による障害補償年金を受けることができるときは、障害補償年金が減額され、障害基礎年金は全額支給されます。
(労災保険法別表第1)
こちらの問題もどうぞ!
①【R1年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金を受給中である者が、労災保険法の規定による年金たる給付を受給できる(その全額につき支給を停止されていないものとする。)場合、その該当する期間、当該20歳前傷病による障害基礎年金は支給を停止する。
【解答】
①【R1年出題】 〇
「20歳前傷病による障害基礎年金」独自の支給停止事由です。
労災保険法の規定による年金たる給付を受給できる(その全額につき支給を停止されていないものとする。)場合、その該当する期間、20歳前傷病による障害基礎年金は支給停止されます。
条文を読んでみましょう。
第36条の2第1項、第2項 ① 第30条の4の規定による障害基礎年金(=20歳前傷病による障害基礎年金)は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するときは、その該当する期間、その支給を停止する。 (1) 恩給法に基づく年金たる給付、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受けることができるとき。 (2)以下省略します ② (1)に規定する給付が、その全額につき支給を停止されているときは、支給停止されない。 |
②【H25年出題】
労働者災害補償保険法による年金たる給付の受給権者であってその全額が支給停止されているときは、20歳前傷病による障害基礎年金は支給停止されない。
【解答】
②【H25年出題】 〇
20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付を受けることができるときは、その該当する期間、その支給が停止されます。
ただし、労働者災害補償保険法による年金たる給付の全額が支給停止されているときは、原則として、20歳前傷病による障害基礎年金は支給停止されません。
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R7-104 12.09
合算対象期間の「基本」についてお話しします。
合算対象期間は「カラ期間」ともいわれます。
老齢基礎年金の受給資格期間の10年の計算には入りますが、 老齢基礎年金の「年金額」の計算には入らないからです。
合算対象期間の代表例で、よく出題される期間をみていきます。
・厚生年金保険等の加入期間のうち、合算対象期間になる期間
・日本国籍を有する者が海外に在住している期間のうち合算対象期間になる期間
・会社員、公務員の被扶養配偶者だった期間のうち合算対象期間になる期間
などです。
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R7-103 12.08
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年12月2日から7日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
国民年金の任意加入被保険者についてお話しします(国民年金法)
労基法上の賃金の解釈(労働基準法)
全国健康保険協会の事業(健康保険法)
全国健康保険協会の一般保険料率(健康保険法)
基礎年金拠出金の算定(国民年金法)
国民年金基金の加入員(国民年金法)
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R7-102 12.07
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
国民年金基金には、「地域型国民年金基金」(地域型基金)と「職能型国民年金基金」職能型基金)があります。
国民年金基金の加入について条文を読んでみましょう。
第127条 (加入員) ① 第1号被保険者は、その者が住所を有する地区に係る地域型基金又はその従事する事業若しくは業務に係る職能型基金に申し出て、その加入員となることができる。ただし、他の基金の加入員であるときは、この限りでない。 ② 申出をした者は、その申出をした日に加入員の資格を取得するものとする。 ③ 加入員は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日((1)又は(4)に該当するに至ったときは、その日とし、(3)に該当するに至ったときは、当該保険料を納付することを要しないものとされた月の初日とする。)に、加入員の資格を喪失する。 (1) 被保険者の資格を喪失したとき、又は第2号被保険者若しくは第3号被保険者となったとき。 (2) 地域型基金の加入員にあっては、当該基金の地区内に住所を有する者でなくなったとき、職能型基金の加入員にあっては、当該事業又は業務に従事する者でなくなったとき。 (3) 保険料を納付することを要しないものとされたとき(一部免除・学生納付特例・納付猶予を含む。) (4) 農業者年金の被保険者となったとき。 (5) 当該基金が解散したとき。 ④ 加入員の資格を取得した月にその資格を喪失した者は、その資格を取得した日にさかのぼって、加入員でなかったものとみなす。 |
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6問2-エ】
国民年金基金の加入の申出をした者は、その申出をした日に、加入員の資格を取得するものとする。
【解答】
①【R6問2-エ】 〇
「申出をした日」(当日)に、加入員の資格を取得します。
②【R6問2-オ】
国民年金基金の加入員が、第1号被保険者の資格を喪失したときは、その被保険者の資格を喪失した日の翌日に、加入員の資格を喪失する。
【解答】
②【R6問2-オ】 ×
第1号被保険者の資格を喪失したときは、その被保険者の資格を「喪失した日」に、加入員の資格を喪失します。翌日喪失ではなく当日喪失です。
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
基金の加入員は、いつでも基金に申し出て、加入員の資格を喪失することができる。
【解答】
①【R3年出題】 ×
国民年金基金の加入は任意ですが、加入後に任意に資格を喪失することはできません。
②【H29年出題】
国民年金基金の加入員が第2号被保険者となったときは、その日に加入員の資格を喪失する。
【解答】
②【H29年出題】 〇
国民年金基金の加入員が第2号被保険者となったときは、その日に加入員の資格を喪失します。当日喪失がポイントです。
③【H29年出題】
国民年金基金の加入員が農業者年金の被保険者となったときは、その日に、加入員の資格を喪失する。
【解答】
③【H29年出題】 〇
国民年金基金の加入員が農業者年金の被保険者となったときは、その日に、加入員の資格を喪失します。当日喪失がポイントです。
④【H27年出題】
国民年金基金の加入員が、保険料免除の規定により国民年金保険料の全部又は一部の額について保険料を納付することを要しないものとされたときは、その月の初日に加入員の資格を喪失する。
【解答】
④【H27年出題】 〇
国民年金基金の加入員が、保険料を納付することを要しないものとされたときは、その月の初日に加入員の資格を喪失します。
⑤【R2年出題】
日本国籍を有する者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、その者が住所を有していた地区に係る地域型国民年金基金又はその者が加入していた職能型国民年金基金に申し出て、地域型国民年金基金又は職能型国民年金基金の加入者となることができる。
【解答】
⑤【R2年出題】 〇
任意加入被保険者のうち、次の者は、国民年金基金の加入員となることができます。
■ 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。)
■ 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの
(法附則第5条第11項)
⑥【H29年出題】
日本国籍を有し、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、地域型国民年金基金の加入員となることができない。
【解答】
⑥【H29年出題】 ×
地域型国民年金基金の加入員となることができます。
「日本国籍を有する者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者」は、その者が住所を有していた地区に係る地域型国民年金基金又はその者が加入していた職能型国民年金基金に申し出て、地域型国民年金基金又は職能型国民年金基金の加入者となることができます。
⑦【H24年出題】
第1号被保険者が従事する職業において職能型国民年金基金が設立されている場合、当該被保険者は職能型国民年金基金に加入することとなり、地域型国民年金基金には加入できない。
【解答】
⑦【H24年出題】×
「第1号被保険者は、その者が住所を有する地区に係る地域型基金又はその従事する事業若しくは業務に係る職能型基金に申し出て、その加入員となることができる。ただし、他の基金の加入員であるときは、この限りでない。」となっていますので、地域型か職能型のどちらかを選択できます。
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R7-101 12.06
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
第2号被保険者と第3号被保険者は、国民年金保険料を負担しませんが、第2号被保険者と第3号被保険者にも、基礎年金が支給されます。
第2号被保険者と第3号被保険者に支給される基礎年金の費用に充てるため、厚生年金保険の保険者は、基礎年金拠出金を負担します。
「基礎年金拠出金」について条文を読んでみましょう。
第91条の2 (基礎年金拠出金) ① 厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担する。 ② 実施機関たる共済組合等は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を納付する。 ③ 財政の現況及び見通しが作成されるときは、厚生労働大臣は、厚生年金保険の実施者たる政府が負担し、又は実施機関たる共済組合等が納付すべき基礎年金拠出金について、その将来にわたる予想額を算定するものとする。
第94条の3 基礎年金拠出金の額は、保険料・拠出金算定対象額に当該年度における被保険者の総数に対する当該年度における当該政府及び実施機関に係る被保険者の総数の比率に相当するものとして毎年度政令で定めるところにより算定した率を乗じて得た額とする。 ② 被保険者の総数並びに政府及び実施機関に係る被保険者の総数は、第1号被保険者、第2号被保険者及び第3号被保険者の適用の態様の均衡を考慮して、これらの被保険者のうち政令で定める者を基礎として計算するものとする。 ③ 実施機関たる共済組合等に係る基礎年金拠出金の納付に関し必要な事項は、政令で定める。 |
<基礎年金拠出金の計算式>
|
| 政府及び実施機関に係る被保険者の総数 (第2号被保険者+第3号被保険者) |
保険料・拠出金算定対象額
| × |
国民年金の被保険者の総数 |
★政府及び実施機関に係る被保険者の総数
■厚生年金保険の実施者たる政府 → 第1号厚生年金被保険者である第2号被保険者+その被扶養配偶者である第3号被保険者
■実施機関たる共済組合等
・国家公務員共済組合連合会 → 第2号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者
・地方公務員共済組合連合会 → 第3号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者
・日本私立学校振興・共済事業団 → 第4号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問1-D】
基礎年金拠出金の額は、保険料・拠出金算定対象額に当該年度における被保険者の総数に対する当該年度における当該政府及び実施機関に係る被保険者の総数の比率に相当するものとして毎年度政令で定めるところにより算定した率を乗じて得た額とする。
【解答】
【R6問1-D】 〇
基礎年金拠出金の額は、「国民年金(1号、2号、3号)の被保険者数」と「第2号+第3号の被保険者数」の人数比で按分されます。
過去問をどうぞ!
①【R2年選択式】
国民年金法第94条の2第1項では、「厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担する。」と規定しており、同条第2項では、「< A >は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を納付する。」と規定している。
【解答】
①【R2年選択式】
<A> 実施機関たる共済組合等
★実施機関たる共済組合等の定義も確認しましょう。
「実施機関たる共済組合等」とは、厚生年金保険の実施機関たる国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団をいう。
(法第5条第9項)
②【R4年出題】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を有する者の総数とされている。
【解答】
②【R4年出題】 ×
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、「保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者」とされています。
納付者が対象ですので、「保険料全額免除」を受けている者や滞納している者は算入されません。
(令第11条の3)
③【R1年出題】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる被保険者は、第1号被保険者数にあっては、保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者であり、第2号被保険者及び第3号被保険者にあってはすべての者である。
【解答】
③【R1年出題】 ×
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる被保険者について
・第1号被保険者数 → 保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者
・第2号被保険者数 → 20歳以上60歳未満の者
・第3号被保険者数 → すべての者
となります。
第2号被保険者数は、すべての者ではなく、第1号被保険者の年齢の範囲に合わせて、「20歳以上60歳未満の者」です。
(令第11条の3)
④【H30年出題】
被保険者は、第1号被保険者としての被保険者期間及び第2号被保険者としての被保険者期間については国民年金保険料を納付しなければならないが、第3号被保険者としての被保険者期間については国民年金保険料を納付することを要しない。
【解答】
④【H30年出題】 ×
国民年金保険料を納付しなければならないのは、第1号被保険者のみです。
第2号被保険者・第3号被保険者は、国民年金保険料を納付する必要はありません。
条文を読んでみましょう。
法第94条の6 第2号被保険者としての被保険者期間及び第3号被保険者としての被保険者期間については、政府は、保険料を徴収せず、被保険者は、保険料を納付することを要しない。 |
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R7-100 12.05
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
全国健康保険協会の一般保険料率は、1000分の30から1000分の130までの範囲内で、支部被保険者を単位として協会が決定します。
支部被保険者を単位として決定する一般保険料率を「都道府県単位保険料率」といい、その支部被保険者に適用されます。
条文を読んでみましょう。
法第160条第5項 協会は、2年ごとに、翌事業年度以降の5年間についての協会が管掌する健康保険の被保険者数及び総報酬額の見通し並びに保険給付に要する費用の額、保険料の額(各事業年度において財政の均衡を保つことができる保険料率の水準を含む。)その他の健康保険事業の収支の見通しを作成し、公表するものとする。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問3-オ】
協会は、2年ごとに、翌事業年度以降の5年間についての協会が管掌する健康保険の被保険者数及び総報酬額の見通し並びに保険給付に要する費用の額、保険料の額(各事業年度において財政の均衡を保つことができる保険料率の水準を含む。)その他の健康保険事業の収支の見通しを作成し、厚生労働大臣に届け出るものとする。
【解答】
【R6問3-オ】 ×
健康保険事業の収支の見通しを作成し、「厚生労働大臣に届け出る」ではなく、「公表するものとする。」です。
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】※改正による修正あり
全国健康保険協会(以下「協会」という。)が管掌する健康保険の被保険者に関する一般保険料率は、1,000分の30から1,000分の130までの範囲内において、支部被保険者を単位として協会が決定する。なお、支部被保険者とは、各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者及び当該都道府県の区域内に住所又は居所を有する任意継続被保険者をいう。
【解答】
①【H26年出題】 〇
協会の一般保険料率は、「1,000分の30から1,000分の130までの範囲内」で、支部被保険者を単位として「協会」が決定します。支部被保険者とは、各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者及び当該都道府県の区域内に住所又は居所を有する任意継続被保険者をいいます。
(法第160条第1項)
②【R4年出題】
全国健康保険協会(以下「協会」という。)が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、あらかじめ、協会の理事長が当該変更に係る都道府県に所在する協会支部の支部長の意見を聴いたうえで、運営委員会の議を経なければならない。その議を経た後、協会の理事長は、その変更について厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
【解答】
②【R4年出題】 〇
条文で確認しましょう。
「登場人物」に特に注意してください。
法第160条第6項~9項 ⑥ 協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、あらかじめ、理事長が当該変更に係る都道府県に所在する支部の支部長の意見を聴いた上で、運営委員会の議を経なければならない。 ⑦ 支部長は、意見を求められた場合のほか、都道府県単位保険料率の変更が必要と認める場合には、あらかじめ、当該支部に設けられた評議会の意見を聴いた上で、理事長に対し、当該都道府県単位保険料率の変更について意見の申出を行うものとする。 ⑧ 協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、理事長は、その変更について厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 ⑨ 厚生労働大臣は、認可をしたときは、遅滞なく、その旨を告示しなければならない。 |
③【R1年出題】
全国健康保険協会は政府から独立した保険者であることから、厚生労働大臣は、事業の健全な運営に支障があると認める場合には、全国健康保険協会に対し、都道府県単位保険料率の変更の認可を申請すべきことを命ずることができるが、厚生労働大臣がその保険料率を変更することは一切できない。
【解答】
③【R1年出題】 ×
厚生労働大臣は、都道府県単位保険料率を変更することができます。
条文を読んでみましょう。
法第160条第10項、11項 ⑩ 厚生労働大臣は、都道府県単位保険料率が、当該都道府県における健康保険事業の収支の均衡を図る上で不適当であり、協会が管掌する健康保険の事業の健全な運営に支障があると認めるときは、協会に対し、相当の期間を定めて、当該都道府県単位保険料率の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。 ⑪ 厚生労働大臣は、協会が期間内に申請をしないときは、社会保障審議会の議を経て、当該都道府県単位保険料率を変更することができる。 |
④【H24年選択式】
1 全国健康保険協会が管掌する健康保険の被保険者に関する一般保険料率は、 < A >の範囲内において、都道府県に設置した各支部の被保険者を単位として < B >が決定する。その都道府県単位保険料率は、法に掲げる額に照らし、各事業年度において財政の均衡を保つことができるように設定される。そのため全国健康保険協会は、2年ごとに、< C >についての健康保険の事業の収支見通し等を作成し、その結果を公表することになっている。
2 厚生労働大臣は、都道府県単位保険料率が、当該都道府県における< D >を図る上で不適当であり、全国健康保険協会が管掌する健康保険事業の健全な運営に支障があると認めるときは、全国健康保険協会に対し、相当の期間を定めて、当該都道府県単位保険料率の変更を申請すべきことを命ずることができる。厚生労働大臣は、全国健康保険協会が上記の期間内に申請をしないときは、< E >の議を経て、当該都道府県単位保険料率を変更することができる。
【解答】
④【H24年選択式】
<A>1,000分の30から1,000分の130
<B> 全国健康保険協会
<C> 翌事業年度以降5年間
<D> 健康保険事業の収支の均衡
<E> 社会保障審議会
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R7-099 12.04
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
条文を読んでみましょう。
第7条の28 第1項、2項 (財務諸表等) ① 全国健康保険協会(以下「協会」という。)は、毎事業年度の決算を翌事業年度の5月31日までに完結しなければならない。 ② 協会は、毎事業年度、貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類その他厚生労働省令で定める書類及びこれらの附属明細書(以下「財務諸表」という。)を作成し、これに当該事業年度の事業報告書及び決算報告書(以下「事業報告書等」という。)を添え、監事及び次条第2項の規定により選任された会計監査人の意見を付けて、決算完結後2月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
第7条の29第1項~3項 (会計監査人の監査) ① 協会は、財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書について、監事の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならない。 ② 会計監査人は、厚生労働大臣が選任する。 ③ 会計監査人は、公認会計士(公認会計士法に規定する外国公認会計士を含む。)又は監査法人でなければならない。
第7条の30(各事業年度に係る業績評価) ① 厚生労働大臣は、協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならない。 ② 厚生労働大臣は、評価を行ったときは、遅滞なく、協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。 |
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①【R6問2-D】
全国健康保険協会は、財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書について、監事の監査のほか、厚生労働大臣が選任する会計監査人である公認会計士又は監査法人から監査を受けなければならない。
【解答】
①【R6問2-D】 〇
全国健康保険協会は、財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書について、監事の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければなりません。
会計監査人は厚生労働大臣が選任し、また、会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければなりません。
②【R6問1-A】
全国健康保険協会は、厚生労働大臣から事業年度ごとの業績について評価を受け、その評価の結果を公表しなければならない。
【解答】
②【R6問1-A】 ×
厚生労働大臣は、協会の事業年度ごとの業績について評価を行い、遅滞なく、協会に対し、「評価の結果を通知」するとともに、これを「公表」しなければなりません。
評価の結果を公表するのは厚生労働大臣です。全国健康保険協会ではありません。
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
全国健康保険協会(以下「協会」という。)の事業年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。協会は、毎事業年度の決算を翌事業年度の5月31日までに完結し、作成した財務諸表に、事業報告書等を添え、監事及び会計監査人の意見を付けて、決算完結後2か月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
【解答】
①【H26年出題】 〇
協会の毎事業年度の決算は翌事業年度の5月31日までに完結しなければなりません。
また、作成した財務諸表に、事業報告書等を添え、監事及び会計監査人の意見を付けて、決算完結後2か月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければなりません。
②【H30年出題】
厚生労働大臣は、全国健康保険協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならず、この評価を行ったときは、遅滞なく、全国健康保険協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。
【解答】
②【H30年出題】 〇
厚生労働大臣は、全国健康保険協会の事業年度ごとの業績について、評価を行う
↓
評価を行ったときは、遅滞なく、全国健康保険協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、公表する
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R7-098 12.03
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
「賃金」の定義を条文で読んでみましょう。
第11条 この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。 |
さっそく令和6年の問題をどうぞ!
【R6問1-E】
労働者に支給される物又は利益にして、所定の貨幣賃金の代わりに支給するもの、即ち、その支給により貨幣賃金の減額を伴うものは労働基準法第11条にいう「賃金」とみなさない。
【解答】
【R6問1-E】 ×
問題文の場合は、「賃金」とみなすとされています。
通達を確認しましょう。
① 労働者に支給される物又は利益にして、次の各号の一に該当するものは、賃金とみなすこと。
(1) 所定貨幣賃金の代りに支給するもの、即ちその支給により貨幣賃金の減額を伴うもの。
(2) 労働契約において、予め貨幣賃金の外にその支給が約束されているもの。
② 右に掲げるものであっても、次の各号の一に該当するものは、賃金とみなさないこと。
(1)代金を徴収するもの、但しその代金が甚だしく低額なものはこの限りでない。
(2) 労働者の厚生福利施設とみなされるもの。
③ 退職金、結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金等の恩恵的給付は原則として賃金とみなさないこと。但し退職金、結婚手当等であって労働協約、就業規則、労働契約等によって予め支給条件の明確なものはこの限りでないこと。
(昭22.9.13発基第17号)
過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確である場合の退職手当は、労働基準法第11条に定める賃金であり、同法第24条第2項の「臨時に支払われる賃金」に当たる。
【解答】
①【H27年出題】 〇
退職手当で、労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確なものは、労働基準法上の「賃金」となり、「臨時に支払われる賃金」に当たります。
(昭22.9.13発基第17号)
②【R1年出題】
私有自動車を社用に提供する者に対し、社用に用いた場合のガソリン代は走行距離に応じて支給される旨が就業規則等に定められている場合、当該ガソリン代は、労働基準法第11条にいう「賃金」に当たる。
【解答】
②【R1年出題】 ×
社用に用いた走行距離に応じて支給されるガソリン代は「実費弁償」に当たります。賃金ではありません。
(昭63.3.14基発150号)
③【H26年出題】
賞与、家族手当、いわゆる解雇予告手当及び住宅手当は、労働基準法第11条で定義する賃金に含まれる。
【解答】
③【H26年出題】 ×
賞与、家族手当、住宅手当は、労働基準法第11条の賃金に当たりますが、「解雇予告手当」は賃金ではありません。
(昭23.8.18基収2520号)
④【R3年出題】
労働者が法令により負担すべき所得税等(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料等を含む。)を事業主が労働者に代わって負担する場合、当該代わって負担する部分は、労働者の福利厚生のために使用者が負担するものであるから、労働基準法第11条の賃金とは認められない。
【解答】
④【R3年出題】 ×
労働者が法令により負担すべき所得税等を事業主が労働者に代わって負担することは、労働者が法律上当然生ずる義務を免れることとなりますので、事業主が労働者に代わって負担する部分は、福利厚生ではなく、「賃金」となります。
(昭63.3.14基発150号)
⑤【R2年出題】
食事の供与(労働者が使用者の定める施設に住み込み1日に2食以上支給を受けるような特殊の場合のものを除く。)は、食事の支給のための代金を徴収すると否とを問わず、①食事の供与のために賃金の減額を伴わないこと、②食事の供与が就業規則、労働協約等に定められ、明確な労働条件の内容となっている場合でないこと、③食事の供与による利益の客観的評価額が、社会通念上、僅少なものと認められるものであること、の3つの条件を満たす限り、原則として、これを賃金として取り扱わず、福利厚生として取り扱う。
【解答】
⑤【R2年出題】 〇
食事の供与は、食事の支給のための代金を徴収すると否とを問わず、次の要件を満たす場合は、原則として賃金ではなく「福利厚生」として取り扱われます。
①食事の供与のために賃金の減額を伴わないこと
②食事の供与が就業規則、労働協約等に定められ、明確な労働条件の内容となっている場合でないこと
③食事の供与による利益の客観的評価額が、社会通念上、僅少なものと認められるものであること
(昭30.10.10基発644号)
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R7-097 12.02
国民年金の強制被保険者(第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者)に該当しない場合は、任意加入することができます。
任意加入する目的は次の2つです。
①老齢基礎年金の額を増やすため
(満額にするor満額に近づける)
②老齢基礎年金等の受給資格期間を満たすため
任意加入被保険者には、「任意加入被保険者」と「特例による任意加入被保険者」の2種類あります。
★「任意加入被保険者」は①と②のどちらの目的でも加入できます。
★「特例による任意加入被保険者」は、②の目的のみです。老齢基礎年金等の受給権がある場合は、任意加入できません。
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R7-096 12.01
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年11月25日から11月30日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
高齢任意加入被保険者についてお話しします(厚生年金保険法)
厚生年金保険料の納期限(厚生年金保険法)
厚生年金保険法の脱退一時金(厚生年金保険法)
学生納付特例制度について(国民年金法)
遺族基礎年金の支給要件(国民年金法)
付加保険料の納付(国民年金法)
YouTubeでお話ししています
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R7-095 11.30
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
付加保険料の納付について条文を読んでみましょう。
第87条の2 ① 第1号被保険者(保険料の免除を受けている者及び国民年金基金の加入員を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月以後の各月につき、400円の付加保険料を納付する者となることができる。 ② 付加保険料の納付は、国民年金の保険料の納付が行われた月(追納により保険料が納付されたものとみなされた月を除く。)又は産前産後の保険料免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間の各月についてのみ行うことができる。 ③ 付加保険料を納付する者となったものは、いつでも、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月の前月以後の各月に係る保険料(既に納付されたもの及び前納されたもの(国民年金基金の加入員となった日の属する月以後の各月に係るものを除く。)を除く。)につき付加保険料を納付する者でなくなることができる。 ④ 付加保険料を納付する者となったものが、国民年金基金の加入員となったときは、その加入員となった日に、③の申出をしたものとみなす。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問8-ウ】
付加保険料の納付は、国民年金法第88条の2の規定により保険料を納付することを要しないものとされた第1号被保険者の産前産後期間の各月については行うことができないとされている。
【解答】
【R6年問8-ウ】 ×
産前産後期間で保険料を納付することを要しないものとされた各月についても、付加保険料を納付することができます。
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
保険料の半額を納付することを要しないものとされた者は、当該納付することを要しないとされた期間について、厚生労働大臣に申し出て付加保険料を納付する者となることができる。
【解答】
①【H29年出題】 ×
保険料の免除を受けている者(法定免除、申請全額免除、学生納付特例、納付猶予、一部免除)は、付加保険料を納付できません。
②【H26年出題】
保険料の追納を行い、保険料が納付されたものとみなされた月についても、厚生労働大臣に申し出て、付加保険料を納付することができる。
【解答】
②【H26年出題】 ×
追納を行った月については、付加保険料を納付できません。
③【H30年出題】
付加保険料を納付する者となったものは、いつでも、厚生労働大臣に申し出て、その申し出をした日の属する月以後の各月に係る保険料に限り、付加保険料を納付する者でなくなることができる。
【解答】
③【H30年出題】 ×
付加保険料の納付は、申出によってやめることができます。「その申し出をした日の属する月以後」ではなく、「その申出をした日の属する月の前月以後」の各月の付加保険料を納付する者でなくなることができます。
④【H27年出題】
付加保険料を納付する第1号被保険者が国民年金基金の加入員となったときは、加入員となった日に付加保険料を納付の辞退の申出をしたものとみなされる。
【解答】
④【H27年出題】 〇
国民年金基金の加入員は付加保険料を納付することができません。国民年金基金の加入員となった日に付加保険料の納付の辞退の申出をしたものとみなされます。
⑤【R4年出題】
厚生労働大臣に申し出て付加保険料を納付する者となった者が付加保険料を納期限までに納付しなかったときは、当該納期限の日に付加保険料を納付する者でなくなる申出をしたものとみなされる。
【解答】
⑤【R4年出題】 ×
付加保険料の納期限は、翌月末日です。
納期限までに納付しなかったときでも、納付期限から2年間は付加保険料を納付できます。
問題文のような扱いはありません。
⑥【R2年出題】
日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、厚生労働大臣に申し出て、付加保険料を納付する者となることができる。
【解答】
⑥【R2年出題】 〇
「任意加入被保険者」も、付加保険料を納付できます。
(法附則第5条第9条)
ちなみに「特例による任意加入被保険者」は、付加保険料を納付できません。
(H6法附則第11条)
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R7-094 11.29
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
遺族基礎年金の支給要件について条文を読んでみましょう。
法第37条 遺族基礎年金は、被保険者又は被保険者であった者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の配偶者又は子に支給する。 ただし、第1号又は第2号に該当する場合にあっては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 (1) 被保険者が、死亡したとき。 (2) 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であるものが、死亡したとき。 (3) 老齢基礎年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)が、死亡したとき。 (4) 保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき。 |
(1)と(2)を「短期要件」、(3)と(4)を長期要件といいます。
ポイント!
★(1)と(2)は保険料納付要件が問われます。
★(3)と(4)の25年の計算には、合算対象期間も含みます。
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問6-D】
老齢基礎年金の受給権者であった者が死亡した時には、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が10年以上ある場合(保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算して10年以上ある場合を含む。)は、死亡した者の配偶者又は子に遺族基礎年金が支給される。
【解答】
①【R6年問6-D】 ×
老齢基礎年金の受給権者であった者が死亡した時には、「保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間」が25年以上あることが必要です。
老齢基礎年金は、「保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間」が10年以上あれば受給権が発生しますが、長期要件の遺族基礎年金の場合は25年以上必要です。
②【R6年問6-E】
国民年金の被保険者である者が死亡した時には、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が、当該被保険者期間の3分の2以上ある場合は、死亡した者の配偶者又は子に遺族基礎年金が支給される。
【解答】
②【R6年問6-E】 〇
国民年金の被保険者である者が死亡した時(=短期要件)の場合は、保険料納付要件が問われます。「死亡日の前日」に、死亡日の属する月の「前々月」までの被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が、当該被保険者期間の「3分の2以上」ある場合は、保険料納付要件を満たします。
過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
平成30年4月2日に第1号被保険者が死亡した場合、死亡した者につき、平成30年4月1日において、平成29年3月から平成30年2月までの期間に保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がないときは、遺族基礎年金の保険料納付要件を満たす。
【解答】
①【H30年出題】 〇
保険料納付要件の特例を満たしています。
「死亡日」が令和8年4月1日前にあり、死亡した者が65歳未満であれば、保険料納付要件の特例が適用されます。特例の要件は、「死亡日の前日」に、「死亡日の属する月の前々月までの1年間に保険料の未納がない」ことです。
問題文の場合は、平成30年4月2日に第1号被保険者が死亡(60歳未満)、死亡日の前日(平成30年4月1日)に、死亡日の属する月の前々月までの1年間(平成29年3月から平成30年2月までの期間)に保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がない(=未納がない)ので、特例の要件を満たします。
(S60法附則第20条第2項)
②【R4年出題】
保険料納付済期間又は保険料免除期間(学生納付特例及び納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を合算した期間を23年有している者が、合算対象期間を3年有している場合、遺族基礎年金の支給要件の規定の適用については、「保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上であるもの」とみなされる。
【解答】
②【R4年出題】 〇
長期要件の「25年以上」の計算には、合算対象期間も含みます。
(法附則第9条)
③【H30年出題】
第1号被保険者としての保険料納付済期間を15年有し、当該期間以外に保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を有しない老齢基礎年金を受給中の66歳の者が死亡した。死亡の当時、その者に生計を維持されていた子がいる場合は、当該子に遺族基礎年金が支給される。
※本問における子は18歳に達した日以後の最初の3月31日に達していないものとする。)
【解答】
③【H30年出題】 ×
老齢基礎年金を受給中の66歳の者が死亡した場合、短期要件には該当しないので、「長期要件」で要件をみます。
長期要件の場合、「保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間」が25年以上必要です。
問題文の者は、保険料納付済期間を15年有するのみですので、遺族基礎年金は支給されません。
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R7-093 11.28
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
「学生納付特例制度」について条文を読んでみましょう。
法第90条の3第1項 次の各号のいずれかに該当する学生等である被保険者又は学生等であった被保険者等から申請があったときは、厚生労働大臣は、その指定する期間(学生等である期間又は学生等であった期間に限る。)に係る保険料につき、既に納付されたものを除き、これを納付することを要しないものとし、申請のあった日以後、当該保険料に係る期間を保険料全額免除期間(追納が行われた場合にあっては、当該追納に係る期間を除く。)に算入することができる。 (1) 当該保険料を納付することを要しないものとすべき月の属する年の前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額以下であるとき。 (2) 第90条第1項第2号及び第3号に該当するとき。 ・ 被保険者又は被保険者の属する世帯の他の世帯員が生活保護法による生活扶助以外の扶助その他の援助であって厚生労働省令で定めるものを受けるとき。 ・ 地方税法に定める障害者、寡婦その他の同法の規定による市町村民税が課されない者として政令で定める者であって、当該保険料を納付することを要しないものとすべき月の属する年の前年の所得が135万円以下であるとき。 (3) 保険料を納付することが著しく困難である場合として天災その他の厚生労働省令で定める事由があるとき。 |
(1)の前年の所得について
扶養親族等がないときは、「128万円」となります。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問5-B】
学生納付特例制度を利用することができる学生には高等学校に在籍する生徒も含まれるが、定時制及び通信制課程の生徒は、学生納付特例制度を利用することができない。
【解答】
【R6問5-B】 ×
定時制及び通信制課程の生徒も、学生納付特例制度を利用することができます。
(令第6条の6)
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
前年の所得(1月から3月までの月分の保険料については、前々年の所得。)がその者の扶養親族等の有無及び数に応じ一定額以下の学生である第1号被保険者については、その者の世帯主又は配偶者の前年の所得にかかわらず、国民年金法第90条の3の規定による学生納付特例の適用を受けることができる。
【解答】
①【H28年出題】 〇
学生納付特例の所得要件は、学生本人のみの所得で判断します。
「世帯主又は配偶者」の所得は問われないのがポイントです。
②【H28年選択式】
国民年金法第90条の3第1項に規定する学生の保険料納付特例につき、保険料を納付することを要しないものとされる厚生労働大臣が指定する期間は、申請のあった日の属する月の< A >(同法第91条に規定する保険料の納期限に係る月であって、当該納期限から2年を経過したものを除く。)前の月から当該申請のあった日の属する年の翌年3月(当該申請のあった日の属する月が1月から3月までである場合にあっては、当該申請のあった日の属する年の3月)までの期間のうち必要と認める期間とする。
<選択肢>
① 1年2か月
② 1年6か月
③ 2年2か月
④ 2年6か月
【解答】
<A> ③ 2年2か月
(平成26年3月31日年管発0331第9号)
免除の申請は、保険料の納期限から2年を経過していない期間について行うことができます。
例えば、令和4年9月分の納期限は、令和4年10月31日です。免除の申請期限は、令和6年10月31日までとなります。申請時点から2年1か月前までの期間について、さかのぼって免除等を申請できます。
しかし、休日等の関係で納期限が翌々月になることがあります。その場合は2年2か月前までが対象となります。
厚生労働大臣が指定する期間は、申請のあった日の属する月の2年2か月前の月から申請のあった日の属する年の翌年3月までが対象です。
④【H28年出題】
国民年金法第90条第1項に規定する申請による保険料の全額免除の規定について、学生である期間及び学生であった期間は、その適用を受けることができない。
④【H28年出題】 〇
申請全額免除の対象から、学生は除外されています。
(法第90条第1項)
⑤【R5年出題】
学生納付特例による保険料納付猶予の適用を受けている第1号被保険者が、新たに保険料の法定免除の要件に該当した場合には、その該当するに至った日の属する月の前月から、これに該当しなくなる日の属する月までの期間、法定免除の対象となる。
【解答】
⑤【R5年出題】 〇
保険料の法定免除の要件に該当した場合は、学生も法定免除の適用を受けることができます。
(法第89条)
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R7-092 11.27
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
★脱退一時金は、「日本国籍を有しない者」が対象で、日本を出国した場合に請求できます。
なお、国民年金にも同じく脱退一時金の制度があります。
では、脱退一時金について条文を読んでみましょう。
法附則第29条第1項~第6項 (日本国籍を有しない者に対する脱退一時金の支給) ① 当分の間、被保険者期間が6月以上である日本国籍を有しない者(国民年金の被保険者でないものに限る。)であって、老齢厚生年金の受給資格期間を満たしていない者等は、脱退一時金の支給を請求することができる。ただし、その者が次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 (1) 日本国内に住所を有するとき。 (2) 障害厚生年金その他政令で定める保険給付の受給権を有したことがあるとき。 (3) 最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているとき。 ② 請求があったときは、その請求をした者に脱退一時金を支給する。 ③ 脱退一時金の額は、被保険者であった期間に応じて、その期間の平均標準報酬額(被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、当該被保険者期間の月数で除して得た額をいう。)に支給率を乗じて得た額とする。 ④ 支給率は、最終月(最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月をいう。)の属する年の前年10月の保険料率(最終月が1月から8月までの場合にあっては、前々年10月の保険料率)に2分の1を乗じて得た率に、被保険者であった期間に応じて政令で定める数を乗じて得た率とし、その率に小数点以下1位未満の端数があるときは、これを四捨五入する。 ⑤ 脱退一時金の支給を受けたときは、支給を受けた者は、その額の計算の基礎となった被保険者であった期間は、被保険者でなかったものとみなす。 ⑥ 厚生労働大臣による脱退一時金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。 |
★脱退一時金の計算式
「被保険者であった期間の平均標準報酬額」×「支給率」
★支給率とは
「最終月の属する年の前年10月の保険料率」×「2分の1」×「被保険者期間の区分に応じた支給率計算に用いる数」
★被保険者期間の区分に応じた支給率計算に用いる数
被保険者であった期間 | 支給率計算に用いる数 | 支給率 |
6月以上12月未満 | 6 | 0.5 |
12月以上18月未満 | 12 | 1.1 |
18月以上24月未満 | 18 | 1.6 |
24月以上30月未満 | 24 | 2.2 |
30月以上36月未満 | 30 | 2.7 |
36月以上42月未満 | 36 | 3.3 |
42月以上48月未満 | 42 | 3.8 |
48月以上54月未満 | 48 | 4.4 |
54月以上60月未満 | 54 | 4.9 |
60月以上 | 60 | 5.5 |
例えば、被保険者期間が60月以上の場合の支給率は、
1000分の183×2分の1×60≒5.5となります。(小数点以下1位未満の端数は四捨五入)
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6問8-A】
脱退一時金の支給額は、被保険者であった期間の平均標準報酬額に支給率を乗じた額である。この支給率は、最終月(最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月)の属する年の前年10月(最終月が1月から8月までの場合は、前々年10月)の保険料率に2分の1を乗じて得た率に、被保険者であった期間に応じて政令で定める数を乗じて得た率である。なお、当該政令で定める数の最大値は60である。
【解答】
【R6問8-A】 〇
脱退一時金の支給額の計算に使う「支給率」について確認しましょう。
支給率=「最終月の属する年の前年10月の保険料率」×「2分の1」×「被保険者であった期間に応じて政令で定める数」で計算します。
ちなみに、最終月は、「最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月」です。
最終月の属する年の前年「10月」の保険料率を使いますが、最終月が1月から8月までの場合は、前々年10月の保険料率を使います。
また、「被保険者であった期間に応じて政令で定める数」の最大値は60です。
(令第12条の2)
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
障害厚生年金の支給を受けたことがある場合でも、障害の状態が軽減し、脱退一時金の請求時に障害厚生年金の支給を受けていなければ脱退一時金の支給を受けることができる。
【解答】
①【R2年出題】 ×
「障害厚生年金その他政令で定める保険給付の受給権を有したことがあるとき」は、脱退一時金の支給は受けられません。
②【H30年出題】
脱退一時金は、最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているときは、請求することができない。
【解答】
②【H30年出題】 〇
脱退一時金の請求要件は、「最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日から2年経過していないこと」です。また、国民年金の資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた場合は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年を経過していないことです。
③【R3年出題】
ある日本国籍を有しない者について、最後に厚生年金保険の被保険者資格を喪失した日から起算して2年が経過しており、かつ、最後に国民年金の被保険者資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して1年が経過した。この時点で、この者が、厚生年金保険の被保険者期間を6か月以上有しており、かつ、障害厚生年金等の受給権を有したことがない場合、厚生年金保険法に定める脱退一時金の請求が可能である。
【解答】
③【R3年出題】 〇
最後に厚生年金保険の被保険者資格を喪失した日から起算して2年が経過していても、「最後に国民年金の被保険者資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)」から起算して2年経過していない場合は、脱退一時金の請求が可能です。
問題文は、「最後に国民年金の被保険者資格を喪失した日から1年が経過」となっていますので、厚生年金保険法に定める脱退一時金の請求が可能です。
④【H27年出題】
脱退一時金の額の計算に用いる支給率は、最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月の属する年の前年9月の保険料率に2分の1を乗じて得た率に、被保険者であった期間に応じた数を乗じて得た率とする。
【解答】
④【H27年出題】 ×
最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月の属する年の「前年9月」ではなく「前年10月」です。
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R7-091 11.26
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
保険料の納期限について条文を読んでみましょう。
第82条第1項、2項(保険料の負担及び納付義務) ① 被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料の半額を負担する。 ② 事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う。
法第83条第1項 (保険料の納付) 毎月の保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問7-C】
事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う。毎月の保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。高齢任意加入被保険者の場合は、被保険者が保険料の全額を負担し、自己の負担する保険料を納付する義務を負うことがあるが、その場合も、保険料の納期限は翌月末日である。
【解答】
【R6問7-C】 〇
厚生年金保険の保険料は、被保険者と事業主が、それぞれ半額を負担します。また、事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負い、納期限は翌月末日です。
「適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者」の場合は、事業主の同意がない場合、被保険者が保険料の全額を負担し、自己の負担する保険料を納付する義務を負います。その場合も、保険料の納期限は翌月末日です。
(法第82条、法附則第4条の3)
過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
厚生年金保険の毎月の保険料は、当月末日までに、納付しなければならない。
【解答】
①【H22年出題】 ×
厚生年金保険の毎月の保険料は、当月末日ではなく「翌月末日」までに、納付しなければなりません。
②【H27年出題】
適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者は、保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を滞納し、督促状の指定期限までに、その保険料を納付しないときは、当該保険料の納期限の日に、その資格を喪失する。なお、当該適用事業所の事業主は、保険料を半額負担し、かつ、その保険料納付義務を負うことについて同意していないものとする。
【解答】
②【H27年出題】 ×
「適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者」の場合は、事業主の同意がない場合、被保険者が保険料の全額を負担し、自己の負担する保険料を納付する義務を負います。
その場合の保険料の納期限は翌月末日です。
適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者が、保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を滞納し、督促状の指定期限までに、その保険料を納付しないときは、「納期限の日」ではなく「納期限の属する月の前月の末日」に、その資格を喪失します。
(法附則第4条の3)
③【R2年出題】
厚生年金保険の保険料は、被保険者の資格を取得した月についてはその期間が1日でもあれば徴収されるが、資格を喪失した月については徴収されない。よって月末日で退職したときは退職した日が属する月の保険料は徴収されない。
【解答】
③【R2年出題】 ×
月末日で退職したときは退職した日が属する月の保険料は「徴収されます」。
条文を読んでみましょう。
法第19条第1項 被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。 法第81条第2項 保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき、徴収するものとする。 |
<令和6年4月10日に資格取得、11月26日に退職(11月27日に資格喪失)の場合>
被保険者期間は、令和6年4月~10月まで、保険料の徴収も令和6年4月分から10月分までとなります。
<令和6年4月10日に資格取得、11月30日に退職(12月1日に資格喪失)の場合>
被保険者期間は、令和6年4月~11月まで、保険料の徴収も令和6年4月分から11月分までとなります。
月末退職の場合は、翌月1日が資格喪失となります。保険料は資格を喪失した月の前月まで徴収されますので、月末退職の場合、退職した日の属する月の保険料は徴収されます。
④【H22年出題】
事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所または船舶に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。
【解答】
④【H22年出題】 〇
条文を読んでみましょう。
第84条第1項 事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所又は船舶に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。 |
事業主は、被保険者負担分の保険料を報酬から控除できますが、控除できるのは、「前月の標準報酬月額に係る保険料」です。
また、退職の場合は、「前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料」を報酬から控除することができます。
例えば、11月30日に退職した場合は、11月分まで保険料が徴収されます。
11月支払の報酬から、10月分(前月分)と11月分(当月分)の保険料を控除することができます。
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R7-090 11.25
厚生年金保険の「高齢任意加入被保険者」についてお話しします。
厚生年金保険の被保険者を整理してみましょう。
適用事業所 | 適用事業所以外の事業所 | |
70歳未満 | 当然被保険者 | 任意単独被保険者 |
70歳以上 | 高齢任意加入被保険者 | 高齢任意加入被保険者 |
・「高齢任意加入被保険者」とは、「70歳以上で老齢年金の受給権がない人」です。
・高齢任意加入被保険者には、「厚生年金保険の適用事業所」に使用される者と「適用事業所以外の事業所」に使用される者の2つのパターンがあります。
・加入の手続き、喪失事由、保険料の負担と納付義務などをおさえましょう。
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R7-089 11.24
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年11月18日から11月23日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
★任意継続被保険者のすべてをお話しします(健康保険法)
★再就職手当と高年齢再就職給付金(雇用保険法)
★健康保険の資格取得と喪失(健康保険法)
★資格喪失後の傷病手当金の継続給付(健康保険法)
★一人一年金の原則(厚生年金保険法)
★遺族厚生年金の遺族の要件(厚生年金保険法)
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R7-088 11.23
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
遺族厚生年金の遺族について条文を読んでみましょう。
法第59条第1項、2項 ① 遺族厚生年金を受けることができる遺族は、被保険者又は被保険者であった者の配偶者、子、父母、孫又は祖父母であって、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時(失踪の宣告を受けた被保険者であった者にあっては、行方不明となった当時。)その者によって生計を維持したものとする。ただし、妻以外の者にあっては、次に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。 (1) 夫、父母又は祖父母については、55歳以上であること。 (2) 子又は孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、又は20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。 ② 父母は、配偶者又は子が、孫は、配偶者、子又は父母が、祖父母は、配偶者、子、父母又は孫が遺族厚生年金の受給権を取得したときは、それぞれ遺族厚生年金を受けることができる遺族としない。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問5-ウ】
厚生年金保険の被保険者が死亡したときに、被保険者によって生計を維持されていた遺族が50歳の父と54歳の母だけであった場合、父には遺族厚生年金の受給権は発生せず、母にのみ遺族厚生年金の受給権が発生する。
【解答】
【R6問5-ウ】 ×
「父母」は、被保険者の死亡当時「55歳以上」であることが要件です。
50歳の父と54歳の母については、どちらにも遺族厚生年金の受給権は発生しません。
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上ある者とする。)が行方不明になり、その後失踪の宣告を受けた場合、失踪者の遺族が遺族厚生年金を受給するに当たっての生計維持に係る要件については、行方不明となった当時の失踪者との生計維持関係が問われる。
【解答】
①【R2年出題】 〇
生計維持関係は、「被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時」 で判断するのが原則です。
ただし、失踪の宣告を受けた被保険者であった者については、「行方不明となった当時」の生計維持関係が問われます。
②【R1年出題】
被保険者であった妻が死亡した当時、当該妻により生計を維持していた54歳の夫と21歳の当該妻の子がいた場合、当該子は遺族厚生年金を受けることができる遺族ではないが、当該夫は遺族厚生年金を受けることができる遺族である。
【解答】
②【R1年出題】 ×
54歳の夫と21歳の子は、どちらも遺族厚生年金を受けることができる遺族ではありません。
③【R2年出題】
遺族厚生年金は、被保険者の死亡当時、当該被保険者によって生計維持されていた55歳以上の夫が受給権者になることはあるが、子がいない場合は夫が受給権者になることはない。
【解答】
③【R2年出題】 ×
55歳以上の夫は受給権者になり得ます。子の有無は問われません。
④【R2年出題】
被保険者の死亡当時10歳であった遺族厚生年金の受給権者である被保険者の子が、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したことによりその受給権を失った場合において、その被保険者の死亡当時その被保険者によって生計を維持していたその被保険者の父がいる場合でも、当該父が遺族厚生年金の受給権者となることはない。
【解答】
④【R2年出題】 〇
遺族厚生年金には転給がありません。
遺族厚生年金を受けることができる遺族の順位を確認しましょう。
① | 配偶者又は子 |
② | 父母 |
③ | 孫 |
④ | 祖父母 |
例えば、被保険者等の死亡当時、「配偶者又は子」がいる場合は、父母以下は遺族厚年金を受けることはできません。
問題文の場合、被保険者の子が遺族厚生年金の受給権を取得した場合は、被保険者の父は遺族となりません。その後、子の受給権が消滅したとしても、父に受給権が転給することもありません。
⑤【R5年出題】
遺族厚生年金を受けることができる遺族のうち、夫については、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた者で、55歳以上であることが要件とされており、かつ、60歳に達するまでの期間はその支給が停止されるため、国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときも、55歳から遺族厚生年金を受給することはない。
【解答】
⑤【R5年出題】 ×
夫は、被保険者等の死亡の当時その者によって生計を維持していた者で、55歳以上であれば遺族厚生年金の受給権者となりますが、60歳に達するまでの期間はその支給が停止されます。
ただし、国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは、遺族厚生年金の支給停止は解除され、遺族厚生年金を受給することができます。
条文を読んでみましょう。
第65条の2 夫、父母又は祖父母に対する遺族厚生年金は、受給権者が60歳に達するまでの期間、その支給を停止する。ただし、夫に対する遺族厚生年金については、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、夫が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは、この限りでない。 |
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R7-087 11.22
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
年金の併給調整について条文を読んでみましょう。
第38条第1項、法附則第17条 (併給の調整) 障害厚生年金は、その受給権者が他の年金たる保険給付又は国民年金法による年金たる給付(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される障害基礎年金を除く。)を受けることができるときは、その間、その支給を停止する。 老齢厚生年金の受給権者が他の年金たる保険給付(遺族厚生年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)を除く。)又は同法による年金たる給付(老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)を受けることができる場合における当該老齢厚生年金についても同様とする。 遺族厚生年金の受給権者が他の年金たる保険給付(老齢厚生年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)を除く。)又は同法による年金たる給付(老齢基礎年金及び付加年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)、障害基礎年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)並びに当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される遺族基礎年金を除く。)を受けることができる場合における当該遺族厚生年金についても、同様とする。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問5-イ】
厚生年金保険の被保険者である甲は令和2年1月1日に死亡した。甲の死亡時に甲によって生計を維持されていた遺族は、妻である乙(当時40歳)と子である丙(当時10歳)であり、乙が甲の死亡に基づく遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給していた。しかし、令和6年8月1日に、乙も死亡した。乙は死亡時に厚生年金保険の被保険者であった。また、乙によって生計を維持されていた遺族は丙だけである。この場合、丙が受給権を有する遺族厚生年金は、甲の死亡に基づく遺族厚生年金と乙の死亡に基づく遺族厚生年金である。丙は、そのどちらかを選択して受給することができる。
【解答】
【R6問5-イ】 〇
1人に対して、複数の年金の受給権が発生することがあります。
問題文の丙には、「甲の死亡に基づく遺族厚生年金」と「乙の死亡に基づく遺族厚生年金」の受給権が発生していますが、同じ遺族厚生年金でも、甲の死亡に基づくものと乙の死亡に基づくものは別です。
「1人1年金の原則」に基づいて、丙は、そのどちらかを選択して受給することになります。ちなみに、選択しなかった方の年金は、支給停止されます。
(法第38条)
過去問をどうぞ!
①【R4年出題】
次のアからオの記述のうち、厚生年金保険法第38条第1項及び同法附則第17条の規定によってどちらか一方の年金の支給が停止されるものの組合せとして正しいものはいくつあるか。ただし、いずれも、受給権者は65歳に達しているものとする。
ア 老齢基礎年金と老齢厚生年金
イ 老齢基礎年金と障害厚生年金
ウ 障害基礎年金と老齢厚生年金
エ 障害基礎年金と遺族厚生年金
オ 遺族基礎年金と障害厚生年金
【解答】
①【R4年出題】
ア 老齢基礎年金と老齢厚生年金 → 併給できる
イ 老齢基礎年金と障害厚生年金 → 併給できない
ウ 障害基礎年金と老齢厚生年金 → 併給できる
エ 障害基礎年金と遺族厚生年金 → 併給できる
オ 遺族基礎年金と障害厚生年金 → 併給できない
どちらか一方の年金の支給が停止されるもの組み合わせは、イとオの2つです。
②【H23年出題】
障害厚生年金は、老齢基礎年金及び付加年金並びに当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される障害基礎年金と併給できるが、遺族基礎年金とは併給できない。
【解答】
②【H23年出題】 ×
障害厚生年金は、当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される障害基礎年金と併給できます。
障害厚生年金は、「老齢基礎年金及び付加年金」、「遺族基礎年金」とは併給できません。
②【H26年出題】
障害基礎年金の受給権者である男性が65歳で遺族厚生年金の受給権を得た場合、それぞれを併給することができる。
【解答】
②【H26年出題】 〇
「65歳以上」の場合、「障害基礎年金」と「遺族厚生年金」は、併給することができます。
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R7-086 11.21
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
資格喪失後の継続給付について条文を読んでみましょう。
第104条 (傷病手当金又は出産手当金の継続給付) 被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、その資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる。 |
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6問4-E】
被保険者(任意継続被保険者を除く。)の資格を喪失した日以後に傷病手当金の継続給付の規定により傷病手当金の支給を始める場合においては、その資格を喪失した日の前日において当該被保険者であった者が属していた保険者等により定められた直近の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を傷病手当金の額の算定の基礎に用いる。
【解答】
【R6問4-E】 〇
資格喪失後の傷病手当金の継続給付は、被保険者の資格を喪失した日の前日において被保険者であった者が属していた保険者等により定められた直近の継続した12か月間の各月の標準報酬月額が、傷病手当金の額の算定の基礎に用いられます。
(法第84条の2)
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
資格喪失後の継続給付としての傷病手当金を受けるためには、資格喪失日の前日まで引き続き1年以上被保険者であったことが要件の1つとされているが、転職等により異なった保険者における被保険者期間(1日の空白もなく継続しているものとする。)を合算すれば1年になる場合には、その要件を満たすものとされている。なお、これらの被保険者期間には、任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者の期間は含まれないものとする。
【解答】
①【R1年出題】 〇
資格喪失後の継続給付としての傷病手当金を受けるための要件に、「資格喪失日の前日まで引き続き1年以上被保険者であったこと」があります。
転職等で異なった保険者における被保険者期間だったとしても、合算して1年になれば、要件を満たします。なお、1日の空白もなく継続していなければなりません。
また、任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者の期間は含みません。
(法第104条)
②【R4年出題】
共済組合の組合員として6か月間加入していた者が転職し、1日の空白もなく、A健康保険組合の被保険者資格を取得して7か月間加入していた際に、療養のため労務に服することができなくなり傷病手当金の受給を開始した。この被保険者が、傷病手当金の受給を開始して3か月が経過した際に、事業所を退職し、A健康保険組合の任意継続被保険者になった場合でも、被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けていることから、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から傷病手当金の給付を受けることができる。
【解答】
②【R4年出題】 ×
図にしてみましょう。
退職
共済組合 6か月 | A健康保険組合 10か月 | |
|
| 傷病手当金 |
資格喪失後の継続給付としての傷病手当金を受けるためには、「資格喪失日の前日まで引き続き1年以上被保険者であったこと」が必要です。「1年以上」には、共済組合の組合員であった期間は含みません。
問題文は、A健康保険組合の期間が10か月しかありませんので、傷病手当金の継続給付は受けられません。
(法第104条)
③【H27年出題】
継続して1年以上健康保険組合の被保険者(任意継続被保険者又は特例退職被保険者を除く。)であった者であって、被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている者は、資格喪失後に任意継続被保険者になった場合でも、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から傷病手当金を受けることができるが、資格喪失後に特例退職被保険者となった場合には、傷病手当金の継続給付を受けることはできない。
【解答】
③【H27年出題】 〇
・資格喪失後に任意継続被保険者になった場合
→ 資格喪失後の傷病手当金の継続給付を受けることができます。
・資格喪失後に特例退職被保険者となった場合
→ 資格喪失後の傷病手当金の継続給付を受けることはできません。
(法第104条、法附則第3条第5項)
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R7-085 11.20
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
さっそく令和6年の問題をどうぞ!
【R6問1-C】
一般労働者派遣事業の事業所に雇用される登録型派遣労働者が、派遣就業に係る雇用契約の終了後、1か月以内に同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約が締結されなかった場合には、その雇用契約が締結されないことが確実になった日又は当該1か月を経過した日のいずれか遅い日をもって使用関係が終了したものとし、その使用関係終了日から5日以内に事業主は被保険者資格喪失届を提出する義務が生じるものであって、派遣就業に係る雇用契約の終了時に遡って被保険者資格を喪失させるものではない。
【解答】
【R6問1-C】 ×
派遣労働者の社会保険は、雇用関係にある「派遣元事業主(派遣会社)」で、適用されます
★登録型派遣労働者の適用
→ 派遣就業に係る一の雇用契約の終了後、最大1か月以内に、同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約(1か月以上のものに限る。)が確実に見込まれるときは、使用関係が継続しているものとして取り扱い、被保険者資格は喪失させないこととして差し支えないとされています。
★被保険者資格の喪失手続等
→ 登録型派遣労働者について、1か月以内に次回の雇用契約が締結されなかった場合には、その雇用契約が締結されないことが確実となった日又は当該1か月を経過した日のいずれか早い日をもって使用関係が終了したものとし、その使用関係終了日から5日以内に事業主は資格喪失届を提出する義務が生じるものであって、派遣就業に係る雇用契約の終了時に遡って被保険者資格を喪失させるものではないこととされています。
問題文では、その雇用契約が締結されないことが確実になった日又は当該1か月を経過した日のいずれか「遅い日をもって」、の部分が誤りです。
ちなみに、「一般労働者派遣事業(許可制)」と「特定労働者派遣事業(届出制)」の区別は廃止されています。すべての労働者派遣事業が「許可制」となっています。
(H27.9.30保保発0930第9号、年管管発0930第11号)
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
適用事業所に期間の定めなく採用された者について、就業規則に2か月の試用期間が定められている場合は、その間は被保険者とならず、試用期間を経過した日の翌日から被保険者となる。
【解答】
①【H26年出題】 ×
被保険者は、「適用事業に使用されるに至った日」から資格を取得します。
試用期間だとしても、適用事業に使用されていますので、試用期間を経過した日の翌日からではなく、入社した日に資格を取得します。
(法第35条)
②【R2年出題】
新たに適用事業所に使用されることになった者が、当初から自宅待機とされた場合の被保険者資格については、雇用契約が成立しており、かつ、休業手当が支払われているときは、その休業手当の支払いの対象となった日の初日に被保険者の資格を取得するものとされている。
【解答】
②【R2年出題】 〇
当初から自宅待機とされた場合は、雇用契約が成立している、かつ、休業手当が支払われているときは、休業手当の支払いの対象となった日の初日に被保険者の資格を取得します。
(昭50.3.29保険発第25号・庁保険発第8号)
③【R5年出題】
事業所の休業にかかわらず、事業主が休業手当を健康保険の被保険者に支給する場合、当該被保険者の健康保険の被保険者資格は喪失する。
【解答】
③【R5年出題】 ×
一時帰休中の者の被保険者資格については、休業手当が支払われるときは、被保険者の資格は存続するものとされています。
(昭50.3.29保険発第25号・庁保険発第8号)
④【H27年出題】
被保険者が解雇され(労働法規又は労働協約に違反することが明らかな場合を除く。)、事業主から資格喪失届が提出された場合、労使双方の意見が対立し、当該解雇について裁判が提起されたときにおいても、裁判において解雇無効が確定するまでの間は、被保険者の資格を喪失したものとして取り扱われる。
【解答】
④【H27年出題】 〇
解雇行為が労働法規又は労働協約に違反することが明らかな場合を除いて、事業主から被保険者資格喪失届の提出があったときは、裁判が提起されたときでも、一応資格を喪失したものとしてこれを受理し、被保険者証の回収等、所定の手続をなすこととされています。
(昭25.10.9保発第68号)
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R7-085 11.19
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、雇用保険法の択一式です。
「再就職手当」の要件をみてみましょう。
法第56条の3第1項第1号ロ 厚生労働省令で定める安定した職業に就いた者であって、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が当該受給資格に基づく所定給付日数の3分の1以上であるもの |
「高年齢再就職給付金」の要件をみてみましょう。
第61条の2第1項 高年齢再就職給付金は、受給資格者(その受給資格に係る離職の日における算定基礎期間が5年以上あり、かつ、当該受給資格に基づく基本手当の支給を受けたことがある者に限る。)が60歳に達した日以後安定した職業に就くことにより被保険者となった場合において、当該被保険者に対し再就職後の支給対象月に支払われた賃金の額が、当該基本手当の日額の算定の基礎となった賃金日額に30を乗じて得た額の100分の75に相当する額を下るに至ったときに、当該再就職後の支給対象月について支給する。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 (1) 当該職業に就いた日の前日における支給残日数が、100日未満であるとき。 (2) 再就職後の支給対象月に支払われた賃金の額が、支給限度額以上であるとき。 |
「再就職手当」と「高年齢再就職給付金」の両方の要件にあてはまった場合はどうなるでしょう?
第61条の2第4項 高年齢再就職給付金の支給を受けることができる者が、同一の就職につき就業促進手当(第56条の3第1項第1号ロに該当する者に係るもの(=再就職手当)に限る。)の支給を受けることができる場合において、その者が就業促進手当の支給を受けたときは高年齢再就職給付金を支給せず、高年齢再就職給付金の支給を受けたときは就業促進手当を支給しない。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問6-B】
就業促進手当(厚生労働省令で定める安定した職業に就いた者であって、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が当該受給資格に基づく所定給付日数の3分の1以上であるものに限る。)を受けたときは、当該就業促進手当に加えて同一の就職につき高年齢再就職給付金を受けることができる。
【解答】
【R6問6-B】 ×
就業促進手当(厚生労働省令で定める安定した職業に就いた者であって、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が当該受給資格に基づく所定給付日数の3分の1以上であるものに限る。)とは、再就職手当のことです。
「再就職手当」を受けたときは、高年齢再就職給付金は支給されません。「当該就業促進手当に加えて同一の就職につき高年齢再就職給付金を受けることができる。」は誤りです。
過去問をどうぞ!
①【R4年出題】
高年齢再就職給付金の支給を受けることができる者が同一の就職につき再就職手当の支給を受けることができる場合、その者の意思にかかわらず高年齢再就職給付金が支給され、再就職手当が支給停止となる。
【解答】
①【R4年出題】 ×
高年齢再就職給付金の支給を受けることができる者が同一の就職につき再就職手当の支給を受けることができる場合、「その者の意思にかかわらず高年齢再就職給付金が支給され、再就職手当が支給停止となる。」ではなく、「再就職手当の支給を受けたときは高年齢再就職給付金を支給せず、高年齢再就職給付金の支給を受けたときは再就職手当を支給しない。」となります。
②【R1年出題】
厚生労働省で定める安定した職業に就いた者であって、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が当該受給資格に基づく所定給付日数の3分の1以上あるものは、就業手当を受給することができる。
【解答】
②【R1年出題】 ×
「安定した職業」に就いた者で、基本手当の支給残日数が「3分の1以上」あるものが受給できるのは、就業手当ではなく「再就職手当」です。
ちなみに、「就業手当」を受給できるのは、「職業に就いた者(安定した職業に就いた者を除く。)」で、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が当該受給資格に基づく所定給付日数の「3分の1以上かつ45日以上」であるものです。
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R7-084 11.18
任意継続被保険者のすべてをお話しします。
①任意継続被保険者の要件
「申出」の期限は?
②任意継続被保険者の資格の喪失
「翌日喪失」or「当日喪失」がポイント
任意継続被保険者をやめる申出
③任意継続被保険者の標準報酬月額
④任意継続被保険者の保険料
保険料を納付期日までに納付しなかったとき
前納について
⑤任意継続被保険者の保険給付
傷病手当金、出産手当金の扱い
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R7-083 11.17
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年11月11日から11月16日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
★国民年金の第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者についてお話しします
★基準障害による障害基礎年金について(国民年金法)
★テレワークと事業場外みなし労働時間制(労働基準法)
★高度プロフェッショナル制度の導入(決議の届出)(労働基準法)
★年次有給休暇の発生要件である出勤率(労働基準法)
★労災特別加入(海外派遣者)について(労災保険法)
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R7-082 11.16
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労災保険法の択一式です。
特別加入には、次の3つの種類があります。
中小事業主及びその事業に従事する労働者以外の者(役員等) |
一人親方その他の自営業者及びその者が行う事業に従事する労働者以外の者(家族従事者等) 特定作業従事者 |
海外派遣者 |
今日は、「海外派遣者」についてみていきます。
海外派遣者として特別加入できるものの範囲を確認しましょう。(労災保険法第33条)
■独立行政法人国際協力機構など開発途上地域に対する技術協力の実施の事業(有期事業を除く)を行う団体から派遣されて、開発途上地域で行われている事業に従事する者
■日本国内の事業主(有期事業を除く)から、海外で行われる事業に労働者として派遣される者
※「労働者として派遣される者」と「海外にある中小規模の事業に事業主等として派遣される者」があります。
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6問6-A】
海外派遣者は、派遣元の団体又は事業主が、海外派遣者を特別加入させることについて政府の承認を申請し、政府の承認があった場合に特別加入することができる。
【解答】
①【R6問6-A】 〇
海外派遣者は、派遣元の団体又は事業主が、政府の承認を申請し、政府の承認があった場合に特別加入することができます。
(法第36条)
②【R6問6-B】
海外派遣者と派遣元の事業との雇用関係が、転勤、在籍出向、移籍出向等のいずれの形態で処理されていても、派遣元の事業主の命令で海外の事業に従事し、その事業との間に現実の労働関係をもつ限りは、特別加入の資格に影響を及ぼすものではない。
【解答】
②【R6問6-B】 〇
海外派遣者と派遣元の事業との雇用関係は、転勤、在籍出向、移籍出向など様々な形態で処理されていたとしても、派遣元の事業主の命令で海外の事業に従事し、その事業との間に現実の労働関係をもつ限りは、特別加入の資格に影響を及ぼすものではありません。
(S52.330労働省発労徴第21号・基発第192号)
ちなみに、「海外出張」については、特別加入しなくても、国内の所属の事業場の労災保険から保険給付が行われます。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
海外派遣者について、派遣先の海外の事業が厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業に該当する場合であっても、その事業の代表者は、労災保険の特別加入の対象とならない。
【解答】
①【H24年出題】 ×
派遣先の海外の事業が中小規模の場合は、その事業の代表者は、労災保険の海外派遣者として特別加入の対象となります。
中小規模の事業(特定事業といいます)は以下の通りです。
業 種 | 労働者数 |
金融業・保険業・不動産業・小売業 | 50人以下 |
卸売業・サービス業 | 100人以下 |
上記以外の業種 | 300人以下 |
なお、特定事業に該当しない場合は、代表者などは特別加入できません。労働者のみが対象となります。
②【H26年出題】
日本に本社を有する企業であれば、その海外支店に直接採用された者についても、所轄都道府県労働局長に特別加入の申請をして承認を受けることによって、労災保険法が適用される。
【解答】
②【H26年出題】 ×
現地採用者は、海外派遣者特別加入制度の趣旨及びその加入の要件からみて、特別加入の資格がない、とされています。
問題文の海外支店に直接採用された者は、特別加入できません。
(S52.330労働省発労徴第21号・基発第192号)
③【R3年出題】
日本国内で行われている有期事業でない事業を行う事業主から、海外(業務災害、複数業務要因災害及び通勤災害に関する保護制度の状況その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める国の地域を除く。)の現地法人で行われている事業に従事するため派遣された労働者について、急な赴任のため特別加入の手続きがなされていなかった。この場合、海外派遣されてからでも派遣元の事業主(日本国内で実施している事業について労災保険の保険関係が既に成立している事業主)が申請すれば、政府の承認があった場合に特別加入することができる。
【解答】
③【R3年出題】 〇
海外派遣者として特別加入できるのは、新たに派遣される者に限りません。既に海外の事業に派遣されている者を特別加入させることも可能である、とされています。
海外派遣されてからでも派遣元の事業主が申請すれば、政府の承認があった場合に特別加入することができます。
(S52.330労働省発労徴第21号・基発第192号)
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R7-081 11.15
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
年次有給休暇の発生要件について条文を読んでみましょう。
第39条第1項 使用者は、その雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。 |
年次有給休暇の発生には
・6か月間継続勤務していること
・出勤率が8割以上あること
今回は、「出勤率」をみていきます。
出勤率は「全労働日(労働義務のある日)」に対する「出勤した日」の割合です。
出勤した日 |
全労働日 |
で算定します。
★出勤したとみなされる期間があります。
法第39条第10項 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定する育児休業又は介護休業をした期間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業した期間は、これを出勤したものとみなす。 |
また、「年次有給休暇」を取得した日も、出勤したものとみなされます。
(H6.3.31基発181号)
★出勤率の基礎となる全労働日について
① 年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の日数は就業規則その他によって定められた所定休日を除いた日をいい、各労働者の職種が異なること等により異なることもあり得る。
したがって、所定の休日に労働させた場合には、その日は、全労働日に含まれないものである。
② 労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日は、③に該当する場合を除き、出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるものとする。
例えば、裁判所の判決により解雇が無効と確定した場合や、労働委員会による救済命令を受けて会社が解雇の取消しを行った場合の解雇日から復職日までの不就労日のように、労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日が考えられる。
③ 労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日であっても、次に掲げる日のように、当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でないものは、全労働日に含まれないものとする。
(1) 不可抗力による休業日
(2) 使用者側に起因する経営、管理上の障害による休業日
(3) 正当な同盟罷業その他正当な争議行為により労務の提供が全くなされなかった日
(H25.7.10基発0710第3号)
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問6-E】
産前産後の女性が労働基準法第65条の規定によって休業した期間及び生理日の就業が著しく困難な女性が同法第68条の規定によって就業しなかった期間は、同法第39条第1項「使用者は、その雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。」の適用においては、これを出勤したものとみなす。
【解答】
【R6年問6-E】 ×
生理日の就業が著しく困難な女性が就業しなかった期間」は、労働基準法上出勤したものとみなされませんが、「当事者の合意によって出勤したものとみなすことも差し支えない」とされています。
(H22.5.18基発0518第1号)
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
年次有給休暇を取得した日は、出勤率の計算においては、出勤したものとして取り扱う。
【解答】
①【H28年出題】 〇
年次有給休暇を取得した日は、「出勤した」ものとして出勤率を計算します。
②【H28年出題】
全労働日と出勤率を計算するに当たり、法定休日を上回る所定の休日に労働させた場合におけるその日は、全労働日に含まれる。
【解答】
②【H28年出題】 ×
「所定の休日に労働させた」場合におけるその日は、全労働日に「含まれません」。
(H25.7.10基発0710第3号)
③【H26年選択式】
最高裁判所は、労働基準法39条に定める年次有給休暇権の成立要件に係る「全労働日」(同条第1項、2項)について、次のように判示した。
「法39条1項及び2項における前年度の全労働日に係る出勤率が8割以上であることという年次有給休暇権の成立要件は,法の制定時の状況等を踏まえ,労働者の責めに帰すべき事由による欠勤率が特に高い者をその対象から除外する趣旨で定められたものと解される。このような同条1項及び2項の規定の趣旨に照らすと,前年度の総暦日の中で,就業規則や労働協約等に定められた休日以外の不就労日のうち,労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえないものは,不可抗力や使用者側に起因する経営,管理上の障害による休業日等のように当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でなく全労働日から除かれるべきものは別として,上記出勤率の算定に当たっては,出勤日数に算入すべきものとして全労働日に< A >と解するのが相当である。
無効な解雇の場合のように労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日は,労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえない不就労日であり,このような日は使用者の責めに帰すべき事由による不就労日であっても当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でなく全労働日から除かれるべきものとはいえないから,法39条1項及び2項における出勤率の算定に当たっては,出勤日数に算入すべきものとして全労働日に< A >というべきである。」
<選択肢>
① 影響を与えない ② 影響を与えるもの
③ 含まれない ④ 含まれるもの
【解答】
A ④ 含まれるもの
(平成25年6月6日 第一小法廷判決)
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R7-081 11.14
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
「高度プロフェッショナル制度」の導入手順を確認しましょう。
①労使委員会を設置する
↓
②労使委員会で決議をする
※委員の5分の4以上の多数による決議がなされていることが条件です。
↓
③労使委員会の決議を所轄労働基準監督署長に届け出る
↓
④対象労働者の同意を書面で得る
↓
⑤対象労働者を対象業務に就かせる
条文を読んでみましょう。
第41条の2第1項 賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限る。)が設置された事業場において、当該委員会がその委員の5分の4以上の多数による議決により定められた事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、対象労働者であって書面その他の厚生労働省令で定める方法によりその同意を得たものを当該事業場における一定の業務に就かせたときは、労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない。ただし、第3号から第5号までに規定する措置のいずれかを使用者が講じていない場合は、この限りでない。 (以下省略します) |
高度プロフェッショナル制度の対象になる労働者には、労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定が適用されません。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問5-オ】
労働基準法第41条の2に定めるいわゆる高度プロフェッショナル制度は、同条に定める委員会の決議が単に行われただけでは足りず、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を所轄労働基準監督署長に届け出ることによって、この制度を導入することができる。
【解答】
【R6年問5-オ】 〇
高度プロフェッショナル制度の導入については、労使委員会の決議を所轄労働基準監督署長に届け出ることによって、効力が生じます。
単に労使委員会の決議が行われただけでは、導入できません。
過去問をどうぞ!
①【H17年出題】
労働基準法第38条の4に規定するいわゆる企画業務型裁量労働制を採用するために行われる同条第1項の委員会の決議は、所轄労働基準監督署長に届出をしなければならないが、これはあくまでも取締規定であり、届出をしないからといって、同項による企画業務型裁量労働制の効力発生に影響するものではない。
【解答】
①【H17年出題】 ×
企画業務型裁量労働制を採用するための労使委員会の決議は、所轄労働基準監督署長に届出をしなければなりません。届出を行わない場合は、企画業務型裁量労働制の効力は発生しません。
(法第38条の4、H12.1.1基発第1号)
②【H24年出題】
労働基準法第36条に定めるいわゆる36協定は、これを所轄労働基準監督署長に届け出てはじめて使用者が労働者に適法に時間外労働又は休日労働を行わせることを可能とするのであって、法定労働時間を超えて労働させる場合、単に同協定を締結したのみでは、労働基準法違反の責めを免れない。
【解答】
②【H24年出題】 〇
36協定は、所轄労働基準監督署長に届け出てはじめて、時間外労働等を行わせることが適法となります。単に同協定を締結したのみでは、労働基準法違反の責めを免れません。
(法第36条第1項)
条文で確認しましょう。
第36条第1項 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この条において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。 |
③【R3年出題】
令和3年4月1日から令和4年3月31日までを有効期間とする書面による時間外及び休日労働に関する協定を締結し、これを令和3年4月9日に厚生労働省令で定めるところにより所轄労働基準監督署長に届け出た場合、令和3年4月1日から令和3年4月8日までに行われた法定労働時間を超える労働は、適法なものとはならない。
【解答】
③【R3年出題】 〇
36協定を所轄労働基準監督署長に届け出ることによって、時間外労働等は適法となります。
令和3年4月9日に所轄労働基準監督署長に届け出た場合は、効力が発生するのはその日以降ですので、令和3年4月1日から令和3年4月8日までに行われた法定労働時間を超える労働は、労働基準法違反となります。
④【R4年出題】
労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制を労使協定を締結することにより採用する場合、当該労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出ないときは1か月単位の変形労働時間制の効力が発生しない。
【解答】
④【R4年出題】 ×
1か月単位の変形労働時間制を労使協定を締結することにより採用する場合は、労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません。
ただし、届出は労使協定の効力の発生要件ではありません。届出をしていなくても、労使協定が締結されていれば1か月単位の変形労働時間制の効力が発生します。
なお、届出をしなくても効力は発生しますが、届出を怠ったことに対して罰則が適用されます。
(法第32条の2)
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R7-080 11.13
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
★在宅勤務については、事業主が労働者の私生活にむやみに介入すべきではない自宅で勤務が行われ、労働者の勤務時間帯と日常生活時間帯が混在せざるを得ない働き方であることから、一定の場合には、労働時間を算定し難い働き方として、労働基準法第38条の2で規定する事業場外労働のみなし労働時間制(以下「みなし労働時間制」という。)を適用することができる。 在宅勤務についてみなし労働時間制が適用される場合は、在宅勤務を行う労働者が就業規則等で定められた所定労働時間により勤務したものとみなされることとなる。業務を遂行するために通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合には、当該必要とされる時間労働したものとみなされ、労使の書面による協定があるときには、協定で定める時間が通常必要とされる時間とし、当該労使協定を労働基準監督署長へ届け出ることが必要となる(労働基準法第38条の2)。 (H20.7.28基発第0728001号) |
では、事業場外みなし労働時間制の条文を読んでみましょう。
第38条の2 ① 労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。 ② ①のただし書の場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間を当該業務の遂行に通常必要とされる時間とする。 ③ 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、労使協定を行政官庁に届け出なければならない。 則第24条の2第3項 労使協定の届出は、所轄労働基準監督署長にしなければならない。ただし、労使協定で定める時間が法定労働時間以下である場合には、当該協定を届け出ることを要しない。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問5-ウ】
労働者が情報通信技術を利用して行う事業場外勤務(テレワーク)においては、「情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと」さえ満たせば、労働基準法第38条の2に定めるいわゆる事業場外みなし労働時間制を適用することができる。
【解答】
【R6問5-ウ】 ×
「テレワーク」に、事業場外みなし労働時間制を適用できる条件を確認しましょう。
★次に掲げるいずれの要件をも満たす形態で行われる在宅勤務(労働者が自宅で情報通信機器を用いて行う勤務形態をいう。)については、原則として、労働基準法第38条の2に規定する事業場外労働に関するみなし労働時間制が適用されます。
①当該業務が、起居寝食等私生活を営む自宅で行われること。
②当該情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと。
③当該業務が、随時使用者の具体的な指示に基づいて行われていないこと。
(H16.3.5基発第0305001号)
「情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと」のみでは、適用されません。
過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
労働基準法第38条の2に定めるいわゆる事業場外労働のみなし制は、情報通信機器を用いて行う在宅勤務の場合、どのような要件の下でも、結局は当該通信機器を通じて使用者の管理を受けることとなるため、適用されない。
【解答】
①【H22年出題】 ×
上の令和6年の問題の解説のように、要件を満たした場合、情報通信技術を利用して行う事業場外勤務(テレワーク)にも、労働基準法第38条の2に定めるいわゆる事業場外労働のみなし労働時間制が適用されます。
②【H18年出題】
労働基準法第38条の2の規定によれば、労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、原則として所定労働時間労働したものとみなされるが、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなされる。この場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間が、当該業務の遂行に通常必要とされる時間とされる。
【解答】
②【H18年出題】 〇
・労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合で、労働時間を算定し難いとき
↓
<原則>所定労働時間労働したものとみなされる
<業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合>
当該業務に関しては、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなされる。
<労使協定があるとき>
労使協定で定める時間が、当該業務の遂行に通常必要とされる時間とされる
③【R1年出題】
労働基準法第38条の2に定めるいわゆる事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定で定める時間が法定労働時間以下である場合には、当該労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出る必要はない。
【解答】
③【R1年出題】 〇
事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定は、所轄労働基準監督署長に届け出なければなりませんが、労使協定で定める時間が法定労働時間以下の場合は、労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出る必要はありません。
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R7-079 11.12
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
基準障害による障害基礎年金とは?
・複数の障害があるが、単独では障害等級1・2級に該当しない
↓
・併合して初めて障害等級1・2級に該当すると、障害基礎年金が支給される仕組み
↓
・併合のきっかけになる傷病が「基準傷病」、基準傷病にかかる障害が「基準障害」
↓
・基準障害の障害認定日が基準障害による障害基礎年金の障害認定日になる
↓
・初診日、保険料納付要件は、「基準障害」について問われる
第1の傷病 | ● ● 初診日 障害認定日 | |||||
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| 併合 初めて2級以上に該当 | |
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基準傷病 |
| ● ● 初診日 障害認定日 |
基準障害による障害基礎年金の条文を読んでみましょう。
第30条の3 ① 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(以下「基準傷病」という。)に係る初診日において第30条第1項各号のいずれかに該当した者であって、基準傷病以外の傷病により障害の状態にあるものが、基準傷病に係る障害認定日以後65歳に達する日の前日までの間において、初めて、基準傷病による障害(以下「基準障害」という。)と他の障害とを併合して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったとき(基準傷病の初診日が、基準傷病以外の傷病(基準傷病以外の傷病が2以上ある場合は、基準傷病以外のすべての傷病)の初診日以降であるときに限る。)は、その者に基準障害と他の障害とを併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。 ③ 基準障害による障害基礎年金の支給は、当該障害基礎年金の請求があった月の翌月から始めるものとする。 |
★保険料納付要件は、「基準傷病」に係る初診日の前日で判断されます。
(法第30条の3第2項)
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問10-D】
国民年金法第30条の3に規定するいわゆる基準障害による障害基礎年金は、65歳に達する日の前日までに、基準障害と他の障害とを併合して初めて障害等級1級又は2級に該当する程度の障害の状態となった場合に支給される。ただし、請求によって受給権が発生し、支給は請求のあった月からとなる。
【解答】
【R6問10-D】 ×
基準障害による障害基礎年金は、請求によって受給権が発生するのではなく、1・2級に該当した日に受給権が発生します。ただし、支給は請求のあった「月の翌月」からです。請求のあった月からではありません。
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
国民年金法第30条の3に規定するいわゆる基準傷病による障害基礎年金は、基準傷病以外の傷病の初診日において被保険者でなかった場合においては、基準傷病に係る初診日において被保険者であっても、支給されない。
【解答】
①【R2年出題】 ×
初診日要件は、「基準傷病に係る初診日」で判断されます。基準傷病以外の傷病については、初診日要件は問われません。
②【H29年出題】
国民年金法第30条の3に規定するいわゆる基準障害による障害基礎年金は、65歳に達する日の前日までに基準障害と他の障害を併合して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当したとしても、その請求を65歳に達した日以後に行うことはできない。
【解答】
②【H29年出題】 ×
基準障害による障害基礎年金は、「65歳に達する日の前日までに基準障害と他の障害を併合して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当」することが条件ですが、請求は、65歳に達した日以後でも行うことができます。
③【H20年出題】
いわゆる基準障害の規定による障害基礎年金は、所定の要件に該当すれば受給権は発生するため、当該障害基礎年金の請求は65歳に達した日以後でも行うことができるが、支給は当該障害基礎年金の受給権が発生した月の翌月から開始される。
【解答】
③【H20年出題】 ×
基準障害の規定による障害基礎年金について
・所定の要件に該当すれば受給権は発生します
・障害基礎年金の請求は65歳に達した日以後でも行うことができます
・支給は「請求のあった月の翌月から」開始されます。「当該障害基礎年金の受給権が発生した月の翌月から」ではありません。
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R7-078 11.11
今日の内容です。
・第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の定義をおさえましょう
・「国内居住要件」の有無、「年齢要件」の有無がポイントです。
・第1号被保険者と第3号被保険者から除外されるものをおぼえましょう。
・第3号被保険者は、国内に住所を有することが原則ですが、海外特例に該当すると、国内に住所を有しなくても第3号被保険者となります。
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R7-077 11.10
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年11月4日から11月9日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
遺族厚生年金の短期要件と長期要件についてお話しします。
配偶者以外の者が遺族厚生年金の受給権者の場合(厚生年金保険法)
年金の内払調整(厚生年金保険法)
障害基礎年金の支給要件についての基本問題(国民年金法)
国民年金保険料の前納(国民年金法)
国民年金の適用(技能実習、海外に居住する場合など)(国民年金法)
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R7-076 11.09
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
国民年金の強制被保険者には、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3つの種類があります。
国民年金の強制被保険者の要件について条文を読んでみましょう。
第7条 次の各号のいずれかに該当する者は、国民年金の被保険者とする。 (1) 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって第2号被保険者及び第3号被保険者のいずれにも該当しないもの(厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。「第1号被保険者」という。) (2) 厚生年金保険の被保険者(「第2号被保険者」という。) (3) 第2号被保険者の配偶者(日本国内に住所を有する者又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者として厚生労働省令で定める者に限る。)であって主として第2号被保険者の収入により生計を維持するもの(第2号被保険者である者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。「被扶養配偶者」という。)のうち20歳以上60歳未満のもの(「第3号被保険者」という。)
則第1条の2 (第1号被保険者、第3号被保険者の適用を除外される者) (1) 日本の国籍を有しない者であって、入管法に基づく活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦に相当期間滞在して、病院若しくは診療所に入院し疾病若しくは傷害について医療を受ける活動又は当該入院の前後に当該疾病若しくは傷害について継続して医療を受ける活動を行うもの及びこれらの活動を行う者の日常生活上の世話をする活動を行うもの(=在留資格が「特定活動(医療滞在または医療滞在者の付添人)」の場合) (2) 日本の国籍を有しない者であって、入管法に基づく活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において1年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うもの (=在留資格が「特定活動(観光・保養等を目的とする長期滞在または長期滞在者の同行配偶者)」の場合)
則第1条の3 (国内居住要件の特例) 第3号被保険者の厚生労働省令で定める者は、次に掲げる者とする。 (1) 外国において留学をする学生 (2) 外国に赴任する第2号被保険者に同行する者 (3) 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者 (4) 第2号被保険者が外国に赴任している間に当該第2号被保険者との身分関係が生じた者であって、(2)に掲げる者と同等と認められるもの (5) 前各号に掲げる者のほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者 |
令和6年の問題を解いてみましょう
①【R6年問4-A】
技能実習の在留資格で日本に在留する外国人は、実習実施者が厚生年金保険の適用事業所の場合、講習期間及び実習期間は厚生年金保険の対象となるため、国民年金には加入する必要はない。
【解答】
①【R6年問4-A】 ×
技能実習の在留資格で日本に在留する外国人も公的年金に加入しなければなりません。実習実施者が厚生年金保険の適用事業所の場合
・講習期間中 → 「国民年金」に加入します
・実習期間中 → 「厚生年金保険」に加入します ※厚生年金保険の適用事業所でない場合は、引き続き国民年金に加入します
「講習期間及び実習期間は厚生年金保険の対象となるため、国民年金には加入する必要はない。」ではなく、「講習期間は国民年金、実習期間は厚生年金保険の対象となる」となります。
(参照:厚生労働省HPhttps://www.mhlw.go.jp/content/000721075.pdf)
②【R6年問4-B】
日本から外国に留学する20歳以上65歳未満の日本国籍を有する留学生は、留学前に居住していた市町村(特別区を含む。)の窓口に、海外への転出届を提出して住民票を消除している場合であっても、国民年金の被保険者になることができる。
【解答】
②【R6年問4-B】 〇
第1号被保険者は、「国内居住要件」がありますので、海外に居住する場合は、資格を喪失します。ただし、「20歳以上65歳未満」の「日本国籍を有する者」は、国民年金の任意加入被保険者になることができます。
③【R6年問4-D】
第3号被保険者が配偶者を伴わずに単身で日本から外国に留学すると、日本国内居住要件を満たさなくなるため、第3号被保険者の資格を喪失する。
【解答】
③【R6年問4-D】 ×
第3号被保険者は、日本国内に住所を有することが原則です。
ただし、「外国において留学をする学生」は、国内居住要件の例外が認められますので第3号被保険者の資格は喪失しません。
(則第1条の3第1号)
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
日本の国籍を有しない者であって、出入国管理及び難民認定法の規定に基づく活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において1年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うものは、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であっても第1号被保険者とならない。
【解答】
①【R3年出題】 〇
外国人も国民年金の対象となります。
ただし、「本邦において1年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うもの」は、除外されます。
(則第1条の2第2号)
②【R3年出題】
第3号被保険者が、外国に赴任する第2号被保険者に同行するため日本国内に住所を有しなくなったときは、第3号被保険者の資格を喪失する。
【解答】
②【R3年出題】 ×
第3号被保険者は「国内居住要件」を満たすことが原則ですが、「外国に赴任する第2号被保険者に同行するため日本国内に住所を有しなくなったとき」は、海外特例で第3号被保険者の資格は喪失しません。
(則第1条の3)
③【R3年出題】
第2号被保険者の被扶養配偶者であって、観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する日本国内に住所を有しない20歳以上60歳未満の者は、第3号被保険者となることができる。
【解答】
③【R3年出題】 〇
第3号被保険者は、国内居住要件を満たすことが原則ですが、「観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する」場合は、海外特例で、第3号被保険者となることができます。
(則第1条の3)
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R7-075 11.08
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
国民年金の保険料の納付期限は、翌月末日が原則ですが、前払い(前納)することもできます。
保険料の前納について条文を読んでみましょう。
第93条 ① 被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。 ② 前納すべき額は、当該期間の各月の保険料の額から政令で定める額を控除した額とする。 ③ 前納された保険料について保険料納付済期間又は保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間若しくは保険料4分の1免除期間を計算する場合においては、前納に係る期間の各月が経過した際に、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問1-C】
国民年金法第93条第1項の規定による保険料の前納は、厚生労働大臣が定める期間につき、月を単位として行うものとし、厚生労働大臣が定める期間のすべての保険料(既に前納されたものを除く。)をまとめて前納する場合においては、6か月又は年を単位として行うことを要する。
【解答】
【R6年問1-C】 ×
条文で確認しましょう。
令第7条 (保険料の前納期間) 保険料の前納は、厚生労働大臣が定める期間につき、6か月又は年を単位として、行うものとする。ただし、厚生労働大臣が定める期間のすべての保険料(既に前納されたものを除く。)をまとめて前納する場合においては、6か月又は年を単位として行うことを要しない。 |
★前納は「6か月」又は「年」を単位とするのが原則ですが、それ以外の期間も可能です。
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
国民年金の保険料の前納は、厚生労働大臣が定める期間につき、6月又は年を単位として行うものとされていることから、例えば、昭和34年8月2日生まれの第1号被保険者が、平成31年4月分から令和元年7月分までの4か月間をまとめて前納することは、厚生労働大臣が定める期間として認められることはない。
【解答】
①【R1年出題】 ×
昭和34年8月2日生まれの者は、60歳に達した日(令和元年8月1日)に資格を喪失し、被保険者期間は令和元年7月までとなります。
平成31年4月分から令和元年7月分までの4か月間をまとめて前納することができます。
②【R2年出題】
保険料の一部の額につき納付することを要しないものとされた被保険者には、保険料の前納に関する規定は適用されない。
【解答】
②【R2年出題】 ×
一部免除の保険料も、前納することができます。
③【H30年出題】
前納された保険料について、保険料納付済期間又は保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間若しくは保険料4分の1免除期間を計算する場合においては、前納に係る期間の各月の初日が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなされる。
【解答】
③【H30年出題】 ×
前納に係る期間の「各月の初日が到来したとき」ではなく、「各月が経過した際に」、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなされます。
④【H29年出題】
第1号被保険者が保険料を前納した後、前納に係る期間の経過前に第2号被保険者となった場合は、その者の請求に基づいて、前納した保険料のうち未経過期間に係る保険料が還付される。
【解答】
④【H29年出題】 〇
第1号被保険者が保険料を前納した後、前納に係る期間の経過前に「被保険者の資格を喪失した場合」、「第2号被保険者又は第3号被保険者となった場合」は、その者の請求に基づいて、前納した保険料のうち未経過期間に係る保険料が還付されます。
(令第9条)
⑤【H24年出題】
国民年金保険料を1年間分前納する場合、最も割引率が高くなるのは、口座振替による支払ではなく、現金で支払った場合である。
【解答】
⑤【H24年出題】 ×
国民年金保険料を前納する方法で、最も割引率が高くなるのは、「口座振替による支払」です。
(令第8条)
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R7-074 11.07
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
障害基礎年金の受給権発生要件は、次の3つです。
①初診日
②保険料納付要件
③障害認定日
条文を読んでみましょう。
第30条 ① 障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において次の各号のいずれかに該当した者が、当該初診日から起算して1年6か月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに、その者に支給する。ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 (1) 被保険者であること。 (2) 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。 ② 障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから1級及び2級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。 昭60法附則第20条第1項 初診日が令和8年4月1日前にある傷病による障害については、当該初診日の前日において当該初診日の属する月の前々月までの1年間(当該初診日において被保険者でなかった者については、当該初診日の属する月の前々月以前における直近の被保険者期間に係る月までの1年間)のうちに保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がなければ保険料納付要件を満たすものとする。ただし、当該初診日において65歳未満であるときに限られる。 |
★3つの要件を満たした場合は、障害認定日に障害基礎年金の受給権が発生します。
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問2-ア】
障害基礎年金を受けることができる者とは、初診日に、被保険者であること又は被保険者であった者であって日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であることのいずれかに該当する者であり、障害認定日に政令で定める障害の状態にある者である。なお、保険料納付要件は満たしているものとする。
【解答】
①【R6年問2-ア】 〇
「初診日」要件についての問題です。
初診日に①か②のどちらかに該当していることです。
① 国民年金の被保険者であること
② 国民年金の被保険者であった者であって日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること
②【R6年問2-ウ】
障害基礎年金を受けることができる者とは、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上である者、あるいは初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの1年間(当該初診日において被保険者でなかった者については、当該初診日の属する月の前々月以前における直近の被保険者期間に係る月までの1年間)に保険料の未納期間がない者である。なお、障害認定日に政令で定める障害の状態にあるものとする。
【解答】
②【R6年問2-ウ】 〇
「保険料納付要件」についての問題です。
「保険料納付要件」の原則
・ 初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上である
「保険料納付要件」の特例
・ 初診日が令和8年4月1日前にある
・ 初診日に65歳未満
・ 初診日の前日に、初診日の属する月の前々月までの1年間のうちに保険料の未納期間がない(=保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がないこと)
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
被保険者であった者が60歳以上65歳未満の間に傷病に係る初診日がある場合であって、当該初診日において、日本国内に住所を有しないときには、当該傷病についての障害基礎年金が支給されることはない。なお、当該傷病以外に傷病は有しないものとする。
【解答】
①【H29年出題】 〇
初診日に、「被保険者であった者(かつて被保険者だったが、初診日には被保険者ではない)」の場合、初診日に「日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。」が条件です。
問題文の場合は、「日本国内に住所を有しない」となっているので、障害基礎年金は支給されません。
②【H27年出題】
障害基礎年金の障害認定日について、当該傷病に係る初診日から起算して1年6か月を経過した日前に、その傷病が治った場合はその治った日が障害認定日となるが、その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日も傷病が治った日として取り扱われる。
【解答】
②【H27年出題】 〇
障害認定日は「初診日から起算して1年6か月を経過した日」です。
ただし、初診日から起算して1年6か月を経過した日前に、その傷病が治った場合はその治った日が障害認定日となります。なお、その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日も傷病が治った日として取り扱われます。
③【H29年出題】
精神の障害は、障害基礎年金の対象となる障害に該当しない。
【解答】
③【H29年出題】 ×
精神の障害は、障害基礎年金の対象となる障害に該当します。
(令第4条の6)
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R7-073 11.06
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
今日のテーマは「内払」です。
「内払」とは、「払いすぎた額を今後支払う年金額から減額すること」です。(参照:日本年金機構のホームページ)
条文を読んでみましょう。
第39条 ① 乙年金の受給権者が甲年金の受給権を取得したため乙年金の受給権が消滅し、又は同一人に対して乙年金の支給を停止して甲年金を支給すべき場合において、乙年金の受給権が消滅し、又は乙年金の支給を停止すべき事由が生じた月の翌月以後の分として、乙年金の支払が行われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。 ② 年金の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金が支払われたときは、その支払われた年金は、その後に支払うべき年金の内払とみなすことができる。年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金が支払われた場合における当該年金の当該減額すべきであった部分についても、同様とする。 ③ 同一人に対して国民年金法による年金たる給付の支給を停止して年金たる保険給付(厚生労働大臣が支給するものに限る。)を支給すべき場合において、年金たる保険給付を支給すべき事由が生じた月の翌月以後の分として同法による年金たる給付の支払が行われたときは、その支払われた同法による年金たる給付は、年金たる保険給付の内払とみなすことができる。 |
(例)①について
消滅
乙年金 | 支払い |
|
|
|
| 甲年金の内払とみなす ↓ |
| ||
| 甲年金 |
・乙年金の受給権者が甲年金の受給権を取得した
↓
・そのため乙年金の受給権が消滅したにも関わらず
↓
・翌月以後の分として、乙年金の支払が行われた
↓
・払いすぎた乙年金を返還させて改めて甲年金を支払うのではなく
↓
・支払われた乙年金は、甲年金の「内払とみなす」ことになっています。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問3-A】
同一人に対して国民年金法による年金たる給付の支給を停止して年金たる保険給付(厚生労働大臣が支給するものに限る。以下本肢において同じ。)を支給すべき場合において、年金たる保険給付を支給すべき事由が生じた月の翌月以後の分として同法による年金たる給付の支払いが行われたときは、その支払われた同法による年金たる給付は、年金たる保険給付の内払とみなすことができる。
【解答】
【R6年問3-A】 〇
同一人に対する「国民年金法による年金たる給付」と「厚生年金保険法の年金たる保険給付」も内払の調整を行うことができます。ただし「厚生年金保険法の年金たる保険給付」は、厚生労働大臣が支給するものに限られます。
(法第39条第3項)
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
遺族厚生年金の受給権者が障害厚生年金の受給権を取得し、障害厚生年金の支給を選択した場合において、遺族厚生年金の支給を停止すべき事由が生じた月の翌月以後の分として遺族厚生年金の支払が行われたときは、その支払われた遺族厚生年金は、障害厚生年金の内払とみなす。
【解答】
①【H25年出題】 〇
・遺族厚生年金の受給権者が障害厚生年金の受給権を取得
↓
・障害厚生年金の支給を選択
↓
・にもかかわらず、遺族厚生年金の支給を停止すべき事由が生じた月の翌月以後の分として遺族厚生年金の支払が行われた
↓
・支払われた遺族厚生年金は、障害厚生年金の内払とみなす。
支給停止
遺族厚生年金 | 支払い |
|
|
|
| 障害厚生年金の内払とみなす ↓ |
| ||
選択→ | 障害厚生年金 |
(法第39条第1項)
②【H25年出題】(※改正による修正あり)
同一人に対して国民年金法による寡婦年金の支給を停止して60歳台前半の老齢厚生年金(厚生労働大臣が支給するものに限る。以下同じ。)を支給すべき場合において、老齢厚生年金を支給すべき事由が生じた月の翌月以後の分として寡婦年金の支払が行われたときは、その寡婦年金は、老齢厚生年金の内払とみなすことができる。
【解答】
②【H25年出題】 〇
支給停止
寡婦年金 | 支払い |
|
|
|
| 老齢厚生年金の 内払とみなすことができる。 ↓ |
| ||
選択→ | 60歳台前半の老齢厚生年金 |
(法第39条第3項)
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R7-072 11.05
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給するときのルールを確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第60条第2項 配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給する場合において、受給権者が2人以上であるときは、それぞれの遺族厚生年金の額は、受給権者ごとに算定した額を受給権者の数で除して得た額とする。 第61条第1項 配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給する場合において、受給権者の数に増減を生じたときは、増減を生じた月の翌月から、年金の額を改定する。 |
例えば、遺族厚生年金の受給権者が、父と母の場合、それぞれの遺族厚生年金の額は、年金の額を2で割った額となります。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問5-エ】
夫(70歳)と妻(70歳)は、厚生年金保険の被保険者期間を有しておらず、老齢基礎年金を受給している。また、夫妻と同居していた独身の子は厚生年金保険の被保険者であったが、3年前に死亡しており、夫妻は、それに基づく遺族厚生年金も受給している。この状況で夫が死亡し、遺族厚生年金の受給権者の数に増減が生じたときは、増減が生じた月の翌月から、妻の遺族厚生年金の年金額が改定される。
【解答】
【R6年問5-エ】 〇
遺族厚生年金の受給権者が2人(死亡した者からみると父と母)ですので、それぞれに、遺族厚生年金の額を2で割った額が支給されます。
その後、夫(父)が死亡した場合、遺族厚生年金の受給権者は2人から1人に減少します。その場合、減少が生じた月の翌月から、母(妻)の遺族厚生年金の年金額が改定されます。
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給する場合において、受給権者の数に増減を生じたときは、増減を生じた月の翌月から、年金額を改定する。
【解答】
①【R2年出題】 〇
増減を生じた月の「翌月から」、年金額が改定されます。「翌月から」がポイントです。
②【H26年出題】
遺族厚生年金の受給権者である子が2人いる場合において、そのどちらかが死亡したときは、他の受給権者に支給される遺族厚生年金の額は、受給権者の数に減少が生じた月の翌月から改定される。
【解答】
②【H26年出題】 〇
例えば、遺族厚生年金の受給権者である子がAとBの2人いる場合で、Aが死亡したときは、Bに支給される遺族厚生年金の額は、受給権者の数に減少が生じた月の翌月から改定されます。
ちなみに、Bの年金額は、Aと2分の1ずつだったものが、Aの死亡によりBが1人で受けることになりますので、Bの年金額は増額します。
③【H21年出題】
被保険者期間が300月以上である被保険者の死亡により、配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給する場合において、受給権者が2人以上であるときは、それぞれの遺族厚生年金の額は、死亡した被保険者の被保険者期間を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額の計算の例により計算した額の4分の3に相当する額を受給権者の数で除して得た額である。
【解答】
③【H21年出題】 〇
配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給する場合で、受給権者が2人以上であるときは、それぞれの遺族厚生年金の額は、受給権者の数で除して得た額となります。
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R7-071 11.04
遺族厚生年金には短期要件と長期要件があります。
・短期要件とは?
・長期要件とは?
・短期要件と長期要件の両方に当てはまる場合があります
・短期要件と長期要件の計算式の違い
についてお話ししています。
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R7-070 11.03
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年10月28日から11月2日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
【労災保険法】 通勤の定義についてお話しします
【労災保険法】 通勤災害と認められた事例・認められなかった事例
【国民健康保険法】の問題を解いてみましょう
【健康保険法】 労災と出産育児一時金との関係
【健康保険法】 保険料の負担と納付義務
【健康保険法】 育児休業期間中の保険料免除
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R7-069 11.02
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
育児休業期間の保険料免除について条文を読んでみましょう。
第159条第1項 育児休業等をしている被保険者(産前産後休業期間の保険料免除の適用を受けている被保険者を除く。)が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める月の当該被保険者に関する保険料(その育児休業等の期間が1か月以下である者については、標準報酬月額に係る保険料に限る。)は、徴収しない。 (1) その育児休業等を開始した日の属する月とその育児休業等が終了する日の翌日が属する月とが異なる場合 → その育児休業等を開始した日の属する月からその育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までの月 (2) その育児休業等を開始した日の属する月とその育児休業等が終了する日の翌日が属する月とが同一であり、かつ、当該月における育児休業等の日数として厚生労働省令で定めるところにより計算した日数が14日以上である場合 → 当該月 |
★(1)について(開始日の属する月と終了する日の翌日が属する月が異なる)
開始日 |
|
|
| 終了日の翌日 |
免 除 | 免 除 | 免 除 | 免 除 |
|
★(2)について(開始日の属する月と終了する日の翌日が属する月が同一)
| 開始日 終了日の翌日 |
|
| 14日以上 免 除 |
|
★賞与について
育児休業等の期間が1か月以下の場合は、「標準報酬月額」に係る保険料に限って免除されます。賞与の保険料は、1か月を超える育児休業等を取得している場合に限り、免除の対象となります。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問10-C】
被保険者乙の配偶者が令和5年8月8日に双生児を出産したことから、被保険者乙は令和5年10月1日から令和5年12月31日まで育児休業を取得した。この場合、令和6年1月分の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。
【解答】
【R6問10-C】 ×
保険料が徴収されないのは、育児休業等を開始した日の属する月(令和5年10月)から育児休業等が終了する日の翌日(令和6年1月1日)が属する月の前月(令和5年12月)までの月です。
令和6年1月分の保険料は、免除されません(=徴収されます)
過去問をどうぞ!
①【R5年出題】
被保険者乙の育児休業等開始日が令和5年1月10日で、育児休業等終了日が令和5年3月31日の場合は、令和5年1月から令和5年3月までの期間中の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。
【解答】
①【R5年出題】 〇
育児休業等を開始した日の属する月(令和5年1月)から育児休業等が終了する日の翌日(令和5年4月1日)が属する月の前月(令和5年3月)までの月の保険料は徴収されません。
②【R5年出題】
被保険者丙の育児休業等開始日が令和5年1月4日で、育児休業等終了日が令和5年1月16日の場合は、令和5年1月の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。
【解答】
②【R5年出題】 ×
育児休業等を開始した日の属する月と育児休業等が終了する日の翌日が属する月とが同一の場合は、育児休業等の日数が14日以上あることが必要です。
問題文の育児休業期間は、令和5年1月4日~16日で13日しかありません。
そのため、令和5年1月分の保険料は免除されません(徴収されます)。
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R7-068 11.01
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
保険料について条文を読んでみましょう。
第161条第1項~3項(保険料の負担及び納付義務) ① 被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料額の2分の1を負担する。ただし、任意継続被保険者は、その全額を負担する。 ② 事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う。 ③ 任意継続被保険者は、自己の負担する保険料を納付する義務を負う。
第162条 (健康保険組合の保険料の負担割合の特例) 健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額又は介護保険料額の負担の割合を増加することができる。
第164条第1項 (保険料の納付) 被保険者に関する毎月の保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。ただし、任意継続被保険者に関する保険料については、その月の10日(初めて納付すべき保険料については、保険者が指定する日)までとする。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問7-A】
健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額又は介護保険料額の負担の割合を増減することができる。
【解答】
【R6問7-A】 ×
一般保険料額又は介護保険料額は、被保険者と事業主が2分の1ずつ負担するのが原則です。
ただし、健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき割合を「増減」ではなく「増加」することができます。
ポイント!
・「増加」できるのは、事業主の負担割合です。被保険者の負担割合は増加できません。
・規約で「増加」できるのは、「健康保険組合」のみです。全国健康保険協会には、適用されません。
過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額又は介護保険料額の負担の割合を増加することができる。
【解答】
①【H30年出題】 〇
重要キーワードは、「健康保険組合」、「事業主の負担割合」、「増加」です。
②【H30年出題】
一般の被保険者に関する毎月の保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。任意継続被保険者に関する毎月の保険料は、その月の10日までに納付しなければならないが、初めて納付すべき保険料については、被保険者が任意継続被保険者の資格取得の申出をした日に納付しなければならない。
【解答】
②【H30年出題】×
任意継続被保険者の初めて納付すべき保険料は、「保険者が指定する日」までに納付しなければなりません。
表にまとめました。
| 負担割合 | 納付義務 | 納付期日 |
一般の被保険者 | 2分の1 | 事業主 | 翌月末日 |
任意継続被保険者 | 全 額 | 自 己 | その月の10日 初めて納付すべき保険料は、 「保険者が指定する日」 |
③【R1年出題】
被保険者の長期にわたる休職状態が続き実務に服する見込みがない場合又は公務に就任しこれに専従する場合においては被保険者資格を喪失するが、被保険者の資格を喪失しない病気休職の場合は、賃金の支払停止は一時的であり、使用関係は存続しているため、事業主及び被保険者はそれぞれ賃金支給停止前の標準報酬に基づく保険料を折半負担し、事業主はその納付義務を負う。
【解答】
③【R1年出題】 〇
被保険者の資格を喪失しない病気休職の場合は、使用関係は存続しているため、保険料を負担しなければなりません。事業主及び被保険者は保険料を折半負担し、事業主はその納付義務を負います。
(昭和26.3.9保文発第619号)
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R7-067 10.31
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
出産育児一時金の条文を読んでみましょう。
第101条 (出産育児一時金) 被保険者が出産したときは、出産育児一時金として、政令で定める金額を支給する。 |
被保険者が出産したときは、出産育児一時金が支給されます。
出産育児一時金の額は、
★産科医療補償制度に加入している医療機関等で出産した場合
↓
1児につき50万円
★産科医療補償制度に加入していない医療機関等で出産した場合
↓
1児につき48万8千円
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問8-B】
被保険者が、妊娠6か月の身体をもって業務中に転倒強打して早産したときは、健康保険法に規定される保険事故として、出産育児一時金が支給される。
【解答】
【R6問8-B】 〇
業務中に転倒強打したことに対して、労災保険法から補償が行われたとしても、健康保険法に規定される保険事故(出産)として、出産育児一時金が支給されます。
(昭24.3.26保文発523)
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
妊娠4か月を過ぎてから業務上の事故により流産し、労災保険法の療養補償給付を受けた場合、健康保険から出産育児一時金の支給は行われない。
【解答】
①【H26年出題】 ×
労災保険法の療養補償給付を受けたとしても、「出産」に対して、健康保険から出産育児一時金の支給が行われます。
なお、流産でも妊娠4か月以上の場合は、健康保険法の出産となります。
(昭24.3.26保文発523)
②【R5年出題】
令和5年4月1日以降、被保険者の被扶養者が産科医療補償制度に加入する医療機関等で医学的管理の下、妊娠週数22週以降に双子を出産した場合、家族出産育児一時金として、被保険者に対し100万円が支給される。
【解答】
②【R5年出題】 〇
産科医療補償制度に加入する医療機関等で医学的管理の下、妊娠週数22週以降に出産した場合は、出産育児一時金(家族出産育児一時金)は、1児につき50万円支給されます。双子の場合は100万円となります。
また、家族出産育児一時金は、被扶養者ではなく、「被保険者に対し」支給されることにも注意して下さい。
(法第101条、104条、令第36条、令和5.3.30保保発0330第8号)
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R7-066 10.30
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民健康保険法の択一式です。
国民健康保険法の問題を解いてみましょう。
押さえておきたいのは、①と④の問題です。
①【R6問8-A】重要!
市町村(特別区を含む。以下本問において同じ。)は、国民健康保険事業の運営が適切かつ円滑に行われるよう、国民健康保険組合(以下「国保組合」という。)その他の関係者に対し、必要な指導及び助言を行うものとする。
【解答】
①【R6問8-A】重要! ×
国民健康保険組合に指導及び助言を行うのは、「市町村(特別区を含む)」ではなく「都道府県」です。
国、都道府県、市町村の責務を条文で確認しましょう。
第4条 ① 国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるよう必要な各般の措置を講ずるとともに、第1条に規定する目的の達成に資するため、保健、医療及び福祉に関する施策その他の関連施策を積極的に推進するものとする。 ② 都道府県は、安定的な財政運営、市町村の国民健康保険事業の効率的な実施の確保その他の都道府県及び当該都道府県内の市町村の国民健康保険事業の健全な運営について中心的な役割を果たすものとする。 ③ 市町村は、被保険者の資格の取得及び喪失に関する事項、国民健康保険の保険料の徴収、保健事業の実施その他の国民健康保険事業を適切に実施するものとする。 ④ 都道府県及び市町村は、前2項の責務を果たすため、保健医療サービス及び福祉サービスに関する施策その他の関連施策との有機的な連携を図るものとする。 ⑤ 都道府県は、国民健康保険事業の運営が適切かつ円滑に行われるよう、国民健康保険組合その他の関係者に対し、必要な指導及び助言を行うものとする。 |
②【R6問8-B】
国保組合は、規約の定めるところにより、組合員の世帯に属する者を包括して被保険者としないことができる。
【解答】
②【R6問8-B】 〇
国民健康保険組合は、「組合員及び組合員の世帯に属する者」を被保険者としますので、世帯単位で適用されるのが原則です。
また、「国民健康保険組合は、規約の定めるところにより、組合員の世帯に属する者を包括して被保険者としないことができる。」と定められています。
(法第19条)
③【R6問8-C】
国保組合が解散したときは、破産手続開始の決定による解散の場合を除き、監事がその清算人となる。ただし、規約に別段の定めがあるとき、又は組合会において監事以外の者を選任したときは、この限りでない。
【解答】
③【R6問8-C】 ×
監事ではなく理事です。
条文で確認しましょう。
第32条の4 (清算人) 国民健康保険組合が解散したときは、破産手続開始の決定による解散の場合を除き、理事がその清算人となる。ただし、規約に別段の定めがあるとき、又は組合会において理事以外の者を選任したときは、この限りでない。 |
④【R6問8-D】重要!
国民健康保険審査会は、各都道府県に置かれ、被保険者を代表する委員、保険者を代表する委員及び保険医又は保険薬剤師を代表する委員各3人をもって組織される。
【解答】
④【R6問8-D】 ×
国民健康保険審査会は、各都道府県に置かれ、被保険者を代表する委員、保険者を代表する委員及び「公益」を代表する委員各3人をもって組織されます。
国民健康保険審査会について条文を読んでみましょう。
第91条第1条 保険給付に関する処分(被保険者証の交付の請求又は返還に関する処分を含む。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、国民健康保険審査会に審査請求をすることができる。
第92条(審査会の設置) 国民健康保険審査会は、各都道府県に置く。
第93条 (組織) ① 国民健康保険審査会は、被保険者を代表する委員、保険者を代表する委員及び公益を代表する委員各3人をもって組織する。 ② 委員は、非常勤とする。 |
⑤【R6問8-E】
市町村若しくは国保組合又は国民健康保険団体連合会は、厚生労働省令で定めるところにより、事業状況を厚生労働大臣に報告しなければならない。
【解答】
⑤【R6問8-E】 ×
厚生労働大臣ではなく都道府県知事です。
条文を読んでみましょう。
第107条(事業状況の報告) 次の各号に掲げる者は、厚生労働省令で定めるところにより、事業状況を、それぞれ当該各号に定める者に報告しなければならない。 (1) 都道府県 → 厚生労働大臣 (2) 市町村若しくは国民健康保険組合又は国民健康保険団体連合会 → 当該市町村若しくは国民健康保険組合又は国民健康保険団体連合会をその区域内に含む都道府県を統括する都道府県知事 |
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R7-065 10.29
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労災保険法の択一式です。
通勤災害と認められた事例と認められなかった事例をみていきます。
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問2-A】
マイカー通勤をしている労働者が、勤務先会社から市道を挟んだところにある同社の駐車場に車を停車し、徒歩で職場に到着しタイムカードを打刻した後、フォグライトの消し忘れに気づき、徒歩で駐車場へ引き返すべく市道を横断する途中、市道を走ってきた軽自動車にはねられ負傷した場合、通勤災害とは認められない。
【解答】
①【R6年問2-A】 ×
通勤災害と認められます。
・ マイカー通勤者が車のライトの消し忘れなどに気づき、駐車場に引き返すことは一般にあること。
・ いったん事業場に入った後でも、まだ時間の経過もほとんどないことから通勤に通常随伴する行為と認められる。
(昭和49.6.19基収第1739号)
②【R6年問2-B】
マイカー通勤をしている労働者が、同一方向にある配偶者の勤務先を経由するため、通常通り自分の勤務先を通り越して通常の通勤経路を450メートル走行し、配偶者の勤務先で配偶者を下車させて自分の勤務先に向かって走行中、踏切で鉄道車両と衝突して負傷した場合、通勤災害とは認められない。
【解答】
②【R6年問2-B】 ×
通勤災害と認められます
・ 妻の勤務先が同一方向にあり、かつ、夫の通勤経路からそれほど離れていない
・ 通勤をマイカーで行い、妻の勤務先を経由することは通常おこなわれるもの
・ 当該経路は合理的な経路として取り扱うのが妥当
(昭和49.3.4基収第289号)
③【R6年問2-C】
頸椎を手術した配偶者の看護のため、手術後1か月ほど姑と交替で1日おきに病院に寝泊まりしていた労働者が、当該病院から徒歩で出勤する途中、横断歩道で軽自動車にはねられ負傷したした場合、当該病院から勤務先に向かうとすれば合理的である経路・方法をとり逸脱・中断することなく出勤していたとしても、通勤災害とは認められない。
【解答】
③【R6年問2-C】 ×
通勤災害と認められます。
・入院中の夫の看護のため、妻が病院に寝泊まりすることは社会慣習上、通常行われること
・手術当日から長期間継続して寝泊まりしていた事実がある
・被災当日の当該病院は、被災労働者にとって就業のための拠点としての「住居」と認められる
(昭和52.12.23基収第981号)
④【R6年問2-D】
労働者が、退勤時にタイムカードを打刻し、更衣室で着替えをして事業場施設内の階段を降りる途中、ズボンの裾が靴に絡んだために足を滑らせ、階段を5段ほど落ちて腰部を強打し負傷した場合、通勤災害とは認められない。
【解答】
④【R6年問2-D】 〇
通勤災害とは認められません。
・事業主の支配下にある事業場施設の状況により生じた災害である
(昭和49.4.9基収第314号)
⑤【R6年問2-E】
長年営業に従事している労働者が、通常通りの時刻に通常通りの経路を徒歩で勤務先に向かっている途中に突然倒れ、急性心不全で死亡した場合、通勤災害と認められる。
【解答】
⑤【R6年問2-E】 ×
通勤災害とは認められません。
・ 発病の原因となるような通勤による負傷又は通勤に関連する突発的なできごとなどが認められないため「通勤に通常伴う危険が具体化したもの」とは認められない
・ 通勤を単なるきっかけとして偶然に生じたものに過ぎない
(昭和50.6.9基収第4039号)
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R7-064 10.28
「通勤」の定義は、選択式でも択一式でも、よく出題されます。
用語の意義など、一つずつ解説します。
「通勤」とは、 労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。
(1) 住居と就業の場所との間の往復
(2) 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動
(3) 住居と就業の場所との間の往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)
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R7-063 10.27
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年10月21日から26日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
【国民年金法】 国民年金の法定免除についてお話しします
【厚生年金保険法】 遺族厚生年金の原則の計算式
【厚生年金保険法】 不服申立ての超基本問題
【厚生年金保険法】 老齢厚生年金の繰下げの条件
【労働基準法】 1か月単位の変形労働時間制の導入要件
【労働基準法】 専門業務型裁量労働制の適用手順
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R7-062 10.26
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
「専門業務型裁量労働制」の導入には、「労使協定」の締結が必要です。
労使協定で、対象業務やみなし労働時間を定めます。
条文を読んでみましょう。
第38条の3 ① 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、労働者を対象業務に就かせたときは、当該労働者は、厚生労働省令で定めるところにより、第2号に掲げる時間労働したものとみなす。 (1) 業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務(以下「対象業務」という。) (2) 対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間 (3) 対象業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、当該対象業務に従事する労働者に対し使用者が具体的な指示をしないこと。 (4) 対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。 (5) 対象業務に従事する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。 (6) 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項 ② 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。 |
★専門業務型裁量労働制の「対象業務」は、厚生労働省令・告示によって20業務が定められています。
★対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間は、「1日当たりの労働時間」を定めます。(みなし労働時間といいます)
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問5-エ】
使用者は、労働基準法第38条の3に定めるいわゆる専門業務型裁量労働制を適用するに当たっては、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、専門業務型裁量労働制を適用することについて「当該労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかった当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。」を定めなければならない。
【解答】
【R6年問5-エ】 〇
専門業務型裁量労働制を適用することについて、労使協定で、「当該労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかった当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。」を定めなければなりません。
また、「適用労働者の同意の撤回に関する手続き」も協定する必要があります。
(則第24条の2の2第3項)
過去問をどうぞ!
【H19年出題】
労働基準法第38条の3に規定するいわゆる専門業務型裁量労働制を採用しようとする場合において、労働時間の算定については労使協定で定めるところによることとした場合に、当該協定に定めるべき時間は、1日当たりの労働時間であり、休憩、深夜業及び休日に関する規定の適用は排除されないので、法定休日に労働させた場合には、当該休日労働に係る割増賃金を支払う必要がある。
【解答】
【H19年出題】 〇
ポイントを確認しましょう。
★労使協定に定めるべき時間は、「1日当たり」の労働時間です。
★休憩、深夜業及び休日に関する規定は適用されます。そのため、例えば、法定休日に労働させた場合には、割増賃金の支払いが必要です。
(H12.1.1基発第1号)
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R7-061 10.25
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
1か月単位の変形労働時間制について条文を読んでみましょう。
第32条の2 ① 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が第32条第1項の労働時間(法定労働時間)を超えない定めをしたときは、同条の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において同項の労働時間又は特定された日において同条第2項の労働時間を超えて、労働させることができる。 ② 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、①の労使協定を行政官庁に届け出なければならない。 |
★ 1か月単位の変形労働時間制を導入するには、「労使協定」又は「就業規則その他これに準ずるもの」が必要です。
なお、常時10人以上の労働者を使用する使用者は「就業規則」の作成と届出義務があります。
そのため、1か月単位の変形労働時間制を導入する手続きは以下のようになります。
常時使用する労働者数 | 導入要件 |
10人以上 | 労使協定 又は 就業規則 |
10人未満 | 労使協定 又は 就業規則その他これに準ずるもの |
労使協定で導入する場合は、届出が必要です。
★ 1か月以内の一定の期間(変形期間といいます)を平均して、1週間当たりの労働時間が1週間の法定労働時間(原則40時間・特例の事業場は44時間)を超えないようにしなければなりません。
変形期間の労働時間の総枠は次の式で計算します。
1週間の法定労働時間(40時間又は44時間)×変形期間の暦日数÷7
たとえば、法定労働時間が原則の40時間で、変形期間を1か月とした場合、
31日の月の労働時間の総枠は、40時間×31日÷7=177.1時間
30日の月の労働時間の総枠は、40時間×30日÷7=171.4時間
となります。
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問5-ア】
労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制を適用するに当たっては、常時10人未満の労働者を使用する使用者であっても必ず就業規則を作成し、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない定めをしなければならない。
【解答】
【R6年問5-ア】 ×
常時10人未満の労働者を使用する使用者が1か月単位の変形労働時間制を適用するには、「労使協定」又は「就業規則その他これに準ずるもの」のどちらか必要です。
「必ず就業規則を作成」が誤りです。「労使協定」で導入することもできますし、「就業規則に準ずるもの」で導入することもできます。
なお、「1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない定め」とありますが、特例の事業場の場合は「44時間」となります。
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
1か月単位の変形労働時間制は、就業規則その他これに準ずるものによる定めだけでは足りず、例えば当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合と書面により協定し、かつ、当該協定を所轄労働基準監督署長に届け出ることによって、採用することができる。
【解答】
①【R1年出題】 ×
1か月単位の変形労働時間制は、労使の話合いによる制度の導入を促進するため、また、1か月単位の変形労働時間制以外の変形労働時間制の導入要件は労使協定により定めることとされていることも勘案し、就業規則その他これに準ずるものによる定め又は労使協定による定めのいずれによっても導入できるとされています。
就業規則その他これに準ずるものによる定めがある場合は、労使協定は不要です。
また、労使協定で採用する場合は、所轄労働基準監督署長への届出が必要ですが、届出によって効力が発生するわけではありません。そのため、「当該協定を所轄労働基準監督署長に届け出ることによって、採用することができる」も誤りです。
(H11.1.29基発第45号)
②【R4年出題】
労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制を労使協定を締結することにより採用する場合、当該労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出ないときは1か月単位の変形労働時間制の効力が発生しない。
【解答】
②【R4年出題】 ×
1か月単位の変形労働時間制を労使協定で採用する場合は、労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません。しかし、1か月単位の変形労働時間制の効力は労使協定の締結で発生しますので、「労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出ないときは1か月単位の変形労働時間制の効力が発生しない。」は誤りです。
③【H19年出題】
1か月単位の変形労働時間制を採用した場合、変形期間を平均し1週間当たりの労働時間が週法定労働時間以内となるようにするために行う、変形期間における所定労働時間の総枠の計算は、次の式によって行う。
その事業場の週法定労働時間×変形期間の暦日数÷7
【解答】
③【H19年出題】 〇
変形期間の所定労働時間の総枠の計算式のポイントも確認しましょう。
「その事業場の週法定労働時間×変形期間の暦日数÷7」
・週法定労働時間は40時間が原則ですが、特例の事業場は44時間です。
・暦日数は、暦上の日数です。労働日数ではありません。
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R7-060 10.24
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
老齢厚生年金の繰下げの要件について条文を読んでみましょう。
第44条の3第1項 (支給の繰下げ) 老齢厚生年金の受給権を有する者であってその受給権を取得した日から起算して 1年を経過した日前に当該老齢厚生年金を請求していなかったものは、実施機関に当該老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができる。 ただし、その者が当該老齢厚生年金の受給権を取得したときに、他の年金たる給付(他の年金たる保険給付又は国民年金法による年金たる給付(老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金を除く。)をいう。)の受給権者であったとき、又は当該老齢厚生年金の受給権を取得した日から1年を経過した日までの間において他の年金たる給付の受給権者となったときは、この限りでない。 |
<老齢厚生年金の繰下げの申し出の条件です>
・老齢厚生年金の受給権を取得した日から起算して1年を経過した日前に老齢厚生年金を請求していないこと
・老齢厚生年金の受給権を取得したときに、他の年金たる給付の受給権者でないこと
・老齢厚生年金の受給権を取得した日から1年を経過した日までの間に他の年金たる給付の受給権者となっていないこと
★他の年金たる給付とは?
・他の年金たる保険給付 → 障害厚生年金、遺族厚生年金
又は
・国民年金法による年金たる給付(老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金を除く。) → 遺族基礎年金
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問4】
次の記述のうち、老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができないものはいくつあるか。
なお、いずれも、老齢厚生年金の支給繰下げの申出に係るその他の条件を満たしているものとする。
ア 老齢厚生年金の受給権を取得したときに障害厚生年金の受給権者であった者。
イ 老齢厚生年金の受給権を取得したときに遺族厚生年金の受給権者であった者。
ウ 老齢厚生年金の受給権を取得したときに老齢基礎年金の受給権者であった者。
エ 老齢厚生年金の受給権を取得したときに障害基礎年金の受給権者であった者。
オ 老齢厚生年金の受給権を取得したときに遺族基礎年金の受給権者であった者。
【解答】
ア 老齢厚生年金の受給権を取得したときに障害厚生年金の受給権者であった者は、繰下げの申出はできません。
イ 老齢厚生年金の受給権を取得したときに遺族厚生年金の受給権者であった者は、繰下げの申出はできません。
ウ 老齢厚生年金の受給権を取得したときに老齢基礎年金の受給権者であった者は、繰下げの申出ができます。
エ 老齢厚生年金の受給権を取得したときに障害基礎年金の受給権者であった者は、繰下げの申出ができます。
オ 老齢厚生年金の受給権を取得したときに遺族基礎年金の受給権者であった者は、繰下げの申出はできません。
老齢厚生年金の繰下げの申出ができないのは、ア、イ、オの3つです。
過去問をどうぞ!
①【R2年選択式】
厚生年金保険法第44条の3第1項の規定によると、老齢厚生年金の受給権を有する者であってその< A >前に当該老齢厚生年金を請求していなかったものは、実施機関に当該老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができるとされている。ただし、その者が当該老齢厚生年金の受給権を取得したときに、他の年金たる給付(他の年金たる保険給付又は国民年金法による年金たる給付(< B >を除く。)をいう。)の受給権者であったとき、又は当該老齢厚生年金の< A >までの間において他の年金たる給付の受給権者となったときは、この限りでないとされている。
<選択肢>
① 受給権を取得した日から起算して1か月を経過した日
② 受給権を取得した日から起算して1年を経過した日
③ 受給権を取得した日から起算して5年を経過した日
④ 受給権を取得した日から起算して6か月を経過した日
⑤ 付加年金及び障害基礎年金並びに遺族基礎年金
⑥ 老齢基礎年金及び障害基礎年金並びに遺族基礎年金
⑦ 老齢基礎年金及び付加年金並びに遺族基礎年金
⑧ 老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金
【解答】
<A> ② 受給権を取得した日から起算して1年を経過した日
<B> ⑧ 老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金
②【H28年出題】
障害基礎年金の受給権者が65歳になり老齢厚生年金の受給権を取得したものの、その受給権を取得した日から起算して1年を経過した日前に当該老齢厚生年金を請求していなかった場合、その者は、老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができる。なお、その者は障害基礎年金、老齢基礎年金及び老齢厚生年金以外の年金の受給権者となったことがないものとする。
【解答】
②【H28年出題】 〇
老齢厚生年金の受給権を取得したときに、障害基礎年金の受給権を有していても、条件を満たせば、老齢厚生年金の繰下げの申出をすることができます。
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R7-059 10.23
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
厚生年金保険法の審査請求・再審査請求について条文を読んでみましょう。
第90条第1項、3項、4項、5項 (審査請求及び再審査請求) ① 厚生労働大臣による被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。ただし、第28条の4第1項又は第2項の規定による決定(厚生年金保険原簿の訂正請求に対する措置)については、この限りでない。 ③ 審査請求をした日から2か月以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。 ④ 審査請求並びに再審査請求は、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求とみなす。 ⑤ 被保険者の資格又は標準報酬に関する処分が確定したときは、その処分についての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とすることができない。
第91条第1項 ① 厚生労働大臣による保険料その他この法律の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は滞納処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。
第91条の3(審査請求と訴訟との関係) 厚生労働大臣による被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない。 |
下の図で確認しましょう。
(参考にどうぞ)
第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者、第4号厚生年金被保険者の審査請求先も確認しましょう。
(1) 第2号厚生年金被保険者 → 国家公務員共済組合審査会
(2) 第3号厚生年金被保険者 → 地方公務員共済組合審査会
(3) 第4号厚生年金被保険者 → 日本私立学校振興・共済事業団の共済審査会
では、令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問1-A】
厚生労働大臣による被保険者の資格に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。
【解答】
①【R6年問1-A】 ×
厚生労働大臣による「被保険者の資格」に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会ではなく「社会保険審査官」に対して審査請求をすることができます。
②【R6年問1-B】
厚生労働大臣による保険料の賦課の処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をすることができる。
【解答】
②【R6年問1-B】 ×
厚生労働大臣による「保険料の賦課」の処分に不服がある者は、社会保険審査官ではなく「社会保険審査会」に対して審査請求をすることができます。
③【R6年問1-C】
厚生労働大臣による脱退一時金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。
【解答】
③【R6年問1-C】 〇
厚生労働大臣による「脱退一時金」に関する処分に不服がある者は、「社会保険審査会」に対して審査請求をすることができます。
条文を読んでみましょう。
法附則第29条第6項 厚生労働大臣による脱退一時金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。 |
④【R6年問1-D】
第1号厚生年金被保険者が厚生年金保険原簿の訂正請求をしたが、厚生労働大臣が訂正をしない旨の決定をした場合、当該被保険者が当該処分に不服がある場合は、社会保険審査官に対して審査請求をすることができる。
【解答】
④【R6年問1-D】 ×
厚生年金保険原簿の訂正請求に対する処分は、厚生年金保険法に基づく審査請求の対象にはなりません。当該処分に不服がある場合は、行政不服審査法に基づいて、審査請求をすることができます。
⑤【R6年問1-E】
被保険者の資格又は標準報酬に関する処分が確定した場合でも、その処分についての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とすることができる。
【解答】
⑤【R6年問1-E】 ×
被保険者の資格又は標準報酬に関する処分が確定したときは、その処分についての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とすることができない。となります。
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
第1号厚生年金被保険者の資格に関する処分に不服がある者が、平成28年4月8日に、社会保険審査官に審査請求をした場合、当該請求日から2か月以内に決定がないときは、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなして、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
【解答】
①【H28年出題】 〇
第1号厚生年金被保険者の資格に関する処分に不服がある者が、社会保険審査官に審査請求をし、当該請求日から2か月以内に決定がないときは、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる、とされています。
②【H29年出題】
第1号厚生年金被保険者に係る厚生労働大臣による保険料の滞納処分に不服がある者は社会保険審査官に対して、また、第1号厚生年金被保険者に係る脱退一時金に関する処分に不服がある者は社会保険審査会に対して、それぞれ審査請求をすることができる。
【解答】
②【H29年出題】 ×
第1号厚生年金被保険者に係る厚生労働大臣による保険料の滞納処分に不服がある者の審査請求先は「社会保険審査会」です。
ちなみに、第1号厚生年金被保険者に係る脱退一時金に関する処分に不服がある者の審査請求先は「社会保険審査会」で正しいです。
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R7-058 10.22
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
遺族厚生年金の額の計算式について条文を読んでみましょう。
第60条第1項 (年金額) 遺族厚生年金の額は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額とする。ただし、遺族厚生年金の受給権者が当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法による遺族基礎年金の支給を受けるときは、第1号に定める額とする。 (1) 第59条第1項に規定する遺族(次号に掲げる遺族を除く。)が遺族厚生年金の受給権を取得したとき → 死亡した被保険者又は被保険者であった者の被保険者期間を基礎として第43条第1項(老齢厚生年金の額)の規定の例により計算した額の4分の3に相当する額。ただし、第58条第1項第1号から第3号までのいずれかに該当することにより支給される遺族厚生年金(短期要件の遺族厚生年金)については、その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないときは、これを300として計算した額とする。 (2) 第59条第1項に規定する遺族のうち、老齢厚生年金の受給権を有する配偶者(65歳に達している者に限る。)が遺族厚生年金の受給権を取得したとき → 「(1)原則の遺族厚生年金の額」又は次の「イ及びロに掲げる額を合算した額」のうちいずれか多い額 イ (1)に定める額(原則の遺族厚生年金の額)に3分の2を乗じて得た額 ロ 当該遺族厚生年金の受給権者の老齢厚生年金の額(加給年金額は除く。)に 2分の1を乗じて得た額 |
今日は(1)の原則の計算式を見ていきます。
遺族厚生年金の原則の計算式は、
「死亡した者の老齢厚生年金の報酬比例部分(平均標準報酬額×1,000分の5.481×被保険者期間の月数)×4分の3」です。
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年5-ア】
死亡した者が短期要件に該当する場合は、遺族厚生年金の年金額を算定する際に、死亡した者の生年月日に応じた給付乗率の引上げが行われる。
【解答】
①【R6年5-ア】 ×
死亡した者が短期要件に該当する場合は、生年月日に応じた給付乗率の引上げは行われません。
短期要件と長期要件の違い
| 短期要件 | 長期要件 |
給付乗率 | 1,000分の5.481 (定率) | 生年月日に応じて 1,000分の5.562 ~ 1,000分の7.308 |
被保険者期間の月数 | 300月の最低保障あり | 実期間で計算 |
②【R6年問5-オ】
繰下げにより増額された老齢厚生年金を受給している夫(厚生年金保険の被保険者ではない。)が死亡した場合、夫によって生計を維持されていた妻には、夫の受給していた老齢厚生年金の額(繰下げによる加算額を含む。)の4分の3が遺族厚生年金として支給される。なお、妻は老齢厚生年金の受給権を有しておらず、老齢基礎年金のみを受給しているものとする。
【解答】
②【R6年問5-オ】 ×
夫の老齢厚生年金の額の4分の3が遺族厚生年金として支給されますが、繰下げによる加算額は含まれません。
ちなみに、妻は老齢厚生年金の受給権を有していないので、遺族厚生年金は原則の計算式で計算されます。
過去問をどうぞ!
【H27年出題】(改正による修正あり)
老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間を合算した期間が25年以上である者に限る。)が死亡したことにより支給される遺族厚生年金の額の計算における給付乗率については、死亡した者が昭和21年4月1日以前に生まれた者であるときは、生年月日に応じた読み替えを行った乗率が適用される。
【解答】
【H27年出題】 〇
老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間を合算した期間が25年以上である者に限る。)の死亡は「長期要件」に該当しますので、死亡した者が昭和21年4月1日以前に生まれた者であるときは、生年月日に応じた読み替えを行った乗率が適用されます。
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R7-057 10.21
法定免除についてお話しします。
今日の内容です。
★法定免除の対象から除外される人
→ 産前産後の保険料の免除を受ける人、一部免除を受ける人
★法定免除される期間(いつからいつまで免除される?)
→ 法定免除事由に該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間
★法定免除される事由
→ 障害基礎年金等の受給権者、生活保護法の生活扶助を受ける人、厚生労働省令で定める施設に入所しているとき
★法定免除事由に該当しても保険料の納付は可能
→ 被保険者等から、保険料を納付する旨の申出があったとき
★法定免除事由に該当したときの届出
→ 14日以内
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R7-056 10.20
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年10月13日から19日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
【国民年金法】老齢基礎年金の繰下げについてお話しします
【健康保険法】 任意継続被保険者の資格喪失
【健康保険法】療養の給付に含まれないもの
【国民年金法】老齢基礎年金の繰下げの申し出ができない者
【国民年金法】老齢基礎年金と遺族厚生年金の組み合わせ
【国民年金法】障害の程度が変わった場合の障害基礎年金の額の改定
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R7-055 10.19
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
障害の状態が変わった場合、障害基礎年金の額が改定されます。
今日は、職権で改定される場合と、受給権者からの請求によって改定される場合をみていきます。
障害の程度が変わった場合の額の改定について条文を読んでみましょう。
法第34条第1項~3項 (障害の程度が変わった場合の年金額の改定) ① 厚生労働大臣は、障害基礎年金の受給権者について、その障害の程度を診査し、その程度が従前の障害等級以外の障害等級に該当すると認めるときは、障害基礎年金の額を改定することができる。 ② 障害基礎年金の受給権者は、厚生労働大臣に対し、障害の程度が増進したことによる障害基礎年金の額の改定を請求することができる。 ③ ②の請求は、障害基礎年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き、当該障害基礎年金の受給権を取得した日又は①の規定による厚生労働大臣の診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ行うことができない。 |
①は厚生労働大臣の職権による改定です。
②は、障害の程度が増進した場合(重くなった場合)の受給権者からの改定請求です。「障害基礎年金の受給権を取得した日」又は「厚生労働大臣の診査を受けた日」から起算して1年を経過した日後でなければ行うことができません。
ただし、障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合は、1年を経過しなくても行うことができます。
では令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問6-B】
障害基礎年金の受給権者は、障害の程度が増進した場合に障害基礎年金の額の改定を請求することができるが、それは、当該障害基礎年金の受給権を取得した日から起算して1年6か月を経過した日より後でなければ行うことができない。
【解答】
【R6年問6-B】 ×
「1年6か月」ではなく「1年」を経過した日より後でなければ行うことができません。
過去問をどうぞ!
①【R5年出題】
障害の程度が増進したことによる障害基礎年金の額の改定請求については、障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き、当該障害基礎年金の受給権を取得した日又は国民年金法第34条第1項の規定による厚生労働大臣の障害の程度の診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ行うことができない。
【解答】
①【R5年出題】 〇
障害の程度が増進したことによる障害基礎年金の額の改定請求は、障害基礎年金の受給権を取得した日又は厚生労働大臣の障害の程度の診査を受けた日から起算して 「1年」を経過した日後でなければ行うことができません。
ただし、障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合は、1年を経過しなくても行うことができます。
②【R2年出題】
障害等級2級の障害基礎年金の受給権を取得した日から起算して6か月を経過した日に人工心臓(補助人工心臓を含む。)を装着した場合には、障害の程度が増進したことが明らかな場合として年金額の改定の請求をすることができる。
【解答】
②【R2年出題】 〇
障害基礎年金の受給権を取得した日又は厚生労働大臣の診査を受けた日のいずれか遅い日以後、「心臓を移植したもの又は人工心臓(補助人工心臓を含む。)を装着した」状態に至った場合は、「障害の程度が増進したことが明らかである場合として法第34条第3項に規定する厚生労働省令で定める場合」に該当し、1年を経過しなくても額の改定請求を行うことができます。
(法第34条第3項、則第33条の2の2第1項第9号)
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R7-054 10.18
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
★ 年金は1人1年金が原則です。
例えば、「遺族基礎年金」と「障害基礎年金」の受給権がある場合は、両方を一緒に受けることはできません。どちらかを選択して受給します。
その際、遺族基礎年金を受給することを選択した場合は、障害基礎年金は支給停止となります。
逆に、障害基礎年金を受給することを選択した場合は、遺族基礎年金は支給停止となります。
★ 同じ理由で支給される基礎年金と厚生年金は併給できます。
老齢厚生年金
|
|
障害厚生年金 |
|
遺族厚生年金 |
老齢基礎年金
|
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障害基礎年金 |
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遺族基礎年金 |
★ 65歳以上の場合は、以下の組み合わせを選択することができます。
遺族厚生年金
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老齢厚生年金 |
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遺族厚生年金 |
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老齢基礎年金
|
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障害基礎年金 |
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障害基礎年金 |
|
さっそく、令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問7-ア】
65歳に達するまでの間は、遺族厚生年金を受給している者が老齢基礎年金を繰り上げて受給することを選択した場合、遺族厚生年金の支給は停止される。
【解答】
【R6年問7-ア】 〇
65歳以上の場合は、老齢基礎年金と遺族厚生年金を併給できますが、65歳未満は併給できません。
そのため、遺族厚生年金を受給している者が老齢基礎年金を繰り上げて受給することを選択した場合、遺族厚生年金は65歳まで支給停止されます。65歳以降は、繰り上げて減額された老齢基礎年金と遺族厚生年金を併給できます。
60歳 65歳
遺族厚生年金 | 支給停止 | 遺族厚生年金 |
| 老齢基礎年金繰り上げ |
(法第20条、法附則第9条の2の4)
過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
障害基礎年金の受給権者が老齢基礎年金の受給権を取得したときは、その者の選択によりどちらか一方の年金を支給し、他方の年金の受給権は消滅する。
【解答】
①【H23年出題】 ×
障害基礎年金の受給権者が老齢基礎年金の受給権を取得したときは、その者の選択によりどちらか一方の年金を支給し、「他方の年金の受給権は消滅する」ではなく、「他方の年金は支給停止」されます。
例えば、障害基礎年金を選択した場合は、老齢基礎年金は支給停止となります。老齢基礎年金の受給権は消滅するのではなく、「支給停止」ですので、いつでも老齢基礎年金に選択替えをすることができます。
(法第20条)
②【H30年出題】
繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者に遺族厚生年金の受給権が発生した場合、65歳に達するまでは、繰上げ支給の老齢基礎年金と遺族厚生年金について併給することができないが、65歳以降は併給することができる。
【解答】
②【H30年出題】 〇
65歳に達するまでは、繰上げ支給の老齢基礎年金と遺族厚生年金は併給されませんが、65歳以降は併給できます。
(法第20条、法附則第9条の2の4)
③【R5年出題】
65歳以上の場合、異なる支給事由による年金給付であっても併給される場合があり、例えば老齢基礎年金と遺族厚生年金は併給される。一方で、障害基礎年金の受給権者が65歳に達した後、遺族厚生年金の受給権を取得した場合は併給されることはない。
【解答】
③【R5年出題】 ×
65歳以上の場合、障害基礎年金と遺族厚生年金は併給されます。
(法第20条、法附則第9条の2の4)
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R7-053 10.17
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
老齢基礎年金の繰下げの条件について条文を読んでみましょう。
第28条第1項(支給の繰下げ) ① 老齢基礎年金の受給権を有する者であって66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかったものは、厚生労働大臣に当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。 ただし、その者が65歳に達したときに、他の年金たる給付(他の年金給付(付加年金を除く。)又は厚生年金保険法による年金たる保険給付(老齢を支給事由とするものを除く。)をいう。)の受給権者であったとき、又は65歳に達した日から66歳に達した日までの間において他の年金たる給付の受給権者となったときは、この限りでない。 |
★老齢基礎年金の繰下げの申し出の条件は、66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していないことです。
ただし、①「65歳」に達したときに、「他の年金たる給付」の受給権者であった、②65歳に達した日から66歳に達した日までの間に「他の年金たる給付」の受給権者となったときは、支給繰下げの申出はできません。
「他の年金たる給付」とは、「他の年金給付(付加年金を除く。)」又は「厚生年金保険法による年金たる保険給付(老齢を支給事由とするものを除く。)」のことをいいます。
「他の年金給付(付加年金を除く。)」とは、国民年金の障害基礎年金と遺族基礎年金のこと、「厚生年金保険法による年金たる保険給付(老齢を支給事由とするものを除く。)」とは、障害厚生年金と遺族厚生年金です。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問9-B】
老齢基礎年金の受給権を有する者であって66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかった者が、65歳に達した日から66歳に達した日までの間において遺族厚生年金の受給権者となったが、実際には遺族厚生年金は受給せず老齢厚生年金を受給する場合は、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。
【解答】
【R6年問9-B】 ×
問題文の場合は、支給繰下げの申し出はできません。
「65歳に達した日から66歳に達した日までの間において他の年金たる給付の受給権者となったとき」は繰下げの申し出はできません。
実際には遺族厚生年金は受給せず老齢厚生年金を受給する場合でも、遺族厚生年金の受給権者です。そのため、老齢基礎年金の支給繰下げの申出はできません。
(法第28条第1項)
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
老齢厚生年金を受給中である67歳の者が、20歳から60歳までの40年間において保険料納付済期間を有しているが、老齢基礎年金の請求手続きをしていない場合は、老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をすることで増額された年金を受給することができる。なお、この者は老齢基礎年金及び老齢厚生年金以外の年金の受給権を有していたことがないものとする。
【解答】
①【R1年出題】 〇
老齢厚生年金の受給権を有していても、老齢基礎年金の支給繰下げをすることは可能です。
また、老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に繰り下げる必要はありませんので、問題文のように、老齢基礎年金のみ繰り下げることもできます。
(法第28条第1項)
②【R1年出題】
65歳に達し老齢基礎年金の受給権を取得した者であって、66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求しなかった者が、65歳に達した日から66歳に達した日までの間において障害基礎年金の受給権者となったときは、当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができない。
【解答】
②【R1年出題】 〇
65歳に達した日から66歳に達した日までの間に障害基礎年金の受給権者となったときは、支給繰下げの申出はできません。
(法第28条第1項)
③【H24年出題】
寡婦年金の受給権者であった者は、老齢基礎年金の繰下げ支給を受けることはできない。
【解答】
③【H24年出題】 ×
「寡婦年金」は他の年金たる給付の中には入りませんので、寡婦年金の受給権者であった者でも、老齢基礎年金の繰下げ支給を受けることができます。
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R7-052 10.16
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
「療養の給付」について条文を読んでみましょう。
第63条第1項、第2項 ① 被保険者の疾病又は負傷に関しては、次に掲げる療養の給付を行う。 (1) 診察 (2) 薬剤又は治療材料の支給 (3) 処置、手術その他の治療 (4) 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護 (5) 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護 ② 次に掲げる療養に係る給付は、療養の給付に含まれないものとする。 (1) 食事の提供である療養であって入院療養と併せて行うもの(療養病床への入院及びその療養に伴う世話その他の看護であって、当該療養を受ける際、65歳に達する日の属する月の翌月以後である被保険者(以下「特定長期入院被保険者」という。)に係るものを除く。以下「食事療養」という。) (2) 次に掲げる療養であって入院療養と併せて行うもの(特定長期入院被保険者に係るものに限る。以下「生活療養」という。) イ 食事の提供である療養 ロ 温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成である療養 (3) 厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、療養の給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養(次号の患者申出療養を除く。)として厚生労働大臣が定めるもの(以下「評価療養」という。) (4) 高度の医療技術を用いた療養であって、当該療養を受けようとする者の申出に基づき、療養の給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養として厚生労働大臣が定めるもの(以下「患者申出療養」という。) (5) 被保険者の選定に係る特別の病室の提供その他の厚生労働大臣が定める療養(以下「選定療養」という。) |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問4-A】
入院時の食事の提供に係る費用、特定長期入院被保険者に係る生活療養に係る費用、評価療養・患者申出療養・選定療養に係る費用、正常分娩及び単に経済的理由による人工妊娠中絶に係る費用は、療養の給付の対象とはならない。
【解答】
【R6年問4-A】 〇
・入院時の食事の提供に係る費用→「入院時食事療養費」
・特定長期入院被保険者に係る生活療養に係る費用→「入院時生活療養費」
・評価療養・患者申出療養・選定療養に係る費用→「保険外併用療養費」
の対象となります。
単に経済的理由による人工妊娠中絶に係る費用は、療養の給付の対象とはなりません。
(S27.9.29保発第56号)
医師の手当を必要とする異常分娩は療養の給付の対象ですが、正常分娩は療養の給付の対象になりません。
(S17.2.27社発第206号)
過去問をどうぞ!
①【R5年出題】
食事の提供である療養であって入院療養と併せて行うもの(療養病床への入院及びその療養に伴う世話その他の看護であって、当該療養を受ける際、65歳に達する日の属する月の翌月以後である被保険者に係るものを除く。)は、療養の給付に含まれる。
【解答】
①【R5年出題】 ×
入院療養と併せて行う食事の提供は、療養の給付には含まれません。「入院時食事療養費」の対象になります。
(法第63条第2項第1号)
②【H28年出題】(改正による修正あり)
患者申出療養とは、高度の医療技術を用いた療養であって、当該療養を受けようとする者の申出に基づき、療養の給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養として厚生労働大臣が定めるものをいい、被保険者が、厚生労働省令で定めるところにより、保険医療機関等のうち自己の選定するものから、電子資格確認等により、被保険者であることの確認を受け、患者申出療養を受けたときは、療養の給付の対象とはならず、その療養に要した費用について保険外併用療養費が支給される。
【解答】
②【H28年出題】 〇
患者申出療養は、療養の給付の対象とはならず、その療養に要した費用について保険外併用療養費が支給されます。
(法第63条第2項第4号、法第86条)
③【H28年出題】
定期的健康診査の結果、疾病の疑いがあると診断された被保険者が精密検査を行った場合、その精密検査が定期的健康診査の一環として予め計画されたものでなくとも、当該精密検査は療養の給付の対象とはならない。
【解答】
③【H28年出題】 ×
健康診断は療養の給付の対象になりませんが、精密検査は療養の給付の対象となります。
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R7-051 10.15
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
任意継続被保険者の資格喪失について条文を読んでみましょう。
第38条 (任意継続被保険者の資格喪失) 任意継続被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(④から⑥までのいずれかに該当するに至ったときは、その日)から、その資格を喪失する。 ① 任意継続被保険者となった日から起算して2年を経過したとき。 ② 死亡したとき。 ③ 保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を納付期日までに納付しなかったとき(納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときを除く。)。 ④ 被保険者となったとき。 ⑤ 船員保険の被保険者となったとき。 ⑥ 後期高齢者医療の被保険者等となったとき。 ⑦ 任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を、厚生労働省令で定めるところにより、保険者に申し出た場合において、その申出が受理された日の属する月の末日が到来したとき。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問1-B】
任意継続被保険者は、任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を、厚生労働省令で定めるところにより、保険者に申し出た場合において、その申し出た日の属する月の末日が到来するに至ったときは、その翌日から任意継続被保険者の資格を喪失する。
【解答】
【R6年問1-B】 ×
「その申し出た日」ではなく、「その申出が受理された日」の属する月の末日が到来するに至ったときは、その翌日から任意継続被保険者の資格を喪失します。
保険者が申出書を受理した日の属する月の翌月1日が資格喪失日となります。
(法第38条第7号)
過去問をどうぞ!
①【R5年出題】
任意継続被保険者が任意の資格喪失の申出をしたが、申出のあった日が保険料納付期日の10日より前であり、当該月の保険料をまだ納付していなかった場合、健康保険法第38条第3号の規定に基づき、当該月の保険料の納付期日の翌日から資格を喪失する。
【解答】
①【R5年出題】 〇
任意継続被保険者が任意の資格喪失の申出をしたが、申出のあった日が保険料納付期日の10日より前で、当該月の保険料をまだ納付していなかった場合、当該月の保険料の納付期日の翌日から資格を喪失することになります。
(令和3年12月27日事務連絡)
②【H27年出題】
任意継続被保険者が保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を納付期日までに納付しなかったときは、納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めた場合を除き、督促状により指定する期限の翌日にその資格を喪失する。
【解答】
②【H27年出題】 ×
任意継続被保険者が保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を納付期日までに納付しなかったときは、納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めた場合を除き、「納付期日の翌日」にその資格を喪失します。納付期日はその月の10日ですので、翌日の11日に資格を喪失します。
(法第38条第3号)
ちなみに、初めて納付すべき保険料を納付しなかったときは、「任意継続被保険者とならなかったものとみなす」とされています。ただし、その納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときは、この限りではありません。
(法第37条第2項)
③【H26年出題】
任意継続被保険者は、後期高齢者医療の被保険者となった日の翌日からその資格を喪失する。
【解答】
③【H26年出題】 ×
任意継続被保険者は、後期高齢者医療の被保険者となった「日」からその資格を喪失します。翌日ではありません。
(法第38条第6号)
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R7-050 10.14
老齢基礎年金の繰下げについてYouTubeでお話ししています。
内容は以下の通りです。
・老齢基礎年金の繰下げの申し出ができる人の要件
・66歳後に他の年金給付の受給権を取得した場合
・繰下げ加算率
・特例的な繰下げみなし増額制度
YouTubeでご覧ください。
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R7-049 10.13
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年10月7日から12日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
【厚生年金保険法】 在職老齢年金の基本をお話しします
【厚生年金保険法】 特別支給の老齢厚生年金長期加入者の特例
【労働基準法】就業規則等に関する問題
【労働安全衛生法】第88条の計画の届出
【労災保険法】遺族補償年金の受給権の消滅
【労働保険徴収法】保険関係の成立と消滅など
YouTubeでお話ししています。
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R7-048 10.12
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働保険徴収法の択一式です。
さっそく令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問8-A(雇用)】
雇用保険暫定任意適用事業に該当する事業が雇用保険法第5条第1項の適用事業に該当するに至った場合は、その該当する日に至った日から10日以内に労働保険徴収法第4条の2に規定する保険関係成立届を所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に提出することによって、その事業につき雇用保険に係る保険関係が成立する。
【解答】
①【R6年問8-A(雇用)】 ×
労災保険・雇用保険の保険関係は、「その事業が開始された日」に、事業主の意思に関係なく強行的に成立します。
また、雇用保険暫定任意適用事業に該当する事業が、雇用保険法の適用事業に該当するに至った場合は、「その該当する日」に保険関係が強行的に成立します。
なお、保険関係が成立した事業の事業主は、その成立した日から10日以内に保険関係成立届を提出しなければなりません。
「保険関係成立届」を提出することによって保険関係が成立するのではありません。
(法第3条、4条の2、法附則第3条)
②【R6年問8-B(雇用)】
都道府県に準ずるもの及び市町村に準ずるものの行う事業については、労災保険に係る保険関係と雇用保険に係る保険関係の双方を一の事業についての労働保険の保険関係として取り扱い、一般保険料の算定、納付等の手続きを一元的に処理する事業として定められている。
【解答】
②【R6年問8-B(雇用)】 ×
「都道府県及び市町村の行う事業」、「都道府県に準ずるもの及び市町村に準ずるものの行う事業」は、「二元適用事業」ですので、労災保険に係る保険関係と雇用保険に係る保険関係は、別個の事業とみなして徴収法を適用します。
ちなみに、「国の行う事業」は、二元適用事業とされていません。国の行う事業は、労災保険に係る保険関係が成立しないからです。
(法第39条、則第70条)
③【R6年問8-C(雇用)】
保険関係が成立している事業の事業主は、事業主の氏名又は名称及び住所に変更があったときは、変更を生じた日の翌日から起算して10日以内に、労働保険徴収法施行規則第5条第2項に規定する事項を記載した届書を所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に提出することによって行わなければならない。
【解答】
③【R6年問8-C(雇用)】 〇
「名称、所在地等変更届」の問題です。
名称、所在地等に変更があったときは、変更を生じた日の「翌日から起算」して「10日以内」に、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に提出しなければなりません。
(法第4条の2第2項、則第5条)
④【R6年問8-D(雇用)】
雇用保険に係る保険関係が成立している雇用保険暫定任意適用事業の事業主については、その事業に使用される労働者の4分の3以上の同意を得て、その者が当該保険関係の消滅の申請をした場合、厚生労働大臣の認可があった日に、その事業についての当該保険関係が消滅する。
【解答】
④【R6年問8-D(雇用)】 ×
雇用保険暫定任意適用事業については、任意に保険関係を消滅させることができます。その場合は、その事業に使用される労働者の4分の3以上の同意が必要です。
保険関係の消滅の申請をした場合、「厚生労働大臣の認可があった日の翌日」に、その事業についての当該保険関係が消滅します。「厚生労働大臣の認可があった日」ではありません。
(法附則第4条第2項)
⑤【R6年問8-E(雇用)】
雇用保険法第5条第1項の適用事業及び雇用保険に係る保険関係が成立している雇用保険暫定任意適用事業の保険関係は、当該事業が廃止され又は終了したときは、その事業についての保険関係は、その日に消滅する。
【解答】
⑤【R6年問8-E(雇用)】 ×
保険関係が成立している事業が廃止され、又は終了したときは、その事業についての保険関係は、「その翌日」に消滅します。
(法第5条)
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R7-047 10.11
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労災保険法の択一式です。
遺族補償年金の受給権の消滅について条文を読んでみましょう。
第16条の4第1項 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が次の各号の一に該当するに至ったときは、消滅する。この場合において、同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給する。 (1) 死亡したとき。 (2) 婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。 (3) 直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき。 (4) 離縁によって、死亡した労働者との親族関係が終了したとき。 (5) 子、孫又は兄弟姉妹については、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき(労働者の死亡の時から引き続き厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く。)。 (6) 厚生労働省令で定める障害の状態にある夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、その事情がなくなったとき(夫、父母又は祖父母については、労働者の死亡の当時60歳以上であったとき、子又は孫については18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるとき、兄弟姉妹については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は労働者の死亡の当時60歳以上であったときを除く。)。 |
★(6)について
夫、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹は、労働者の死亡当時、「年齢」か「障害」のどちらかの要件を満たす必要があります。
「障害要件」に該当しなくなった場合は、受給権は消滅します。
ただし、障害要件に該当しなくなっても、年齢要件を満たしていれば、受給権は消滅しません。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問5】
遺族補償年金の受給権に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
なお、本問において、「遺族補償年金を受ける権利を有する遺族」を「当該遺族」という。
ア 遺族補償年金の受給権は、当該遺族が死亡したときには消滅する。
イ 遺族補償年金の受給権は、当該遺族が婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)をしたときには消滅する。
ウ 遺族補償年金の受給権は、当該遺族が直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったときには消滅する。
エ 遺族補償年金の受給権は、当該遺族である子・孫が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときには消滅する。
オ 遺族補償年金の受給権は、当該遺族である兄弟姉妹が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときには消滅する。
【解答】
ア 〇
遺族補償年金の受給権者が死亡したときには受給権は消滅します。
イ 〇
遺族補償年金の受給権者が婚姻をしたときには受給権は消滅します。届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合でも消滅します。
ウ 〇
遺族補償年金の受給権者が直系血族又は直系姻族以外の者の養子となったときには、受給権は消滅します。届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある場合でも消滅します。
エ ×
遺族補償年金の受給権者である子・孫が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときには、受給権は原則として消滅します。
ただし、労働者の死亡の時から引き続き厚生労働省令で定める障害の状態にあるときは、18歳の年度末になっても消滅しません。
「労働者の死亡時から引き続き障害の状態にあるときは消滅しない」という要件が抜けているので誤りです。
オ ×
「エ」の問題と同じです。
過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が、婚姻の届出はしていないものの事実上婚姻関係と同様の事情にある場合に至ったときは、消滅する。
【解答】
①【H23年出題】 〇
遺族補償年金を受ける権利を有する遺族が、婚姻の届出はしていないものの事実上婚姻関係と同様の事情にある場合に至ったときは、消滅します。
②【H28年出題】
遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が、自分の伯父の養子となったときは、消滅する。
【解答】
②【H28年出題】 〇
遺族補償年金の受給権は、当該遺族が「直系血族又は直系姻族以外の者」の養子になったときには消滅します。自分の伯父は、直系血族でも直系姻族でもありませんので、自分の伯父の養子となったときは、消滅します。
③【H23年出題】
遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する兄弟姉妹が労災保険法第16条の2第1項第4号の厚生労働省令で定める障害の状態にあるときであっても、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときは、消滅する。
【解答】
③【H23年出題】 ×
兄弟姉妹が、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときは、原則として遺族補償年金の受給権は消滅します。
ただし、労働者の死亡の時から引き続き厚生労働省令で定める障害の状態にあるときは消滅しません。
④【H23年出題】
遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する、労災保険法第16条の2第1項第4号の厚生労働省令で定める障害の状態にあった祖父母が、その障害の状態がなくなったときは、労働者の死亡の当時60歳以上であった場合であっても、消滅する。
【解答】
④【H23年出題】 ×
労働者の死亡の当時60歳以上であった祖父母は、労働者の死亡時に年齢要件を満たしていますので、障害の状態がなくなっても遺族補償年金の受給権は消滅しません。
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R7-046 10.10
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働安全衛生法の択一式です。
条文を読んでみましょう。
第88条第1項~3項 (計画の届出等) ① 事業者は、機械等で、危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、厚生労働省令で定めるものを設置し、若しくは移転し、又はこれらの主要構造部分を変更しようとするときは、その計画を当該工事の開始の日の30日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない。ただし、第28条の2第1項に規定する措置その他の厚生労働省令で定める措置を講じているものとして、厚生労働省令で定めるところにより労働基準監督署長が認定した事業者については、この限りでない。 ② 事業者は、建設業に属する事業の仕事のうち重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事で、厚生労働省令で定めるものを開始しようとするときは、その計画を当該仕事の開始の日の30日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に届け出なければならない。 ③ 事業者は、建設業その他政令で定める業種に属する事業の仕事(建設業に属する事業にあっては、重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事で厚生労働省令で定めるものを除く。)で、厚生労働省令で定めるものを開始しようとするときは、その計画を当該仕事の開始の日の14日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない。 |
では、令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問10-A】
労働安全衛生法第88条第1項柱書は、「事業者は、機械等で、危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、厚生労働省令で定めるものを設置し、若しくは移転し、又はこれらの主要構造部分を変更しようとするときは、その計画を当該工事の開始の日の14日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない。」と定めている。
【解答】
①【R6年問10-A】 ×
★機械等で危険又は有害な作業を必要とするもの等に係る届出
工事の開始の日の14日前ではなく、「30日前」までに労働基準監督署長に届け出なければなりません。
(法第88条第1項)
②【R6年問10-B】
事業者は、建設業に属する事業の仕事のうち重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事で、厚生労働省令で定めるものを開始しようとするときは、その計画を当該仕事の開始の日の30日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県労働局長に届け出なければならない。
【解答】
②【R6年問10-B】 ×
★特に大規模な建設業の仕事の計画(厚生労働大臣への届出)
仕事の開始の日の30日前までに、都道府県労働局長ではなく「厚生労働大臣」に届け出なければなりません。
(法第88条第2項)
③【R6年問10-C】
事業者は、建設業に属する事業の仕事(重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事で、厚生労働省令で定めるものを除く。)で、厚生労働省令で定めるものを開始しようとするときは、その計画を当該仕事の開始の日の14日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない。
【解答】
③【R6年問10-C】 〇
★建設業等の仕事を開始しようとするときの労働基準監督署長への届出
仕事の開始の日の「14日前」までに、「労働基準監督署長」に届け出なければなりません。
(法第88条第3項)
④【R6年問10-D】
機械等で、危険な作業を必要とするものとして計画の届出が必要とされるものにはクレーンが含まれるが、つり上げ荷重が1トン未満のものは除かれる。
【解答】
④【R6年問10-D】 ×
★機械等で危険又は有害な作業を必要とするもの等に係る届出
クレーンは届出が必要ですが、「つり上げ荷重が1トン未満のものは除かれる」という規定はありません。
(クレーン則第5条、第44条)
⑤【R6年問10-E】
機械等で、危険な作業を必要とするものとして計画の届出が必要とされるものには動力プレス(機械プレスでフランク軸等の偏心機構を有するもの及び液圧プレスに限る。)が含まれるが、圧力能力が5トン未満のものは除かれる。
【解答】
⑤【R6年問10-E】 ×
★機械等で危険又は有害な作業を必要とするもの等に係る届出
動力プレス(機械プレスでフランク軸等の偏心機構を有するもの及び液圧プレスに限る。)は届出が必要ですが、「圧力能力が5トン未満のものは除かれる。」という規定はありません。
(則別表第7)
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R7-045 10.9
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
さっそく過去問をどうぞ!
①【R6年問7-A】
労働基準法第89条第1号から第3号までの絶対的必要記載事項の一部が記載されていない就業規則は他の要件を具備していても無効とされている。
【解答】
①【R6年問7-A】 ×
絶対的必要記載事項の一部が記載されていない就業規則も、他の要件を具備している限り「有効」です。ただし、そのような就業規則を作成し届け出たとしても、使用者の法第89条違反の責任は免れません。
②【R6年問7-B】
事業の附属寄宿舎に労働者を寄宿させる使用者は、「起床、就寝、外出及び外泊に関する事項」、「行事に関する事項」、「食事に関する事項」、「安全及び衛生に関する事項」及び「建設物及び設備の管理に関する事項」について寄宿舎規則を作成し、行政官庁に届け出なければならないが、これらはいわゆる必要的記載事項であるから、そのいずれか一つを欠いても届出は受理されない。
【解答】
②【R6年問7-B】 〇
「起床、就寝、外出及び外泊に関する事項」、「行事に関する事項」、「食事に関する事項」、「安全及び衛生に関する事項」、「建設物及び設備の管理に関する事項」は、必要的記載事項ですので、そのいずれか一つを欠いても届出は受理されません。
(法第95条)
③【R6年問7-C】
同一事業場において、労働基準法第3条に反しない限りにおいて、一部の労働者についてのみ適用される別個の就業規則を作成することは差し支えないが、別個の就業規則を定めた場合には、当該2以上の就業規則を合したものが同法第89条の就業規則となるのであって、それぞれ単独に同条の就業規則となるものではないとされている。
【解答】
③【R6年問7-C】 〇
同一事業場で、一部の労働者についてのみ適用される別個の就業規則を作成することもできます。別個の就業規則を定めた場合には、当該2以上の就業規則を合したものが同法第89条の就業規則となります。それぞれが単独に同条の就業規則となるものではありません。
(H11.3.31基発168号)
④【R6年問7-D】
育児介護休業法による育児休業も、労働基準法第89条第1号の休暇に含まれるものであり、育児休業の対象となる労働者の範囲等の付与要件、育児休業取得に必要な手続、休業期間については、就業規則に記載する必要があるとされている。
【解答】
④【R6年問7-D】 〇
育児介護休業法による育児休業も、労働基準法第89条第1号の休暇に含まれます。育児休業の対象となる労働者の範囲等の付与要件、育児休業取得に必要な手続、休業期間については、就業規則に記載しなければなりません。
(H11.3.31基発168号)
⑤【R6年問7-E】
労働基準法第41条第3号の「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」は、同法の労働時間に関する規定が適用されないが、就業規則には始業及び終業の時刻を定めなければならないとされている。
【解答】
⑤【R6年問7-E】 〇
労働基準法第41条第3号の「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」にも法第89条は適用されます。そのため、就業規則には始業及び終業の時刻を定めなければなりません。
(S23.12.25基収4281号)
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R7-044 10.8
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
今日は長期加入者の特例です。
・長期加入者の特例は、特別支給の老齢厚生年金が「報酬比例部分のみ」になる年代が対象です。
例えば、昭和32年4月2日生まれの男性は、63歳から報酬比例部分が支給されます。
60歳 63歳 65歳
| 報酬比例部分 | 老齢厚生年金 |
|
| 老齢基礎年金 |
「長期加入者の特例」の要件に該当すると、下の図のように定額部分が加算されます。
60歳 63歳 65歳
| 報酬比例部分 | 老齢厚生年金 |
| 定額部分 | 老齢基礎年金 |
また、要件を満たせば加給年金額も加算されます。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問9-C】
第1号厚生年金被保険者として在職中である者が、報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金の受給権を取得したとき、第1号厚生年金被保険者としての期間が44年以上である場合は、老齢厚生年金の額の計算に係る特例の適用となり、その者の特別支給の老齢厚生年金に定額部分が加算される。
【解答】
【R6年問9-C】 ×
「在職中」は、長期加入者の特例は適用されませんので、定額部分は加算されません。
(法附則第9条の3)
★長期加入者の特例が適用される条件を確認しましょう。
・厚生年金保険の被保険者でないこと(=退職していること)
・厚生年金保険の被保険者期間が44年以上あること
★「障害者の特例」との違い
・「障害者の特例」は、「特例の適用を請求」することが条件ですが、「長期加入者の特例」については、特例の適用を請求する必要はありません。
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
昭和33年4月10日生まれの男性は、第1号厚生年金被保険者として4年、第2号厚生年金被保険者として40年加入してきた(これらの期間以外被保険者期間は有していないものとする。)。当該男性は、厚生年金保険の被保険者でなければ、63歳から定額部分と報酬比例部分の特別支給の老齢厚生年金が支給される。
【解答】
①【R3年出題】 ×
長期加入者の特例の要件は「厚生年金保険の被保険者期間が44年以上」あることです。ただし、2以上の種別の被保険者であった期間を有する場合は、「44年以上」の計算は、各号の厚生年金被保険者期間ごとに適用されます。
問題文の場合、第1号厚生年金被保険者としての4年と第2号厚生年金被保険者としての40年は合算できません。そのため長期加入者の特例の要件を満たしませんので、63歳から支給されるのは報酬比例部分のみで、定額部分は支給されません。
(法附則第9条の3、法附則第20条第2項)
②【H28年出題】
第1号厚生年金被保険者期間を30年と第2号厚生年金被保険者期間を14年有する昭和29年10月2日生まれの現に被保険者でない男性は、両種別合わせた被保険者期間が44年以上であることにより、61歳から定額部分も含めた特別支給の老齢厚生年金を受給することができる。
【解答】
②【H28年出題】 ×
第1号厚生年金被保険者期間30年と第2号厚生年金被保険者期間14年は合算できませんので、61歳から定額部分は支給されません。
(法附則第9条の3、法附則第20条第2項)
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R7-043 10.7
在職老齢年金のキーワードをおさえましょう。
・「在職老齢年金」の「在職」とは?
・総報酬月額相当額とは?
・基本月額とは?
・支給停止調整額とは?
・支給停止基準額とは?
「加給年金額」、「繰下げ加算額」、「経過的加算額」が支給停止の対象となるか、ならないかが問われるポイントです。
YouTubeでお話ししています。
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R7-042 10.6
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
障害基礎年金の併合について条文を読んでみましょう。
第31条 ① 障害基礎年金の受給権者に対して更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。 ② 障害基礎年金の受給権者が前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得したときは、従前の障害基礎年金の受給権は、消滅する。 |
年金は「一人一年金」が原則ですが、障害基礎年金の受給権が複数発生した場合の特別規定です。
障害基礎年金の受給権が複数発生した場合は、一年金を選択するのではなく、前後の障害を併合した程度の障害基礎年金が支給されます。
第32条 ① 期間を定めて支給を停止されている障害基礎年金の受給権者に対して更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金は、従前の障害基礎年金の支給を停止すべきであった期間、その支給を停止するものとし、その間、その者に従前の障害を併合しない障害の程度による障害基礎年金を支給する。 ② 障害基礎年金の受給権者が更に障害基礎年金の受給権を取得した場合において、新たに取得した障害基礎年金が労働基準法の規定による障害補償を受けることができるためにその支給を停止すべきものであるときは、その停止すべき期間、その者に対して従前の障害基礎年金を支給する。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問6-A】
障害基礎年金を受給している者に、更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じた時は、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得するが、後発の障害に基づく障害基礎年金が、労働基準法の規定による障害補償を受けることができるために支給停止される場合は、当該期間は先発の障害に基づく障害基礎年金も併合認定された障害基礎年金も支給停止される。
【解答】
【R6年問6-A】 ×
障害基礎年金を受給している者に、更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じた時は、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得します。
ただし、後発の障害基礎年金が、労働基準法の障害補償を受けることができるために6年間支給停止される場合は、「その停止すべき期間、その者に対して従前の障害基礎年金を支給する。」となります。
(法第32条第2項)
過去問もどうぞ!
【R4年出題】
障害基礎年金の受給権者が更に障害基礎年金の受給権を取得した場合において、新たに取得した障害基礎年金が国民年金法第36条第1項(障害補償による支給停止)の規定により6年間その支給を停止すべきものであるときは、その停止すべき期間、その者に対し同法第31条第1項(併合認定)の規定により前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。
【解答】
【R4年出題】 ×
新たに取得した障害基礎年金が障害補償による支給停止の規定により6年間その支給を停止すべきものであるときは、その停止すべき期間、その者に対し「同法第31条第1項(併合認定)の規定により前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金」ではなく、「従前の障害基礎年金を支給する。」です。
(法第32条第2項)
こちらの過去問もどうぞ!
【R1年出題】
障害基礎年金の受給権者に対して更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金が支給されるが、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得したときは、従前の障害基礎年金の受給権は消滅する
【解答】
【R1年出題】 〇
前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得したときは、「従前の障害基礎年金の受給権は消滅」するのがポイントです。支給停止ではありません。
(法第31条)
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R7-041 10.5
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問6-D】
一時帰休に伴い、就労していたならば受けられるであろう報酬よりも低額な休業手当等が支払われることとなった場合の標準報酬月額の決定については、標準報酬月額の定時決定の対象月に一時帰休に伴う休業手当等が支払われた場合、その休業手当等をもって報酬月額を算定して標準報酬月額を決定する。ただし、標準報酬月額の決定の際、既に一時帰休の状況が解消している場合は、当該定時決定を行う年の9月以降において受けるべき報酬をもって報酬月額を算定し、標準報酬月額を決定する。
【解答】
【R6年問6-D】 〇
定時決定の算定対象月(4月・5月・6月)に休業手当等が支払われた場合、その休業手当等をもって報酬月額を算定して標準報酬月額を決定します。
★ちなみに、休業手当等が支払われた月のみで決定するわけではありません。
例えば、定時決定の対象月である4・5・6月のうち、4・5月は通常の給与の支払を受けて6月のみ一時帰休による休業手当等が支払われた場合には、6月分は休業手当等を含めて報酬月額を算定した上で、4・5・6月の報酬月額を平均して標準報酬月額を決定します。
ただし、標準報酬月額の決定の際、既に一時帰休の状況が解消している場合は、当該定時決定を行う年の9月以降において受けるべき報酬をもって報酬月額を算定し、標準報酬月額を決定します。(次の問題で解説します)
(令和5年6月27日事務連絡)
過去問をどうぞ!
【R1年出題】
4月、5月、6月における定時決定の対象月に一時帰休が実施されていた場合、7月1日の時点で一時帰休の状況が解消していれば、休業手当等を除いて標準報酬月額の定時決定を行う。例えば、4月及び5月は通常の給与の支払いを受けて6月のみ一時帰休による休業手当等が支払われ、7月1日の時点で一時帰休の状況が解消していた場合には、6月分を除いて4月及び5月の報酬月額を平均して標準報酬月額の定時決定を行う。
【解答】
【R1年出題】 〇
一時帰休の状態が解消しているかどうかは、7月1日時点で判断します。
7月1日の時点で一時帰休の状況が解消している場合の定時決定では、休業手当等を除いて標準報酬月額を決定する必要がありますので、通常の給与を受けた月における報酬の平均により、標準報酬月額を算出します。
例えば、4月及び5月は通常の給与の支払いを受けて6月のみ一時帰休による休業手当等が支払われ、7月1日の時点で一時帰休の状況が解消していた場合には、4・5月の報酬の平均を「9月以降において受けるべき報酬」として定時決定を行います。
6月分を除いて4月及び5月の報酬月額を平均して標準報酬月額の定時決定を行います。
(令和5年6月27日事務連絡)
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R7-040 10.4
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、確定拠出年金法の択一式です。
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問7-A】
企業型年金加入者は、政令で定める基準に従い企業型年金規約で定めるところにより、年1回以上、定期的に自ら掛金を拠出することができる。
【解答】
①【R6年問7-A】 〇
企業型確定拠出年金の掛金は事業主が拠出しますが、事業主掛金に加えて、加入者も掛金を拠出することができます。マッチング拠出といいます。
条文で確認しましょう。
第19条 ① 事業主は、政令で定めるところにより、年1回以上、定期的に掛金を拠出する。 ② 事業主掛金の額は、企業型年金規約で定めるものとする。ただし、簡易企業型年金に係る事業主掛金の額については、政令で定める基準に従い企業型年金規約で定める額とする。 ③ 企業型年金加入者は、政令で定める基準に従い企業型年金規約で定めるところにより、年1回以上、定期的に自ら掛金を拠出することができる。 ④ 企業型年金加入者掛金の額は、企業型年金規約で定めるところにより、企業型年金加入者が決定し、又は変更する。 |
ちなみに、企業型年金加入者掛金は、事業主掛金を超えず、かつ、事業主掛金との合計が拠出限度額の範囲内であることが必要です。
②【R6年問7-B】
企業型年金加入者掛金を拠出する企業型年金加入者は、企業型年金加入者掛金を企業型年金規約で定める日までに事業主を介して資産管理機関に納付するものとする。
【解答】
②【R6年問7-B】 〇
企業型年金加入者掛金は、「事業主を介して」資産管理機関に納付します。
条文で確認しましょう。
第21条第1項 (事業主掛金の納付) 事業主は、事業主掛金を企業型年金規約で定める日までに資産管理機関に納付するものとする。
第21条の2第1項 (企業型年金加入者掛金の納付) 企業型年金加入者掛金を拠出する企業型年金加入者は、企業型年金加入者掛金を企業型年金規約で定める日までに事業主を介して資産管理機関に納付するものとする。
第21条の3(企業型年金加入者掛金の源泉控除) ① 企業型年金加入者掛金の納付を行う事業主は、当該企業型年金加入者に対して通貨をもって給与を支払う場合においては、企業型年金加入者掛金を給与から控除することができる。 ② 事業主は、企業型年金加入者掛金を控除したときは、企業型年金加入者掛金の控除に関する計算書を作成し、その控除額を当該企業型年金加入者に通知しなければならない。 |
③【R6年問7-C】
企業型年金の給付のうち年金として支給されるもの(以下本肢において「年金給付」という。)の支給は、これを支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、権利が消滅した月で終わるものとする。年金給付の支払期月については、企業型年金規約で定めるところによる。
【解答】
③【R6年問7-C】 〇
年金給付の支給は、これを支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、権利が消滅した月で終わります。年金給付の支払期月については、企業型年金規約で定めるところによります。
(法第31条)
④【R6年問7-D】
個人型年金加入者は、厚生労働省令で定めるところにより、氏名及び住所その他の事項を、当該個人型年金加入者が指定した運用関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関に届け出なければならない。
【解答】
④【R6年問7-D】 ×
「個人型年金加入者は、厚生労働省令で定めるところにより、氏名及び住所その他の事項を国民年金基金連合会に届け出なければならない」とされています。
(法第66条)
⑤【R6年問7-E】
個人型年金加入者掛金の額は、個人型年金規約で定めるところにより、個人型年金加入者が決定し、又は変更する。
【解答】
⑤【R6年問7-E】 〇
個人型年金加入者掛金の額は、「個人型年金加入者」が決定し、又は変更します。
条文で確認しましょう。
第68条 (個人型年金加入者掛金) ① 個人型年金加入者は、政令で定めるところにより、年1回以上、定期的に掛金を拠出する。 ② 個人型年金加入者掛金の額は、個人型年金規約で定めるところにより、個人型年金加入者が決定し、又は変更する。 |
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R7-039 10.3
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、最低賃金法の択一式です。
まず、最低賃金法の条文を読んでみましょう。
第1条 (目的) この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
第3条 (最低賃金額) 最低賃金額(最低賃金において定める賃金の額をいう。)は、時間によつて定めるものとする。
第4条第1項、第2項 (最低賃金の効力) ① 使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。 ② 最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなす。 |
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問4-イ】
最低賃金法第8条は、「最低賃金の適用を受ける使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該最低賃金の概要を、常時作業場の見やすい場所に掲示し、又はその他の方法で、労働者に周知させるための措置をとらなければならない。」と定めている。
【解答】
【R6年問4-イ】 〇
使用者は、最低賃金の概要を、労働者に周知させるための措置をとらなければなりません。
過去問をどうぞ!
①【H20年選択式】
最低賃金法においては、「最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については< A >とする。この場合において、< A >となった部分は、最低賃金< B >定をしたものとみなす。
【解答】
<A> 無効
<B> と同様の
(第4条第1項)
②【H29年出題】
最低賃金法第3条は、最低賃金額は、時間又は日によって定めるものとしている。
【解答】
②【H29年出題】 ×
最低賃金額は、「時間」によって定めるものとされています。「時間又は日」ではありません。
(第3条)
③【H24年選択式】※問題文修正しています
最低賃金法は、その第1条において、「賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、< A >ことを目的とする。」と規定している。
< B >別最低賃金は、同法によれば< B >における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の< C >を総合的に勘案して定められなければならないとされており、労働者の生計費を考慮するに当たっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、< D >に係る施策との整合性に配慮するものとされている。
【解答】
<A> 国民経済の健全な発展に寄与する
<B> 地域
<C> 賃金支払能力
<D> 生活保護
④【R1年出題】
労働者派遣法第44条第1項に規定する「派遣中の労働者」に対しては、賃金を支払うのは派遣元であるが、当該労働者の地域別最低賃金については、派遣先の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金において定める最低賃金額が適用される。
【解答】
④【R1年出題】 〇
派遣中の労働者については、「派遣先の」事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金が適用されます。
(法第13条)
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R7-038 10.2
本日、令和6年度の合格発表でした。 合格された皆様、おめでとうございます!! また、合格の報告をくださった皆様も本当にありがとうございます。 一つ一つのメッセージを嬉しく読んでいます。
来年、初めて受験される方、再度挑戦される方。 毎日コツコツ頑張って、一歩ずつ来年の「合格」に近づいていきましょう。 |
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働保険徴収法の択一式です。
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問10-A(雇用)】
前保険年度より保険関係が引き続く継続事業の事業主は、労働保険徴収法第19条第1項に定める確定保険料申告書を、保険年度の7月10日までに所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならないが、当該事業が3月31日に廃止された場合は同年5月10日までに提出しなければならない。
【解答】
①【R6年問10-A(雇用)】 ×
継続事業の確定保険料申告書は、次の保険年度の6月1日から40日以内(7月10日までに)提出しなければなりません。
なお、保険年度の中途に保険関係が消滅したものについては、当該保険関係が消滅した日から50日以内に提出しなければなりません。
継続事業の保険関係は、事業が廃止されたときは、その翌日に消滅します。
3月31日に廃止された場合は、4月1日に保険関係が消滅します。確定保険料申告書の期限は保険関係が消滅した日から50日以内(当日起算)ですので、5月20日までに提出しなければなりません。
(法第19条)
②【R6年問10-B(雇用)】
3月31日に事業が終了した有期事業の事業主は、労働保険徴収法第19条第1項に定める確定保険料申告書を、同年5月10日までに所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。
【解答】
②【R6年問10-B(雇用)】 ×
3月31日に事業が終了した有期事業の保険関係は4月1日に消滅します。
有期事業の確定保険料申告書の期限は、「保険関係が消滅した日から50日以内」(当日起算)ですので、5月20日までに提出しなければなりません。
(法第19条第2項)
③【R6年問10-C(雇用)】
2以上の有期事業が労働保険徴収法第7条に定める要件に該当し、一の事業とみなされる事業についての事業主は、当該事業が継続している場合、同法施行規則第34条に定める一括有期事業についての報告書を、次の保険年度の7月1日までに所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。
【解答】
③【R6年問10-C(雇用)】 ×
一括有期事業についての報告書は、次の保険年度の6月1日から起算して40日以内又は保険関係が消滅した日から起算して50日以内に提出しなければなりません。確定保険料申告書を提出する際に提出します。
当該事業が継続している場合は、7月10日までに所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければなりません。
(則第34条)
④【R6年問10-D(雇用)】
前保険年度より保険関係が引き続く継続事業の事業主は、前保険年度の3月31日に賃金締切日があり当該保険年度の4月20日に当該賃金を支払う場合、当該賃金は前保険年度の確定保険料として申告すべき一般保険料の額を算定する際の賃金総額に含まれる。
【解答】
④【R6年問10-D(雇用)】 〇
確定保険料の算定基礎となる賃金総額には、その保険年度中に使用した労働者に支払うことが確定した賃金であれば、その保険年度間に現実に支払われていないものも含まれます。
前保険年度の3月31日に賃金締切日があり、当該保険年度の4月20日に支払う賃金も前保険年度の確定保険料を算定する際の賃金総額に含まれます。
(昭24.10.5基災収5178号)
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R7-037 10.1
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、雇用保険法の択一式です。
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問1-A】
報酬支払等の面からみて労働者的性格の強い者と認められる株式会社の代表取締役は被保険者となるべき他の要件を満たす限り被保険者となる。
【解答】
①【R6年問1-A】 ×
雇用保険法は、適用事業に使用される「労働者」を被保険者とします。
代表取締役は、労働者ではないので、被保険者となりません。
(行政手引20351)
②【R6年問1-B】
適用事業の事業主に雇用されつつ自営業を営む者は、当該適用事業の事業主の下での就業条件が被保険者となるべき要件を満たす限り被保険者となる。
【解答】
②【R6年問1-B】 〇
事業主に雇用されつつ自営業を営む者は、事業主の下での就業条件が被保険者となるべき要件を満たす場合は、被保険者となります。
(行政手引20352)
③【R6年問1-C】
労働者が長期欠勤して賃金の支払を受けていない場合であっても、被保険者となるべき他の要件を満たす雇用関係が存続する限り被保険者となる。
【解答】
③【R6年問1-C】 〇
労働者が長期欠勤している場合でも、雇用関係が存続する限り賃金の支払を受けていると否とを問わず被保険者となります。
(行政手引20352)
④【R6年問1-D】
中小企業等協同組合法に基づく企業組合の組合員は、組合との間に同法に基づく組合関係があることとは別に、当該組合との間に使用従属関係があり当該使用従属関係に基づく労働の提供に対し、その対償として賃金が支払われている場合、被保険者となるべき他の要件を満たす限り被保険者となる。
【解答】
④【R6年問1-D】 〇
中小企業等協同組合法に基づく企業組合の組合員は、「組合との間に使用従属関係があること」、「労働の提供に対し、その対償として賃金が支払われていること」の2つの要件を満たしている場合は、被保険者となります。
(行政手引20351)
⑤【R6年問1-E】
学校教育法に規定する大学の夜間学部に在籍する者は、被保険者となるべき他の要件を満たす限り被保険者となる。
【解答】
⑤【R6年問1-E】 〇
学校教育法に規定する学校の学生又は生徒は、雇用保険法の適用は除外されます。
ただし、次に掲げる者は被保険者となります。
(1) 卒業を予定している者であって、適用事業に雇用され、卒業した後も引き続き当該事業に雇用されることとなっているもの
(2) 休学中の者
(3) 定時制の課程に在学する者
(4) 前3号に準ずる者として職業安定局長が定めるもの
(則第3条の2、行政手引20303)
大学の夜間学部等の定時制の課程の者は、雇用保険の被保険者となります。
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①【H30年出題】
株式会社の取締役であって、同時に会社の部長としての身分を有する者は、報酬支払等の面からみて労働者的性格の強い者であって、雇用関係があると認められる場合、他の要件を満たす限り被保険者となる。
【解答】
①【H30年出題】 〇
株式会社の取締役は原則として被保険者となりませんが、問題文のような場合は被保険者となります。
(行政手引20351)
②【R5年出題】
専ら家事に従事する家事使用人は、被保険者とならない。
【解答】
②【R5年出題】 〇
家事使用人は、被保険者となりません。
(行政手引20351)
③【R5年出題】
個人事業の事業主と同居している親族は、当該事業主の業務上の指揮命令を受け、就業の実態が当該事業所における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われ、取締役等に該当しない場合には、被保険者となる。
【解答】
③【R5年出題】 〇
個人事業の事業主と同居している親族は、原則として被保険者になりません。ただし、問題文のような場合は、被保険者となります。
(行政手引20351)
④【R5年出題】
ワーキング・ホリデー制度による入国者は、旅行資金を補うための就労が認められるものであることから、被保険者とならない。
【解答】
④【R5年出題】 〇
ワーキング・ホリデー制度による入国者は、被保険者となりません。
(行政手引20352)
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R7-036 9.30
遺族厚生年金の夫と妻の違いについてお話します。
①受給権の発生要件 夫は55歳以上であること
②30歳未満で子のない妻
③中高齢寡婦加算
④夫の遺族基礎年金と遺族厚生年金
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R7-035 9.29
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
第16条の条文を読んでみましょう。
第16条 (賠償予定の禁止) 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。 |
ポイント!
「契約をしてはならない」となっていますので、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約を締結しただけで16条違反になります。違約金又はあらかじめ定めた損害賠償額を現実に徴収したときではありません。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問3-C】
使用者が労働者に対して損賠賠償の金額をあらかじめ約定せず、現実に生じた損害について賠償を請求することは、労働基準法第16条が禁止するところではないから、労働契約の締結に当たり、債務不履行によって使用者が損害を被った場合はその実損害額に応じて賠償を請求する旨の約定をしても、労働基準法第16条に抵触するものではない。
【解答】
【R6年問3-C】 〇
第16条は、「金額を予定すること」を禁止しています。現実に生じた損害について賠償を請求することを禁止する趣旨ではありません。
債務不履行によって使用者が損害を被った場合はその実損害額に応じて賠償を請求する旨の約定をしても、労働基準法第16条には抵触しません。
(昭22.9.13発基第17号)
過去問もどうぞ!
【R4年出題】
労働基準法第16条のいわゆる「賠償予定の禁止」については、違約金又はあらかじめ定めた損害賠償額を現実に徴収したときにはじめて違反が成立する。
【解答】
【R4年出題】 ×
違約金などを現実に徴収した時ではなく、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約を締結しただけで、違反が成立します。
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R7-034 9.28
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
まず、第3条を読んでみましょう。
第3条 (均等待遇) 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。 |
ポイント!
★第3条で禁止されている差別は、「国籍・信条・社会的身分」を理由とする差別に限定されています。「性別による差別」は第3条には含まれません。
★「有利」に取り扱うことも差別的取扱いに当たります。
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問1-B】
「労働基準法3条は労働者の信条によって賃金その他の労働条件につき差別することを禁じているが、特定の信条を有することを、雇入れを拒む理由として定めることも、右にいう労働条件に関する差別取扱として、右規定に違反するものと解される。」とするのが、最高裁判所の判例である。
【解答】
【R6年問1-B】 ×
判例のポイント!
・ 企業者は、かような経済活動の一環としてする契約締結の自由を有し、自己の営業のために労働者を雇傭するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由にこれを決定することができるのであつて、企業者が特定の思想、信条を有する者をそのゆえをもって雇い入れることを拒んでも、それを当然に違法とすることはできない。
・ 労働基準法3条は労働者の信条によって賃金その他の労働条件につき差別することを禁じているが、これは、雇入れ後における労働条件についての制限であって、雇入れそのものを制約する規定ではない。
問題文の場合、「特定の信条を有することを、雇入れを拒む理由として定めること」も、当然に違法とすることはできません。
ちなみに、雇入れた後は、雇入れの場合のような広い範囲の自由はありません。
「労働基準法3条は、労働者の労働条件について信条による差別取扱を禁じているが、特定の信条を有することを解雇の理由として定めることも、右にいう労働条件に関する差別取扱として、右規定に違反するもの」とされています。
(大法廷判決 昭48.12.12三菱樹脂事件)
過去問もどうぞ!
【H28年出題】
労働基準法第3条は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、労働条件について差別することを禁じているが、これは雇入れ後における労働条件についての制限であって、雇入れそのものを制限する規定ではないとするのが、最高裁判所の判例である。
【解答】
【H28年出題】 〇
労働基準法第3条は、「雇入れそのものを制限する規定ではない」とされています。
(大法廷判決 昭48.12.12三菱樹脂事件)
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R7-033 9.27
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
在職老齢年金の加給年金額のポイント!
★老齢厚生年金に加給年金額が加算されている場合
→ 基本月額は加給年金額を除いて計算します。
★在職老齢年金によって、老齢厚生年金が一部支給停止(=一部支給)される場合
→ 加給年金額は全額支給されます。
★在職老齢年金によって、老齢厚生年金が全額支給停止される場合
→ 加給年金額も全額支給停止されます。
(法第46条第1項)
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問8-C】
加給年金額が加算されている老齢厚生年金の受給権者であっても、在職老齢年金の仕組みにより、自身の老齢厚生年金の一部の支給が停止される場合、加給年金額は支給停止となる。
【解答】
【R6年問8-C】 ×
在職老齢年金の仕組みにより、老齢厚生年金の一部の支給が停止される場合(=老齢厚生年金の一部が支給される場合)は、加給年金額は支給されます。
在職老齢年金の仕組みで、老齢厚生年金が全額支給停止される場合は、加給年金額も支給停止されます。
(法第46条)
過去問をどうぞ!
【R3年出題】
在職中の老齢厚生年金の支給停止の際に用いる総報酬月額相当額とは、被保険者である日の属する月において、その者の標準報酬月額とその月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額のことをいい、また基本月額とは、老齢厚生年金の額(その者に加給年金額が加算されていればそれを加算した額)を12で除して得た額のことをいう。
【解答】
【R3年出題】 ×
総報酬月額相当額の定義は、問題文の通りです。
基本月額とは、老齢厚生年金の額(その者に加給年金額が加算されていればそれを除く。)を12で除して得た額のことです。
(法第46条第1項)
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R7-032 9.26
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
「被保険者期間」の計算について条文を読んでみましょう。
法第19条第1項、第2項 ① 被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。 ② 被保険者の資格を取得した月にその資格を喪失したときは、その月を1か月として被保険者期間に算入する。ただし、その月に更に被保険者又は国民年金の被保険者(国民年金法に規定する第2号被保険者を除く。)の資格を取得したときは、この限りでない。 |
ポイント!
★被保険者期間は「月単位」で計算します。
(例1)令和6年2月21日入社・同年9月25日退職(26日喪失)の場合
2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
取得 |
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| 喪失 |
・被保険者の資格を取得した月(2月)からその資格を喪失した月(9月)の前月まで
・被保険者期間→ 2月から8月まで
(例2)令和6年2月21日入社・同年9月30日退職の場合
2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |
取得 |
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| 喪失 |
・9月30日退職の場合、10月1日が資格喪失日です。
・被保険者の資格を取得した月(2月)からその資格を喪失した月(10月)の前月まで
・被保険者期間→ 2月から9月まで
(例3)令和6年10月3日入社・同月20日退職、その月にさらに厚生年金保険・国民年金の被保険者の資格を取得していない場合
10月 |
取得 喪失 |
・資格を取得した月に資格を喪失した場合
・被保険者期間 → 1か月
(例4)令和6年10月3日入社・同月20日退職、その月にさらに国民年金の第1号被保険者の資格を取得した場合
10月 |
取得 喪失 |
・被保険者期間に算入しない
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問3-D】
甲は、令和6年5月1日に厚生年金保険の被保険者の資格を取得したが、同月15日にその資格を喪失し、同日、国民年金の第1号被保険者の資格を取得した。この場合、同年5月分については、1か月として厚生年金保険における被保険者期間に算入する。
【解答】
【R6年問3-D】 ×
厚生年金保険の資格を取得した月に資格を喪失した場合は、1か月として、厚生年金保険の被保険者期間に算入されるのが原則です。
ただし、その月にさらに国民年金の第1号被保険者の資格を取得した場合は、その月は、厚生年金保険の被保険者期間には算入されません。
問題文は、「同年5月分については、厚生年金保険における被保険者期間に算入しない。」となります。
過去問をどうぞ!
①【R5年出題】
被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。
【解答】
①【R5年出題】 〇
被保険者期間は月単位で計算します。被保険者の「資格を取得した月」からその「資格を喪失した月の前月」までを算入します。
②【R2年出題】
厚生年金保険の保険料は、被保険者の資格を取得した月についてはその期間が1日でもあれば徴収されるが、資格を喪失した月については徴収されない。よって月末日で退職したときは退職した日が属する月の保険料は徴収されない。
【解答】
②【R2年出題】 ×
「厚生年金保険の保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき、徴収するものとする。」とされています。
・ 被保険者の資格を取得した月についてはその期間が1日でもあれば、厚生年金保険の保険料は徴収されます。例えば、9月30日に資格取得した場合でも、9月分の保険料は徴収されます。
・ 資格を喪失した月については、保険料は徴収されません。月末日で退職したときは、翌月1日が資格喪失日になりますので、「退職した日が属する月」の保険料は徴収されます。
・ 先ほどの(例2)をみてみましょう。
令和6年2月21日入社・同年9月30日退職の場合
2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |
取得 |
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| 喪失 |
・ 9月30日退職の場合、10月1日が資格喪失日です。被保険者期間に算入されるのは、 2月から9月までですので、9月分(退職した日が属する月)の保険料が徴収されます。
(法第81条第2項)
③【H30年出題】
被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、例えば、平成29年10月1日に資格取得した被保険者が、平成30年3月30日に資格喪失した場合の被保険者期間は、平成29年10月から平成30年2月までの5か月間であり、平成30年3月は被保険者期間には算入されない。なお、平成30年3月30日の資格喪失以後に被保険者の資格を取得していないものとする。
【解答】
③【H30年出題】 〇
平成29年10月1日に資格取得・平成30年3月30日に資格喪失の場合の被保険者期間は、平成29年10月から平成30年2月までの5か月間です。
資格を喪失した月(平成30年3月)は、被保険者期間には算入されません。
④【H28年出題】
適用事業所に平成28年3月1日に採用され、第1号厚生年金被保険者の資格を取得した者が同年3月20日付けで退職し、その翌日に被保険者資格を喪失し国民年金の第1号被保険者となった。その後、この者は同年4月1日に再度第1号厚生年金被保険者となった。この場合、同年3月分については、厚生年金保険における被保険者期間に算入されない。
【解答】
④【H28年出題】 〇
平成28年3月について
1日資格取得・20日付け退職・21日に資格喪失、さらに国民年金の第1号被保険者の資格を取得
→ 平成28年3月は、厚生年金保険の被保険者期間に算入されません。
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R7-031 9.25
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
老齢厚生年金に加算される加給年金額については、被保険者期間が20年(240月)以上ある者で、一定の条件を満たす配偶者や子を有する場合に、加算されます。
令和6年問2の問題を解いてみましょう。
【R6年問2-A】
甲は第1号厚生年金被保険者期間を140か月有していたが、後に第2号厚生年金被保険者期間を150か月有するに至り、それぞれの被保険者期間に基づく老齢厚生年金の受給権が同じ日に発生した(これら以外の被保険者期間は有していない。)。甲について加給年金額の加算の対象となる配偶者がいる場合、第1号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金に加給年金額が加算される。
【解答】
【R6年問2-A】 ×
加給年金額が加算される老齢厚生年金は、被保険者期間が240月以上あることが条件です。
2以上の種別の被保険者であった期間を有する場合は、2以上の種別の被保険者であった期間に係る被保険者期間を合算して240月になれば、要件を満たします。
甲は第1号厚生年金被保険者期間140か月+第2号厚生年金被保険者期間150か月=
290か月ですので、加給年金額が加算される要件を満たします。
なお、加給年金額は、一の年金に加算されることになり、優先順位が決まっています。
① 一の期間に基づく老齢厚生年金のうち最も早い日において受給権を取得したもの
↓
② 最も早い日において受給権を取得した老齢厚生年金が2以上あるときは、最も長い一の期間に基づく老齢厚生年金
↓
③ 最も長い一の期間が2以上ある場合は、次の順序
第1号厚生年金被保険者期間
↓
第2号厚生年金被保険者期間
↓
第3号厚生年金被保険者期間
↓
第4号厚生年金被保険者期間
甲の場合、第1号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金、第2号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金の受給権が同じ日に発生しています。
そのため、加給年金額は、「最も長い一の期間」に基づく老齢厚生年金に加算されます。「第1号」厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金ではなく、長い方の「第2号厚生年金被保険者期間に基づく」老齢厚生年金に加給年金額が加算されます。
(法第78条の27、令3条の13)
過去問をどうぞ!
①【H28年問5-C】
第1号厚生年金被保険者期間を170か月、第2号厚生年金被保険者期間を130か月有する昭和25年10月2日生まれの男性が、老齢厚生年金の受給権を65歳となった平成27年10月1日に取得した。この場合、一定の要件を満たす配偶者がいれば、第1号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金に加給年金額が加算される。なお、この者は、障害等級3級以上の障害の状態になく、上記以外の被保険者期間を有しないものとする。
【解答】
①【H28年問5-C】 〇
第1号厚生年金被保険者期間170か月+第2号厚生年金被保険者期間130か月=300か月で、加給年金額が加算される要件を満たします。
第1号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金と第2号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金の受給権を同じ日に取得していますので、期間が長い方の「第1号厚生年金被保険者期間」に基づく老齢厚生年金に加給年金額が加算されます。
(法第78条の27、令3条の13)
②【H30年問4-エ】
2つの被保険者の種別に係る被保険者であった期間を有する者に、一方の被保険者の種別に係る被保険者であった期間に基づく老齢厚生年金と他方の被保険者の種別に係る被保険者であった期間に基づく老齢厚生年金の受給権が発生した。当該2つの老齢厚生年金の受給権発生日が異なり、加給年金額の加算を受けることができる場合は、遅い日において受給権を取得した種別に係る老齢厚生年金においてのみ加給年金額の加算を受けることができる。
【解答】
②【H30年問4-エ】 ×
2つの老齢厚生年金の受給権発生日が異なっている場合は、「遅い日」ではなく「最も早い日」に受給権を取得した種別に係る老齢厚生年金においてのみ加給年金額の加算を受けることができます。
(法第78条の27、令3条の13)
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R7-030 9.24
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
例えば、第1号厚生年金被保険者期間と第2号厚生年金被保険者期間を有する場合、老齢厚生年金の額は、それぞれの被保険者期間ごとに区分して計算します。
条文を読んでみましょう。
法第78条の26第2項 2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る老齢厚生年金について、 第43条の規定(老齢厚生年金の年金額)を適用する場合においては、同条第1項に規定する被保険者であった全期間並びに同条第2項及び第3項に規定する被保険者であった期間は、各号の厚生年金被保険者期間ごとに適用し、同条第1項に規定する被保険者期間は、各号の厚生年金被保険者期間に係る被保険者期間ごとに適用し、同条第2項及び第3項に規定する被保険者の資格は、被保険者の種別ごとに適用する。 |
例えば、第2号厚生年金被保険者期間を30年、第1号厚生年金被保険者期間を10年有する場合の老齢厚生年金の支給を図でイメージしましょう。
第2号 30年 | 第1号 10年 |
国家公務員共済組合が支給 | 厚生労働大臣が支給 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問9-B】
2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る老齢厚生年金の額は、その者の2以上の種別の被保険者であった期間を合算して一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして平均標準報酬額を算出し計算することとされている。
【解答】
【R6年問9-B】 ×
2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る老齢厚生年金の額は、第1号厚生年被保険者期間、第2号厚生年金被保険者期間、第3号厚生年金被保険者期間、第4号厚生年金被保険者期間、各号の厚生年金被保険者期間ごとに適用して、平均標準報酬額を算出し計算します。
(第78条の26第2項)
過去問もどうぞ!
【H29年問9】
2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の老齢厚生年金の額の計算においては、その者の2以上の被保険者の種別に係る期間を合算して1の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして平均標準報酬額を算出する。
【解答】
【H29年問9】 ×
2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の老齢厚生年金の額の計算においては、その者の2以上の被保険者の種別に係る期間を「合算」するのではなく、各号の厚生年金被保険者期間ごとに、平均標準報酬額を算出します。
(法第78条の26第2項)
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R7-029 9.23
産前産後期間の国民年金保険料の免除制度について
令和6年に4肢出題されました。
①免除される期間
②保険料免除に関する届出
③付加保険料の納付
④保険料納付済期間
問題を解きながら要点をチェックしましょう!
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R7-028 9.22
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
さっそく令和6年の問題をどうぞ!
【R6年出題問9】
甲(昭和34年4月20日生まれ)は、20歳以後の学生であった期間は国民年金の加入が任意であったため加入していない。大学卒業後7年間は厚生年金保険の被保険者であったが30歳で結婚してから15年間は第3号被保険者であった。その後、45歳から20年間、再び厚生年金保険の被保険者となっていたが65歳の誕生日で退職した。甲の老齢基礎年金は満額にならないため、65歳以降国民年金に任意加入して保険料を納付することができる。
【解答】
【R6年出題問9】 ×
甲の年金加入歴を図で確認しましょう。
20歳 | 23歳 | 30歳 | 45歳 60歳 | 65歳 |
3年間 | 7年間 | 15年間 | 20年間 | |
未加入 | 厚年被保険者 | 第3号被保険者 | 厚年被保険者(第2号) | |
カラ期間 | 保険料納付済期間 | カラ期間 |
★老齢基礎年金の額は以下のよう計算します。
・ 保険料納付済期間=7年+15年+15年(45歳~59歳)=37年
・ 合算対象期間=3年間(任意加入しなかった期間)+5年間(60歳~64歳)
=8年
老齢基礎年金の額 → 780,900円×改定率×444月/480月
★甲は「65歳」ですので、任意加入するとすれば、特例による任意加入となります。
特例による任意加入の条件を確認しましょう。
H16法附則第23条第1項 昭和40年4月1日までの間に生まれた者であって、次の各号のいずれかに該当するも(第2号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、国民年金の被保険者となることができる。ただし、その者が同法による老齢基礎年金、厚生年金保険法による老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有する場合は、この限りでない。 (1) 日本国内に住所を有する65歳以上70歳未満の者(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) (2) 日本国籍を有する者であって、日本国内に住所を有しない65歳以上70歳未満のもの |
特例による任意加入は、65歳になっても、老齢基礎年金の受給権がない者が対象です。
甲は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を有しますので、特例による任意加入はできません。
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R7-027 9.21
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問1】
健康保険組合において、任意継続被保険者が被保険者の資格を喪失したときの標準報酬月額が、当該被保険者の属する健康保険組合の全被保険者における前年度の9月30日の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額を超える場合は、規約で定めるところにより、資格喪失時の標準報酬月額をその者の標準報酬月額とすることができる。
【解答】
①【R6年問1】 〇
「任意継続被保険者」の標準報酬月額について、条文を読んでみましょう。
第47条 (任意継続被保険者の標準報酬月額) ① 任意継続被保険者の標準報酬月額については、第41条から第44条までの規定にかかわらず、次の各号に掲げる額のうちいずれか少ない額をもって、その者の標準報酬月額とする。 (1) 当該任意継続被保険者が被保険者の資格を喪失したときの標準報酬月額 (2)前年(1月から3月までの標準報酬月額については、前々年)の9月30日における当該任意継続被保険者の属する保険者が管掌する全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額(健康保険組合が当該平均した額の範囲内においてその規約で定めた額があるときは、当該規約で定めた額)を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額
② 保険者が健康保険組合である場合においては、(1)に掲げる額が(2)に掲げる額を超える任意継続被保険者について、規約で定めるところにより、(1)に掲げる額(当該健康保険組合が(2)に掲げる額を超え(1)に掲げる額未満の範囲内においてその規約で定めた額があるときは、当該規約で定めた額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額)をその者の標準報酬月額とすることができる。 |
問題文は、第47条第2項からの出題です。
(法第47条第2項)
②【R6年問3】
特例退職被保険者の標準報酬月額については、健康保険法第41条から同法第44条までの規定にかかわらず、当該特定健康保険組合が管掌する前年(1月から3月までの標準報酬月額については、前々年)の9月30日における特例退職被保険者を含む全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額の範囲内においてその規約で定めた額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額となる。
②【R6年問3】 ×
当該特定健康保険組合が管掌する前年(1月から3月までの標準報酬月額については、前々年)の9月30日における「特例退職被保険者以外の全被保険者」の同月の標準報酬月額を平均した額の範囲内においてその規約で定めた額、となります。
(法附則第3条第4項)
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【R1年選択式】
任意継続被保険者の標準報酬月額については、原則として、次のアとイに掲げる額のうちいずれか少ない額をもって、その者の標準報酬月額とする。
ア 当該任意継続被保険者が被保険者の資格を喪失したときの標準報酬月額
イ 前年(1月から3月までの標準報酬月額については、前々年)の< A >全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額(健康保険組合が当該平均した額の範囲内において規約で定めた額があるときは、当該規約で定めた額)を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額
<選択肢>
① 3月31日における健康保険の
② 3月31日における当該任意継続被保険者の属する保険者が管掌する
③ 9月30日における健康保険の
④ 9月30日における当該任意継続被保険者の属する保険者が管掌する
【解答】
<A> ④ 9月30日における当該任意継続被保険者の属する保険者が管掌する
(法第47条第1項)
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(練習問題)
特例退職被保険者の標準報酬月額については、第41条から第44条までの規定にかかわらず、当該特定健康保険組合が管掌する前年(1月から3月までの標準報酬月額については、前々年)の< B >同月の標準報酬月額を平均した額の範囲内においてその規約で定めた額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額とする。
<選択肢>
① 3月31日における特例退職被保険者以外の全被保険者の
② 3月31日における特例退職被保険者を含む全被保険者の
③ 9月30日における特例退職被保険者を含む全被保険者の
④ 9月30日における特例退職被保険者以外の全被保険者の
【解答】
<B> ④ 9月30日における特例退職被保険者以外の全被保険者の
(法附則第3条第4項)
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R7-026 9.20
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、徴収法の択一式です。
★事業主は、日雇労働被保険者に賃金を支払うつど、その者に係る印紙保険料を納付しなければなりません。
★印紙保険料の納付について条文で確認しましょう。
法第23条第2項、第3項 ② 印紙保険料の納付は、事業主が、雇用保険法第44条の規定により当該日雇労働被保険者に交付された日雇労働被保険者手帳に雇用保険印紙をはり、これに消印して行わなければならない。 ③ 事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、印紙保険料納付計器を、厚生労働大臣の承認を受けて設置した場合には、当該印紙保険料納付計器により、日雇労働被保険者が所持する日雇労働被保険者手帳に納付すべき印紙保険料の額に相当する金額を表示して納付印を押すことによって印紙保険料を納付することができる。 |
では、令和6年問9(雇用)の印紙保険料の問題をどうぞ!
①【R6年出題】(雇用)
雇用保険印紙購入通帳は、その交付の日の属する保険年度に限りその効力を有するが、有効期間の更新を受けた当該雇用保険印紙購入通帳は、更新前の雇用保険印紙購入通帳の有効期間が満了する日の翌日の属する保険年度に限り、その効力を有する。
①【R6年出題】(雇用) 〇
★ 事業主は、雇用保険印紙を購入しようとするときは、あらかじめ、雇用保険印紙購入通帳交付申請書を所轄公共職業安定所長に提出して、雇用保険印紙購入通帳の交付を受けなければなりません。
★ 「雇用保険印紙購入通帳」は、その交付の日の属する保険年度に限り、その効力を有します。
★ 雇用保険印紙購入通帳の有効期間の満了後引き続き雇用保険印紙を購入しようとする事業主は、雇用保険印紙購入通帳の有効期間の更新を受けなければなりません。
★ 雇用保険印紙購入通帳の有効期間の更新を受けようとする事業主は、当該雇用保険印紙購入通帳の有効期間が満了する日の翌日の1月前から当該期間が満了する日までの間(毎年3月1日から3月31日までの間)に、当該雇用保険印紙購入通帳を添えて、所定の事項を記載した申請書を所轄公共職業安定所長に提出して、新たに雇用保険印紙購入通帳の交付を受けなければならない。
★ 有効期間の更新を受けた雇用保険印紙購入通帳は、更新前の雇用保険印紙購入通帳の有効期間が満了する日の翌日の属する保険年度(更新を受けた日の翌保険年度)に限り、その効力を有します。
(則第42条)
②【R6年出題】(雇用)
事業主は雇用保険印紙購入通帳の雇用保険印紙購入申込書がなくなった場合であって、当該保険年度中に雇用保険印紙を購入しようとするときは、その旨を所轄公共職業安定所長に申し出て、再交付を受けなければならない。
【解答】
②【R6年出題】(雇用) 〇
★ 事業主は、雇用保険印紙を購入しようとするときは、雇用保険印紙購入通帳の雇用保険印紙購入申込書に購入しようとする雇用保険印紙の種類別枚数、購入年月日、労働保険番号並びに事業主の氏名又は名称及び住所又は所在地を記入し、雇用保険印紙を販売する日本郵便株式会社の営業所に提出しなければなりません。
★ 事業主は、雇用保険印紙購入通帳を滅失し、若しくはき損した場合又は雇用保険印紙購入通帳の雇用保険印紙購入申込書がなくなった場合で、当該保険年度中に雇用保険印紙を購入しようとするときは、その旨を所轄公共職業安定所長に申し出て、再交付を受けなければなりません。
(則第42条、第43条)
③【R6年出題】(雇用)
事業主は、その所持する雇用保険印紙購入通帳の有効期間が満了したときは、速やかに、その所持する雇用保険印紙購入通帳を所轄公共職業安定所長に返納しなければならない。
【解答】
③【R6年出題】(雇用) 〇
事業主は、その所持する雇用保険印紙購入通帳の有効期間が満了したとき又は事業の廃止等により雇用保険印紙を購入する必要がなくなったときは、速やかに、その所持する雇用保険印紙購入通帳を所轄公共職業安定所長に返納しなければなりません。
(則第42条第8項)
④【R6年出題】(雇用)
事業主は、雇用保険印紙と印紙保険料納付計器を併用して印紙保険料を納付する場合、労働保険徴収法施行規則第54条に定める印紙保険料納付状況報告書によって、毎月における雇用保険印紙の受払状況及び毎月における印紙保険料納付計器の使用状況を、所轄公共職業安定所長を経由して、所轄都道府県労働局歳入徴収官に報告しなければならない。
【解答】
④【R6年出題】(雇用) ×
雇用保険印紙と印紙保険料納付計器を併用して印紙保険料を納付する場合は、「印紙保険料納付状況報告書」と併せて「印紙保険料納付計器使用状況報告書」を提出しなければなりません。
ちなみに、
・ 雇用保険印紙購入通帳の交付を受けている事業主は、毎月における雇用保険印紙の受払状況を翌月末日までに、所轄都道府県労働局歳入徴収官に報告しなければならない。
・ 印紙保険料納付計器を設置した事業主は、毎月における印紙保険料納付計器の使用状況を翌月末日までに、当該印紙保険料納付計器を設置した事業場の所在地を管轄する公共職業安定所長を経由して、納付計器に係る都道府県労働局歳入徴収官に報告しなければならない。
(則第54条、第55条)
⑤【R6年出題】(雇用)
事業主は、印紙保険料納付計器の全部又は一部を使用しなくなったときは、当該使用しなくなった印紙保険料納付計器を納付計器に係る都道府県労働局歳入徴収官に提示しなければならず、当該都道府県労働局歳入徴収官による当該印紙保険料納付計器の封の解除その他必要な措置を受けることとなる。
【解答】
⑤【R6年出題】(雇用) 〇
印紙保険料納付計器を使用しなくなった場合の問題です。
(則第52条)
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R7-025 9.19
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、雇用保険法の択一式です。
令和6年問3の「傷病手当」の問題をどうぞ!
①【R6年出題】
受給資格者が離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、雇用保険法第37条第1項に基づく疾病又は負傷のために基本手当の支給を受けることができないことについての認定(以下本問において「傷病の認定」という。)を受けた場合、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して7日に満たない間は、傷病手当を支給しない。
【解答】
①【R6年出題】〇
★傷病手当の要件を確認しましょう。
(イ) 受給資格者であること。
(ロ) 離職後公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしていること 。
(ハ) 疾病又は負傷のため職業に就くことができない場合であること。
(ニ) (ハ)の状態が (ロ )の後において生じたものであること 。
この問題のポイント!
・ 傷病手当は、受給資格者が、離職後公共職業安定所に出頭し求職の申込みをした後に、 疾病又は負傷のために職業に就くことができない場合に、当該疾病又は負傷のために基本手当の支給を受けることができない日について支給されます。
・ 待期中の日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)は、傷病手当は支給されません。
(行政手引53002、53003)
②【R6年出題】
傷病手当を支給する日数は、傷病の認定を受けた受給資格者の所定給付日数から当該受給資格に基づき、既に基本手当を支給した日数を差し引いた日数に相当する日数分を限度とする。
【解答】
②【R6年出題】 〇
傷病手当を支給し得る日数は、所定給付日数から既に基本手当を支給した日数を差し引いた日数です。
(行政手引53004)
③【R6年出題】
基本手当の支給を受ける口座振込受給資格者が当該受給期間中に疾病又は負傷により職業に就くことができなくなった場合、天災その他認定を受けなかったことについてやむを得ない理由がない限り、当該受給資格者は、職業に就くことができない理由がやんだ後における最初の支給日の直前の失業の認定日までに傷病の認定を受けなければならない。
【解答】
③【R6年出題】 〇
傷病の認定は、原則として、職業に就くことができない理由がやんだ後における最初の支給日までですが、口座振込受給資格者の場合は、職業に就くことができない理由がやんだ後における最初の支給日の直前の失業の認定日までです。
(行政手引53006)
④【R6年出題】
健康保険法第99条の規定による傷病手当金の支給を受けることができる者が傷病の認定を受けた場合、傷病手当を支給する。
【解答】
④【R6年出題】 ×
健康保険法の傷病手当金の支給を受けることができる場合は、傷病手当は支給されません。
(行政手引53003)
⑤【R6年出題】
傷病手当の日額は、雇用保険法第16条に規定する基本手当の日額に相当する額である。
【解答】
⑤【R6年出題】 〇
傷病手当の日額は、基本手当の日額と同じです。
(行政手引53005)
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R7-024 9.18
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労災保険法の択一式です。
では、令和6年問7の問題をどうぞ!
① 【R6年出題】
労働者が、重大な過失により、負傷、疾病、障害若しくは死亡又はこれらの原因となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
【解答】
① 【R6年出題】 〇
条文を読んでみましょう。
法第12条の2の2第2項 労働者が故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、負傷、疾病、障害若しくは死亡若しくはこれらの原因となった事故を生じさせ、又は負傷、疾病若しくは障害の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げたときは、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。 |
「故意」の場合の条文と比較しましょう。
法第12条の2の2第1項 労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない。 |
「全部又は一部を行わないことができる」と「行わない」の違いを意識してください。
②【R6年出題】
労働者を重大な過失により死亡させた遺族補償給付の受給資格者は、遺族補償給付を受けることができる遺族としない。
【解答】
②【R6年出題】 ×
条文を読んでみましょう。
第16条の9第1項 労働者を故意に死亡させた者は、遺族補償給付を受けることができる遺族としない。 |
「重大な過失」により死亡させた場合の給付制限はありません。
③【R6年出題】
労働者が、懲役、禁固若しくは拘留の刑の執行のため刑事施設に拘置されている場合には、休業補償給付は行わない。
【解答】
③【R6年出題】 〇
条文を読んでみましょう。
第14条の2 労働者が次の各号のいずれかに該当する場合(厚生労働省令で定める場合に限る。)には、休業補償給付は、行わない。 (1) 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されている場合 (2) 少年院その他これに準ずる施設に収容されている場合
(休業補償給付を行わない場合) 則第12条の4 法第14条の2の厚生労働省令で定める場合は、次の各号のいずれかに該当する場合とする。 (1) 懲役、禁錮若しくは拘留の刑の執行のため若しくは死刑の言渡しを受けて刑事施設(少年法第56条第3項の規定により少年院において刑を執行する場合における当該少年院を含む。)に拘置されている場合若しくは留置施設に留置されて懲役、禁錮若しくは拘留の刑の執行を受けている場合、労役場留置の言渡しを受けて労役場に留置されている場合又は監置の裁判の執行のため監置場に留置されている場合 (2) 少年法第24条の規定による保護処分として少年院若しくは児童自立支援施設に送致され、収容されている場合、同法第64条の規定による保護処分として少年院に送致され、収容されている場合又は同法第66条の規定による決定により少年院に収容されている場合 |
④【R6年出題】
労働者が退職したときは、保険給付を受ける権利は消滅する。
【解答】
④【R6年出題】 ×
条文を読んでみましょう。
第12条の5 保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。 |
労働者が退職しても、保険給付を受ける権利は消滅しません。
⑤【R6年出題】
偽りその他不正の手段により労働者が保険給付を受けたときは、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を当該労働者を使用する事業主から徴収することができる。
【解答】
⑤【R6年出題】 ×
条文を読んでみましょう。
第12条の3 ① 偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、政府は、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。 |
※事業主からではなく、「偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者」から徴収します。
条文の続きです。
② 事業主(徴収法第8条第2項又は第3項の規定により元請負人が事業主とされる場合にあっては、当該元請負人。)が虚偽の報告又は証明をしたためその保険給付が行なわれたものであるときは、政府は、その事業主に対し、保険給付を受けた者と連帯して①の徴収金を納付すべきことを命ずることができる。 |
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R7-023 9.17
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
では、令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問3】
使用者は、労働基準法第14条第2項に基づき厚生労働大臣が定めた基準により、有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。
【解答】
①【R6年問3】〇
雇止めの予告の問題です。対象になる有期労働契約 (当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。)に注意してください。
(有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準 H15.10.222厚生労働省告示第357号)
②【R6年出題】
使用者は、労働基準法第15条第1項の規定により、労働者に対して労働契約の締結と有期労働契約(期間の定めのある労働契約)の更新のタイミングごとに、「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」に加え「就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲」についても明示しなければならない。
【解答】
②【R6年出題】 〇
令和6年4月の改正で、労働条件の明示事項として、「就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲」が加わりました。
「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」に加え「就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲」を明示するタイミングは、「労働契約の締結時」と「有期労働契約の更新時」です。
また、原則として書面の交付による明示が必要です。
(則第4条第1項第1の3号、令和5年改正労働基準法施行規則等に係る労働条件明示等に関するQ&A)
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R7-022 9.16
厚生労働白書をチェックして、年金の勉強に役立てましょう。
ポイントを意識しながら読むと、年金制度がイメージできます。
<テーマ>
・日本の公的年金制度は世代間扶養
・年金給付は国民の老後生活の基本
・短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大のメリット
・マクロ経済スライド
・令和6年度の年金額改定の仕組み
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R7-021 9.15
令和6年の問題を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険の択一式です。
令和6年問10の問題をどうぞ!
①【R6年出題】
厚生年金保険の被保険者であった18歳のときに初診日のある傷病について、その障害認定日において障害等級3級の障害の状態にある場合にその者が20歳未満のときは、障害厚生年金の受給権は20歳に達したときに発生する。
【解答】
①【R6年出題】 ×
「初診日」に厚生年金保険の被保険者で、「障害認定日」に障害等級(1級~3級)に該当する障害の状態にある場合は、「障害認定日」に障害厚生年金の受給権が発生します。
初診日・障害認定日に20歳未満であっても、受給権は20歳に達したときではなく、「障害認定日」に発生します。
(法第47条)
②【R6年出題】
障害手当金は、疾病にかかり又は負傷し、その傷病に係る初診日において被保険者であった者が、保険料納付要件を満たし、当該初診日から起算して5年を経過する日までの間にまだその傷病が治っておらず治療中の場合でも、5年を経過した日に政令で定める程度の障害の状態にあるときは支給される。
【解答】
②【R6年出題】 ×
障害手当金は、「初診日から起算して5年を経過する日までの間におけるその傷病の治った日において、その傷病により政令で定める程度の障害の状態にある場合」に、支給されます。
障害手当金は、初診日から起算して5年を経過する日までの間に傷病が「治った」ことが要件です。
問題文は、「初診日から起算して5年を経過する日までの間にまだその傷病が治っておらず治療中」となっていますので、障害手当金は支給されません。
(法第55条)
③【R6年出題】
年金たる保険給付(厚生年金保険法の他の規定又は他の法令の規定によりその全額につき支給を停止されている年金たる保険給付を除く。)は、その受給権者の申出により、その全額の支給を停止することとされている。ただし、厚生年金保険法の他の規定又は他の法令の規定によりその額の一部につき支給を停止されているときは、停止されていない部分の額の支給を停止する。
【解答】
③【R6年出題】 〇
年金の受給権者は、受給権者の意思で年金の受給を辞退することができます。
その場合は、「受給権者の申出」により、その「全額」の支給が停止されます。「全額」辞退することが条件です。「一部」を辞退することはできません。
ただし、厚生年金保険法の他の規定又は他の法令の規定によりその額の一部につき支給を停止されているときは、「停止されていない部分の額」の支給が停止されます。
(法第38条の2)
④【R6年出題】
現在55歳の自営業者の甲は、20歳から5年間会社に勤めていたので、厚生年金保険の被保険者期間が5年あり、この他の期間はすべて国民年金の第1号被保険者期間で保険料はすべて納付済みとなっている。もし、甲が現時点で死亡した場合、一定要件を満たす遺族に支給される遺族厚生年金の額は、厚生年金保険の被保険者期間を300月として計算した額となる。
【解答】
④【R6年出題】 ×
甲の年金加入歴は以下のようになります。
20歳 25歳 | 55歳 |
厚生年金保険(5年) | 第1号被保険者(保険料すべて納付) |
遺族厚生年金は、死亡した者が、次の(1)~(4)のいずれかに該当することが条件です。なお、(1)、(2)は保険料納付要件が問われます。
(1) 被保険者(失踪の宣告を受けた被保険者であつた者であって、行方不明となった当時被保険者であったものを含む。)が、死亡したとき。
(2) 被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき。
(3) 障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき。
(4) 老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)又は保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき。
★(1)~(3)を「短期要件」、(4)を長期要件といいます。
甲は第2号被保険者期間が5年、第1号被保険者期間で保険料をすべて納付した期間が30年ありますので、(4)の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者が死亡したときに該当します。
(1)~(3)には該当しません。
甲は「長期要件」に該当しますので、遺族厚生年金の額を計算するときの厚生年金保険の被保険者期間は実期間の60か月となります。
ちなみに、遺族厚生年金の額を計算するときの厚生年金保険の被保険者期間として300月が保障されるのは「短期要件」の場合です。
(法第58条、第60条)
⑤【R6年出題】
2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る脱退一時金については、その者の2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間に係る被保険者期間を合算し、一の期間に係る被保険者期間のみを有する者に係るものとみなして支給要件を判定する。
【解答】
⑤【R6年出題】 〇
脱退一時金は、「厚生年金保険の被保険者期間が6か月以上である日本国籍を有しない者(国民年金の被保険者でないものに限る。)」で要件を満たした者に支給されます。
2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る脱退一時金は、2以上の被保険者であった期間を合算して、支給要件を判定します。
(法附則第29条、第30条)
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R7-020 9.14
令和6年の問題を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金の択一式です。
令和6年問10の問題をどうぞ!
①【R6年出題】
被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた配偶者は、遺族基礎年金を受けることができる子と生計を同じくし、かつ、その当時日本国内に住所を有していなければ遺族基礎年金を受けることができない。なお、死亡した被保険者又は被保険者であった者は保険料の納付要件を満たしているものとする。
【解答】
①【R6年出題】 ×
遺族基礎年金を受ける要件に、「日本国内に住所を有している」はありません。
(法第37条の2)
②【R6年出題】
第2号被保険者である50歳の妻が死亡し、その妻により生計を維持されていた50歳の夫に遺族基礎年金の受給権が発生し、16歳の子に遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権が発生した。この場合、子が遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給し、その間は夫の遺族基礎年金は支給停止される。
【解答】
②【R6年出題】 ×
夫と子に発生する年金を図で確認しましょう。
夫(50歳) |
| 子(16歳) |
|
| 遺族厚生年金 |
遺族基礎年金
|
| 遺族基礎年金 (支給停止) |
※夫には遺族厚生年金の受給権は発生しません。
(55歳未満のため)
夫と子の両方に遺族基礎年金の受給権が発生した場合について、条文を読んでみましょう。
第41条第2項 子に対する遺族基礎年金は、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するとき(配偶者に対する遺族基礎年金が第20条の2第1項若しくは第2項又は第41条の2第1項の規定によりその支給を停止されているときを除く。)、又は生計を同じくするその子の父若しくは母があるときは、その間、その支給を停止する。 |
夫が遺族基礎年金の受給権を有するときは、子の遺族基礎年金は支給停止されます。
問題文の場合は、子の遺族基礎年金は支給停止、子は遺族厚生年金のみ受給します。夫は遺族基礎年金を受給します。
(第41条第2項)
③【R6年出題】
死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料半額免除期間を48月有し、かつ、4分の1免除期間を12月有している者で、所定の要件を満たす被保険者が死亡した場合に、その被保険者の死亡によって遺族基礎年金又は寡婦年金を受給できる者はいないが、死亡一時金を受給できる遺族がいるときは、その遺族に死亡一時金が支給される。
【解答】
③【R6年出題】 ×
保険料半額免除期間の月数は「2分の1」、保険料4分の1免除期間は「4分の3」で計算します。
問題文にあてはめると、48月×2分の1+12月×4分の3=33月です。死亡一時金の支給要件は「36月以上あること」ですので、遺族に死亡一時金は支給されません。
(法第52条の2)
④【R6年出題】
国民年金法第30条の3に規定するいわゆる基準障害による障害基礎年金は、65歳に達する日の前日までに、基準障害と他の障害とを併合して初めて障害等級1級又は2級に該当する程度の障害の状態となった場合に支給される。ただし、請求によって受給権が発生し、支給は請求のあった月からとなる。
【解答】
④【R6年出題】 ×
基準障害による障害基礎年金は、請求によって受給権が発生するのではなく、「所定の要件に該当」したときに受給権が発生します。ただし、支給は「請求のあった月の翌月」からとなります。請求のあった月からではありません。
(法第30条の3)
⑤【R6年出題】
保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、督促状により期限を指定して督促することができるが、この期限については、督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日でなければならない。
【解答】
⑤【R6年出題】 〇
条文で確認しましょう。
第96条第1項~3項 ① 保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、期限を指定して、これを督促することができる。 ② 督促をしようとするときは、厚生労働大臣は、納付義務者に対して、督促状を発する。 ③ 督促状により指定する期限は、督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日でなければならない。 |
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R7-019 9.13
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
令和6年度の健康保険法択一式は、全体的に難しかったです。
その中でも押さえておくべき問題をみていきましょう。
令和6年健康保険問2の問題をどうぞ!
①【R6年出題】
被保険者の総数が常時100人以下の企業であっても、健康保険に加入することについての労使の合意(被用者の2分の1以上と事業主の合意)がなされた場合、1週間の所定労働時間が20時間以上であること、月額賃金が8.8万円以上であること、2か月を超える雇用の見込があること、学生でないことという要件をすべて満たす短時間労働者は、企業単位で健康保険の被保険者となる。
【解答】
①【R6年出題】 〇
100人以下の企業でも、労使合意(働いている方々の2分の1以上と事業主の方が厚生年金保険・健康保険に加入することについて合意すること)がなされれば、「任意特定適用事業所」となり、要件をすべて満たす短時間労働者は、企業単位で厚生年金保険・健康保険に加入できます。
※100人以下は、令和6年10月から「50人以下」となります。
(参考:短時間労働者に対する健康保険 ・厚生年金保険の適用拡大Q&A集(厚生労働省))
②【R6年出題】
保険医療機関及び保険薬局は療養の給付に関し、保険医及び保険薬剤師は健康保険の診療又は調剤に関し、厚生労働大臣の指導を受けなければならない。厚生労働大臣は、この指導をする場合において、常に厚生労働大臣が指定する診療又は調剤に関する学識経験者を立ち会わせなければならない。
【解答】
②【R6年出題】 ×
条文で確認しましょう。
法第73条 ① 保険医療機関及び保険薬局は療養の給付に関し、保険医及び保険薬剤師は健康保険の診療又は調剤に関し、厚生労働大臣の指導を受けなければならない。 ② 厚生労働大臣は、指導をする場合において、必要があると認めるときは、診療又は調剤に関する学識経験者をその関係団体の指定により指導に立ち会わせるものとする。ただし、関係団体が指定を行わない場合又は指定された者が立ち会わない場合は、この限りでない。 |
「常に厚生労働大臣が指定する診療又は調剤に関する学識経験者を立ち会わせなければならない。」は誤りです。
③【R6年出題】
国庫は、毎年度、予算の範囲内において、健康保険事業の事務の執行に要する費用を負担することになっており、健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数を基準として、厚生労働大臣が算定する。また、その国庫負担金は、概算払をすることができる。
【解答】
③【R6年出題】 〇
問題文の重要用語を穴埋めでチェックしましょう。
国庫は、毎年度、予算の範囲内において、健康保険事業の事務の執行に要する費用を負担することになっており、健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における< A >を基準として、厚生労働大臣が算定する。また、その国庫負担金は、< B >。
<A> 被保険者数
<B> 概算払をすることができる
(法第151条、第152条)
④【R6年出題】
協会は、財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書について、監事の監査のほか、厚生労働大臣が選任する会計監査人である公認会計士又は監査法人から監査を受けなければならない。
【解答】
④【R6年出題】 〇
条文で確認しましょう。
法第7条の29第1項~3項 (会計監査人の監査) ① 協会は、財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書について、監事の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならない。 ② 会計監査人は、厚生労働大臣が選任する。 ③ 会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。 |
⑤【R6年出題】
厚生労働大臣は、日雇特例被保険者に係る健康保険事業に要する費用(前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等、介護納付金並びに流行初期医療確保拠出金等の納付に要する費用を含む。)に充てるため、健康保険法第155条の規定により保険料を徴収するほか、毎年度、日雇特例被保険者を使用する事業主の設立する健康保険組合から拠出金を徴収する。
【解答】
⑤【R6年出題】 〇
「日雇拠出金」の問題です。
厚生労働大臣は、日雇特例被保険者に係る健康保険事業に要する費用に充てるため、保険料を徴収します。加えて、毎年度、日雇特例被保険者を使用する事業主の設立する健康保険組合から拠出金(日雇拠出金)を徴収します。
(法第173条第1項)
また、日雇特例被保険者を使用する事業主の設立する健康保険組合(「日雇関係組合」という。)は、日雇拠出金を納付する義務を負います。
(法第173条第2項)
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R7-018 9.12
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、確定給付企業年金法の択一式です。
令和6年社会保険に関する一般常識問6の問題をどうぞ!
①【R6年出題】
企業年金基金(以下本問において「基金」という。)は、分割しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。また、基金の分割は、実施事業所の一部について行うことができる。
【解答】
①【R6年出題】 ×
基金は、分割しようとするときは、「厚生労働大臣の認可」を受けなければなりませんが、基金の分割は、「実施事業所の一部について行うことはできない」とされています。
(法第77条第1項、第2項)
解き方のヒント!
健康保険法にも同じような規定があります。
健康保険法第24条第1項、2項 ① 健康保険組合は、分割しようとするときは、組合会において組合会議員の定数の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 ② 健康保険組合の分割は、設立事業所の一部について行うことはできない。 |
②【R6年出題】
確定給付企業年金法第78条第1項によると、事業主等がその実施事業所を増加させ、又は減少させようとするときは、その増加又は減少に係る厚生年金適用事業所の事業主の過半数の同意及び労働組合等の同意を得なければならない。
【解答】
②【R6年出題】 ×
事業主等がその実施事業所を増加させ、又は減少させようとするときは、その増加又は減少に係る厚生年金適用事業所の事業主の全部の同意及び労働組合等の同意を得なければならない、とされています。
(法第78条第1項)
解き方のヒント!
健康保険法にも同じような規定があります。
健康保険法第25条第1項 健康保険組合がその設立事業所を増加させ、又は減少させようとするときは、その増加又は減少に係る適用事業所の事業主の全部及びその適用事業所に使用される被保険者の2分の1以上の同意を得なければならない。 |
★「事業主の全部」が同じです。
③【R6年出題】
基金は、代議員会において代議員の定数の3分の2以上の多数により議決したとき、又は基金の事業の継続が不可能となったときは、厚生労働大臣の認可を受けて、解散することができる。
【解答】
③【R6年出題】 ×
基金は、代議員会において代議員の定数の4分の3以上の多数により議決したとき、又は基金の事業の継続が不可能となったときは、厚生労働大臣の認可を受けて、解散することができる、です。
(法第85条第1項)
解き方のヒント!
こちらも健康保険法に同じような規定があります。
健康保険法第26条第1項 健康保険組合は、次に掲げる理由により解散する。 (1) 組合会議員の定数の4分の3以上の多数による組合会の議決 (2) 健康保険組合の事業の継続の不能 (3) 厚生労働大臣による解散の命令 |
★「4分の3以上」が同じです。
④【R6年出題】
確定給付企業年金を実施する厚生年金適用事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、その実施する確定給付企業年金の清算人になることができる。
【解答】
④【R6年出題】 ×
「事業主その他政令で定める者は、その実施する確定給付企業年金の清算人になることができない。」とされています。
(法第89条第3項)
⑤【R6年出題】
確定給付企業年金法第89条第6項によると、終了した確定給付企業年金の残余財産(政令で定めるものを除く。)は、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、その終了した日において当該確定給付企業年金を実施する事業主等が給付の支給に関する義務を負っていた者に分配しなければならない。
【解答】
⑤【R6年出題】 〇
なお、確定給付企業年金法第89条第7項では、「残余財産を分配する場合においては、終了制度加入者等に、その全額を支払うものとし、当該残余財産を事業主に引き渡してはならない。」と規定されています。
(法第89条第6項)
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R7-017 9.11
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働契約法の択一式です。
令和6年労働に関する一般常識の問3の問題をどうぞ!
①【R6年出題】
労働契約は労働者及び使用者が合意することによって成立するが、合意の要素は、「労働者が使用者に使用されて労働すること」、「使用者がこれに対して賃金を支払うこと」、「詳細に定められた労働条件」であり、労働条件を詳細に定めていなかった場合には、労働契約が成立することはない。
【解答】
①【R6年出題】 ×
労働契約は「労働者及び使用者の合意」によって成立します。合意の要素は、「労働者が使用者に使用されて労働」すること及び「使用者がこれに対して賃金を支払う」ことです。
労働条件を詳細に定めていなかった場合であっても、労働契約そのものは成立します。
(法第6条、H24.8.10基発0810第2号)
②【R6年出題】
労働基準法第106条に基づく就業規則の「周知」は、同法施行規則第52条の2各号に掲げる、常時各作業場の見やすい場所へ掲示する等の方法のいずれかによるべきこととされているが、労働契約法第7条柱書きの場合の就業規則の「周知」は、それらの方法に限定されるものではなく、実質的に判断される。
【解答】
②【R6年出題】 〇
まず、労働契約法第7条を読んでみましょう。
労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、 第12条に該当する場合を除き、この限りでない。 |
労働契約法第7条の「就業規則」とは、労働者が就業上遵守すべき規律及び労働条件に関する具体的細目について定めた規則類の総称をいい、労働基準法第89条の「就業規則」と同様ですが、法第7条の「就業規則」には、常時10人以上の労働者を使用する使用者以外の使用者が作成する労働基準法第89条では作成が義務付けられていない就業規則も含まれます。
法第7条の「周知」とは、例えば、
① 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること
② 書面を労働者に交付すること
③ 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること
等の方法により、労働者が知ろうと思えばいつでも就業規則の存在や内容を知り得るようにしておくことをいいます。このように周知させていた場合には、労働者が実際に就業規則の存在や内容を知っているか否かにかかわらず、法第7条の「周知させていた」に該当します。
なお、労働基準法第106条の「周知」は、労働基準法施行規則第52条の2により、 ①から③までのいずれかの方法によるべきこととされていますが、法第7条の「周知」は、これらの3つの方法に限定されるものではなく、実質的に判断されます。
(法第7条、H24.8.10基発0810第2号)
③【R6年出題】
労働基準法第89条及び第90条に規定する就業規則に関する手続が履行されていることは、労働契約法第10条本文の、「労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによる」という法的効果を生じさせるための要件ではないため、使用者による労働基準法第89条及び第90条の遵守の状況を労働契約法第10条本文の合理性判断に際して考慮してはならない。
【解答】
③【R6年出題】 ×
労働契約法第10条は、就業規則の変更により労働契約の内容である労働条件を変更することができる場合について規定しています。また、法第11条は、労働基準法において、就業規則の変更の際に必要となる手続が規定されていることを規定しています。
★ 就業規則の変更の手続については、
① 労働基準法第89条により、常時10人以上の労働者を使用する使用者は、変更後の就業規則を所轄の労働基準監督署長に届け出なければならないこと
② 労働基準法第90条により、就業規則の変更について過半数労働組合等の意見を聴かなければならず、①の届出の際に、その意見を記した書面を添付しなければならないこと
とされていいます。
★ 労働基準法第89条及び第90条の手続が履行されていることは、法第10条本文の法的効果を生じさせるための要件ではないものの、同条本文の合理性判断に際しては、就業規則の変更に係る諸事情が総合的に考慮されることから、使用者による労働基準法第89条及び第90条の遵守の状況は、合理性判断に際して考慮され得るものとされています。
(法第10条、第11条、H24.8.10基発0810第2号)
④【R6年出題】
労働契約法第17条第1項の「やむを得ない事由」があるか否かは、個別具体的な事案に応じて判断されるものであるが、期間の定めのある労働契約(以下本問において「有期労働契約」という。)は、試みの使用期間(試用期間)を設けることが難しく、使用者は労働者の有する能力や適性を事前に十分に把握できないことがあることから、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、同法第16条に定めるいわゆる解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも広いと解される。
【解答】
④【R6年出題】 ×
労働契約法第17条第1項の条文を読んでみましょう。
使用者は、期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。 |
有期労働契約については、契約期間中は、「やむを得ない事由があるとき」に該当しない場合は、解雇することはできません。
「やむを得ない事由」があるか否かは、個別具体的な事案に応じて判断されるものですが、契約期間は労働者及び使用者が合意により決定したものであり、遵守されるべきものであることから、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭いと解されます。
(法第17条第1項、H24.8.10基発0810第2号)
⑤【R6年出題】
労働契約法第18条第1項によれば、労働者が、同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下本肢において同じ。)の契約期間を通算した期間が5年を超えた場合には、当該使用者が、当該労働者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の申込みをしたものとみなすこととされている。
【解答】
⑤【R6年出題】 ×
労働契約法第18条第1項の条文を読んでみましょう。
同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を通算した期間が5年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする。 |
第18条は、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、有期契約労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約(以下「無期労働契約」という。)に転換させる仕組み(「無期転換ルール」という。)を設けることにより、有期労働契約の濫用的な利用を抑制し労働者の雇用の安定を図ることとしたものです。
無期転換ルールは、「有期契約労働者が無期転換の申込み」をした場合、無期労働契約が成立する(使用者は申込みを承諾したものとみなす=断ることができない)というものです。
問題文のように、「使用者が、当該労働者に対し、現に締結している有期労働契約が満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の申込みをしたものとみなす」ではありません。
(法第18条、H24.8.10基発0810第2号)
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R7-016 9.10
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働保険徴収法の択一式です。
まず、請負事業の一括を図でイメージしましょう。
令和6年問8(労災)の問題をどうぞ!
①【R6年出題】
労働保険徴収法第8条に規定する請負事業の一括について、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち建設の事業であって、数次の請負によって行われる場合、雇用保険に係る保険関係については、元請事業に一括することなく事業としての適用単位が決められ、それぞれの事業ごとに労働保険徴収法が適用される。
【解答】
①【R6年出題】 〇
請負事業の一括で、元請事業に一括されるのは、「労災保険に係る保険関係」のみです。
雇用保険は一括されませんので、雇用保険は原則どおり事業ごとに適用されます。図でイメージしてください。
②【R6年出題】)
労働保険徴収法第8条に規定する請負事業の一括について、下請負に係る事業については下請負人が事業主であり、元請負人と下請負人の使用する労働者の間には労働関係はないが、同条第2項に規定する場合を除き、元請負人は当該請負に係る事業について下請負をさせた部分を含め、そのすべての労働者について事業主として保険料の納付等の義務を負う。
【解答】
②【R6年出題】 〇
労働保険徴収法上、請負事業が一括されたとしても、「下請負人」と「下請負人が使用する労働者の間」には労働関係があります。そのため、下請負に係る事業については、「下請負人」が事業主です。
請負事業の一括により、「元請負人のみ」が「当該事業の事業主」となります。これは、元請負人は、請負に係る事業(イメージ図では、ビル建築工事の現場)については、下請負をさせた部分を含めて、工事の全てについて「事業主」として労災保険料を納付する等の義務を負うという意味です。
請負事業の一括で元請負人が事業主とされたとしても、「元請負人」と「下請負人が使用する労働者の間」に労働関係が生まれるわけではありません。
図でイメージしてください。
③【R6年出題】
労働保険徴収法第8条第2項に定める下請負事業の分離に係る認可を受けようとする元請負人及び下請負人は、保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内に「下請負人を事業主とする認可申請書を所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。
【解答】
③【R6年出題】 〇
請負事業の一括は法律上当然に行われますが、下請負事業の分離については、厚生労働大臣の認可が必要です。
下請負事業の分離の認可については、元請負人及び下請負人が「共同で」、保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内に「下請負人を事業主とする認可申請書を所轄都道府県労働局長に提出しなければなりません。
(則第8条第1項)
④【R6年出題】
労働保険徴収法第8条第2項に定める下請負事業の分離に係る認可を受けようとする元請負人及び下請負人は、天災その他不可抗力等のやむを得ない理由により、同法施行規則第8条第1項に定める期限内に「下請負人を事業主とする認可申請書」を提出することができなかったときは、期限後であっても当該申請書を提出することができる。
【解答】
④【R6年出題】 〇
③の問題の続きです。「下請負人を事業主とする認可申請書」は、保険関係が成立した日の翌日から10日以内に提出しなければなりませんが、やむを得ない理由により、期限内に提出することができなかったときは、期限後であっても提出することができます。
(則第8条第1項)
⑤【R6年出題】
労働保険徴収法第8条第2項に定める下請負事業の分離に係る認可を受けるためには、当該下請負事業の概算保険料が160万円以上、かつ、請負金額が1億8,000万円以上(消費税等相当額を除く。)であることが必要とされている。
【解答】
⑤【R6年出題】 ×
下請負事業の概算保険料が160万円以上、「又は」、請負金額が1億8,000万円以上(消費税等相当額を除く。)です。
(則第9条)
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R7-015 9.9
勉強方法についてご質問がありましたのでお話します。
例えば、令和6年の雇用保険法は7問中5問は、
テキスト+過去問の繰り返しで解ける問題でした。
しかし、7問のうち、2問については、過去問学習では難しかったかもしれません。
具体的に雇用保険の問題を解きながらお話します。
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R7-014 9.8
令和6年度の試験問題を振り返り、これからの勉強に役立てましょう。
今日は、労災保険法です。
R6年労災問1の問題をどうぞ!
労災保険法第7条に規定する通勤の途中で合理的経路を逸脱・中断した場合でも、当該逸脱・中断が日常生活上必要な行為であって、厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により最小限度の範囲で行う場合には、当該逸脱・中断の後、合理的な経路に復した後は、同条の通勤と認められることとされている。
この日常生活上必要な行為として、同法施行規則第8条が定めるものに含まれない行為はどれか。
A 経路の近くにある公衆トイレを使用する行為
B 帰途で総菜等を購入する行為
C はり師による施術を受ける行為
D 職業能力開発校で職業訓練を受ける行為
E 要介護状態にある兄弟姉妹の介護を継続的に又は反復して行う行為
【解答】
「A 経路の近くにある公衆トイレを使用する行為」は、日常生活上必要な行為として、労災保険法施行規則第8条に定めるものに含まれません。
「日常生活上必要な行為」として定められている行為を確認しましょう。
則第8条(日常生活上必要な行為) 法第7条第3項の厚生労働省令で定める行為は、次のとおりとする。 (1) 日用品の購入その他これに準ずる行為 (2) 職業訓練、学校教育法第一条に規定する学校において行われる教育その他これらに準ずる教育訓練であって職業能力の開発向上に資するものを受ける行為 (3) 選挙権の行使その他これに準ずる行為 (4) 病院又は診療所において診察又は治療を受けることその他これに準ずる行為 (5) 要介護状態にある配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹並びに配偶者の父母の介護(継続的に又は反復して行われるものに限る。) |
問題文の「B 帰途で総菜等を購入する行為」は(1)に、「C はり師による施術を受ける行為」は(4)に、「D 職業能力開発校で職業訓練を受ける行為」は(2)に、「E 要介護状態にある兄弟姉妹の介護を継続的に又は反復して行う行為」は(5)に該当します。
(S48.11.22基発644)
通勤途上で、逸脱・中断をしたとしても、逸脱・中断が、「日常生活上必要な行為であって、厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により最小限度の範囲で行う場合」には、当該逸脱・中断の後、合理的な経路に復した後は、通勤と認められます。
ポイント!
ただし、逸脱・中断が、日常生活上必要な行為であって、厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により最小限度の範囲で行う場合でも、「逸脱・中断」の間は通勤となりません。
ちなみに、「A 経路の近くにある公衆トイレを使用する行為」は、「ささいな行為」となります。通常経路の途中のささいな行為は、逸脱、中断に該当しません。
他にささいな行為として、帰途に経路の近くにある公園で短時間休息する場合、経路上の店でタバコ、雑誌等を購入する場合、駅構内でジュースの立飲みをする場合などがあります。
(S48.11.22基発644)
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R7-013 9.7
令和6年度の試験問題を振り返り、これからの勉強に役立てましょう。
今日は、労働安全衛生法です。
R6年問8の問題をどうぞ!
次に示す業態をとる株式会社についての安全衛生管理に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、衛生管理者については、選任の特例(労働安全衛生規則第8条)を考えないものとする。
W市に本社を置き、人事、総務等の管理業務を行っている。
使用する労働者数 常時30人
X市に第1工場を置き、金属部品の製造及び加工を行っている。
・工場は1直7:00~15:00及び2直15:00~23:00の2交替で操業しており、 1グループ150人計300人の労働者が交替で就業している。
・工場には動力により駆動されるプレス機械が10台設置され、当該機械による作業が行われている。
Y市に第2工場を置き、金属部品の製造及び加工を行っている。
・工場は1直7:00~15:00及び2直15:00~23:00の2交替で操業しており、1グループ40人計80人の労働者が交替で就業している。
・工場には動力により駆動されるプレス機械が5台設置され、当該機械による作業が行われている。
Z市に営業所を置き、営業活動を行っている。
使用する労働者数 常時12人(ただし、この事業場のみ、うち6人は1日4時間労働の短時間労働者)
<A>W市にある本社には、安全管理者も衛生管理者も選任する義務はない。
【解答】
<A> 〇
ポイント!
労働安全衛生法は「事業場単位」で適用されます。
管理業務を行っている本社は、労働安全衛生法施行令第2条第3号の「その他の業種」となります。
本社は、「その他の業種」ですので、安全管理者を選任する義務はありません。また、労働者数が常時30人ですので衛生管理者の選任義務もありません。
(法第11条、第12条、令第3項、第4条)
<B>W市にある本社には、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。
【解答】
<B> ×
「その他の業種」で総括安全衛生管理者の選任義務があるのは、常時1000人以上の労働者を使用する事業場です。
問題文の場合は、選任義務はありません。
<C>X市にある第1工場及びY市にある第2工場には、それぞれ安全管理者及び衛生管理者を選任しなければならないが、X市にある第1工場には、衛生管理者を二人以上選任しなければならない。
【解答】
<C> 〇
第1工場、第2工場は、「製造業」です。
どちらも労働者数が常時50人以上ですので、安全管理者と衛生管理者の選任義務があります。
また、第1工場は、労働者数が常時300人ですので、2人以上の衛生管理者を選任しなければなりません。ちなみに、第2工場は、1人以上の衛生管理者を選任しなければなりません。
(令第2条、第3条、第4条)
<D>X市にある第1工場及びY市にある第2工場には、プレス機械作業主任者を、それぞれの工場に、かつ1直2直それぞれに選任しなければならない。
【解答】
<D> 〇
「動力により駆動されるプレス機械を5台以上有する事業場において行う当該機械による作業」については、作業主任者を選任しなければなりません。
また、作業主任者は、「作業場所単位」で選任します。作業主任者は、労働者を直接指揮する必要があるため、作業が交替制で行われる場合は、原則として各直ごとに選任しなければなりません。
(法第14条、令第6条第7号、S48.3.19基発第145号)
<E> Z市にある営業所には、衛生推進者を選任しなければならない。
【解答】
<E> 〇
営業所は「その他の業種」です。労働者数が12人ですので、衛生推進者を選任しなければなりません。なお、労働者の人数には、短時間労働者も含みます。
(法第12条の2、則12条の2、S47.9.18基発第602号)
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R7-012 9.6
令和6年度の試験問題を振り返り、これからの勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法です。
令和6年の年次有給休暇の問題をどうぞ!
①【R6年問6】
月曜日から金曜日まで1日の所定労働時間が4時間の週5日労働で、1週間の所定労働時間が20時間である労働者が、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した場合に労働基準法第39条の規定により当該労働者に付与される年次有給休暇は、5労働日である。
【解答】
①【R6年問6】 ×
この問題のポイント!
比例付与の条件をおぼえましょう。(法第39条第3項、則第24条の3)
1週間の所定労働時間が30時間未満
かつ
1週間の所定労働日数が4日以下
※週以外の期間で所定労働日数が定められている場合は、
1年間の所定労働日数が216日以下
問題文は、1週間の所定労働時間は20時間ですが、1週間の所定労働日数が5日ですので、比例付与の対象になりません。
付与される年次有給休暇は、5労働日ではなく、通常の10労働日です。
②【R6年問6】
月曜日から木曜日まで1日の所定労働時間が8時間の週4日労働で、1週間の所定労働時間が32時間である労働者が、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した場合に労働基準法第39条の規定により当該労働者に付与される年次有給休暇は、次の計算式により7労働日である。
〔計算式〕10日×4日/5.2日≒7.69日 端数を切り捨てて7日
【解答 】
②【R6年問6】 ×
①の問題と同様に、比例付与の条件がポイントです。
問題文は、1週間の所定労働日数は4日ですが、1週間の所定労働時間が32時間ですので、比例付与の対象になりません。
雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した場合に付与される年次有給休暇は、10労働日です。
③【R6年問6】
令和6年4月1日入社と同時に10労働日の年次有給休暇を労働者に付与した使用者は、このうち5日については、令和7年9月30日までに時季を定めることにより与えなければならない。
【解答】
③【R6年問6】 ×
この問題のポイント!
年次有給休暇の使用者の時季指定義務について
法定の基準日より前に、有給休暇を付与する場合の扱いについての問題です。
有給休暇の日数のうち5日については、基準日から1年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならないのが原則です。
しかし、基準日より前に10労働日以上の有給休暇を与えることとした場合は、「10労働日以上の有給休暇を与えることとした日から1年以内の期間に、その時季を定めることにより与えなければなりません。
令和6.4.1(入社) |
| 令和6.10.1 |
| 令和7.3.31 |
10日付与 |
| 法定の基準日 |
|
|
原則は、5日については、令和6年10月1日から1年以内(令和7年9月30日)までに、時季を定めることにより与えなければなりません。
ただし、前倒しで令和6年4月1日の入社日に付与した場合は、その日から1年以内(令和7年3月31日まで)に取得させることになります。
(法第37条第7項、則第24条の5第1項)
④【R6年問6】
使用者の時季指定による年5日以上の年次有給休暇の取得について、労働者が半日単位で年次有給休暇を取得した日数分については、労働基準法第39条第8項の「日数」に含まれ、当該日数分について使用者は時季指定を要しないが、労働者が時間単位で取得した分については、労働基準法第39条第8項の「日数」には含まれないとされている。
【解答】
④【R6年問6】 〇
この問題のポイント!
年次有給休暇の使用者の時季指定義務について
労働者自ら取得した半日年休・時間単位年休の取扱い
労働者が半日単位で年次有給休暇を取得した日数分については、0.5日として法第39条第8項の「日数」に含まれますので、当該日数分について使用者は時季指定を要しません。
また、労働者が時間単位で年次有給休暇を取得した日数分については、法第39条第8項の「日数」には含まれません。
(H30.12.28基発1228第15号)
⑤【R6年問6】
産前産後の女性が労働基準法第65条の規定によって休業した期間及び生理日の就業が著しく困難な女性が同法第68条の規定によって就業しなかった期間は、労働基準法第39条第1項「使用者は、その雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。」の適用においては、これを出勤したものとみなす。
【解答】
⑤【R6年問6】 ×
この問題のポイント!
出勤率の算定で、「出勤したものとみなす」期間
産前産後の女性が休業した期間は、「出勤したものとみなす」期間です。
一方、生理日の就業が著しく困難な女性が就業しなかった期間は、労働基準法上出勤したものとはみなされません。
(法第39条第10項、S23.7.31基収2675)
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R7-011 9.5
令和6年度の試験問題を振り返り、これからの勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の選択式です。
令和6年 選択問題1
厚生年金保険法第80条第2項の規定によると、国庫は、毎年度、予算の範囲内で、厚生年金保険事業の事務(基礎年金拠出金の負担に関する事務を含む。)の執行(実施機関(厚生労働大臣を除く。)によるものを除く。)に要する< A >を負担するものとされている。
<選択肢>
「費用」、「費用の2分の1」、「費用の3分の1」、「費用の4分の3」
【解答】
<A> 費用
(第80条)
ポイント!
「事務の執行(実施機関(厚生労働大臣を除く。)によるものを除く。)に要する費用」は、国庫が負担します。
国庫負担の過去問をどうぞ!
【H29年出題】
厚生年金保険法第80条第1項の規定により、国庫は、毎年度、厚生年金保険の実施者たる政府が負担する< F >に相当する額を負担する。
<選択肢>
「基礎年金拠出金の額の2分の1」、「基礎年金拠出金の額の3分の1」
「事務の執行に要する費用の2分の1」、「保険給付費の2分の1」
【解答】
<F> 基礎年金拠出金の額の2分の1
★厚生年金保険の実施者たる政府が負担する「基礎年金拠出金の額の2分の1」は、国庫が負担します。
(法第80条第1項)
令和6年 選択問題2
実施機関は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに1,000円未満の端数を生じたときはこれを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定するが、当該標準賞与額が< B >(標準報酬月額の等級区分の改定が行われたときは政令で定める額。)を超えるときは、これを< B >とする。
<選択肢>
「100万円」、「150万円」、「200万円」、「250万円」
【解答】
<B> 150万円
(法第24条の4)
「標準賞与額」は、賞与の額の1,000円未満を切り捨てた額で、上限は1か月当たり150万円です。
令和6年 選択問題3
保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、< C >を受ける権利を国税滞納処分により差し押える場合は、この限りでない。
<選択肢>
「遺族厚生年金」、「障害厚生年金」、「障害手当金」、「脱退一時金」
【解答】
<C> 脱退一時金
ポイント!
法第41条第1項では、「保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、老齢厚生年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。」となっています。
例外的に、老齢厚生年金を受ける権利は、国税滞納処分による差し押さえの対象となります。
しかし、選択肢には「老齢厚生年金」がありません。
★附則によって、老齢厚生年金は脱退一時金と読み替えられます
法附則第29条第9項、令第14条で、「老齢厚生年金」を「脱退一時金」と読み替えるとされています。当てはめると、「ただし、脱退一時金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。」となります。
令和6年 選択問題4
厚生年金保険法第58条第1項第2号の規定により、厚生年金保険の被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により< D >を経過する日前に死亡したときは、死亡した者によって生計を維持していた一定の遺族に遺族厚生年金が支給される。ただし、死亡した者が遺族厚生年金に係る保険料納付要件を満たしていない場合は、この限りでない。
<選択肢>
「当該初診日から起算して3年」、「当該初診日から起算して5年」
「被保険者の資格を喪失した日から起算して3年」
「被保険者の資格を喪失した日から起算して5年」
【解答】
<D> 当該初診日から起算して5年
ポイント!
厚生年金保険の被保険者の資格喪失後(会社を退職した後)に死亡した場合でも、被保険者であった間(在職中)に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したきとは、遺族厚生年金の要件を満たします。(保険料納付要件が問われます。)
在職中(厚生年金保険の被保険者) | 退職 |
| |
▲ 初診日 |
| ▲ 死亡 | |
| 5年を経過する日前 | ||
令和6年 選択問題5
甲(66歳)は35歳のときに障害等級3級に該当する程度の障害の状態にあると認定され、障害等級3級の障害厚生年金の受給を開始した。その後も障害の程度に変化はなく、また、老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額が障害等級3級の障害厚生年金の年金額を下回るため、65歳以降も障害厚生年金を受給している。一方、乙(66歳)は35歳のときに障害等級2級に該当する程度の障害の状態にあると認定され、障害等級2級の障害基礎年金と障害厚生年金の受給を開始した。しかし、40歳時点で障害の程度が軽減し、障害等級3級の障害厚生年金を受給することになった。その後、障害の程度に変化はないが、65歳以降は老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給している。今後、甲と乙の障害の程度が増進した場合、障害年金の額の改定請求は、< E >。
<選択肢>
「甲のみが行うことができる」
「甲も乙も行うことができない」
「甲も乙も行うことができる」
「乙のみが行うことができる」
【解答】
<E> 乙のみが行うことができる
(法第52条第7項)
解くときのチェックポイント!
・年齢
甲も乙も65歳以上(66歳)
・障害基礎年金の受給権の有無
甲は障害基礎年金の受給権を「有しない」
乙は障害基礎年金の受給権を「有する」
では、問題のポイントを図でイメージしましょう。
こちらの動画の7:28からです。
↓
https://youtu.be/B-p353mT2n0?si=2xHwJ36xd9dNXog1
条文を読んでみましょう。
法第52条第7項 障害厚生年金の額の改定の規定は、65歳以上の者であって、かつ、障害厚生年金の受給権者(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法による障害基礎年金の受給権を有しないものに限る。)については、適用しない。 |
甲は、65歳以上かつ障害基礎年金の受給権を有しないので、額の改定請求はできません。
乙は、65歳以上ですが、障害基礎年金の受給権を有するので、額の改定請求ができます。
障害基礎年金の受給権の有無がポイントです。
詳しくは、こちらで解説しています。
↓
問題が解ける!事後重症【社労士受験対策】
https://youtu.be/vsvaK8cf1rU?si=R6U2NqkgO2jtYWDf
過去問を解いてみましょう
【R2年出題】
障害等級2級に該当する障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が、症状が軽減して障害等級3級の程度の障害の状態になったため当該2級の障害基礎年金は支給停止となった。その後、その者が65歳に達した日以後に再び障害の程度が増進して障害等級2級に該当する程度の障害の状態になった場合、障害等級2級の障害基礎年金及び障害厚生年金は支給されない。
【解答】
【R2年出題】 ×
問題文の場合は、「障害基礎年金」の受給権を有するので、65歳に達した日以後に障害の程度が増進して2級の障害の状態になった場合、2級の障害基礎年金及び障害厚生年金が支給されます。
令和6年の選択問題の「乙」がこのパターンに当たります。
(法第52条第7項)
令和6年の選択式 1つめの国庫負担は、覚えて解く問題です。 2つめの標準賞与額は、健康保険と比較しながら覚えましょう。 3つめの受給権の保護は、附則からの出題でしたので、少し戸惑われたのではないでしょうか。 4つ目の遺族厚生年金の支給要件は、覚えて解く問題です。特に起算日が注意点です。 5つ目の障害厚生年金の額の改定は、択一式で良く問われるポイントです。問題を解くポイントをうまく見つけなければならない問題です。 |
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R7-010 9.4
令和6年度の試験問題を振り返り、これからの勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の選択式です。
令和6年 選択問題1
国民年金法において、被保険者の委託を受けて、保険料の納付に関する事務(以下本肢において「納付事務」という。)を行うことができる者として、国民年金基金又は国民年金基金連合会、厚生労働大臣に対し、納付事務を行う旨の申出をした< A >、納付事務を< B >ことができると認められ、かつ、政令で定める要件に該当する者として厚生労働大臣が指定するものに該当するコンビニエンスストア等があり、これらを< C >という。
<選択肢>
「完全かつ効率的に行う」、「申請に基づき実施する」、「適正かつ円滑に行う」
「適正かつ確実に実施する」
「市町村(特別区を含む。)」、「実施機関」、「都道府県」、「保険者」
「指定納付受託者」、「指定代理納付者」、「納付受託者」、「保険料納付確認団体」
【解答】
<A> 市町村(特別区を含む。)
<B> 適正かつ確実に実施する
<C> 納付受託者
(法第92条の3、第92条の4)
紛らわしい用語に注意しましょう
「指定代理納付者」(第92条の2の2)
厚生労働大臣に対し、被保険者の保険料を立て替えて納付する事務を適正かつ確実に実施することができると認められる者であって、政令で定める要件に該当する者として厚生労働大臣が指定するもの(←クレジットカード)
「保険料納付確認団体」(法第109条の3)
同種の事業又は業務に従事する被保険者を構成員とする団体その他これに類する団体で政令で定めるものであって、厚生労働大臣がこれらの団体からの申請に基づき、次の業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものとして指定するもの
・ 当該団体の構成員その他これに類する者である被保険者からの委託により、当該被保険者に係る保険料が納期限までに納付されていない事実(「保険料滞納事実」という。)の有無について確認し、その結果を当該被保険者に通知する業務
納付受託者のポイント!
「納付受託者」は、被保険者の委託を受けて、保険料の納付事務を行うことができます。
・国民年金基金又は国民年金基金連合会
・納付事務を適正かつ確実に実施することができると認められ、かつ、政令で定める要件に該当する者として厚生労働大臣が指定するもの(コンビニエンスストア等)
・厚生労働大臣に対し、納付事務を行う旨の申出をした市町村
納付受託者について過去問を解いてみましょう。
①【R1年出題】
国民年金基金は、被保険者の委託を受けて、保険料の納付に関する事務を行うことができるとされており、国民年金基金に未加入の者の保険料の納付に関する事務であっても行うことができる。
【解答】
①【R1年出題】 ×
国民年金基金又は国民年金基金連合会は、国民年金基金の加入員に限って、保険料の納付に関する事務を行うことができます。
(第92条の3第1項)
②【H22年出題】
厚生労働大臣に対し、納付事務を行う旨の申出をした市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、保険料を滞納している者であって市町村から国民健康保険法第9条第10項の規定により特別の有効期間が定められた国民健康保険の被保険者証の交付を受け、又は受けようとしているものの委託を受けて、保険料の納付事務を行うことができる。
【解答】
②【H22年出題】 〇
市町村が保険料の納付事務を行うことができるのは、保険料を滞納している者で市町村から特別の有効期間が定められた国民健康保険の被保険者証の交付を受け、又は受けようとしているものに限られます。
(第92条の3第1項)
③【H30年出題】
保険料の納付受託者は、国民年金保険料納付受託記録簿を備え付け、これに納付事務に関する事項を記載し、当該記録簿をその完結の日から5年間保存しなければならない。
【解答】
③【H30年出題】 ×
国民年金保険料納付受託記録簿は、その完結の日から「3年間」保存しなければなりません。
(法第92条の5、則第72条の7)
令和6年 選択問題2
遺族基礎年金が支給される子については、国民年金法第37条の2第1項第2号によると、「十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるか又は二十歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に< D >こと」と規定されている。
<選択肢>
「婚姻をしていない」
「日本国内に住所を有している」
「離縁によって、死亡した被保険者又は被保険者であった者の子でなくなっていない」
「養子縁組をしていない」
【解答】
<D> 婚姻をしていない
過去問を解いてみましょう
【R4年出題】
子の遺族基礎年金については、受給権発生後当該子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間に障害等級に該当する障害の状態となり、以降当該子が20歳に達するまでの間障害の状態にあったときは、当該子が18歳に達する日以後の最初の3月31日を過ぎても20歳に達するまで遺族基礎年金を受給できる。なお、当該子は婚姻していないものとする。
【解答】
【R4年出題】 〇
図でイメージしましょう。
受給権発生 ▼ |
|
|
| 18歳年度末 ▼ |
| 20歳 ▼ |
遺族基礎年金 | ||||||
|
| ▲ 障害等級に該当し、20歳まで障害の状態にある |
(法第40条第3項)
令和6年 選択問題3
遺族基礎年金を受給できる者がいない時には、被保険者又は被保険者であった者が国民年金法第52条の2に規定された支給要件を満たせば、死亡した者と死亡の当時生計を同じくする遺族に死亡一時金が支給されるが、この場合の遺族とは、死亡した者の < E >であり、死亡一時金を受けるべき者の順位は、この順序による。
<選択肢>
「配偶者又は子」、「配偶者、子又は父母」、「配偶者、子、父母又は孫」
「配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹」
【解答】
<E> 配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹
過去問をどうぞ!
【R1年出題】
死亡一時金を受けることができる遺族が、死亡した者の祖父母と孫のみであったときは、当該死亡一時金を受ける順位は孫が優先する。なお、当該祖父母及び孫は当該死亡した者との生計同一要件を満たしているものとする。
【解答】
【R1年出題】 〇
祖父母と孫では、死亡一時金を受ける順位は孫が優先します。
「配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹」の順番はおぼえましょう。
(法第52条の3)
令和6年の選択式 1つめは、似たような用語が多くて、覚えにくいところです。 2つめの子の要件は、択一式でもよく出ますので、対策ができていたと思います。 3つめは、遺族の範囲と順位がポイントです。死亡一時金のみならず、死亡に関する給付についての暗記必須箇所です。 |
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R7-009 9.3
令和6年度の試験問題を振り返り、これからの勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の選択式です。
令和6年 選択問題1
保険外併用療養費の支給対象となる治験は、< A >、患者の自由な選択と同意がなされたものに限られるものとし、したがって、治験の内容を患者等に説明することが医療上好ましくないと認められる等の場合にあっては、保険外併用療養費の支給対象としない。
<選択肢>
「新たな医療技術、医薬品、医療機器等によるものであることから」
「患者に対する情報提供を前提として」
「困難な病気と闘う患者からの申し出を起点として」
「保険医療機関が厚生労働大臣の定める施設基準に該当するとともに」
【解答】
<A> 患者に対する情報提供を前提として
(R2.3.5保医発0305第5号)
「治験」とは?厚生労働省のホームページを参考に、お話します。
「くすりの候補」の開発の最終段階では、人での効果と安全性を調べなければなりません。その際、人の協力が必要です。
このように得られた成績を国が審査し、病気の治療に必要、かつ安全に使えると承認されたものが「くすり」となります。
人における試験を一般に「臨床試験」といい、「くすりの候補」を用いて国の承認を得るための成績を集める臨床試験は、特に「治験」と呼ばれています。
(参考:厚生労働省HPhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu1.html)
令和6年 選択問題2
任意継続被保険者がその資格を喪失した後、出産育児一時金の支給を受けることができるのは、任意継続被保険者の< B >であった者であって、実際の出産日が被保険者の資格を喪失した日後6か月以内の期間でなければならない。
<選択肢>
「資格を取得した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)」
「資格を取得した日の前日まで引き続き6か月以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)」
「資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)」
「資格を喪失した日の前日まで引き続き6か月以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)」
【解答】
<B> 資格を取得した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)
(法第104条、第106条)
資格喪失後の傷病手当金・出産手当金の継続給付を受けるには、「資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員であった被保険者を除く)であったこと」が必要です。
資格喪失後の出産育児一時金も同じ条件です。
任意継続被保険者の資格を喪失した後でも、要件を満たせば、継続給付や出産育児一時金が支給されます。
その場合は、任意継続被保険者の資格を取得した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であったことが必要です。
退職 | 取得 喪失 |
被保険者(在職中) | 任意継続被保険者 |
継続して1年以上 |
|
令和6年 選択問題3
健康保険法第111条の規定によると、被保険者の< C >が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けたときは、被保険者に対し、その指定訪問看護に要した費用について、< D >を支給する。< D >の額は、当該指定訪問看護につき厚生労働大臣の定めの例により算定した費用の額に< E >の給付割合を乗じて得た額 (< E >の支給について< E >の額の特例が適用されるべきときは、当該規定が適用されたものとした場合の額)とする。
<選択肢>
「家族訪問看護療養費」、「家族療養費」、「高額介護サービス費」
「高額介護合算療養費」、「高額介護サービス費」、「高額療養費」
「認定対象者」、「被扶養者」、「扶養者」
「訪問看護療養費」、「保険外併用療養費」、「療養費」
【解答】
<C> 被扶養者
<D> 家族訪問看護療養費
<E> 家族療養費
被扶養者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けたときは、被保険者に対し、家族訪問看護療養費が支給されます。
家族訪問看護療養費の額は、指定訪問看護につき厚生労働大臣の定めの例により算定した費用の額に家族療養費の給付割合(区分に応じて100分の70、100分の80)を乗じて得た額です。
令和6年の選択式 保険外併用療養費の支給対象となる治験の条件は、難しく感じた方が多かったのではないでしょうか? 2つめの任意継続被保険者の資格を喪失した後の問題については、選択肢が紛らわしいので注意が必要です。 3つめは、問題文の中のヒントを利用しながら解く問題です。 |
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R7-008 9.2
令和6年度の試験問題を振り返り、これからの勉強に役立てましょう。
今日は、社会保険に関する一般常識の選択式です。
令和6年 選択問題1
厚生労働省から令和5年7月に公表された「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合についてみると、公的年金・恩給の総所得に占める割合が< A >の世帯が44.0%となっている。なお、国民生活基礎調査において、「高齢者世帯」とは、65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の未婚の者が加わった世帯をいう。
<選択肢>
「40~60%未満」、「60~80%未満」、「80~100%未満」、「100%」
【解答】
<A> 100%
「国民生活基礎調査の概況」の中の「各種世帯の所得等の状況」の「所得の種類別の状況」からの出題です。
ポイント!
各種世帯の所得の種類別1世帯当たり平均所得金額の構成割合は、
・全世帯では「稼働所得」が 73.2%、「公的年金・恩給」が 20.1%。
・高齢者世帯では「公的年金・恩給」が62.8%、「稼働所得」が 25.2%。
公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のなかで「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」は 44.0%。
(2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況より)
令和6年 選択問題2
厚生労働省から令和5年8月に公表された「令和3年度介護保険事業状況報告(年報)」によると、令和3年度末において、第1号被保険者のうち要介護又は要支援の認定者(以下本肢において「認定者」という。)は677万人であり、第1号被保険者に占める認定者の割合は全国平均で< B >%となっている。
<選択肢>
「3.9」、「18.9」、「33.9」、「48.9」
【解答】
<B> 18.9
第1号被保険者に占める認定者の割合は、全国平均で18.9%です。
ちなみに、第1号被保険者数は、令和3年度末で3,589万人です。
(令和3年度介護保険事業状況報告より)
令和6年 選択問題3
国民健康保険法第1条では、「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて< C >に寄与することを目的とする。」と規定している。
<選択肢>
「社会保険及び国民福祉の向上」、「社会保険及び国民保健の向上」
「社会保障及び国民福祉の向上」、「社会保障及び国民保健の向上」
【解答】
<C> 社会保障及び国民保健の向上
(法第1条)
令和6年 選択問題4
高齢者医療確保法第1条では、「この法律は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進するための計画の作成及び保険者による健康診査等の実施に関する措置を講ずるとともに、高齢者の医療について、国民の< D >の理念等に基づき、前期高齢者に係る保険者間の< E >の調整、後期高齢者に対する適切な医療の給付等を行うために必要な制度を設け、もつて国民保健の向上及び高齢者の福祉の増進を図ることを目的とする。」と規定している。
<選択肢>
「給付費用」、「給付割合」、「費用負担」、「負担割合」
「共助連帯」、「共同連帯」、「自助と共助」、「自助と連帯」
【解答】
<D> 共同連帯
<E> 費用負担
(法第1条)
★「後期高齢者医療」制度の対象は、原則として75歳以上の後期高齢者です。
後期高齢者医療については、公費+現役世代からの支援金で約9割が賄われています。
★「前期高齢者」は、健康保険などの医療保険に加入しています。しかし、制度によって、前期高齢者の占める割合が異なります。そのため、前期高齢者の医療費については、制度間の財政調整が行われています。
問題文の<D>「共同連帯」は、高齢者医療を社会全体で支えるということです。
<E>の、前期高齢者に係る保険者間の<費用負担>の調整は、保険者間で行う財政調整の仕組みのことです。
「目的条文」を読むと、その法律の全体像をつかむことができます。
勉強に行き詰まったら、読んでみてください。
こちらにあります。
↓
■<横断編>目的条文などを読みます!練習問題もあります。労基・安衛・労災・雇用・徴収・健保・国年・厚年
■<横断編>一般常識科目の目的条文などを読みます!労働一般常識・社保一般常識
令和6年の選択式 データから2問、目的条文から3問でした。 一般常識についても、目的条文をはじめ、条文を読むことも大切です。 |
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R7-007 9.1
令和6年度の試験問題を振り返り、これからの勉強に役立てましょう。
今日は、労働に関する一般常識の選択式です。
令和6年 選択問題1
自動車運転者は、他の産業の労働者に比べて長時間労働の実態にあることから、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第7号。以下「改善基準告示」という。)において、全ての産業に適用される労働基準法では規制が難しい< A >及び運転時間等の基準を設け、労働条件の改善を図ってきた。こうした中、過労死等の防止の観点から、労働政策審議会において改善基準告示の見直しの検討を行い、2022(令和4)年12月にその改正を行った。
<選択肢>
「拘束時間、休息期間」
「拘束時間、総実労働時間」
「手待時間、休息期間」
「手待時間、総実労働時間」
【解答】
<A> 拘束時間、休息期間
考え方のポイント!
空欄<A>の直前の「全ての産業に適用される労働基準法では規制が難しい」の部分がヒントです。
「労働時間」は労働基準法で規制されていますし、「手待時間」は通達で労働時間であるとされています。
そのように考えると、選択肢の中の「拘束時間、休息期間」が引き出せるかと思います。
ちなみに、「拘束時間」とは、労働時間と休憩時間(仮眠時間を含む。)の合計時間=始業時刻から終業時刻までの使用者に拘束される全ての時間のことです。
「休息期間」とは、使用者の拘束を受けない期間のことです。
(「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第7号))
令和6年 選択問題2
総務省統計局「労働力調査(基本集計)」によると、2022(令和4)年の女性の雇用者数は2,765万人で、雇用者総数に占める女性の割合は< B >である。
<選択肢>
「25.8%」
「35.8%」
「45.8%」
「55.8%」
<解答>
<B> 45.8%
考え方のポイント!
「だいたい半々程度で、やや男性より少ないかな?」と想像しながら解いた方が多いと思います。
しかし、厚生労働白書に出てくる数字を全て暗記するのは不可能なので、難しい問題です。
(令和5年版厚生労働白書P216 女性の雇用の状況)
令和6年 選択問題3
最高裁判所は、労働協約上の基準が一部の点において未組織の同種労働者の労働条件よりも不利益である場合における労働協約の一般的拘束力が問題となった事件において、次のように判示した。
「労働協約には、労働組合法17条により、一の工場事業場の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用されている他の同種労働者に対しても右労働協約の< C >的効力が及ぶ旨の一般的拘束力が認められている。ところで、同条の適用に当たっては、右労働協約上の基準が一部の点において未組織の同種労働者の労働条件よりも不利益とみられる場合であっても、そのことだけで右の不利益部分についてはその効力を未組織の同種労働者に対して及ぼし得ないものと解するのは相当でない。けだし、同条は、その文言上、同条に基づき労働協約の< C >的効力が同種労働者にも及ぶ範囲について何らの限定もしていない上、労働協約の締結に当たっては、その時々の社会的経済的条件を考慮して、総合的に労働条件を定めていくのが通常であるから、その一部をとらえて有利、不利をいうことは適当でないからである。また、右規定の趣旨は、主として一の事業場の4分の3以上の同種労働者に適用される労働協約上の労働条件によって当該事業場の労働条件を統一し、労働組合の団結権の維持強化と当該事業場における公正妥当な労働条件の実現を図ることにあると解されるから、その趣旨からしても、未組織の同種労働者の労働条件が一部有利なものであることの故に、労働協約の< C >的効力がこれに及ばないとするのは相当でない。
しかしながら他面、未組織労働者は、労働組合の意思決定に関与する立場になく、また逆に、労働組合は、未組織労働者の労働条件を改善し、その他の利益を擁護するために活動する立場にないことからすると、労働協約によって特定の未組織労働者にもたらされる不利益の程度・内容、労働協約が締結されるに至った経緯、当該労働者が労働組合の組合員資格を認められているかどうか等に照らし、当該労働協約を特定の未組織労働者に適用することが< D >と認められる特段の事情があるときは、労働協約の < C >的効力を当該労働者に及ぼすことはできないと解するのが相当である。」
<選択肢>
「著しく不合理である」
「一部の労働者を殊更不利益に取り扱うことを目的としたものである」
「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない」
「労働協約の目的を逸脱したものである」
「規範」、「強行」、「債務」、「直律」
【解答】
<C> 規範
<D> 著しく不合理である
(平成8年3月26日最高裁判所第三小法廷)
ポイント!
★規範的効力とは、個々の労働条件を規律する効力のことで、労働組合法第16条で認められています。
第16条(基準の効力) 労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。この場合において無効となった部分は、基準の定めるところによる。労働契約に定がない部分についても、同様とする 。 |
★問題文の判例は、未組織の同種労働者に対する労働協約の一般的拘束力が一部否定された事例です。
「労働協約を未組織の同種労働者に適用することが著しく不合理であると認められる特段の事情があるときは、その効力を未組織の同種労働者に及ぼすことはできない」とされています。
令和6年 選択問題4
男女雇用機会均等法第9条第4項本文は、「妊娠中の女性労働者及び出産後< E >を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。」と定めている
<選択肢>
「30日」、「8週間」、「6か月」、「1年」
【解答】
<E> 1年
(均等法第9条)
ポイント!
第9条第4項は以下のような解釈となっています。
第9条第4項は、妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇についての民事的効力を定めたものであること。すなわち、妊娠中及び出産後1年以内に行われた解雇を、裁判で争うまでもなく無効にするとともに、解雇が妊娠、出産等を理由とするものではないことについての証明責任を事業主に負わせる効果があるものであること。
このような解雇がなされた場合には、事業主が当該解雇が妊娠・出産等を理由とする解雇ではないことを証明しない限り無効となり、労働契約が存続することとなるものであること。
(平18.10.11雇児発第1011002号)
令和6年の選択式について 出題内容は ・注目度の高い「2024年問題」 ・「女性」について「雇用状況」や「妊娠中・産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇」 ・「労働協約」の一般的拘束力についての判例 幅広い分野からの出題でした。一般常識は「広く浅い」勉強が最適です。深く考えすぎないようにしてください。 |
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R7-006 8.31
令和6年度の試験問題を振り返り、これからの勉強に役立てましょう。
今日は、雇用保険法の選択式です。
令和6年 選択問題1
被保険者が< A >、厚生労働省令で定めるところにより、出生時育児休業をし、当該被保険者が雇用保険法第61条の8に規定する出生時育児休業給付金の支給を受けたことがある場合において、当該被保険者が同一の子について3回以上の出生時育児休業をしたとき、< B >回目までの出生時育児休業について出生時育児休業給付金が支給される。また、同一の子について当該被保険者がした出生時育児休業ごとに、当該出生時育児休業を開始した日から当該出生時育児休業を終了した日までの日数を合算して得た日数が< C >日に達した日後の出生時育児休業については、出生時育児休業給付金が支給されない。
<選択肢>
「一般被保険者であるときのみ」
「一般被保険者又は高年齢被保険者であるとき」
「一般被保険者又は短期雇用特例齢被保険者であるとき」
「一般被保険者又は高年齢被保険者であるとき」
「1」、「2」、「3」、「4」
「14」、「21」、「28」、「30」
【解答】
<A> 一般被保険者又は高年齢被保険者であるとき
<B> 2
<C> 28
ポイント!
出生時育児休業は、「産後パパ育休」と言われています。
出生時育児休業は、子の出生後8週間の期間内に合計4週間分(28日)を限度に取得できます。
★対象になる被保険者は、「一般被保険者及び高年齢被保険者」です。「短期雇用特例被保険者・日雇労働被保険者」は除かれます。
★出生時育児休業給付金の支給を受けたことがある場合、次のいずれかに該当する出生時育児休業をしたときは、出生時育児休業給付金は、支給されません。
(1) 同一の子について当該被保険者が3回以上の出生時育児休業をした場合における3回目以後の出生時育児休業
↓
出生時育児休業を分割で取得できるのは2回までです。
(2) 同一の子について当該被保険者がした出生時育児休業ごとに、当該出生時育児休業を開始した日から当該出生時育児休業を終了した日までの日数を合算して得た日数が28日に達した日後の出生時育児休業
↓
4週間分(28日)が限度です。
(法第61条の8)
令和6年 選択問題2
被保険者が雇用されていた適用事業所が激甚災害法第2条の規定による激甚災害の被害を受けたことにより、やむを得ず、事業を休止し、若しくは廃止したことによって離職を余儀なくされた者又は同法第25条第3項の規定により離職したものとみなされた者であって、職業に就くことが特に困難な地域として厚生労働大臣が指定する地域内に居住する者が、基本手当の所定給付日数を超えて受給することができる個別延長給付の日数は、雇用保険法第24条の2により< D >日(所定給付日数が雇用保険法第23条第1項第2号イ又は第3号イに該当する受給資格者である場合を除く。)を限度とする。
<選択肢>
「30」、「60」、「90」、「120」
【解答】
<D> 120
問題文の場合は、120日分延長されます。なお、所定給付日数が270日又は330日の場合は、90日分延長されます。
(法第24条の2)
個別延長給付の過去問をどうぞ!
【R2年出題】
特定理由離職者、特定受給資格者又は就職が困難な受給資格者のいずれにも該当しない受給資格者は、個別延長給付を受けることができない。
【解答】
【R2年出題】 〇
個別延長給付の対象になるのは、以下の者です。
・特定理由離職者(期間の定めのある労働契約が更新されなかったことにより離職した場合に限られます)
・特定受給資格者
・就職が困難な受給資格者
(法第24条の2)
令和6年 選択問題3
令和4年3月31日以降に就労していなかった者が、令和6年4月1日に65歳に達し、同年7月1日にX社に就職して1週当たり18時間勤務することとなった後、同年10月1日に季節的事業を営むY社に就職して1週当たり12時間勤務し二つの雇用関係を有するに至り、雇用保険法第37条の5第1項に基づく特例高年齢被保険者となることの申出をしていない場合、同年12月1日時点において当該者は< E >となる。
<選択肢>
「一般被保険者」、「高年齢被保険者」、「雇用保険法の適用除外」、「短期雇用特例被保険者」
【解答】
<E> 雇用保険法の適用除外
ポイント!
1週間の所定労働時間が20時間未満ですので、どちらの会社でも、雇用保険の適用が除外されます。
また、特例高年齢被保険者になるには、本人の「申出」が必要です。問題文の場合は申出をしていませんので、被保険者になりません。
(法第6条、第37条の5)
令和6年の選択式について 5問中、3問が数字の問題です。 雇用保険は数字を中心に暗記が必要です。 被保険者の種類や、受給資格者の種類も、区別できるように勉強しましょう。 |
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R7-005 8.30
令和6年度の試験問題を振り返り、これからの勉強に役立てましょう。
今日は、労災保険法の選択式です。
令和6年 選択問題1
労災保険法施行規則第14条第1項は、「障害補償給付を支給すべき身体障害の障害等級は、別表第1に定めるところによる。」と規定し、同条第2項は、「別表第1に掲げる身体障害が2以上ある場合には、重い方の身体障害の該当する障害等級による。」と規定するが、同条第3項柱書きは、「第< A >級以上に該当する身体障害が2以上あるとき」は「前2項の規定による障害等級」を「2級」繰り上げた等級(同項第2号)、「第< B >級以上に該当する身体障害が2以上あるとき」は「前2項の規定による障害等級」を「3級」繰り上げた等級(同項第3号)によるとする。
<選択肢>
「3」、「5」、「6」、「7」、「8」、「10」、「12」、「13」
【解答】
<A> 8
<B> 5
おぼえるポイント!
★障害等級は、障害等級表(労災保険法施行規則別表第1)にあてはめて、決定されます。
↓
★同じ事由による身体障害が2つ以上ある場合は、「重い方」の障害等級が全体の障害等級になります。
↓
★ただし、13級以上の身体障害が2つ以上ある場合は、重い方の等級が繰り上げられます。
・13級以上の障害が2つ以上ある場合 → 1級繰り上げ
・8級以上の障害が2つ以上ある場合 → 2級繰り上げ
・5級以上の障害が2つ以上ある場合 → 3級繰り上げ
令和6年 選択問題2
年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた< C >から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとする。また、保険給付を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、< D >の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。
<選択肢>
「月」、「月の翌月」、「日」、「日の翌日」
「事業主」、「自己」、「死亡した者」、「世帯主」
【解答】
<C> 月の翌月
<D> 自己
(法第9条第1項、法第11条第1項)
おぼえるポイント!
★年金は「月」単位で支給されます。
支給すべき事由が生じた「月の翌月」から支給を受ける権利が「消滅した月」まで
★未支給の保険給付は、「自己の名」で請求します。死亡した者の名ではありません。
ちなみに、未支給の保険給付を請求できるのは、死亡した受給権者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹で、受給権者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものです。
ただし、遺族(補償)等年金の場合は、遺族(補償)等年金を受けることができる他の遺族となります。
令和6年 選択問題3
最高裁判所は、遺族補償年金に関して次のように判示した。
「労災保険法に基づく保険給付は,その制度の趣旨目的に従い,特定の損害について必要額を塡補するために支給されるものであり,遺族補償年金は,労働者の死亡による遺族の< E >を塡補することを目的とするものであって(労災保険法1条,16条の2から16条の4まで),その塡補の対象とする損害は,被害者の死亡による逸失利益等の消極損害と同性質であり,かつ,相互補完性があるものと解される。〔…(略)…〕
したがって,被害者が不法行為によって死亡した場合において,その損害賠償請求権を取得した相続人が遺族補償年金の支給を受け,又は支給を受けることが確定したときは,損害賠償額を算定するに当たり,上記の遺族補償年金につき,その塡補の対象となる< E >による損害と同性質であり,かつ,相互補完性を有する逸失利益等の消極損害の元本との間で,損益相殺的な調整を行うべきものと解するのが相当である。」
<選択肢>
「生活基盤の喪失」、「精神的損害」、「相続財産の喪失」「被扶養利益の喪失」
【解答】
<E> 被扶養利益の喪失
(平27.3.4最高裁判所大法廷判決)
私の考えるポイント!
「生活基盤の喪失」と「被扶養利益の喪失」で迷われませんでしたか?私は迷いました。
遺族補償年金の遺族の要件は、労働者の死亡当時その収入によって「生計を維持」していたものです。
そこから、労働者の死亡によって、「被扶養利益」が喪失すると考えました。
令和6年の選択式について <A>から<D>は、択一式でよく出るところですので、過去問対策で解けます。 判例からの問題の<E>は、覚えて解く問題というより、じっくり考える問題です。 遺族補償年金の目的は?遺族補償年金の対象になる遺族は?など、様々な角度で考える問題でした。 |
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R7-004 8.29
令和6年度の試験問題を振り返り、これからの勉強に役立てましょう。
今日は、労働安全衛生法の選択式です。
令和6年 選択問題1
労働安全衛生法第45条により定期自主検査を行わなければならない機械等には、同法第37条第1項に定める特定機械等のほか< D >が含まれる。
<選択肢>
「空気調和設備」、「研削盤」、「構内運搬車」、「フォークリフト」
【解答】
<D> フォークリフト
おぼえるポイント!
★定期自主検査の対象になる機械等には、「特定機械等」が含まれています
★特定自主検査の対象になる機械等は次の5つです。
・動力により駆動されるプレス機械
・フォークリフト
・車両系建設機械
・不整地運搬車
・作業床の高さが2メートル以上の高所作業車
→ 特定自主検査は、「その使用する労働者で一定の資格を有するもの」又は「検査業者」に実施させなければなりません。
特定自主検査の対象になる機械等は、「定期自主検査」の対象の機械等の中で検査が難しいものです。フォークリフトは、特定自主検査の対象ですので、当然に定期自主検査の対象にもなっています。
(法第45条、令第15条)
フォークリフトが登場する過去問をどうぞ!
【H30年出題】
事業者は、現に使用しているフォークリフトについては、1年を超えない期間ごとに1回、定期に、労働安全衛生規則で定める自主検査を行わなければならないとされているが、最大荷重が1トン未満のフォークリフトは除かれている。
【解答】
【H30年出題】 ×
定期自主検査の対象になるフォークリフトに、最大荷重は規定されていません。「最大荷重が1トン未満のフォークリフトは除かれている」という規定はありません。
(令第15条)
令和6年度 選択問題2
事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内若しくはその附属建設物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業(休業の日数が4日以上の場合に限る。)したときは、< E >、所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
<選択肢>
「7日以内に」、「14日以内に」、「30日以内に」、「遅滞なく」
【解答】
<E> 遅滞なく
おぼえるポイント!
★「労働者死傷病報告」は「遅滞なく」提出しなければなりません。
★ただし、休業の日数が4日未満の場合は
「1月から3月まで」、「4月から6月まで」、「7月から9月まで」、「10月から12月まで」のそれぞれの期間における最後の月の翌月末日までに、提出しなければなりません。
(則第97条)
死傷病報告の過去問を1問どうぞ!
【H29年出題】
労働者が事業場内における負傷により休業した場合は、その負傷が明らかに業務に起因するものではないと判断される場合であっても、事業者は、労働安全衛生規則第97条の労働者死傷病報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
【解答】
【H29年出題】 〇
労働者死傷病報告書は、以下の場合に提出しなければなりません。
・労働者が労働災害により死亡し、又は休業したとき
・労働者が就業中に負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業したとき
・労働者が事業場内若しくはその附属建設物内で負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業したとき
労働者が事業場内における負傷により休業した場合は、その負傷が明らかに業務に起因するものではないと判断される場合であっても、労働者死傷病報告書の提出が必要です。
(則第97条)
労働安全衛生法の選択対策 暗記必須です。 テキストを読み込むのではなく、何度も繰り返し眺めながら、用語を頭に入れていきましょう。 |
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R7-003 8.28
令和6年度の試験問題を振り返り、これからの勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の選択式です。
令和6年 選択問題1
年少者の労働に関し、最低年齢を設けている労働基準法第56条第1項は、「使用者は、< A >、これを使用してはならない。」と定めている。
【解答】
<A> 児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで
労基法第56条1項の「最低年齢」からの出題です。
中学校を卒業するまでは、原則として、労働者として使用できません。
令和6年 選択問題2
最高裁判所は、労働者が始業時刻及び終業時刻後の作業服及び保護具等の着脱等並びに始業時刻前の副資材等の受出し及び散水に要した時間が労働基準法上の労働時間に該当するかが問題となった事件において、次のように判示した。
「労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)32条の労働時間(以下「労働基準法上の労働時間」という。)とは、労働者が使用者の< B >に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の < B >に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではないと解するのが相当である。そして、労働者が、就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを使用者から義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときは、当該行為を所定労働時間外において行うものとされている場合であっても、当該行為は、特段の事情のない限り、使用者の< B >に置かれたものと評価することができ、当該行為に要した時間は、それが社会通念上必要と認められるものである限り、労働基準法上の労働時間に該当すると解される。」
【解答】
<B> 指揮命令下
判例の問題です。(三菱重工長崎造船所事件)
何度も出題されていますので、過去問でもおなじみの問題です。
★ポイント!
「労働基準法上の労働時間の意義」
「労働基準法上の労働時間」とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間のことです。労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではありません。
「労働者が始業時刻前及び終業時刻後の作業服及び保護具等の着脱等並びに始業時刻前の副資材等の受出し及び散水に要した時間」は、労働基準法上の労働時間に該当するとされました。
令和6年 選択問題3
最高裁判所は、賃金に当たる退職金債権放棄の効力が問題となった事件において、次のように判示した。
本件事実関係によれば、本件退職金の「支払については、同法〔労働基準法〕24条1項本文の定めるいわゆる全額払の原則が適用されるものと解するのが相当である。しかし、右全額払の原則の趣旨とするところは、使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、もつて労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活をおびやかすことのないようにしてその保護をはかろうとするものというべきであるから、本件のように、労働者たる上告人が退職に際しみずから賃金に該当する本件退職金債権を放棄する旨の意思表示をした場合に、右全額払の原則が右意思表示の効力を否定する趣旨のものであるとまで解することはできない。もつとも、右全額払の原則の趣旨とするところなどに鑑みれば、右意思表示の効力を肯定するには、それが上告人の< C >ものであることが明確でなければならないものと解すべきである」。
【解答】
<C> 自由な意思に基づく
こちらも、過去問でおなじみの問題です。
ポイント!
賃金にあたる退職金債権放棄の意思表示は、それが労働者の自由な意思に基づくものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、当該意思表示は「有効」とされています。
★令和6年度の労働基準法選択式 労働基準法選択式は、条文から1問、判例から2問でした。 過去問対策で、しっかり得点できる問題でした。 |
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R7-002 8.27
社労士試験を受験することを決意して、受験学校に通う方、独学で頑張る方、みなさんそれぞれの方法を選んでいると思います。
★受験学校に通う方
授業が終わったら、できるだけ時間をあけずに、授業の範囲の問題を解いてみるのが良いと思います。
問題を解くと、「ここが問われる」というポイントが分かります。
問題のポイントが分かったところで、再度、テキストに戻って復習すると、定着します。
★独学で頑張る方
どんどん過去問を解いてください。過去問=出題可能性が高いところです。
過去問で出てきたところを中心に、テキストを勉強するのが良いと思います。
★焦らずに
そのとき分からなくても、勉強が進んでいくと、「あっ、そうか」と分かることが多々あります。
「分からない」ところがあったとしても、気にせず、どんどん勉強を進めていくことをおすすめします。
いっしょに頑張りましょう。
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