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R6-270 5.23
過去問から学びましょう。
今日は労働安全衛生法です。
下請負事業者が混在している建設工事現場の安全衛生管理体制をみていきましょう。
まず、建設現場の安全管理体制のイメージを確認しましょう。(記事の下の図をご覧ください)
さっそく過去問からどうぞ!
【R1年出題】
次に示す建設工事現場における安全衛生管理に関する問題です。
甲社:本件建設工事の発注者
乙社:本件建設工事を甲社から請け負って当該建設工事現場で仕事をしている事業 者。常時10人の労働者が現場作業に従事している。
丙社:乙社から工事の一部を請け負って当該建設工事現場で仕事をしているいわゆる一次下請事業者。常時30人の労働者が現場作業に従事している。
丁社:丙社から工事の一部を請け負って当該建設工事現場で仕事をしているいわゆる二次下請事業者。常時20人の労働者が現場作業に従事している。
【問題①】
乙社は、特定元方事業者として統括安全衛生責任者を選任し、その者に元方安全衛生管理者の指揮をさせなければならない。
【解答①】 〇
乙社は、特定元方事業者です
・元方事業者とは?
一の場所において行う事業の仕事の一部を関係請負人に請け負わせているものです。
・特定元方事業者とは?
特定事業(建設業又は造船業)の元方事業者を特定元方事業者といいます。
統括安全衛生責任者を選任しなければならない事業者は?
「特定元方事業者」は、一の場所の規模に応じ、統括安全衛生責任者を選任します。
統括安全衛生責任者の選任が必要な規模は、原則として労働者数が常時50人以上の場所です。(工事の種類によっては30人以上となります)
問題文は、一の場所の労働者数が、乙社+丙社+丁社=60人ですので、乙社は特定元方事業者として統括安全衛生責任者を選任しなければなりません。
統括安全衛生責任者には、「元方安全衛生管理者の指揮」をさせなければなりません。
なお元方安全衛生管理者の選任義務があるのは、統括安全衛生責任者を選任した「建設業」の事業を行うものです。造船業には選任義務はありません。
(第15条、令7条)
【問題②】
丙社及び丁社は、それぞれ安全衛生責任者を選任しなければならない。
【解答②】 〇
「統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものは、安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者との連絡その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。」とされています。
下請負人である丙社及び丁社は、それぞれ安全衛生責任者を選任しなければなりません。
(第16条第1項)
【問題③】
丁社の労働者が、当該仕事に関し、労働安全衛生法に違反していると認めるときに、その是正のために元方事業者として必要な指示を行う義務は、丙社に課せられている。
【解答③】 ×
「元方事業者は、関係請負人又は関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反していると認めるときは、是正のため必要な指示を行なわなければならない。」とされています。
関係請負人丁社の労働者が、労働安全衛生法に違反していると認めるときに、その是正のために元方事業者として必要な指示を行う義務は、丙社ではなく、元方事業者の乙社に課せられます。
(第29条第2項)
【問題④】
乙社は、自社の労働者、丙社及び丁社の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため、協議組織を設置しなければならないが、この協議組織には、乙社が直接契約を交わした丙社のみならず、丙社が契約を交わしている丁社も参加させなければならず、丙社及び丁社はこれに参加しなければならない。
【解答④】 〇
「特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため、次の事項に関する必要な措置を講じなければならない。」とされていて、そのうちの一つが「協議組織の設置及び運営を行うこと。」です。
特定元方事業者である乙社は、協議組織を設置しなければなりません。
また、協議組織の設置、運営については、以下のように定められています。
則第635条(協議組織の設置及び運営) ① 特定元方事業者は、協議組織の設置及び運営については、次に定めるところによらなければならない。 (1) 特定元方事業者及びすべての関係請負人が参加する協議組織を設置すること。 (2) 当該協議組織の会議を定期的に開催すること。 ② 関係請負人は、特定元方事業者が設置する協議組織に参加しなければならない。 |
関係請負人の丙社及び丁社は協議組織に参加しなければなりません。
(第30条第1項第1号、則第635条)
【問題⑤】
乙社が足場を設置し、自社の労働者のほか丙社及び丁社の労働者にも使用させている場合において、例えば、墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所に労働安全衛生規則で定める足場用墜落防止設備が設けられていなかった。この場合、乙社、丙社及び丁社は、それぞれ事業者として自社の労働者の労働災害を防止するための措置義務を負うほか、乙社は丙社及び丁社の労働者の労働災害を防止するため、注文者としての措置義務も負う。
【解答⑤】 〇
・乙社、丙社、丁社は、それぞれ事業者として自社の労働者の労働災害を防止するための措置義務を負います。
(第21条第2項)
・乙社は丙社及び丁社の労働者の労働災害を防止するため、注文者としての措置義務も負います。
(第31条)
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