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社会保険労務士合格研究室

過去問から学ぶ 健康保険法

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健康保険の現金給付5問【社労士受験対策】

過去問から学びましょう。

今日は健康保険法です。

 

 健康保険には、現物給付と現金給付があります。

 現物給付の代表例は「療養の給付」(=病院等で治療そのものを受ける)、現金給付の代表例は「傷病手当金」(=現金で給付される)です。

 

 現金給付の5問をみていきましょう。

 

過去問をどうぞ!

①【H23年出題】

 傷病手当金は、療養のため労務に服することができなかったときに支給されるが、その場合の療養は、健康保険で診療を受けることができる範囲の療養であれば、保険給付として受ける療養に限らず、自費診療で受けた療養、自宅での療養や病後の静養についても該当し、傷病手当金は支給される。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H23年出題】  〇

 「療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。」とされています。

 「療養のため」の療養とは、保険給付として受ける療養に限らないのがポイントです。自費診療で受けた療養、自宅での療養や病後の静養についても「療養のため」に該当しますので、傷病手当金が支給されます。

 ただし、「健康保険で診療を受けることができる範囲の療養」であることが必要ですので、美容整形手術などの療養については、傷病手当金は支給されません。

(第99条、昭2.2.26保発345

 

 

 

②【H23年出題】※改正による修正あり

 傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の傷病により障害厚生年金の支給を受けることができるときは、傷病手当金が優先して支給される。ただし、その障害厚生年金の額(当該障害厚生年金と同一の支給事由により障害基礎年金の支給を受けることができるときは、当該障害厚生年金の額と当該障害基礎年金の額との合算額)360で除して得た額が、傷病手当金の額より多いときは、その差額を支給する。

 なお、報酬と出産手当金の支給を受けることはできない場合とする。

 

 

 

 

 

【解答】

②【H23年出題】  × 

 傷病手当金ではなく、「障害厚生年金」が優先されます。

 なお、障害年金の日額は、年金額÷360で計算します。

 

★傷病手当金は支給されません

 

 

障害厚生年金の

日額

傷病手当金

 

 

★差額の傷病手当金が支給されます

差額

 

傷病手当金

 

障害厚生年金の

日額

 

条文を読んでみましょう。

108条第3項、則第89

 傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病につき障害厚生年金の支給を受けることができるときは、傷病手当金は、支給しない。ただし、その受けることができる障害厚生年金の額(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づき障害基礎年金の支給を受けることができるときは、当該障害厚生年金の額と当該障害基礎年金の額との合算額)360で除して得た額が、傷病手当金の額より少ないときは、当該額と次の各号に掲げる場合の区分に応じて当該各号に定める額との差額を支給する

1) 報酬を受けることができない場合であって、かつ、出産手当金の支給を受けることができない場合  → 障害年金の額

2) 報酬を受けることができない場合であって、かつ、出産手当金の支給を受けることができる場合 → 出産手当金の額(当該額が傷病手当金の額を超える場合にあっては、当該額)と障害年金の額のいずれか多い額

3) 報酬の全部又は一部を受けることができる場合であって、かつ、出産手当金の支給を受けることができない場合 → 当該受けることができる報酬の全部又は一部の額(当該額が傷病手当金の額を超える場合にあっては、当該額)と障害年金の額のいずれか多い額

4) 報酬の全部又は一部を受けることができる場合であって、かつ、出産手当金の支給を受けることができる場合 → 当該受けることができる報酬の全部又は一部の額及び出産手当金の額の合算額(当該合算額が傷病手当金の額を超える場合にあっては、当該額)と障害年金の額のいずれか多い額

 

 

 

③【H23年出題】

 日雇特例被保険者に対する傷病手当金の支給に当たっては、労務不能となった際にその原因となった傷病について療養の給付を受けていることで足り、労務不能期間のすべてにおいて当該傷病につき療養の給付を受けていることを要しない。

 

 

 

 

 

【解答】

③【H23年出題】 〇

日雇特例被保険者の傷病手当金は、「療養の給付」等を受けていることが条件です。

 問題①でみました一般被保険者の傷病手当金は、「自費診療で受けた療養」でも対象になりますが、日雇特例被保険者の傷病手当金は、「療養の給付」等を受けていることが条件です。     

 そのため、日雇特例被保険者の傷病手当金は、「自費診療で受けた療養」では支給されません。

 ただし、労務不能となった際にその原因となった傷病について療養の給付を受けていることで足り、労務不能期間のすべてにおいて当該傷病につき療養の給付を受けていることを要しません。

(第135条第1項、平15.2.25庁保発2944

 

 

④【H23年出題】

 介護休業期間中に病気にかかり、その病気の状態が勤務する事業所における労務不能の程度である場合には、傷病手当金が支給される。この場合、同一期間内に事業主から介護休業手当等で報酬と認められるものが支給されているときは、傷病手当金の支給額について調整を行うこととされている。

 

 

 

 

 

【解答】

④【H23年出題】 〇

 介護休業期間中でも、支給要件に該当する場合は、傷病手当金が支給されます。

 同一期間内に事業主から介護休業手当等で報酬と認められるものが支給されているときは、傷病手当金の支給額について調整が行われます。

(第99条、平11.3.31保険発46・庁保険発9)

 

 

⑤【H23年出題】

 被保険者が移送費の支給を受けようとするときは、申請書に、移送に要した費用の額を証する書類、医師又は歯科医師の意見書等を添付して、保険者に提出しなければならない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【H23年出題】 〇

 移送費の支給を受けようとするときは、申請書に、移送に要した費用の額を証する書類、医師又は歯科医師の意見書等を添付して、提出しなければなりません。

 なお、医師又は歯科医師の意見書には、「移送を必要と認めた理由(付添いがあったときは、併せてその付添いを必要と認めた理由)」、「移送経路、移送方法及び移送年月日」を記載することになっています。

(則第82条) 

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