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社会保険労務士合格研究室

令和6年度の選択式を振り返ります

R7-005 8.30

<労災保険法>令和6年度選択式は併合繰上げ・未支給・遺族補償年金【社労士受験対策】

令和6年度の試験問題を振り返り、これからの勉強に役立てましょう。

今日は、労災保険法の選択式です。

 

令和6年 選択問題1

 労災保険法施行規則第14条第1項は、「障害補償給付を支給すべき身体障害の障害等級は、別表第1に定めるところによる。」と規定し、同条第2項は、「別表第1に掲げる身体障害が2以上ある場合には、重い方の身体障害の該当する障害等級による。」と規定するが、同条第3項柱書きは、「第< A >級以上に該当する身体障害が2以上あるとき」は「前2項の規定による障害等級」を「2級」繰り上げた等級(同項第2号)、「第< B >級以上に該当する身体障害が2以上あるとき」は「前2項の規定による障害等級」を「3級」繰り上げた等級(同項第3号)によるとする。

<選択肢>

「3」、「5」、「6」、「7」、「8」、「10」、「12」、「13

 

 

 

 

 

【解答】

A> 8

B> 5

おぼえるポイント!

★障害等級は、障害等級表(労災保険法施行規則別表第1)にあてはめて、決定されます。

★同じ事由による身体障害が2つ以上ある場合は、「重い方」の障害等級が全体の障害等級になります。

★ただし、13級以上の身体障害が2つ以上ある場合は、重い方の等級が繰り上げられます。

13級以上の障害が2つ以上ある場合 → 1級繰り上げ

8級以上の障害が2つ以上ある場合 → 2級繰り上げ

5級以上の障害が2つ以上ある場合 → 3級繰り上げ

 

 

令和6年 選択問題2

 年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた< C >から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとする。また、保険給付を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、< D >の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。

<選択肢>

「月」、「月の翌月」、「日」、「日の翌日」

「事業主」、「自己」、「死亡した者」、「世帯主」

 

 

 

 

 

【解答】

<C> 月の翌月

<D> 自己

(法第9条第1項、法第11条第1項)

 

おぼえるポイント!

★年金は「月」単位で支給されます。

 支給すべき事由が生じた「月の翌月」から支給を受ける権利が「消滅した月」まで

★未支給の保険給付は、「自己の名」で請求します。死亡した者の名ではありません。

 ちなみに、未支給の保険給付を請求できるのは、死亡した受給権者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹で、受給権者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものです。

 ただし、遺族(補償)等年金の場合は、遺族(補償)等年金を受けることができる他の遺族となります。

 

 

令和6年 選択問題3

 最高裁判所は、遺族補償年金に関して次のように判示した。

 「労災保険法に基づく保険給付は,その制度の趣旨目的に従い,特定の損害について必要額を塡補するために支給されるものであり,遺族補償年金は,労働者の死亡による遺族の< E >を塡補することを目的とするものであって(労災保険法1条,16条の2から16条の4まで),その塡補の対象とする損害は,被害者の死亡による逸失利益等の消極損害と同性質であり,かつ,相互補完性があるものと解される。〔…(略)…〕

 したがって,被害者が不法行為によって死亡した場合において,その損害賠償請求権を取得した相続人が遺族補償年金の支給を受け,又は支給を受けることが確定したときは,損害賠償額を算定するに当たり,上記の遺族補償年金につき,その塡補の対象となる< E >による損害と同性質であり,かつ,相互補完性を有する逸失利益等の消極損害の元本との間で,損益相殺的な調整を行うべきものと解するのが相当である。」

<選択肢>

「生活基盤の喪失」、「精神的損害」、「相続財産の喪失」「被扶養利益の喪失」

 

 

 

 

 

【解答】

E> 被扶養利益の喪失

(平27.3.4最高裁判所大法廷判決)

私の考えるポイント!

 「生活基盤の喪失」と「被扶養利益の喪失」で迷われませんでしたか?私は迷いました。

 遺族補償年金の遺族の要件は、労働者の死亡当時その収入によって「生計を維持」していたものです。

 そこから、労働者の死亡によって、「被扶養利益」が喪失すると考えました。

 

令和6年の選択式について

 <A>から<D>は、択一式でよく出るところですので、過去問対策で解けます。

 判例からの問題の<E>は、覚えて解く問題というより、じっくり考える問題です。

 遺族補償年金の目的は?遺族補償年金の対象になる遺族は?など、様々な角度で考える問題でした。

 

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