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R7-007 9.1
令和6年度の試験問題を振り返り、これからの勉強に役立てましょう。
今日は、労働に関する一般常識の選択式です。
令和6年 選択問題1
自動車運転者は、他の産業の労働者に比べて長時間労働の実態にあることから、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第7号。以下「改善基準告示」という。)において、全ての産業に適用される労働基準法では規制が難しい< A >及び運転時間等の基準を設け、労働条件の改善を図ってきた。こうした中、過労死等の防止の観点から、労働政策審議会において改善基準告示の見直しの検討を行い、2022(令和4)年12月にその改正を行った。
<選択肢>
「拘束時間、休息期間」
「拘束時間、総実労働時間」
「手待時間、休息期間」
「手待時間、総実労働時間」
【解答】
<A> 拘束時間、休息期間
考え方のポイント!
空欄<A>の直前の「全ての産業に適用される労働基準法では規制が難しい」の部分がヒントです。
「労働時間」は労働基準法で規制されていますし、「手待時間」は通達で労働時間であるとされています。
そのように考えると、選択肢の中の「拘束時間、休息期間」が引き出せるかと思います。
ちなみに、「拘束時間」とは、労働時間と休憩時間(仮眠時間を含む。)の合計時間=始業時刻から終業時刻までの使用者に拘束される全ての時間のことです。
「休息期間」とは、使用者の拘束を受けない期間のことです。
(「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第7号))
令和6年 選択問題2
総務省統計局「労働力調査(基本集計)」によると、2022(令和4)年の女性の雇用者数は2,765万人で、雇用者総数に占める女性の割合は< B >である。
<選択肢>
「25.8%」
「35.8%」
「45.8%」
「55.8%」
<解答>
<B> 45.8%
考え方のポイント!
「だいたい半々程度で、やや男性より少ないかな?」と想像しながら解いた方が多いと思います。
しかし、厚生労働白書に出てくる数字を全て暗記するのは不可能なので、難しい問題です。
(令和5年版厚生労働白書P216 女性の雇用の状況)
令和6年 選択問題3
最高裁判所は、労働協約上の基準が一部の点において未組織の同種労働者の労働条件よりも不利益である場合における労働協約の一般的拘束力が問題となった事件において、次のように判示した。
「労働協約には、労働組合法17条により、一の工場事業場の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用されている他の同種労働者に対しても右労働協約の< C >的効力が及ぶ旨の一般的拘束力が認められている。ところで、同条の適用に当たっては、右労働協約上の基準が一部の点において未組織の同種労働者の労働条件よりも不利益とみられる場合であっても、そのことだけで右の不利益部分についてはその効力を未組織の同種労働者に対して及ぼし得ないものと解するのは相当でない。けだし、同条は、その文言上、同条に基づき労働協約の< C >的効力が同種労働者にも及ぶ範囲について何らの限定もしていない上、労働協約の締結に当たっては、その時々の社会的経済的条件を考慮して、総合的に労働条件を定めていくのが通常であるから、その一部をとらえて有利、不利をいうことは適当でないからである。また、右規定の趣旨は、主として一の事業場の4分の3以上の同種労働者に適用される労働協約上の労働条件によって当該事業場の労働条件を統一し、労働組合の団結権の維持強化と当該事業場における公正妥当な労働条件の実現を図ることにあると解されるから、その趣旨からしても、未組織の同種労働者の労働条件が一部有利なものであることの故に、労働協約の< C >的効力がこれに及ばないとするのは相当でない。
しかしながら他面、未組織労働者は、労働組合の意思決定に関与する立場になく、また逆に、労働組合は、未組織労働者の労働条件を改善し、その他の利益を擁護するために活動する立場にないことからすると、労働協約によって特定の未組織労働者にもたらされる不利益の程度・内容、労働協約が締結されるに至った経緯、当該労働者が労働組合の組合員資格を認められているかどうか等に照らし、当該労働協約を特定の未組織労働者に適用することが< D >と認められる特段の事情があるときは、労働協約の < C >的効力を当該労働者に及ぼすことはできないと解するのが相当である。」
<選択肢>
「著しく不合理である」
「一部の労働者を殊更不利益に取り扱うことを目的としたものである」
「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない」
「労働協約の目的を逸脱したものである」
「規範」、「強行」、「債務」、「直律」
【解答】
<C> 規範
<D> 著しく不合理である
(平成8年3月26日最高裁判所第三小法廷)
ポイント!
★規範的効力とは、個々の労働条件を規律する効力のことで、労働組合法第16条で認められています。
第16条(基準の効力) 労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。この場合において無効となった部分は、基準の定めるところによる。労働契約に定がない部分についても、同様とする 。 |
★問題文の判例は、未組織の同種労働者に対する労働協約の一般的拘束力が一部否定された事例です。
「労働協約を未組織の同種労働者に適用することが著しく不合理であると認められる特段の事情があるときは、その効力を未組織の同種労働者に及ぼすことはできない」とされています。
令和6年 選択問題4
男女雇用機会均等法第9条第4項本文は、「妊娠中の女性労働者及び出産後< E >を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。」と定めている
<選択肢>
「30日」、「8週間」、「6か月」、「1年」
【解答】
<E> 1年
(均等法第9条)
ポイント!
第9条第4項は以下のような解釈となっています。
第9条第4項は、妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇についての民事的効力を定めたものであること。すなわち、妊娠中及び出産後1年以内に行われた解雇を、裁判で争うまでもなく無効にするとともに、解雇が妊娠、出産等を理由とするものではないことについての証明責任を事業主に負わせる効果があるものであること。
このような解雇がなされた場合には、事業主が当該解雇が妊娠・出産等を理由とする解雇ではないことを証明しない限り無効となり、労働契約が存続することとなるものであること。
(平18.10.11雇児発第1011002号)
令和6年の選択式について 出題内容は ・注目度の高い「2024年問題」 ・「女性」について「雇用状況」や「妊娠中・産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇」 ・「労働協約」の一般的拘束力についての判例 幅広い分野からの出題でした。一般常識は「広く浅い」勉強が最適です。深く考えすぎないようにしてください。 |
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