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社会保険労務士合格研究室

令和6年度択一式を振り返りましょう(労災保険法)

R7-047 10.11

<令和6年出題労災>遺族補償年金の受給権の消滅【社労士受験対策】

令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。

今日は、労災保険法の択一式です。

 

遺族補償年金の受給権の消滅について条文を読んでみましょう。

16条の4第1

 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が次の各号の一に該当するに至ったときは、消滅する。この場合において、同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給する。

1) 死亡したとき。

2) 婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む)をしたとき。

3) 直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき。

4) 離縁によって、死亡した労働者との親族関係が終了したとき。

5) 子、孫又は兄弟姉妹については、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき(労働者の死亡の時から引き続き厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く)

6) 厚生労働省令で定める障害の状態にある夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、その事情がなくなったとき(夫、父母又は祖父母については、労働者の死亡の当時60歳以上であったとき、子又は孫については18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるとき、兄弟姉妹については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は労働者の死亡の当時60歳以上であったときを除く。)

 

★(6)について

 夫、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹は、労働者の死亡当時、「年齢」か「障害」のどちらかの要件を満たす必要があります。

 「障害要件」に該当しなくなった場合は、受給権は消滅します。

 ただし、障害要件に該当しなくなっても、年齢要件を満たしていれば、受給権は消滅しません。

 

 

令和6年の問題をどうぞ!

R6年問5

 遺族補償年金の受給権に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

 なお、本問において、「遺族補償年金を受ける権利を有する遺族」を「当該遺族」という。

ア 遺族補償年金の受給権は、当該遺族が死亡したときには消滅する。

イ 遺族補償年金の受給権は、当該遺族が婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)をしたときには消滅する。

ウ 遺族補償年金の受給権は、当該遺族が直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったときには消滅する。

エ 遺族補償年金の受給権は、当該遺族である子・孫が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときには消滅する。

オ 遺族補償年金の受給権は、当該遺族である兄弟姉妹が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときには消滅する。

 

 

 

 

 

【解答】

ア 〇

 遺族補償年金の受給権者が死亡したときには受給権は消滅します。

 

イ 〇

 遺族補償年金の受給権者が婚姻をしたときには受給権は消滅します。届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合でも消滅します。

 

ウ 〇

 遺族補償年金の受給権者が直系血族又は直系姻族以外の者の養子となったときには、受給権は消滅します。届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある場合でも消滅します。

 

エ ×

 遺族補償年金の受給権者である子・孫が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときには、受給権は原則として消滅します。

 ただし、労働者の死亡の時から引き続き厚生労働省令で定める障害の状態にあるときは、18歳の年度末になっても消滅しません。

 「労働者の死亡時から引き続き障害の状態にあるときは消滅しない」という要件が抜けているので誤りです。

 

 

オ ×

「エ」の問題と同じです。

 

 

過去問をどうぞ!

①【H23年出題】

 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が、婚姻の届出はしていないものの事実上婚姻関係と同様の事情にある場合に至ったときは、消滅する。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H23年出題】 〇

 遺族補償年金を受ける権利を有する遺族が、婚姻の届出はしていないものの事実上婚姻関係と同様の事情にある場合に至ったときは、消滅します。

 

 

 

②【H28年出題】

 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が、自分の伯父の養子となったときは、消滅する。

 

 

 

 

 

【解答】

②【H28年出題】 〇

 遺族補償年金の受給権は、当該遺族が「直系血族又は直系姻族以外の者」の養子になったときには消滅します。自分の伯父は、直系血族でも直系姻族でもありませんので、自分の伯父の養子となったときは、消滅します。

 

 

③【H23年出題】

 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する兄弟姉妹が労災保険法第16条の21項第4号の厚生労働省令で定める障害の状態にあるときであっても、18歳に達した日以後の最初の331日が終了したときは、消滅する。

 

 

 

 

【解答】

③【H23年出題】 ×

 兄弟姉妹が、18歳に達した日以後の最初の331日が終了したときは、原則として遺族補償年金の受給権は消滅します。

 ただし、労働者の死亡の時から引き続き厚生労働省令で定める障害の状態にあるときは消滅しません。

 

 

 

④【H23年出題】

 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する、労災保険法第16条の21項第4号の厚生労働省令で定める障害の状態にあった祖父母が、その障害の状態がなくなったときは、労働者の死亡の当時60歳以上であった場合であっても、消滅する。

 

 

 

 

 

 

【解答】

④【H23年出題】 ×

 労働者の死亡の当時60歳以上であった祖父母は、労働者の死亡時に年齢要件を満たしていますので、障害の状態がなくなっても遺族補償年金の受給権は消滅しません。 

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