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社会保険労務士合格研究室

令和6年度択一式を振り返りましょう(厚生年金保険法)

R7-059 10.23

<令和6年度>厚生年金保険の不服申立ての超基本問題【社労士受験対策】

令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。

今日は、厚生年金保険法の択一式です。

 

厚生年金保険法の審査請求・再審査請求について条文を読んでみましょう。

90条第1項、3項、4項、5項 (審査請求及び再審査請求)

① 厚生労働大臣による被保険者の資格標準報酬又は保険給に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。ただし、第28条の4第1項又は第2項の規定による決定(厚生年金保険原簿の訂正請求に対する措置)については、この限りでない。

③ 審査請求をした日から2か月以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる

④ 審査請求並びに再審査請求は、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求とみなす。

⑤ 被保険者の資格又は標準報酬に関する処分が確定したときは、その処分についての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とすることができない。

 

91条第1

① 厚生労働大臣による保険料その他この法律の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は滞納処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

 

91条の3(審査請求と訴訟との関係)

 厚生労働大臣による被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない。

 

 

下の図で確認しましょう。

(参考にどうぞ)

  第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者、第4号厚生年金被保険者の審査請求先も確認しましょう。

1) 第2号厚生年金被保険者  国家公務員共済組合審査会

2) 第3号厚生年金被保険者  地方公務員共済組合審査会

3) 第4号厚生年金被保険者  日本私立学校振興・共済事業団の共済審査会

 

 

では、令和6年の問題をどうぞ!

①【R6年問1-A

 厚生労働大臣による被保険者の資格に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

①【R6年問1-A】 ×

 厚生労働大臣による「被保険者の資格」に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会ではなく「社会保険審査官」に対して審査請求をすることができます。

 

 

②【R6年問1-B

 厚生労働大臣による保険料の賦課の処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をすることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

②【R6年問1-B ×

 厚生労働大臣による「保険料の賦課」の処分に不服がある者は、社会保険審査官ではなく「社会保険審査会」に対して審査請求をすることができます。

 

 

 

③【R6年問1-C

 厚生労働大臣による脱退一時金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

③【R6年問1-C 〇

 厚生労働大臣による「脱退一時金」に関する処分に不服がある者は、「社会保険審査会」に対して審査請求をすることができます。

条文を読んでみましょう。

法附則第29条第6

 厚生労働大臣による脱退一時金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

 

 

 

④【R6年問1-D

 第1号厚生年金被保険者が厚生年金保険原簿の訂正請求をしたが、厚生労働大臣が訂正をしない旨の決定をした場合、当該被保険者が当該処分に不服がある場合は、社会保険審査官に対して審査請求をすることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

④【R6年問1-D ×

厚生年金保険原簿の訂正請求に対する処分は、厚生年金保険法に基づく審査請求の対象にはなりません。当該処分に不服がある場合は、行政不服審査法に基づいて、審査請求をすることができます。

 

 

⑤【R6年問1-E

 被保険者の資格又は標準報酬に関する処分が確定した場合でも、その処分についての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とすることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【R6年問1-E ×

 被保険者の資格又は標準報酬に関する処分が確定したときは、その処分についての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とすることができない。となります。

 

 

過去問をどうぞ!

①【H28年出題】

 第1号厚生年金被保険者の資格に関する処分に不服がある者が、平成2848日に、社会保険審査官に審査請求をした場合、当該請求日から2か月以内に決定がないときは、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなして、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H28年出題】 〇

 第1号厚生年金被保険者の資格に関する処分に不服がある者が、社会保険審査官に審査請求をし、当該請求日から2か月以内に決定がないときは、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる、とされています。

 

 

②【H29年出題】

 第1号厚生年金被保険者に係る厚生労働大臣による保険料の滞納処分に不服がある者は社会保険審査官に対して、また、第1号厚生年金被保険者に係る脱退一時金に関する処分に不服がある者は社会保険審査会に対して、それぞれ審査請求をすることができる。

 

 

 

 

【解答】

②【H29年出題】 ×

 第1号厚生年金被保険者に係る厚生労働大臣による保険料の滞納処分に不服がある者の審査請求先は「社会保険審査会」です。

 ちなみに、第1号厚生年金被保険者に係る脱退一時金に関する処分に不服がある者の審査請求先は「社会保険審査会」で正しいです。

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