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社会保険労務士合格研究室

令和6年度択一式を振り返りましょう(労働基準法)

R7-062 10.26

<令和6年の問題を振り返って>専門業務型裁量労働制の適用手順【社労士受験対策】

令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。

今日は、労働基準法の択一式です。

 

 「専門業務型裁量労働制」の導入には、「労使協定」の締結が必要です。

 労使協定で、対象業務やみなし労働時間を定めます。

 

条文を読んでみましょう。

38条の3

① 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、労働者を対象業務に就かせたときは、当該労働者は、厚生労働省令で定めるところにより、第2号に掲げる時間労働したものとみなす

1) 業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務(以下「対象業務」という。)

2) 対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間

3) 対象業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、当該対象業務に従事する労働者に対し使用者が具体的な指示をしないこと。

4) 対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。

5) 対象業務に従事する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。

6) 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項

② 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。

 

★専門業務型裁量労働制の「対象業務」は、厚生労働省令・告示によって20業務が定められています。

★対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間は、「1日当たりの労働時間」を定めます。(みなし労働時間といいます)

 

では、令和6年の問題をどうぞ!

R6年問5-エ】

 使用者は、労働基準法第38条の3に定めるいわゆる専門業務型裁量労働制を適用するに当たっては、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、専門業務型裁量労働制を適用することについて「当該労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかった当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。」を定めなければならない。

 

 

 

 

 

 

【解答】

R6年問5-エ】 〇

 専門業務型裁量労働制を適用することについて、労使協定で、「当該労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかった当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。」を定めなければなりません。

 また、「適用労働者の同意の撤回に関する手続き」も協定する必要があります。

(則第24条の2の2第3項)

 

 

過去問をどうぞ!

H19年出題】

 労働基準法第38条の3に規定するいわゆる専門業務型裁量労働制を採用しようとする場合において、労働時間の算定については労使協定で定めるところによることとした場合に、当該協定に定めるべき時間は、1日当たりの労働時間であり、休憩、深夜業及び休日に関する規定の適用は排除されないので、法定休日に労働させた場合には、当該休日労働に係る割増賃金を支払う必要がある。

 

 

 

 

 

【解答】

H19年出題】 

ポイントを確認しましょう。

★労使協定に定めるべき時間は、「1日当たり」の労働時間です。

★休憩、深夜業及び休日に関する規定は適用されます。そのため、例えば、法定休日に労働させた場合には、割増賃金の支払いが必要です。

H12.1.1基発第1号)

社労士受験のあれこれ