合格まで一緒に頑張りましょう!合言葉は「毎日コツコツ」

社会保険労務士合格研究室

令和6年度択一式を振り返りましょう(厚生年金保険法)

R7-088 11.23

<令和6年の問題を振り返って>遺族厚生年金の遺族の要件

令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。

今日は、厚生年金保険法の択一式です。

 

遺族厚生年金の遺族について条文を読んでみましょう。

法第59条第1項、2

① 遺族厚生年金を受けることができる遺族は、被保険者又は被保険者であった者の配偶者、子、父母、孫又は祖父母であって、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時(失踪の宣告を受けた被保険者であった者にあっては、行方不明となった当時)の者によって生計を維持したものとする。ただし、妻以外者にあっては、次に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。

1) 夫、父母又は祖父母については、55歳以上であること。

2) 子又は孫については、18に達する日以後の最初の331までの間にあるか、又は20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。

② 父母は、配偶者又は子が、孫は、配偶者、子又は父母が、祖父母は、配偶者、子、父母又は孫が遺族厚生年金の受給権を取得したときは、それぞれ遺族厚生年金を受けることができる遺族としない。

 

令和6年の問題をどうぞ!

R65-ウ】

 厚生年金保険の被保険者が死亡したときに、被保険者によって生計を維持されていた遺族が50歳の父と54歳の母だけであった場合、父には遺族厚生年金の受給権は発生せず、母にのみ遺族厚生年金の受給権が発生する。

 

 

 

 

 

【解答】

R65-ウ】 ×

 「父母」は、被保険者の死亡当時「55歳以上」であることが要件です。

50歳の父と54歳の母については、どちらにも遺族厚生年金の受給権は発生しません。

 

 

過去問をどうぞ!

①【R2年出題】

 老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上ある者とする。)が行方不明になり、その後失踪の宣告を受けた場合、失踪者の遺族が遺族厚生年金を受給するに当たっての生計維持に係る要件については、行方不明となった当時の失踪者との生計維持関係が問われる。

 

 

 

 

 

【解答】

①【R2年出題】 〇

 生計維持関係は、「被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時」 で判断するのが原則です。

 ただし、失踪の宣告を受けた被保険者であった者については、「行方不明となった当時」の生計維持関係が問われます。

 

 

②【R1年出題】

 被保険者であった妻が死亡した当時、当該妻により生計を維持していた54歳の夫と21歳の当該妻の子がいた場合、当該子は遺族厚生年金を受けることができる遺族ではないが、当該夫は遺族厚生年金を受けることができる遺族である。

 

 

 

 

 

 

【解答】

②【R1年出題】 ×

54歳の夫と21歳の子は、どちらも遺族厚生年金を受けることができる遺族ではありません。

 

 

③【R2年出題】

 遺族厚生年金は、被保険者の死亡当時、当該被保険者によって生計維持されていた55歳以上の夫が受給権者になることはあるが、子がいない場合は夫が受給権者になることはない。

 

 

 

 

【解答】

③【R2年出題】 ×

55歳以上の夫は受給権者になり得ます。子の有無は問われません。

 

 

④【R2年出題】

 被保険者の死亡当時10歳であった遺族厚生年金の受給権者である被保険者の子が、18歳に達した日以後の最初の331日が終了したことによりその受給権を失った場合において、その被保険者の死亡当時その被保険者によって生計を維持していたその被保険者の父がいる場合でも、当該父が遺族厚生年金の受給権者となることはない。

 

 

 

 

【解答】

④【R2年出題】 〇

 遺族厚生年金には転給がありません。

 遺族厚生年金を受けることができる遺族の順位を確認しましょう。

配偶者又は子

父母

祖父母

 例えば、被保険者等の死亡当時、「配偶者又は子」がいる場合は、父母以下は遺族厚年金を受けることはできません。

 問題文の場合、被保険者の子が遺族厚生年金の受給権を取得した場合は、被保険者の父は遺族となりません。その後、子の受給権が消滅したとしても、父に受給権が転給することもありません。

 

 

⑤【R5年出題】

 遺族厚生年金を受けることができる遺族のうち、夫については、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた者で、55歳以上であることが要件とされており、かつ、60歳に達するまでの期間はその支給が停止されるため、国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときも、55歳から遺族厚生年金を受給することはない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【R5年出題】 ×

 夫は、被保険者等の死亡の当時その者によって生計を維持していた者で、55歳以上であれば遺族厚生年金の受給権者となりますが、60歳に達するまでの期間はその支給が停止されます。

 ただし、国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは、遺族厚生年金の支給停止は解除され、遺族厚生年金を受給することができます。

条文を読んでみましょう。

65条の2

夫、父母又は祖父母に対する遺族厚生年金は、受給権者が60に達するまでの期間、その支給を停止する。ただし、に対する遺族厚生年金については、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、夫が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは、この限りでない。

 

社労士受験のあれこれ