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社会保険労務士合格研究室

令和6年度択一式を振り返りましょう(労働基準法)

R7-098 12.03

<令和6年の問題を振り返って>労働基準法上の賃金の解釈

令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。

今日は、労働基準法の択一式です。

 

「賃金」の定義を条文で読んでみましょう。

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 この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。

 

さっそく令和6年の問題をどうぞ!

R61-E

 労働者に支給される物又は利益にして、所定の貨幣賃金の代わりに支給するもの、即ち、その支給により貨幣賃金の減額を伴うものは労働基準法第11条にいう「賃金」とみなさない。

 

 

 

 

【解答】

R61-E】 ×

 問題文の場合は、「賃金」とみなすとされています。

 通達を確認しましょう。

 労働者に支給される物又は利益にして、次の各号の一に該当するものは、賃金とみなすこと。

(1) 所定貨幣賃金の代りに支給するもの、即ちその支給により貨幣賃金の減額を伴うもの。

(2) 労働契約において、予め貨幣賃金の外にその支給が約束されているもの。

 右に掲げるものであっても、次の各号の一に該当するものは、賃金とみなさないこと。

(1)代金を徴収するもの、但しその代金が甚だしく低額なものはこの限りでない。

(2) 労働者の厚生福利施設とみなされるもの。

 退職金、結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金等の恩恵的給付は原則として賃金とみなさないこと。但し退職金、結婚手当等であって労働協約、就業規則、労働契約等によって予め支給条件の明確なものはこの限りでないこと。

(昭22.9.13発基第17)

 

 

過去問をどうぞ!

①【H27年出題】

 労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確である場合の退職手当は、労働基準法第11条に定める賃金であり、同法第24条第2項の「臨時に支払われる賃金」に当たる。

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H27年出題】 〇

 退職手当で、労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確なものは、労働基準法上の「賃金」となり、「臨時に支払われる賃金」に当たります。

(昭22.9.13発基第17)

 

 

②【R1年出題】

 私有自動車を社用に提供する者に対し、社用に用いた場合のガソリン代は走行距離に応じて支給される旨が就業規則等に定められている場合、当該ガソリン代は、労働基準法第11条にいう「賃金」に当たる。

 

 

 

 

【解答】

②【R1年出題】 ×

 社用に用いた走行距離に応じて支給されるガソリン代は「実費弁償」に当たります。賃金ではありません。

(昭63.3.14基発150号)

 

 

③【H26年出題】

 賞与、家族手当、いわゆる解雇予告手当及び住宅手当は、労働基準法第11条で定義する賃金に含まれる。

 

 

 

 

【解答】

③【H26年出題】 ×

 賞与、家族手当、住宅手当は、労働基準法第11条の賃金に当たりますが、「解雇予告手当」は賃金ではありません。

(昭23.8.18基収2520号)

 

 

④【R3年出題】

 労働者が法令により負担すべき所得税等(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料等を含む。)を事業主が労働者に代わって負担する場合、当該代わって負担する部分は、労働者の福利厚生のために使用者が負担するものであるから、労働基準法第11条の賃金とは認められない。

 

 

 

 

 

【解答】

④【R3年出題】 ×

 労働者が法令により負担すべき所得税等を事業主が労働者に代わって負担することは、労働者が法律上当然生ずる義務を免れることとなりますので、事業主が労働者に代わって負担する部分は、福利厚生ではなく、「賃金」となります。

(昭63.3.14基発150号)

 

 

⑤【R2年出題】

 食事の供与(労働者が使用者の定める施設に住み込み1日に2食以上支給を受けるような特殊の場合のものを除く。)は、食事の支給のための代金を徴収すると否とを問わず、食事の供与のために賃金の減額を伴わないこと、食事の供与が就業規則、労働協約等に定められ、明確な労働条件の内容となっている場合でないこと、食事の供与による利益の客観的評価額が、社会通念上、僅少なものと認められるものであること、の3つの条件を満たす限り、原則として、これを賃金として取り扱わず、福利厚生として取り扱う。

 

 

 

 

【解答】

⑤【R2年出題】 〇

 食事の供与は、食事の支給のための代金を徴収すると否とを問わず、次の要件を満たす場合は、原則として賃金ではなく「福利厚生」として取り扱われます。

食事の供与のために賃金の減額を伴わないこと

食事の供与が就業規則、労働協約等に定められ、明確な労働条件の内容となっている場合でないこと

食事の供与による利益の客観的評価額が、社会通念上、僅少なものと認められるものであること

(昭30.10.10基発644号)

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