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社会保険労務士合格研究室

令和6年度択一式を振り返りましょう(厚生年金保険法)

R7-106 12.11

<令和6年の問題を振り返って>厚生年金保険の保険料の督促・滞納処分、延滞金

令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。

今日は、厚生年金保険法の択一式です。

 

督促と延滞金を図でイメージしましょう。

 

納期限

 

督促状

 

督促状の指定期限

 

完納

 

 

10日以上経過した日

 

 

納期限の翌日

 

 

 

 

 

完納又は財産差押えの日の前日

        

 

条文を読んでみましょう。

法第86条 (保険料等の督促及び滞納処分)

① 保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、期限を指定して、これを督促しなければならない。ただし、繰上徴収により保険料を徴収するときは、この限りでない。

② 督促をしようとするときは、厚生労働大臣は、納付義務者に対して、督促状を発する。

③ 督促状は、納付義務者が、健康保険法180条の規定によって督促を受ける者であるときは、同法同条の規定による督促状に併記して、発することができる

④ 督促状により指定する期限は、督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日でなければならない。

⑤ 厚生労働大臣は、納付義務者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、国税滞納処分の例によってこれを処分し、又は納付義務者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村(特別区を含む。以下同じ。)に対して、その処分を請求することができる。

1) 督促を受けた者がその指定の期限までに保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないとき

2) 納期を繰り上げて保険料納入の告知を受けた者がその指定の期限までに保険料を納付しないとき。

⑥ 市町村は、処分の請求を受けたときは、市町村税の例によってこれを処分することができる。この場合においては、厚生労働大臣は、徴収金の100分の4に相当する額を当該市町村に交付しなければならない。

 

法第87条 (延滞金)

① 督促をしたときは、厚生労働大臣は、保険料額に、納期限の翌日から保険料完納又は財産差押の日の前日までの期間の日数に応じ、年14.6パーセント(当該納期限の翌日から3月を経過する日までの期間については、年7.3パーセント)の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合又は滞納につきやむを得ない事情があると認められる場合は、この限りでない。

1) 保険料額が1000円未満であるとき。

2) 納期を繰り上げて徴収するとき。

3) 納付義務者の住所若しくは居所が国内にないため、又はその住所及び居所がともに明らかでないため、公示送達の方法によって督促したとき。

② 保険料額の一部につき納付があったときは、その納付の日以後の期間に係る延滞金の計算の基礎となる保険料は、その納付のあった保険料額を控除した金額による。

③ 延滞金を計算するにあたり、保険料額に1000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。

④ 督促状に指定した期限までに保険料を完納したとき、又は延滞金の額が100円未満であるときは、延滞金は、徴収しない。

⑤ 延滞金の金額に100円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。 

 

※延滞税特例基準割合(1.4)に基づく令和6年中の延滞金の割合は以下の通りです。

・納期限の翌日から3月を経過する日までの期間 → 年2.4%

・納期限の翌日から3月を経過する日の翌日以後 → 年8.7%

 

 

では、令和6年の問題をどうぞ!

①【R6年問2-B

 厚生年金保険の保険料を滞納した者に対して督促が行われたときは、原則として延滞金が徴収されるが、納付義務者の住所及び居所がともに明らかでないため公示送達の方法によって督促したときは、延滞金は徴収されない。

 

 

 

 

 

【解答】

①【R6年問2-B】 〇

 公示送達の方法によって督促したときは、延滞金は徴収されません。

 

 

②【R6年問2-C

 厚生年金保険の保険料を滞納した者に対して督促が行われた場合において、督促状に指定した期限までに保険料を完納したとき、又は厚生年金保険法第87条第1項から第3項までの規定によって計算した金額が1,000円未満であるときは、延滞金は徴収しない。

 

 

 

 

【解答】

②【R6年問2-C】 ×

 厚生年金保険法第87条第1項から第3項までの規定によって計算した額(=延滞金の金額)が1,000円未満ではなく「100円未満」であるときは、延滞金は徴収されません。

 

 

③【R6年問2-D

 保険料の納付の督促を受けた納付義務者がその指定の期限までに保険料を納付しないときは、厚生労働大臣は、自ら国税滞納処分の例によってこれを処分することができるほか、納付義務者の居住地等の市町村(特別区を含む。以下本肢において同じ。)に対して市町村税の例による処分を請求することもできる。後者の場合、厚生労働大臣は徴収金の100分の5に相当する額を当該市町村に交付しなければならない。

 

 

 

 

【解答】

③【R6年問2-D】 ×

 納付義務者の居住地等の市町村に対して市町村税の例による処分を請求した場合、厚生労働大臣は徴収金の100分の5ではなく「100分の4」に相当する額を当該市町村に交付しなければなりません。

 

 

④【R6年問2-E

 滞納処分等を行う徴収職員は、滞納処分等に係る法令に関する知識並びに実務に必要な知識及び能力を有する日本年金機構の職員のうちから厚生労働大臣が任命する。

 

 

 

 

【解答】

④【R6年問2-E】 ×

 徴収職員は、滞納処分等に係る法令に関する知識並びに実務に必要な知識及び能力を有する日本年金機構の職員のうちから、厚生労働大臣の認可を受けて、日本年金機構の理事長が任命する、とされています。

(第100条の6第2項)

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