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社会保険労務士合格研究室

国民年金法・厚生年金保険法の違い

R7-135 01.09

国民年金法・厚生年金保険法の目的の異なる点

国民年金法と厚生年金保険法の違いを条文で確認しましょう。

国民年金法の第1条と第2条です。

1条 (国民年金制度の目的)

 国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。

2条 (国民年金の給付)

 国民年金は、前条の目的を達成するため、国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な給付を行うものとする。 

(参考)

日本国憲法第25

① すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

② 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基づいています。

 

 

厚生年金保険法第1条です。

1条 (この法律の目的)

 この法律は、労働者老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

 

 

過去問をどうぞ!

①【国年H28年選択式】

 国民年金法は、「国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によって国民生活の< A >がそこなわれることを国民の < B >によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。」と規定している。

 

 

 

 

【解答】

A> 安定

B> 共同連帯

 

 

②【国年R5年選択式】

 国民年金法第2条では、「国民年金は、前条の目的を達成するため、国民の老齢、障害又は死亡に関して< A >を行うものとする。」と規定されている。

<選択肢>

① 年金支給

② 年金の給付

③ 必要な給付

④ 保険給付

 

 

 

 

【解答】

A> ③ 必要な給付

 

 

③【国年H26年出題】

 国民年金は、国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとされ、国民年金法に基づくすべての給付は保険原理により行われる。

 

 

 

 

 

【解答】

③【国年H26年出題】 ×

 国民年金は、国民の老齢、障害又は死亡に関して「必要な保険給付」ではなく、「必要な給付」を行うものとされています。

 「保険原理」とは、保険料を負担することによって給付が受けられる仕組みのことですが、国民年金法の給付には、保険原理によらないものもあります。例えば、20歳前傷病による障害基礎年金は、保険料の負担なく給付されるものです。

 国民年金法に基づくすべての給付が保険原理により行われるものではないので、国民年金法では「保険給付」ではなく、「必要な給付」という用語を使います。

 なお、厚生年金保険法では「保険給付」という用語を使います。

 ちなみに法律の名称も「国民年金法」には「保険」が入っていません。「厚生年金保険法」は「保険」が入っています。

 

 

④【厚年H30年出題】

 厚生年金保険制度は、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的としている。

 

 

 

 

 

【解答】

④【厚年H30年出題】 ×

 問題文は国民年金制度の目的条文です。国民年金はすべての国民が対象ですので、「国民」という言葉が使われています。

 厚生年金保険制度は「労働者」が対象ですので、「労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的」としています。 

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