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社会保険労務士合格研究室

健康保険法「国庫負担等」

R7-142 01.16

健康保険の「国庫負担」と「国庫補助」

 健康保険の事業を運営するための費用には、保険給付に要する費用、事務の執行に要する費用などがあります。

 今回は、国庫が負担する費用、国庫が補助する部分をみていきます。

 

 「国庫負担」の条文を読んでみましょう。

法第151条 (国庫負担)

 国庫は、毎年度、予算の範囲内において、健康保険事業の事務(前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金、介護納付金並びに流行初期医療確保拠出金の納付に関する事務含む)執行に要する費用を負担する

 

152

① 健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数を基準として、厚生労働大臣が算定する。

② ①の国庫負担金については、概算払をすることができる。

 

 事務の執行に要する費用(事務費)については、国庫が全額負担します。

 

過去問をどうぞ!

①【H23年選択式】※改正による修正あり

1 国庫は、毎年度、< A >の範囲内において、健康保険事業の事務(前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金、< B >並びに流行初期医療確保拠出金の納付に関する事務を含む。)の執行に要する費用を負担する。

2 健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における< C >を基準として、厚生労働大臣が算定する。

3 上記2の国庫負担金については、< D >をすることができる。

 

 

 

 

【解答】

A>  予算

B>  介護納付金

C>  被保険者数

D>  概算払い

 

★介護納付金のイメージ

 

介護保険第2号被保険者

40歳以上65歳未満)

 

 

 

 

 

↓(介護保険料)

 

 

 

 

 

健康保険組合・全国健康保険協会

 

 

 

 

 

↓(介護納付金)

 

 

 

 

 

社会保険診療報酬支払基金

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

介護保険

 

 

 

 

②【H29年出題】

 健康保険事業の事務の執行に要する費用について、国庫は、全国健康保険協会に対して毎年度、予算の範囲内において負担しているが、健康保険組合に対しては負担を行っていない。

 

 

 

 

 

【解答】

②【H29年出題】 ×

 健康保険事業の事務の執行に要する費用については、全国健康保険協会に対しても、健康保険組合に対しても、国庫が負担しています。

 

 

②【R6年出題】

 国庫は、毎年度、予算の範囲内において、健康保険事業の事務の執行に要する費用を負担することになっており、健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数を基準として、厚生労働大臣が算定する。また、その国庫負担金は、概算払をすることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

②【R6年出題】 

 国庫は、健康保険組合に対しても、事務費を負担しています。健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数が基準となっています。「被扶養者数や標準報酬月額」などは基準に入っていませんので、注意してください。

 また、その国庫負担金は、概算払をすることができることになっています。

 

 

次は、「国庫補助」についての過去問です。

R3年出題】

 全国健康保険協会管掌健康保険の事業の執行に要する費用のうち、出産育児一時金、家族出産育児一時金、埋葬料(埋葬費)及び家族埋葬料の支給に要する費用については、国庫補助は行われない。

 

 

 

 

 

【解答】

R3年出題】 〇

全国健康保険協会が管掌する健康保険の療養の給付などの支給に要する費用等の1000分の164について、国庫補助が行われています。

 ただし、出産育児一時金、家族出産育児一時金、埋葬料(埋葬費)及び家族埋葬料の支給に要する費用については、国庫補助は行われません。

(法第153条)

 

 

最後に、特定健康診査等についての過去問です。

H30年出題】

 国庫は、予算の範囲内において、健康保険事業の執行に要する費用のうち、高齢者医療確保法の規定による特定健康診査及び特定保健指導の実施に要する費用の全部を補助することができる。

 

 

 

 

 

【解答】

H30年出題】 ×

 費用の全部ではなく、「費用の一部」です。

 条文を読んでみましょう。

154条の2

 国庫は、予算の範囲内において、健康保険事業の執行に要する費用のうち、特定健康診査等の実施に要する費用の一部補助することができる

 

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