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社会保険労務士合格研究室

雇用保険法(賃金日額)

R7-163 02.07

賃金日額の算定ルール

 「基本手当の日額」は、賃金日額×厚生労働省令で定める率で計算します。

 今回は、「賃金日額」の算定方法をみていきます。

 

「賃金日額」の算定方法を条文で読んでみましょう。

17条第1項、第2

① 賃金日額は、算定対象期間において被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く)の総額180で除して得た額とする。

② 賃金日額の最低保障の額

1) 賃金が、労働した若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められている場合には、最後の6か月間に支払われた賃金の総額を当該最後の6か月間労働した日数で除して得た額の100分の70に相当する額

2) 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によって定められている場合には、その部分の総額をその期間の総日数(賃金の一部が月によって定められている場合には、1か月を30日として計算する。)で除して得た額と(1)の額との合算額

 

<賃金日額の原則の算定式>

最後の6か月間に支払われた賃金の総額

180

※「賃金の総額」から、臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は除かれます

 

過去問をどうぞ!

①【H30年出題】

 賃金が出来高払制によって定められている場合の賃金日額は、労働した日数と賃金額にかかわらず、被保険者期間として計算された最後の3か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の総額を90で除して得た額となる。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H30年出題】 ×

・賃金が出来高払制によって定められている場合の賃金日額は、次の計算式の額のどちらか「高い方」となります。

<原則の計算式>

・ 被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の総額÷180

<最低保障>

・ 被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金の総額÷当該最後の6か月間労働した日数×100分の70

 

 

②【H22年出題】

 賃金日額の計算に当たり、家族手当、通勤手当及び住宅手当は、すべて賃金総額から除外されるので、それらの多寡によって基本手当の日額が異なることはない。

 

 

 

 

【解答】

②【H22年出題】 ×

 賃金日額の計算に当たり、家族手当、通勤手当及び住宅手当は、すべて賃金総額に含まれます

(行政手引50501

 

 

③【H30年出題】

 支払義務の確定した賃金が所定の支払日を過ぎてもなお支払われない未払賃金のある月については、未払額を除いて賃金額を算定する。

 

 

 

 

 

【解答】

③【H30年出題】 ×

 被保険者として雇用された期間に対するものとして同期間中に事業主の支払義務が確定した賃金は、賃金日額の算定に含まれます。

 そのため、賃金支払義務の確定した賃金が所定の支払日を過ぎてもなお支払われない未払賃金のある月については、未払額を含めて賃金額を算定します。

(行政手引50451、行政手引50609

 

 

次は、賃金日額の最高限度額と最低限度額の問題です。

④【H26年出題】

 賃金日額の最高限度額は45歳以上60歳未満が最も高いが、最低限度額は年齢に関わりなく一律である。

 

 

 

 

 

【解答】

④【H26年出題】 

<賃金日額の最高限度額>

・賃金日額の最高限度額は、「30歳未満」、「30歳以上45歳未満」、「45歳以上60歳未満」、「60歳以上65歳未満」の4つに分けて設定されています。

 最も高く設定されているのが「45歳以上60歳未満」です。

<最低限度額>

・最低限度額は年齢に関わりなく一律です。

 

 

⑤【R5年出題】

 雇用保険法第18条第3項に規定する最低賃金日額は、同条第1項及び第2項の規定により変更された自動変更対象額が適用される年度の4月1日に効力を有する地域別最低賃金の額について、一定の地域ごとの額を労働者の人数により加重平均して算定した額に20を乗じて得た額を7で除して得た額とされる。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【R5年出題】 〇

 基本手当日額の算定基礎となる賃金日額の最高限度額、最低限度額は、毎年度の平均給与額の変動に応じて変更されます。(自動変更対象額といいます。)

 ただし、自動変更対象額による最低限度額が、「最低賃金日額」を下回る場合は、最低賃金日額が最低限度額となります。

 最低賃金日額は「地域別最低賃金の全国加重平均額× 20÷7」で計算した額です。

 具体的には、1,004 円(令和6年4月1日時点での地域別最低賃金の全国加重平均額)×20÷7=2,869円です。

(法第18条第3項、則第28条の5) 

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