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社会保険労務士合格研究室

健康保険法「定時決定」

R7-203 03.19

標準報酬月額の定時決定

 「定時決定」とは、標準報酬月額を毎年見直すことです。

 定時決定について条文を読んでみましょう。

41条 (定時決定)

① 保険者等は、被保険者が毎年7月1日現に使用される事業所において同日前3月間(その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17(短時間労働者にあっては、11)未満である月があるときは、その月を除く)に受けた報酬の総額その期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する

② 定時決定によって決定された標準報酬月額は、その年の9月から翌年の8月までの各月の標準報酬月額とする

③ 定時決定は、6月1日から7月1日までの間に被保険者の資格を取得した者及び随時改定、育児休業等を終了した際の改定、又は産前産後休業を終了した際の改定により7月から9月までのいずれかの月から標準報酬月額を改定され、又は改定されるべき被保険者については、その年に限り適用しない

 

<例1>

4月 報酬 249,800円(報酬支払基礎日数20日)

5月 報酬 275,920円(報酬支払基礎日数22日)

6月 報酬 257,430円(報酬支払基礎日数21日)

 

249,800+275,920+257,430円)÷3≒261,050円(報酬月額

報酬月額(261,050円)を標準報酬月額等級に当てはめ、

標準報酬月額は、26万円となります。

 

<例2>

4月 報酬 249,800円(報酬支払基礎日数20日)

5月 報酬 163,800円(報酬支払基礎日数15

6月 報酬 257,430円(報酬支払基礎日数21日)

 

249,800+257,430円)÷253,615円(報酬月額

標準報酬月額は、26万円となります。

ポイント!

17日未満の月は除いて計算しますので、分母は「3」とは限りません。「2」、「1」の場合もあります。

 

 

過去問をどうぞ!

①【H28年出題】

 標準報酬月額の定時決定等における支払基礎日数の取扱いとして、月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合にあっては、その月における暦日の数から当該欠勤日数を控除した日数を支払基礎日数とする。

 

 

 

 

【解答】

①【H28年出題】 × 

 4月、5月、6月における支払基礎日数の算定に当たっては、次によることとされています。

① 月給者については、各月の暦日数によること。

② 月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合にあっては、就業規則、給与規程等に基づき事業所が定めた日数から当該欠勤日数を控除した日数によること。

③ 日給者については、各月の出勤日数によること。 

 

 問題文の場合、「その月における暦日の数から」ではなく、「就業規則、給与規程等に基づき事業所が定めた日数」から当該欠勤日数を控除した日数が支払基礎日数となります。

(18.5.12庁保険発第0512001)

 

 

②【H19年出題】

 賃金の計算上の締切日を毎月末日、支払日を翌月の15日としている事業所の標準報酬月額の定時決定に用いる報酬とされるのは、3月分、4月分及び5月分の賃金である。(なお、この選択肢において、「X月分の賃金」とは、X月に賃金を締切った賃金のこととする。)

 

 

 

 

【解答】

②【H19年出題】 〇

 4~6月に支払った賃金で算定します。

問題文の場合、定時決定は、

4月15日支払(3月1日~31日)

+

5月15日支払(4月1日~30日)

+

6月15日支払(51日~31日)

で、算定します。

 

 

③【R3年出題】

 特定適用事業所に使用される短時間労働者の被保険者の報酬支払の基礎となった日数が4月は11日、5月は15日、6月は16日であった場合、報酬支払の基礎となった日数が15日以上の月である5月及び6月の報酬月額の平均額をもとにその年の標準報酬月額の定時決定を行う。

 

 

 

 

 

【解答】

③【R3年出題】 ×

 短時間労働者は、「11日未満」の月を除いて算定します。 

 問題文は、報酬支払の基礎となった日数が11日以上」の月である4月、5月、6の報酬月額の平均額をもとにその年の標準報酬月額の定時決定を行います。

 

 

④【H29年出題】

 標準報酬月額の定時決定について、賃金計算の締切日が末日であって、その月の25日に賃金が支払われる適用事業所において、61日に被保険者資格を取得した者については625日に支給される賃金を報酬月額として定時決定が行われるが、71日に被保険者資格を取得した者については、その年に限り定時決定が行われない。

 

 

 

 

 

【解答】

④【H29年出題】 ×

61日に被保険者資格を取得した者についても、その年の定時決定は行われません。

 

 

⑤【H24年出題】

71日に被保険者資格を取得した者については、標準報酬月額の定時決定を行わず、資格取得時に決定された標準報酬月額を、原則として翌年の630日までの1年間用いることになっている。

 

 

 

 

【解答】

⑤【H24年出題】 ×

71日に被保険者資格を取得した者については、標準報酬月額の定時決定を行わず、資格取得時に決定された標準報酬月額を、原則として「翌年の630日までの1年間」ではなく、「翌年の8月」まで用います。

 ちなみに、資格取得時に決定された標準報酬月額は、「被保険者の資格を取得した月からその年の8月(6月1日から1231までの間に被保険者の資格を取得した者については、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額となります。

(法第42条)

 

 

⑥【R3年出題】

7月から9月までのいずれかの月から標準報酬月額が改定され、又は改定されるべき被保険者については、その年における標準報酬月額の定時決定を行わないが、7月から9月までのいずれかの月に育児休業等を終了した際の標準報酬月額の改定若しくは産前産後休業を終了した際の標準報酬月額の改定が行われた場合は、その年の標準報酬月額の定時決定を行わなければならない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑥【R3年出題】 ×

7月から9月までのいずれかの月に育児休業等を終了した際の標準報酬月額の改定若しくは産前産後休業を終了した際の標準報酬月額の改定が行われた場合も、その年の標準報酬月額の定時決定は行われません。

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