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社会保険労務士合格研究室

  労災保険法「治ゆする前の保険給付」

R7-233 04.18

【労災】治ゆ前の保険給付(療養補償給付・休業補償給付・傷病補償年金)

治ゆ前の保険給付の関係を図でイメージしましょう。

 

ポイント!

「療養補償給付」と「休業補償給付」は併給されます。

「療養補償給付」と「傷病補償年金」は併給されます。

「休業補償給付」と「傷病補償年金」は併給されません。

 

では、過去問をどうぞ!

①【H21年出題】

 傷病の状況が残った場合でも、その症状が安定し、症状が固定した状態になって治療の必要がなくなった場合には、傷病発生以前の状態に回復していなくても、傷病は治ゆしたものとして療養補償給付は行われない。

 

 

 

 

【解答】

①【H21年出題】 〇

 療養補償給付は、その傷病が療養を必要としなくなるまで(治ゆするまで)行われます。 

 傷病の状況が残った場合でも、その症状が安定し、症状が固定した状態になって治療の必要がなくなった場合には、傷病発生以前の状態に回復していなくても、傷病は治ゆしたものとされます。

 治ゆすると療養補償給付は行われません。ただし、再発した場合は、再び療養補償給付が行われます。

(昭23.1.13基災発第3号)

 

 

②【H30年出題】

 傷病補償年金は、業務上負傷し、又は疾病にかかった労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後1年を経過した日において次の①、②のいずれにも該当するとき、又は同日後次の①、②のいずれにも該当することとなったときに、その状態が継続している間、当該労働者に対して支給する。

① 当該負傷又は疾病が治っていないこと。

② 当該負傷又は疾病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当すること。

 

 

 

 

【解答】

②【H30年出題】 ×

 1年ではなく「16か月」です。

 「傷病補償年金は、業務上負傷し、又は疾病にかかった労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後「1年6か月」を経過した日において次の①、②のいずれにも該当するとき、又は同日後次の①、②のいずれにも該当することとなったときに、その状態が継続している間、当該労働者に対して支給する。

① 当該負傷又は疾病が治っていないこと。

② 当該負傷又は疾病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級1級から3級)に該当すること。

(法第12条の8第3項)

 

 

③【H24年出題】

 療養補償給付は、休業補償給付と併給される場合がある。

 

 

 

 

【解答】

③【H24年出題】 〇

 療養補償給付も、休業補償給付も「治ゆ」する前に支給される給付ですが、療養補償給付は「治療」、休業補償給付は「所得補償」のためのものです。

 療養補償給付と休業補償給付は併給される場合があります。

(法第13条、第14条)

 

 

④【H24年出題】

 療養補償給付は、傷病補償年金と併給される場合がある。

 

 

 

 

【解答】

④【H24年出題】 〇

 療養補償給付も、傷病補償年金も「治ゆ」する前に支給される給付ですが、療養補償給付は「治療」、傷病補償年金は「所得補償」のためのものです。

 療養補償給付と傷病補償年金は併給される場合があります。

(法第12条の8第3項、法第13条)

 

 

⑤【H24年出題】

 休業補償給付は、傷病補償年金と併給される場合がある。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【H24年出題】 ×

 法第18条第2項で、「傷病補償年金を受ける者には、休業補償給付は、行わない。」と規定されています。

 休業補償給付は、傷病補償年金と併給されることはありません。

 なお、「年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、支給を受ける権利が消滅したで終わるものとする。」とされています。

 傷病補償年金の支給事由が生じた場合は、その支給すべき事由が生じた月の末日までは、休業補償給付が支給されます。

1月

2月

3月

 

傷病補償年金の

支給事由が発生

 

休業補償給付

休業補償給付

傷病補償年金

 

 

⑥【H30年出題】

 休業補償給付と傷病補償年金は、併給されることはない。

 

 

 

 

【解答】

⑥【H30年出題】 〇

 休業補償給付と傷病補償年金は、併給されることはありません。⑤の問題と同じです。

 

 

⑦【H29年出題】

 傷病補償年金の受給者の障害の程度が軽くなり、厚生労働省令で定める傷病等級に該当しなくなった場合には、当該傷病補償年金の受給権は消滅するが、なお療養のため労働できず、賃金を受けられない場合には、労働者は休業補償給付を請求することができる。

 

 

 

 

【解答】

⑦【H29年出題】 〇

 傷病等級に該当しなくなった場合には、傷病補償年金の受給権は消滅しますが、なお療養のため労働できず、賃金を受けられない場合には、労働者は休業補償給付を請求することができます。

8月

9月

10

 

傷病補償年金の受給権

消滅

 

傷病補償年金

傷病補償年金

休業補償給付

 

 

⑧【H21年出題】

 傷病補償年金の受給者の障害の程度が軽くなり、傷病等級表に定める障害に該当しなくなった場合には、当該傷病補償年金の支給は打ち切られるが、なお療養のため労働することができないため賃金を受けられない状態にある場合には、政府が労働者の請求を待たず職権で休業補償給付の支給を決定する。

 

 

 

 

 

【解答】

⑧【H21年出題】 ×

 「政府が労働者の請求を待たず職権で休業補償給付の支給を決定する」が誤りです。

 休業補償給付が支給されるには、労働者の請求が必要です。

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