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社会保険労務士合格研究室

  健康保険法「資格喪失後の出産」

R7-234 04.19

資格喪失後の「出産育児一時金」の条件

 退職後(被保険者の資格喪失後)に、出産した場合、要件を満たせば、最後の保険者から出産育児一時金を受けることができます。

 

 条文を読んでみましょう。

106条 (資格喪失後の出産育児一時金の給付)

1年以上被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後6月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。

※1年以上被保険者であった者 → 「被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者

 

※支給額 → 1児につき488千円(産科医療補償制度に加入の医療機関等で妊娠週数22週以降に出産した場合は50万円)

 

 

過去問をどうぞ!

①【H25年出題】

 引き続き1年以上の被保険者期間(任意継続被保険者期間、特例退職被保険者期間又は共済組合の組合員である期間を除く。)を有し、資格喪失後6か月以内に出産した者が、健康保険の被扶養者になっている場合、請求者の選択により被保険者本人としての出産育児一時金、又は被扶養者としての家族出産育児一時金のいずれかを受給することとなる。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H25年出題】 〇

 資格喪失後6か月以内に出産した者が、健康保険の被扶養者になっている場合についての問題です。

 「被保険者本人としての出産育児一時金」、「被扶養者としての家族出産育児一時金」の受給資格ができますが、どちらを受給するかは請求者の選択によります。

(昭48.11.7保険発99・庁保険発21

 

 

 

②【R2年出題】

 被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者ではないものとする。)であった者が、その被保険者の資格を喪失した日後6か月以内に出産した場合、出産したときに、国民健康保険の被保険者であっても、その者が健康保険法の規定に基づく出産育児一時金の支給を受ける旨の意思表示をしたときは、健康保険法の規定に基づく出産育児一時金の支給を受けることができる。

 

 

 

 

【解答】

②【R2年出題】 〇

 要件を満たしたもの者が資格喪失後6か月以内に出産した場合、資格喪失後の出産育児一時金の支給を受ける旨の意思表示をしたときは、健康保険の保険者が対象者に対して出産育児一時金の支給を行います。

 そのため、出産したときに、国民健康保険の被保険者であっても、その者が健康保険法の規定に基づく資格喪失後の出産育児一時金の支給を受ける旨の意思表示をしたときは、健康保険法の規定に基づく出産育児一時金の支給を受けることができます。

(平23.6.3保保発06032号)

 

 

③【H28年出題】

 引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者がその被保険者の資格を喪失し、国民健康保険組合(規約で出産育児一時金の支給を行うこととしている。)の被保険者となった場合、資格喪失後6か月以内に出産したときには、健康保険の保険者がその者に対して出産育児一時金を支給することはない。

 

 

 

 

【解答】

③【H28年出題】 ×

 その者が健康保険法の規定に基づく資格喪失後の出産育児一時金の支給を受ける旨の意思表示をしたときは、健康保険法の規定に基づく出産育児一時金の支給を受けることができます。②の問題と同じです。

 

 

④【H30年出題】

 被保険者の資格喪失後の出産により出産育児一時金の受給資格を満たした被保険者であった者が、当該資格喪失後に船員保険の被保険者になり、当該出産について船員保険法に基づく出産育児一時金の受給資格を満たした場合、いずれかを選択して受給することができる。

 

 

 

 

【解答】

④【H30年出題】 ×

条文を読んでみましょう。

107条 (船員保険の被保険者となった場合)

 前3条の規定(「傷病手当金又は出産手当金の継続給付」、「資格喪失後の死亡に関する給付」、「資格喪失後の出産育児一時金の給付」)にかかわらず、被保険者であった者が船員保険の被保険者となったときは、保険給付は、行わない

 

 資格喪失後の出産育児一時金の受給資格を満たした被保険者であった者が、当該資格喪失後に船員保険の被保険者になり、当該出産について船員保険法に基づく出産育児一時金の受給資格を満たした場合は、船員保険法から支給を受けることができますので、健康保険法の出産育児一時金は支給されません。「いずれかを選択して受給することができる」は誤りです。

 

 

⑤【H26年出題】

 被保険者であった者が船員保険の被保険者となったときは、傷病手当金又は出産手当金の継続給付、資格喪失後の死亡に関する給付及び資格喪失後の出産育児一時金の給付は行われない。

 

 

 

 

【解答】

⑤【H26年出題】 〇

 被保険者であった者が船員保険の被保険者となったときは、「傷病手当金又は出産手当金の継続給付」、「資格喪失後の死亡に関する給付」及び「資格喪失後の出産育児一時金の給付」は行われません。船員保険から支給を受けることができるからです。

 

 

⑥【R6年選択式】

 任意継続被保険者がその資格を喪失した後、出産育児一時金を受けることができるのは、< A >であった者であって、実際の出産日が被保険者の資格を喪失した日後6か月以内の期間でなければならない。

<選択肢>

① 資格を取得した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)

② 資格を取得した日の前日まで引き続き6か月以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)

③ 資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を含む。)

④ 資格を喪失した日の前日まで引き続き6か月以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)

 

 

 

 

 

【解答】

A> ① 資格を取得した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)

 

図でイメージしましょう。

 

退職

・資格喪失

・任継取得

任継喪失

引き続き1年以上被保険者

任意継続被保険者

 

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