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R7-241 04.26
割増賃金は以下のように計算します。
1時間当たりの賃金額 × 時間外労働の時間数 × 割増率
(休日労働の時間数・深夜労働の時間数)
「1時間あたりの賃金額」の算出について条文を読んでみましょう。
則第19条第1項 法第37条第1項の規定による通常の労働時間又は通常の労働日の賃金の計算額は、次の各号の金額に法第33条若しくは法第36条第1項の規定によって延長した労働時間数若しくは休日の労働時間数又は午後10時から午前5時(厚生労働大臣が必要であると認める場合には、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時)までの労働時間数を乗じた金額とする。 (1) 時間によって定められた賃金については、その金額 (2) 日によって定められた賃金については、その金額を1日の所定労働時間数(日によって所定労働時間数が異る場合には、1週間における1日平均所定労働時間数)で除した金額 (3) 週によって定められた賃金については、その金額を週における所定労働時間数(週によって所定労働時間数が異る場合には、4週間における1週平均所定労働時間数)で除した金額 (4) 月によって定められた賃金については、その金額を月における所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異る場合には、1年間における1月平均所定労働時間数)で除した金額 (6) 出来高払制その他の請負制によって定められた賃金については、その賃金算定期間(賃金締切日がある場合には、賃金締切期間)において出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を当該賃金算定期間における、総労働時間数で除した金額 |
基本給以外の「手当」も、割増賃金の基礎となる賃金に算入しなければなりません。
ただし、労働とは直接関係のない個人的事情に基づいて支払われる手当は除外することができます。
条文を読んでみましょう。
則第21条(割増賃金の基礎となる賃金に算入しない賃金) 家族手当及び通勤手当のほか、次に掲げる賃金は、割増賃金の基礎となる賃金には算入しない。 (1) 別居手当 (2) 子女教育手当 (3) 住宅手当 (4) 臨時に支払われた賃金 (5) 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など) |
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
労働基準法第37条に定める時間外、休日及び深夜の割増賃金を計算するについて、労働基準法施行規則第19条に定める割増賃金の基礎となる賃金の定めに従えば、通常の労働時間1時間当たりの賃金額を求める計算式のうち、正しいものはどれか。
なお、当該労働者の労働条件は次のとおりとする。
賃金:基本給のみ 月額300,000円
年間所定労働日数:240日
計算の基礎となる月の所定労働日数:21日
計算の対象となる月の暦日数:30日
所定労働時間:午前9時から午後5時まで
休憩時間:正午から1時間
(A) 300,000円÷(21×7)
(B) 300,000円÷(21×8)
(C) 300,000円÷(30÷7×40)
(D) 300,000円÷(240×7÷12)
(E) 300,000円÷(365÷7×40÷12)
①【H28年出題】
【解答】
(D) 300,000円÷(240×7÷12)
月給制の場合は、「通常の労働時間1時間当たりの賃金額」は、
「月給」÷月の所定労働時間数
で計算します。
ただし、月によって所定労働時間数が異る場合は、「月給」÷「1か月の平均所定労働時間数」となります。
問題文の場合、年間の所定労働日数が240日で、対象月の所定労働日数が21日です。
月によって所定労働時間数が異なるので、「1か月の平均所定労働時間数」で割ることになります。
1か月の平均所定労働時間数は、240日×7時間÷12か月で計算します。
※7時間=拘束時間8時間(午前9時から午後5時)-休憩1時間です。
②【H26年出題】
通勤手当は、労働とは直接関係のない個人的事情に基づいて支払われる賃金であるから、労働基準法の第37条の割増賃金の基礎となる賃金には算入しないこととされている。
【解答】
②【H26年出題】 〇
「通勤手当」は、割増賃金の基礎となる賃金には算入しません。
③【H23年出題】
労働基準法第37条に定める割増賃金の基礎となる賃金(算定基礎賃金)はいわゆる通常の賃金であり、家族手当は算定基礎賃金に含めないことが原則であるから、家族数に関係なく一律に支給されている手当は、算定基礎賃金に含める必要はない。
【解答】
③【H23年出題】 ×
家族手当でも、「家族数に関係なく」一律に支給されている手当は、家族手当とはみなされず、割増賃金の基礎に含めなければなりません。
(昭22.11.5基発231号)
④【H19年出題】
労働基準法第37条第5項及び労働基準法施行規則第21条の規定によって、割増賃金の計算の基礎となる賃金には家族手当、住宅手当等は算入されないこととされており、例えば、賃貸住宅の居住者には3万円、持家の居住者には1万円というように、住宅の形態ごとに一律に定額で支給することとされている手当は、同規則第21条でいう住宅手当に該当し、同法第37条の割増賃金の計算の基礎となる賃金には算入しない。
【解答】
④【H19年出題】 ×
住宅に要する費用以外の費用に応じて算定される手当や、住宅に要する費用にかかわらず一律に定額で支給される手当は、除外される住宅手当には該当しません。
問題文のように、例えば、賃貸住宅の居住者には3万円、持家の居住者には1万円というように、住宅の形態ごとに一律に定額で支給することとされている手当は、同規則第21条でいう住宅手当に該当しません。そのため、割増賃金の計算の基礎となる賃金に算入しなければなりません。
(平11.3.31基発170号)
⑤【H18年出題】
賃金が出来高払制その他の請負制によって定められている者が、労働基準法第36条第1項又は第33条の規定によって法定労働時間を超えて労働をした場合、当該法定労働時間を超えて労働をした時間については、使用者は、その賃金算定期間において出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を当該賃金算定期間における総労働時間数で除した金額に、当該法定労働時間を超えて労働をした時間数を乗じた金額の2割5分を支払えば足りる。
【解答】
⑤【H18年出題】 〇
賃金が出来高払制その他の請負制の場合は、「出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額」÷「総労働時間数」で計算します。
所定労働時間ではなく「総労働時間数」で計算するのがポイントです。総労働時間には、時間外労働時間も含まれます。
⑥【H17年出題】
年間賃金を予め定めるいわゆる年俸制を採用する事業場において、就業規則により、決定された年俸の16分の1を月例給与とし、決定された年俸の16分の4を2分して6月と12月にそれぞれ賞与として支給し、他に交通費実費分の通勤手当を月々支給することを定めて支給しているような場合には、割増賃金の支払いは、月例給与に賞与部分を含めた年俸額を基礎として計算をして支払わなければならない。
【解答】
⑥【H17年出題】 〇
年俸制で毎月払い部分と賞与部分を合計して予め年俸額が確定している場合の賞与部分は「賞与」に該当しません。
そのため、割増賃金の支払いは、「月例給与に賞与部分を含めた年俸額」を基礎として支払わなければなりません。
(平12.3.8基収78号)
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