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社会保険労務士合格研究室

 労働基準法「就業規則」

R7-245 04.30

就業規則作成の手続

 

 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければなりません。変更した場合も、同様に、行政官庁に届け出なければなりません。

 今回は、就業規則作成・変更の際の手続をみていきます。

 条文を読んでみましょう。

90条 (作成の手続)

① 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者意見を聴かなければならない

② 使用者は、届出をなすについて、意見を記した書面を添付しなければならない。

 

過去問をどうぞ!

①【H20年出題】

 就業規則を作成又は変更するに当たっては、使用者は、その事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者の同意を得なければならない。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H20年出題】 ×

 「同意を得なければならない」ではなく「意見を聴かなければならない」です。

 同意を得ることまで義務付けられていません。意見を聴けば労働基準法違反になりません。

 

 

②【H21年出題】

 使用者は、就業規則の作成だけでなく、その変更についても、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。

 

 

 

 

 

【解答】

②【H21年出題】 〇

 就業規則の作成だけでなく、その変更についても、意見を聴かなければなりません。

 

 

③【H26年出題】

 労働基準法第90条に定める就業規則の作成又は変更についての過半数労働組合、それがない場合には労働者の過半数を代表する者の意見を聴取する義務については、文字どおり労働者の団体的意見を求めるということであって、協議をすることまで使用者に要求しているものではない。

 

 

 

 

【解答】

③【H26年出題】 〇

 就業規則の作成又は変更については、協議をすることまで使用者に要求していません。

(昭25.3.15基収525号)

 

 

④【R3年出題】

 同一事業場において当該事業場の全労働者の3割について適用される就業規則を別に作成する場合、当該事業場において当該就業規則の適用を受ける労働者のみの過半数で組織する労働組合又は当該就業規則の適用を受ける労働者のみの過半数を代表する者の意見を聴くことで、労働基準法第90条による意見聴取を行ったこととされる。

 

 

 

 

【解答】

④【R3年出題】 ×

 同一事業場において一部の労働者についてのみ適用される就業規則を別に作成することは差し支えありません。

 ただし、当該一部の労働者に適用される就業規則は、当該事業場の就業規則の一部です。

 そのため、その作成または変更については、当該事業場の「全労働者」の過半数で組織する労働組合又は「全労働者」の過半数を代表する者の意見を聴かなければなりません。

 当該就業規則の適用を受ける労働者のみの過半数ではありません。

(昭63.3.14基発150号)

 

 

⑤【H30年出題】

 同一事業場において、パートタイム労働者について別個の就業規則を作成する場合、就業規則の本則とパートタイム労働者についての就業規則は、それぞれ単独で労働基準法第89条の就業規則となるため、パートタイム労働者に対して同法第90条の意見聴取を行う場合、パートタイム労働者についての就業規則のみ行えば足りる。

 

 

 

 

【解答】

⑤【H30年出題】 ×

 同一事業場において、パートタイム労働者について別個の就業規則を作成する場合、就業規則の本則とパートタイム労働者についての就業規則は、それぞれ単独で労働基準法第89条の就業規則となるのではなく、パートタイム労働者についての就業規則は、就業規則の本則の一部となります。

 そのため、当該事業場の「全労働者」の過半数で組織する労働組合又は「全労働者」の過半数を代表する者の意見を聴かなければなりません。

(昭63.3.14基発150号)

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