遺族基礎年金(国年)、遺族厚生年金(厚年)の子、孫(孫は厚年のみ)の失権の時期をチェックしましょう。
ちなみに労災保険の遺族(補償)年金の子、孫、兄弟姉妹の失権時期はこちらから → ★
では、遺族基礎年金の子、遺族厚生年金の子、孫の要件から確認してみることにしましょう。
<国民年金>
子については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は20歳未満であつて障害等級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。
<厚生年金保険>
子又は孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、又は20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。
※ ちなみに国民年金法では「障害等級」と表現されますが、厚生年金保険法では「障害等級の1級又は2級」と表現されます。厚生年金保険法の場合、「障害等級」は「1級から3級」までですよね。3級は含まない「1級又は2級」限定という意味です。
子(又は孫)の要件に該当しなくなったときに遺族基礎(厚生)年金の受給権が消滅します。
<国民年金>
① 18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。ただし、障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。
→ 原則は高校卒業の年度末で失権。ただし、そのときに障害状態にある場合は失権しない。
② 障害等級に該当する障害の状態にある子について、その事情がやんだとき。ただし、その子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。
→ 障害状態に該当しなくなっても高校卒業の年度末までは失権しない。
③ 20歳に達したとき。
→ 遺族基礎年金は20歳で失権(20歳以降は、本人に30条の4(20歳前にあ初診日がある)の障害基礎年金が支給される)
※厚生年金保険は「子、孫」、「障害等級の1級又は2級」に読み替えてください。
では、問題を解いてみましょう。
①国年H16年出題
遺族基礎年金を20歳まで受給できる子には、当該遺族基礎年金の受給権発生後18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間に障害等級に該当する障害の状態となり、同日以後も引き続き障害等級に該当する障害の状態にある子が含まれる。
②厚年H22年出題
老齢厚生年金の受給権者が死亡したことにより当該死亡者の子または孫が遺族厚生年金の受給権者となった場合において、当該子または孫が障害等級の3級に該当する障害の状態にあるときであっても、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに当該遺族厚生年金の受給権は消滅する。
【解答】
①国年H16年出題 ○
被保険者等の死亡当時に障害状態になく、その後障害状態になった場合でも18歳年度末に障害状態にあれば20歳まで遺族基礎年金を受給できます。
比較してみましょう!
労災保険は、死亡当時に障害状態にあれば障害状態にある限り受給できます。違いに注意してくださいね。労災保険はこちら→ ★
②厚年H22年出題 ○
18歳年度末に障害状態(1級又は2級)にあれば20歳まで受給できますが、3級の場合は原則どおり18歳年度末で失権です。
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