平均賃金は、「算定事由発生日以前3か月間の賃金総額」÷「その期間の総日数」で算定します。
※賃金締切日がある場合は直前の賃金締切日からさかのぼります。
※日給制等の場合は最低保障があります。
今日は、平均賃金の賃金総額に算入しないものを確認しましょう!
条文ではこうなっています。
↓
労働基準法第12条第4条
賃金の総額には、臨時に支払われた賃金及び3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金並びに通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないものは算入しない。
↓
賃金総額に算入しないものは
① 臨時の賃金(結婚手当など、めったに支給されないもの)
② 3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(年3回以下のボーナス等)
③ 通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないもの
★③がややこしいですよね。
まず、「通貨以外のもの」=現物給与のことです。
「通貨以外のもの」については、「法令又は労働協約の別段の定めに基づいて支払われる」場合は労働基準法上の賃金に当たるので、平均賃金の賃金総額に算入します。
逆に、「法令や労働協約に定められていない」通貨以外のものは、賃金とは言えないので平均賃金の賃金総額にも算入しない、ということです。
それでは、過去問で確認しましょう。
<平成24年出題>
ある会社で、労働協約により通勤費として6か月ごとに定期乗車券を購入し、それを労働者に支給している場合、この定期乗車券は、労働基準法第11条に定める賃金とは認められず、平均賃金算定の基礎に加える必要はない。
<解答>
② 平成24年出題 ×
労働協約に基づいて支給されている通勤定期は、労働基準法上の「賃金」に当たります。また、6か月の定期券は各月分の前払いと考え、1か月ごとに支給されたと扱い、平均賃金の計算に算入します。
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