「労働基準法を学ぶ」シリーズです。
★ 1週40時間(特例44時間)以内、1日8時間以内の労働時間を守り、また、毎週1日(又は4週4日)の休日を必ず与えることが、労働基準法上の使用者の義務です。
そうは言っても、現実には、どうしても残業や休日労働が避けられないことがあります。
そこで、労働基準法には、時間外労働・休日労働ができる例外規定が設けられているのです。
★ 労働基準法第33条では、例外として、「災害等の事由で臨時の必要がある場合」、「公務のため臨時の必要がある場合」に、時間外労働、休日労働をさせることができる、と規定されています。今日は、この規定を勉強します。
(なお、ここで使っている「時間外労働」とは「法定労働時間を超える労働」のこと、「休日労働」は「法定休日に労働」させること、という意味です。)
★ ちなみに、時間外労働、休日労働については第36条の「三六協定」によることが一般的ですが、三六協定についてはまた別の日に書きますね。
では法第33条の空欄を埋めてみましょう。
(第33条 災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等)
① 災害その他避けることのできない事由によつて、臨時の必要がある場合においては、使用者は、行政官庁の< A >を受けて、その必要の限度において第32条から前条まで若しくは第40条の労働時間を延長し、又は第35条の休日に労働させることができる。ただし、事態急迫のために行政官庁の< A >を受ける暇がない場合においては、< B >なければならない。
② ①項ただし書の規定による届出があつた場合において、行政官庁がその労働時間の延長又は休日の労働を不適当と認めるときは、その後にその時間に相当する休憩又は休日を与えるべきことを、命ずることができる。
③ < C >のために臨時の必要がある場合においては、①の規定にかかわらず、官公署の事業(別表第一に掲げる事業を除く。)に従事する国家公務員及び地方公務員については、第32条から前条まで若しくは第40条の労働時間を延長し、又は第35条の休日に労働させることができる。
<解答>
A 許可 B 事後に遅滞なく届け出 C 公務
ポイント!
【法定労働時間を延長すること、休日労働させることが適法になるのは次の3つ】
第33条① | 災害その他避けることのできない事由で臨時の必要がある場合 (原則として事前に行政官庁の許可が必要) |
第33条③ | 公務のために臨時の必要がある場合 |
第36条 | 労使協定を締結し行政官庁に届け出た場合(三六協定) |
過去問をどうぞ。
<H11年出題>
使用者は、労使協定の締結がなくとも、災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合においては、行政官庁の許可を受けることにより、法定労働時間を超えて労働させることができるが、事態急迫のために許可を受ける時間的余裕がない場合、当該年度の終了時までに行政官庁に報告すれば足りる。
<解答> ×
→ 事態急迫のために許可を受ける時間的余裕がない場合は、事後に遅滞なく届け出なければなりません。「 当該年度の終了時までに行政官庁に報告」は誤りです。
社労士受験のあれこれ