退職すると、その翌日に健康保険の被保険者の資格は喪失します。
例えば、在職中に病気になり傷病手当金の給付を受けていた場合、退職後はその傷病手当金はどうなるのでしょう?
健康保険法では、傷病手当金の「継続給付」の規定が設けられていて、要件を満たせば、退職後も引き続いて傷病手当金を受けることができます。
今日は、「傷病手当金の継続給付」を勉強しましょう。
傷病手当金の継続給付の要件
① 被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であったこと
→ 平成29年3月28日に退職した場合、翌日の29日に被保険者の資格を喪失します。資格喪失の前日(3月28日)まで引き続いて1年以上健康保険の被保険者だったことが条件です。
② 資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けていること
→ 報酬との調整で傷病手当金が支給停止されていた場合(「支給を受け得る」状態)でも要件は満たします。
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★ 要件を満たせば
被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる。
→ 傷病手当金は、支給を始めた日から1年6か月受けることができますよね。
例えば、在職中に6か月間支給を受けた場合は、退職後引き続きあと1年間受けることができます。
※ また、在職中は報酬との調整で傷病手当金が支給停止されていた場合は、退職後報酬がなくなった日から傷病手当金が支給されます。
過去問をどうぞ
<H24年出題>
一定の要件を満たした者が、被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている場合、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から傷病手当金を受領することができるが、退職日まで有給扱いで全額賃金が支給されていても、資格喪失後の傷病手当金は受給することができる。
<解答> 〇
退職日まで有給扱いだったため傷病手当金は停止されていたとしても、「傷病手当金を受けられる」状態であれば、資格喪失後の傷病手当金は支給されます。
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