R3-025
受験勉強で大切なのは、過去の論点を知ること。
なぜなら、何回も繰り返し出題されるからです。
出題傾向をつかめば、勉強が格段に楽になります。
「歴史は繰り返す」
障害/加重
問題<H30年出題>
既に業務災害による障害補償年金を受ける者が、新たな業務災害により同一の部位について身体障害の程度を加重した場合には、現在の障害の該当する障害等級に応ずる障害補償年金の額から、既存の障害の該当する障害等級に応ずる障害補償年金の額を差し引いた額の障害補償年金が支給され、その差額の年金とともに、既存の障害に係る従前の障害補償年金も継続して支給される。
【解答】 〇
例えば、既に7級の身体障害があり、新たな業務災害により同一の部位について身体障害の程度が4級に加重した場合は、
↓
新しい障害等級(4級)の障害補償生年金の額から、もともとの障害等級(7級)の障害補償年金の額を差し引いた額の障害補償年金が支給されることになります。
簡単に言うと、4級と7級の差額の障害補償年金が支給される、ということです。
↓
なお、既存の障害は、業務上、業務外を問いません。
問題文のように、既存の障害が業務上だった場合は、既存の障害補償年金(7級)は継続して支給されます。
差額の年金と既存の年金の2本立で支給されます。
では、令和2年度の問題をどうぞ!
<R2年問5より>
障害等級認定基準についての行政通知によれば、既に右示指の用を廃していた(障害等級第12級の9、障害補償給付の額は給付基礎日額の156日分)者が、新たに同一示指を亡失した場合には、現存する身体障害に係る障害等級は第11条の6(障害補償給付の額は給付基礎日額の223日分)となるが、この場合の障害補償給付の額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 給付基礎日額の67日分
B 給付基礎日額の156日分
C 給付基礎日額の189日分
D 給付基礎日額の223日分
E 給付基礎日額の379日分
【解答】 A 給付基礎日額の67日分
先ほどの過去問と同じ考え方です。
新しい等級(11級)と既存の等級(12級)の差額が支給されます。
223日分 - 156日分 = 67日分です。
12級も11級も「一時金」ですので、67日分の一時金が支給されます。
では、既存の等級が「一時金」、現在の等級が「年金」の場合は?
<H21年出題>
既に業務災害による障害の障害等級に応じて障害補償一時金を支給されていた者が新たな業務災害により同一の部位について障害の程度が加重され、それに応ずる障害補償年金を支給される場合には、その額は、原則として、既存の障害に係る障害補償一時金の額の25分の1を差し引いた額による。
【解答】 〇
加重前の等級は「一時金」、加重後の等級が「年金」に該当するパターンです。
この場合も、「差額」となりますが、「差額」の出し方がポイントです。
例えば、加重前の等級が10級、加重後の等級が5級の場合、差額は、5級の年金額から10級の一時金の額の25分の1を差し引いて算出します。
ポイントは、既存の障害に係る障害補償一時金の額の25分の1であること。
一時金は、25年分の年金をまとめて1回で支払った額とされていますので、一時金を25で割ることによって1年分の額が計算できるのです。
問題文の場合、新たな等級の障害補償年金から既存の等級の障害補償一時金の額の25分の1を差し引いた額が支給されます。
「加重障害」の問題はパターンが3つ
加重前 | 加重後 | 過去問 |
年金(7級以上) | 年金(7級以上) | H30年 |
一時金(8級以下) | 年金(7級以上) | H21年 |
一時金(8級以下) | 一時金(8級以下) | R2年 |
社労士受験のあれこれ