R3-170
今日は労基法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問1-D>
下請負人が、その雇用する労働者の労働力を自ら直接利用するとともに、当該業務を自己の業務として相手方(注文主)から独立して処理するものである限り、注文主と請負関係にあると認められるから、自然人である下請負人が、たとえ作業に従事することがあっても、労働基準法第9条の労働者ではなく、同法第10条にいう事業主である。
【解答】 〇
それぞれの関係を整理すると、下請負人と注文主は「請負関係」、下請負人とその雇用する労働者とは「雇用関係」にあります。
「請負」とは、 ① 請負事業主が、自己の雇用する労働者の労働力を自ら直接利用すること、② 請負事業主が、業務を自己の業務として契約の相手方から独立して処理することの2つの要件を満たすことが必要です。
問題文はどちらも満たしているので、労働者ではなく事業主となります。
(参考:「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」 (昭和61年労働省告示第37号))
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①<H27年出題>
形式上は請負契約のようなかたちをとっていても、その実体において使用従属関係が認められるときは、当該関係は労働関係であり、当該請負人は労働基準法第9条の「労働者」に当たる。
②<H29年出題>
工場が建物修理の為に大工を雇う場合、そのような工事は一般に請負契約によることが多く、また当該工事における労働は工場の事業本来の目的の為のものでもないから、当該大工が労働基準法第9条の労働者に該当することはなく、労働基準法が適用されることはない。
【解答】
①<H27年出題> 〇
労働契約の場合は、『使用者の指揮命令に従って労務を提供する→賃金が支払われる』という関係ですが、請負契約の場合は、『注文主から受けた仕事を完成させる→報酬が支払われる』という関係です。請負契約の場合は、注文主から指揮命令を受けないのがポイントです。
ですので、「その実体において使用従属関係が認められるとき」は、当該関係は労働関係であり、当該請負人は労働基準法第9条の「労働者」に当たります。
②<H29年出題> ×
工場と大工が、請負契約ではなく雇用契約を結ぶことにより使用従属関係になることもあります。その場合は、大工は労働基準法第9条の労働者に該当します。
(昭23.12.25基収4281号)
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