R3-192
年金の歴史についてお話しています。
民間企業の会社員や公務員の老齢については、厚生年金保険、共済年金でカバーできていましてが、自営業者や農林水産業に従事する人たちの年金制度はありませんでした。
しかし、老齢人口が増える。核家族化が進み子が親を扶養する力も弱まっていく。老齢者の生活は国が保障するべきではないかという機運が高まる。そんな時代背景の中、自営業者等を対象とする国民年金が誕生しました。
国民年金の創設により、すべての国民が、「国民年金」「厚生年金保険」「共済」のどれかの制度に加入することになりました。このことを「国民皆年金」といいます。
こちらの問題をどうぞ!
①<H19年出題(社一)>
医療面で国民皆保険が進められるのに対応して国民皆年金の実現が強く要請されるようになり、自営業者等を対象とする国民年金法が昭和34年に制定され、昭和36年4月から全面施行された。
【解答】 〇
国民年金法は、昭和34年制定、昭和36年4月施行です。
もともと被用者のための年金制度(厚生年金保険、共済年金)は存在していて、国民年金ができたことによって、「国民皆年金」が実現したことがポイントです。
では、こちらもどうぞ!
②<H19年出題(社一)>
戦前の昭和13年に制定された国民健康保険法は、戦後の昭和33年に全面改正され、翌年1月から施行されたが、国民皆保険体制が実現したのは昭和36年4月である。
③<H19年出題(国年)>
国民年金は、昭和34年に制定された国民年金法に基づき、同年10月から無拠出制の福祉年金の給付が開始され、昭和36年4月から拠出制の年金制度が開始されて、国民皆年金の体制が成立した。
【解答】
②<H19年出題(社一)> 〇
国民皆保険と国民皆年金。どちらも「昭和36年4月」に実現しました。
③<H19年出題(国年)> ×
無拠出制の福祉年金の給付が開始されたのは昭和34年11月からです。(10月が間違い)
「福祉年金」とは、保険料の負担なしで支給される年金で、「老齢福祉年金」「障害福祉年金」「母子(準母子)福祉年金」があります。例えば、「老齢福祉年金」は国民年金が成立したときに既に高齢になっていた人が対象です。
「福祉年金」の今
老齢福祉年金はそのまま支給されていますが、障害福祉年金と母子(準母子)福祉年金は、新法施行日(昭和61年4月1日)以降、それぞれ障害基礎年金、遺族基礎年金に裁定替えされています。
(昭60年法附則第25条、第28条)
社労士受験のあれこれ