R3-196
年金の仕組みを勉強しましょう。
今日のテーマは、「加給年金額」です。
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令和3年1月22日、厚生労働省から令和3年度の年金額についてお知らせがありました。
令和3年度の新規裁定者の年金額として、
・ 国民年金 老齢基礎年金(満額)1人分 65,075 円
・ 厚生年金 夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額として220,496 円
という金額が例示されています。
厚生年金の給付水準は、平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9 万円)で 40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
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片方が40年間厚生年金保険の被保険者で、もう片方が40年間国民年金(第1号被保険者か第3号被保険者)という夫婦がモデルになっています。
年金の勉強をするときは、そのようなモデルを意識してみましょう。
今日のテーマは「加給年金額」です。
例えば夫が40年間厚生年金保険の被保険者で、妻が40年間第3号被保険者だった場合、夫の年金は「老齢基礎年金+老齢厚生年金(+加給年金額)」、妻は「老齢基礎年金」となります。
といいましても、「加給年金額」が加算されるには条件があります。その条件を見ていきます。
こちらの問題をどうぞ!
<H28年出題>
第1号厚生年金被保険者期間を170か月、第2号厚生年金被保険者期間を130か月有する昭和25年10月2日生まれの男性が、老齢厚生年金の受給権を65歳となった平成27年10月1日に取得した。この場合、一定の要件を満たす配偶者がいれば、第1号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金に加給年金額が加算される。なお、この者は、障害等級3級以上の障害の状態になく、上記以外の被保険者期間を有しないものとする。
【解答】 〇
老齢厚生年金に加給年金額が加算される要件は、原則として「老齢厚生年金の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上」あることです。
問題文のように、第1号厚生年金被保険者期間と第2号厚生年金被保険者期間がある場合は、合算して240月以上あればOKです。
この場合、第1号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金は日本年金機構から、第2号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金は共済組合から支給されますが、「加給年金額」はどちらの老齢厚生年金に加算されるのかが2つ目の問題です。
この点については、
・最も早い日において受給権を取得した老齢厚生年金
・最も早い日において受給権を取得した老齢厚生年金が2以上あるときは、各号の厚生年金被保険者期間のうち最も長い一の期間に基づく老齢厚生年金
となっています。
問題文の場合は、両方とも同時に受給権を取得していますので、被保険者期間が長い「第1号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金」に加給年金額が加算されます。
(厚生年金保険法第44条、第78条の27、施行令第3条の13)
このテーマは明日に続きます!
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