R3-261
引き続き、徴収法の「保険関係の一括」です。
今日は、「継続事業の一括」です。
継続事業の一括とは?
例えば、同一の企業に、本店、A支店、B営業所がある場合、保険料の申告・納付は本店、A支店、B営業所でそれぞれ行うのが原則です。
しかし、「継続事業の一括」の認可を受けることにより、保険料の申告・納付を一つにまとめることもできます。
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①<H21年出題(雇用)>
継続事業の一括の認可を受けようとする事業主は、継続事業一括申請書を指定事業として指定を受けることを希望する事業に係る所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。
②<H21年出題(雇用)>
継続事業の一括の認可については、労災保険率表による事業の種類を同じくすることがその要件とされているが、雇用保険に係る保険関係が成立している二元適用事業の場合は、労災保険率表による事業の種類を同じくする必要はない。
【解答】
①<H21年出題(雇用)> 〇
「継続事業の一括」は、法律上当然に一括されるのではなく、厚生労働大臣の認可(認可の権限は都道府県労働局長に委任されている)が必要です。
認可されると保険関係が一括され、保険料の申告・納付は、指定事業でまとめて行います。
「継続事業一括申請書」は指定事業として指定を受けることを希望する事業に係る所轄都道府県労働局長に提出することがポイントです。
(法第9条、則第10条)
②<H21年出題(雇用)> ×
継続事業の一括は、労災保険率表による事業の種類を同じくすることが要件です。雇用保険に係る保険関係が成立している二元適用事業でも同様に、労災保険率表による事業の種類を同じくする必要があります。
(則第10条)
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③<H21年出題(雇用)>
継続事業の一括の認可があったときは、当該二以上の事業に使用されるすべての労働者が指定事業に使用される労働者とみなされ、指定事業以外の事業の保険関係は消滅する。この場合、保険関係消滅申請書を提出することにより、労働保険料の確定精算の手続はすべて終了する。
④<H21年出題(雇用)>
継続事業の一括の認可を受けた指定事業の事業主は、労使保険及び雇用保険の受給に関する事務並びに雇用保険の被保険者に関する事務について、当該指定事業の所在地を管轄する労働基準監督署長又は公共職業安定所長に対して一括して行うことができる。
【解答】
③<H21年出題(雇用)> ×
「保険関係消滅申請書を提出することにより、労働保険料の確定精算の手続はすべて終了する。」の部分が誤り。そもそも保険関係消滅申請書というものはありません。
継続事業の一括の認可があったときは、すべての労働者が指定事業に使用される労働者とみなされ、労働保険料の申告・納付は指定事業で一括して行われます。
そして、指定事業以外の事業の保険関係は消滅しますが、この場合は、「確定保険料申告書」を提出して保険関係の消滅に伴う保険料の確定精算を行うことになります。
(法第9条)
④<H21年出題(雇用)> ×
継続事業の一括の認可を受けても、労災保険び雇用保険の受給に関する事務並びに雇用保険の被保険者に関する事務は一括されません。原則どおり、事業場単位となります。事務を行うのは、「指定事業の所在地」ではなく、それぞれの事業場を管轄する労働基準監督署長又は公共職業安定所長です。
(法第9条)
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