R4-139
法定労働時間は、原則として1週40時間以内、1日8時間以内です。
例えば、月から金が所定労働日、土日が休日の場合で、1日の労働時間が8時間の場合、カレンダーは以下のようになります。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 休 | 休 |
これで法定労働時間ピッタリです。
もし、月曜日に2時間残業したとすると、その2時間は法定時間外労働となりますので、2割5分以上の割増賃金が必要です。
さて、「1か月単位の変形労働時間制」は、1か月以内の一定の期間を平均して1週40時間(特例の事業場は44時間)以内であれば、長く労働する日や、長く労働する週があってよい、という制度です。
なお、1か月以内の一定の期間は、1週間でも2週間でも1か月でも任意に設定でき、その期間のことを変形期間といいます。
変形期間を平均して1週40時間(特例は44時間)とするには、まず、変形期間の労働時間の総枠を計算します。
計算式は次の通りです。
40時間(特例44時間)×変形期間の暦日数÷7
例えば変形期間を1か月と設定して計算してみましょう。
(前提)法定労働時間40時間、変形期間の暦日数31日
40時間×31日÷7 ≒ 177.1時間
1か月のトータルの労働時間が177.1時間以内なら、平均すると1週40時間以内になります。
例えば、月初が業務多忙な場合は、月初の労働時間を長くして全体のバランスをとることができます。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
9時間 | 9時間 | 9時間 | 9時間 | 9時間 | 9時間 | 休 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
7時間 | 7時間 | 7時間 | 7時間 | 7時間 | 休 | 休 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
7時間 | 7時間 | 7時間 | 7時間 | 7時間 | 休 | 休 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
7時間 | 7時間 | 7時間 | 7時間 | 7時間 | 休 | 休 |
29 | 30 | 31 |
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6時間 | 6時間 | 6時間 |
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変形労働時間制を採用すると、「特定された週」又は「特定された日」に法定労働時間を超えて労働させることができます。
上のカレンダーは1か月トータルの労働時間が177時間です。1週目の労働時間だけみると、1日9時間、1週54時間ですが、変形期間を平均すると1週40時間以内になりますので時間外労働にはなりません。
では、過去問をどうぞ
①【H19年出題】
1か月単位の変形労働時間制を採用した場合、変形期間を平均し1週間当たりの労働時間が週法定労働時間以内となるようにするために行う、変形期間における所定労働時間の総枠の計算は、次の式によって行う。
その事業場の週法定労働時間×変形期間の暦日数÷7
【解答】
①【H19年出題】 〇
計算式「その事業場の週法定労働時間×変形期間の暦日数÷7」のポイント!
・その事業場の週法定労働時間
→ 原則40時間ですが、特例事業場は「44時間」です。
・変形期間の暦日数
→ 「労働日数」ではなく「暦日数」です。例えば、1週間なら7日、4週間なら28日です。
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