R4-141
条文を読んでみましょう。
第66条 (健康診断) ① 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行わなければならない。 ② 事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による特別の項目についての健康診断を行なわなければならない。有害な業務で、政令で定めるものに従事させたことのある労働者で、現に使用しているものについても、同様とする。 ③ 事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、歯科医師による健康診断を行なわなければならない。 ④ 都道府県労働局長は、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる。 |
①から④の内容は以下の通りです。
①は「一般健康診断」です。
■ 雇入れ時の健康診断
■ 定期健康診断
・1年以内ごとに1回
■ 特定業務従事者の健康診断
・「配置替えの際」と「6か月以内ごとに1回」
■ 海外派遣労働者の健康診断
・海外に6か月以上派遣される労働者
・6か月以上の海外派遣から国内勤務になったとき
■ 給食従業員の検便
・雇入れの際
・当該業務への配置換えの際
②は一定の有害業務に従事する労働者に対する「特別の項目」についての健康診断です。
有害因子が健康に及ぼす影響を把握するために行います。
・有害業務に従事する労働者
・有害業務に従事した後他の業務に配置転換した労働者(後から表面化することがあるため)
③は、「歯科医師」による健康診断です。
一定の有害な業務に従事する労働者が対象です。
・雇入れの際
・当該業務への配置換えの際
・当該業務に就いた後6か月以内ごとに1回
④は、都道府県労働局長が指示する「臨時の健康診断」です。
では、過去問をどうぞ
①【H23年選択式】
事業者が労働安全衛生規則第43条の規定によるいわゆる雇入時の健康診断を行わなければならない労働者は、< A >労働者であって、法定の除外事由がない者である。
②【H17年出題】
事業者は、強烈な騒音を発する場所における業務に常時従事する労働者に対しては、当該業務への配置替えの際及び6か月以内ごとに1回、定期に、所定の項目について医師による健康診断を行わなければならない。
③【H27年出題】
事業者は、深夜業を含む業務に常時従事する労働者については、当該業務への配置替えの際及び6か月以内ごとに1回、定期に、労働安全衛生規則に定める項目について健康診断を実施しなければならない。
④【R2年選択式】
事業者は、労働者を本邦外の地域に< A >以上派遣しようとするときは、あらかじめ、当該労働者に対し、労働安全衛生規則第44条第1項各号に掲げる項目及び厚生労働大臣が定める項目のうち医師が必要であると認める項目について、医師による健康診断を行わなければならない。
⑤【H15年出題】
事業者は、事業に附属する食堂又は炊事場における給食の業務に従事する労働者に対し、その雇入れの際又は当該業務への配置替えの際及び1年以内ごとに1回、定期に、検便による健康診断を行なわなければならない。
⑥【条文穴埋め問題】
都道府県労働局長は、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、 < A >の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる。
【解答】
①【H23年選択式】
A 常時使用する
「雇入れ時の健康診断」、「定期健康診断」は、「常時使用する労働者」が対象です。
(則第43条、第44条)
②【H17年出題】 〇
③【H27年出題】 〇
②の「強烈な騒音を発する場所における業務」と③の「深夜業を含む業務」は「特定業務従事者の健康診断」の対象となる業務です。「当該業務への配置替えの際」と「6か月以内ごとに1回」の健康診断が必要です。
対象になる業務は、則第13条に定められています。
則第13条は、専属の産業医の選任が必要な事業場(その業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場)の有害業務を定めていて、500人以上で専属の産業医が必要な有害業務と、特定業務従事者に当たる有害業務は範囲が同じなのがポイントです。
特に「深夜業を含む業務」はよく出ますので注意してください。
(則第13条、第45条)
④【R2年選択式】
A 6月
(則第45条の2)
⑤【H15年出題】 ×
給食従事者の検便が義務づけられるのは、その雇入れの際又は当該業務への配置替えの際です。「1年以内ごとに1回などの定期」の義務はありません。
(則第48条)
⑥【条文穴埋め問題】
A 労働衛生指導医
労働衛生指導医は、都道府県労働局に置かれます。
労働衛生指導医は、「臨時の健康診断の指示」と「作業環境測定の実施の指示」で「都道府県労働局長」とセットで出てきます。
(法第65条、第66条、第95条)
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