R4-168
例えば、業務災害によって休業補償給付を受けている場合、退職後も引き続き受けられるのでしょうか?
労災保険の保険給付の受給権は保護されています。条文で確認しましょう。
第12条の5 ① 保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。 ② 保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。 |
「保険給付を受ける権利」は、労働者の「退職によって変更されることはない」となっています。保険給付を受ける権利は、雇用関係の存続とは関係なく、退職後も変わらず継続します。在職中に受けていた休業補償給付は退職後も支給されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
労災保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。
②【H21年出題】
業務上の傷病による療養のため労働することができないために賃金を受けない労働者として休業補償給付を受けていた者の労働関係が労働契約の期間満了によって解消した場合には、療養のため労働することができないために賃金を受けない状態にあるとはいえず、引き続いて休業補償給付を受けることはできない。
【解答】
①【H27年出題】 〇
労災保険給付を受ける権利は、退職した後も継続します。
②【H21年出題】 ×
労働関係が解消された後も、引き続いて休業補償給付を受けることができます。
通常は、退職後も次の仕事に就いて賃金を得ることができます。しかし、業務上の傷病による療養中は仕事に就くことができません。「労働することができないために賃金を受けない」状態にあるといえるからです。
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③【H24年出題】
保険給付を受ける権利は、譲り渡すことができない。
④【R1年出題】
特別支給金は、社会復帰促進等事業の一環として被災労働者等の福祉の増進を図るために行われるものであり、譲渡、差し押さえは禁止されている。
【解答】
③【H24年出題】 〇
保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、差し押さえることはできません。
④【R1年出題】 ×
保険給付ではなく、社会復帰促進等事業の「特別支給金」の問題ですので注意してください。
特別支給金については、譲渡、差し押さえは禁止されていません。
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