R4-199
労働保険料の申告書を納期限までに提出しないとき、申告書の記載に誤りがあるときは、認定決定が行われます。
「概算」で申告納付する概算保険料と「実績」で申告納付する確定保険料では、同じ認定決定でもルールに違いがあります。
条文を読んでみましょう。
第15条第3項(概算保険料) 政府は、事業主が概算保険料申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認めるときは、労働保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。
第19条第4項(確定保険料) 政府は、事業主が確定保険料申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認めるときは、労働保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。 |
政府が職権で、事業主が納付しなければならない労働保険料の額を決定し、通知することを認定決定といいます。
「申告書を提出しないとき」、「申告書の記載に誤りがあるとき」に行われます。
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題】(雇用保険)
事業主が所定の納期限までに概算保険料申告書を提出しなかったことにより、所轄都道府県労働局歳入徴収官が行う認定決定の通知は、納入告知書によって行われる。
②【H25年出題】(雇用保険)
事業主が所定の納期限までに確定保険料申告書を提出しなかったことにより、所轄都道府県労働局歳入徴収官が行う認定決定の通知は、納入告知書によって行われる。
【解答】
①【H25年出題】(雇用保険) ×
概算保険料の認定決定の通知は、「納入告知書」ではなく「納付書」によって行われます。
②【H25年出題】(雇用保険) 〇
確定保険料の認定決定の通知は、「納入告知書」によって行われます。
★ 労働保険料の納付は、「納入告知書」に係るものを除き「納付書」によって行わなければならないとされていますので、原則は「納付書」によって行われます。
「納入告知書」によるものは限られていますので、納入告知書によるものの方を覚えておきましょう。
■■納入告知書によるもの■■
「確定保険料の認定決定と追徴金」、「有期事業のメリット制の差額徴収」、「印紙保険料の認定決定と追徴金」、「特例納付保険料」
(則第38条第5項)
また、確定保険料の認定決定が行われた場合は、「追徴金」が徴収されます。
条文を読んでみましょう。
第21条 (追徴金) ① 政府は、事業主が認定決定に係る確定保険料又はその不足額を納付しなければならない場合には、その納付すべき額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)に100分の10を乗じて得た額の追徴金を徴収する。ただし、事業主が天災その他やむを得ない理由により、認定決定に係る確定保険料又はその不足額を納付しなければならなくなった場合は、この限りでない。 ② 納付すべき確定保険料又はその不足額が1,000円未満であるときは、追徴金を徴収しない。 |
追徴金は懲罰的な金銭です。認定決定に係る確定保険料又はその不足額を納付しなければならない場合には、追徴金が徴収されます。また、追徴金は「納入告知書」で納付します。
一方、概算保険料は概算的に前払いする保険料ですので、認定決定に係る概算保険料には、追徴金は賦課されません。
では、過去問をどうぞ!
③【H26年出題】(雇用保険)
事業主が、所定の期限までに概算保険料申告書を提出しなかったことにより、所轄都道府県労働局歳入徴収官より納付すべき保険料の額の通知を受けたときは、当該事業主は、通知された労働保険料の額及び当該保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。)に100分の10を乗じて得た額の追徴金を納付しなければならない。
【解答】
③【H26年出題】(雇用保険) ×
概算保険料の認定決定には、追徴金は徴収されません。
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