R4-239
厚生年金保険の被保険者の資格は70歳に達したときに喪失します。
しかし、70歳に達しても老齢年金の受給権がない場合は、70歳以上でも受給権を取得するまで厚生年金保険に任意で加入できます。
高齢任意加入被保険者には、「適用事業所に使用される者」と「適用事業所以外の事業所に使用される者」の2種類があります。
問題文を解くときは、どちらの高齢任意加入被保険者のことなのかを意識しましょう。
条文を読んでみましょう
附則第4条の3 (適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者) ① 適用事業所に使用される70歳以上の者であって、老齢厚生年金、国民年金法による老齢基礎年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有しないものは、実施機関に申し出て、被保険者となることができる。 ② 申出をした者は、その申出が受理されたときは、その日に、被保険者の資格を取得する。
附則第4条の5 (適用事業所以外の事業所に使用される高齢任意加入被保険者) 適用事業所以外の事業所に使用される70歳以上の者であって、老齢厚生年金、国民年金法による老齢基礎年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有しないものは、厚生労働大臣の認可を受けて、被保険者となることができる。 認可を受けるには、その事業所の事業主の同意を得なければならない。 |
適用事業所に使用される場合、適用事業所以外の事業所に使用される場合の共通点は、「老齢厚生年金、老齢基礎年金等老齢又は退職を支給事由とする年金の受給権がないこと」です。
また、「適用事業所に使用される」場合は「実施機関に申出」、「適用事業所以外の事業所に使用される」場合は「事業主の同意+厚生労働大臣の認可」が必要です。
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
適用事業所以外の事業所に使用される70歳以上の者が高齢任意加入被保険者になるには、事業主の同意を得たうえで、厚生労働大臣に対して申出を行うこととされており、その申出が受理された日に資格を取得する。
②【H20年出題】 ※改正による修正あり
適用事業所に使用される70歳以上の者であって、老齢厚生年金、老齢基礎年金等の受給権を有しないもの(厚生年金保険法の規定により被保険者としないとされた者を除く。)が、高齢任意加入被保険者の資格を取得するためには、事業主の同意は必ずしも要しないが、実施機関に申し出る必要がある。
【解答】
①【H26年出題】 ×
「適用事業所以外の事業所」に使用される場合は、事業主の同意を得たうえで、「厚生労働大臣の認可」を受けなければなりません。この点は任意単独被保険者と同じです。「申出」ではありませんので注意しましょう。
また、「認可を受けた日」に資格を取得します。
②【H20年出題】 〇※改正による修正あり
「適用事業所」に使用される場合は、実施機関に申し出る必要があります。事業主の同意は要りません。
次はこちらをどうぞ!
③【H21年出題】
70歳以上の障害厚生年金の受給権者は、老齢厚生年金、老齢基礎年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金の受給権を有しない者であっても、高齢任意加入被保険者となることができない。
【解答】
③【H21年出題】 ×
障害給付や遺族給付の受給権者でも、老齢厚生年金、老齢基礎年金等の年金の受給権を有しない場合は、高齢任意加入被保険者になることができます。
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