R4-256
国民年金の給付の要件の1つに保険料納付要件があります。保険料納付要件をみるときに登場するのは「保険料納付済期間」と「保険料免除期間」ですが、今回は「保険料納付済期間」の定義です。
条文を読んでみましょう。
第5条 国民年金法において、「保険料納付済期間」とは、第1号被保険者としての被保険者期間のうち納付された保険料(第96条の規定により徴収された保険料を含み、第90条の2第1項から第3項までの規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につきその残余の額が納付又は徴収されたものを除く。)に係るもの及び第88条の2の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るもの、第2号被保険者としての被保険者期間並びに第3号被保険者としての被保険者期間を合算した期間をいう。 |
<国民年金法の保険料納付済期間>
以下の期間を合算した期間です。
↓
・第1号被保険者としての被保険者期間のうち納付された保険料(第96条の規定(督促及び滞納処分)により徴収された保険料を含む、保険料の一部免除の規定により、その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき、その残余の額が納付又は徴収されたものは除く)に係るもの及び産前産後期間中の保険料免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るもの
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・第2号被保険者としての被保険者期間
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・第3号被保険者としての被保険者期間
※国民年金に保険料を納付する義務があるのは、第1号被保険者です。第2号被保険者と第3号被保険者は、個別に国民年金に保険料を納付する義務はありません。
そのため、国民年金の保険料の滞納があり得るのは第1号被保険者のみです。第2号被保険者と第3号被保険者には「滞納」があり得ないので、被保険者期間がそのまま「保険料納付済期間」となりますが、第1号被保険者は保険料を納付した期間が保険料納付済期間となります。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
保険料納付済期間には、督促及び滞納処分により保険料が納付された期間を含む。
②【H24年出題】
保険料納付済期間には、保険料の一部免除の規定により、その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき、その残余の額が納付又は徴収されたものは含まない。
③【H24年出題】
保険料全額免除期間を受けた期間のうち保険料を追納した期間は、保険料納付済期間とされる。
④【R2年出題】
保険料全額免除期間とは、第1号被保険者としての被保険者期間であって法定免除、申請全額免除、産前産後期間の保険料免除、学生納付特例又は納付猶予の規定による保険料を免除された期間(追納した期間を除く。)を合算した期間である。
【解答】
①【H24年出題】 〇
保険料を滞納し、督促及び滞納処分を受け、それによって保険料を納付した場合は、「保険料納付済期間」となります。
②【H24年出題】 〇
例えば、4分の3免除を受けた場合は、保険料の4分の3は免除されますが、残りの4分の1は納付する義務があります。4分の3免除の規定により、その4分の1が納付された期間は、保険料納付済期間ではなく、「保険料4分の3免除期間」です。
③【H24年出題】 〇
保険料を追納した期間は、「保険料納付済期間」です。
④【R2年出題】 ×
産前産後期間の保険料免除期間は、全額免除期間ではなく「保険料納付済期間」です。
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