R4-281
労働契約を締結する際、使用者は労働者に労働条件を明示することが義務づけられています。
労働条件がはっきりしないまま働くことによるトラブルを防止するためです。
では、条文を読んでみましょう。
第15条 (労働条件の明示) 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。 |
明示する事項と方法は、厚生労働省令で定められています。内容は次回お話します。
では、過去問をどうぞ!
①【H16年出題】
労働基準法第15条に基づいて明示すべき労働条件の範囲は、同法第1条「労働条件の原則」及び第2条「労働条件の決定」でいう労働条件の範囲とは異なる。
②【H29年出題】
派遣労働者に対する労働条件の明示は、労働者派遣法における労働基準法の適用に関する特例により派遣先の事業のみを派遣中の労働者を使用する事業とみなして適用することとされている労働時間、休憩、休日等については、派遣先の使用者がその義務を負う。
【解答】
①【H16年出題】 〇
労働基準法第1条と第2条の「労働条件」は、広く解釈され、賃金、労働時間、解雇、災害補償、安全衛生、寄宿舎等に関する条件をすべて含んだ「労働者の職場における一切の待遇」をいう、とされています。
一方、第15条に基づいて明示すべき労働条件の範囲は、施行規則第5条で具体的に定められています。
問題文の通り、第1条・第2条の労働条件と第15条の労働条件は範囲が異なります。
②【H29年出題】 ×
派遣労働者に対する労働条件の明示は、労働契約関係にある「派遣元」の使用者が明示する義務を負っています。
労働者派遣法における労働基準法の適用に関する特例により、派遣元が労基法の義務を負わない労働時間、休憩、休日等も含めて、労働条件の明示をする必要があります。
(昭61.6.6基発333号)
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