R4-289
疾病又は負傷により職業に就くことができない場合、その期間が継続して15日未満なら、「証明書」による失業の認定で基本手当を受けることができます。
その期間が継続して15日以上の場合は、基本手当の代わりに「傷病手当」を受けることができます。
今回のテーマは「傷病手当」です。
では、条文を読んでみましょう。
第37条 ① 傷病手当は、受給資格者が、離職後公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした後において、疾病又は負傷のために職業に就くことができない場合に、受給期間内の当該疾病又は負傷のために基本手当の支給を受けることができない日(疾病又は負傷のために基本手当の支給を受けることができないことについての認定を受けた日に限る。)について、第4項の規定による日数に相当する日数分を限度として支給する。 ② ①の認定は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長が行う。 ③ 傷病手当の日額は、基本手当の日額に相当する額とする。 ④ 傷病手当を支給する日数は、①の認定を受けた受給資格者の所定給付日数から当該受給資格に基づき既に基本手当を支給した日数を差し引いた日数とする。 ⑤ 給付制限の規定により基本手当を支給しないこととされる期間については、傷病手当を支給しない。 ⑥ 傷病手当を支給したときは、この法律の規定(第10条の4及び第34条の規定を除く。)の適用については、当該傷病手当を支給した日数に相当する日数分の基本手当を支給したものとみなす。 ⑧ ①の認定を受けた受給資格者が、当該認定を受けた日について、健康保険法の規定による傷病手当金、労働基準法の規定による休業補償、労働者災害補償保険法の規定による休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付その他これらに相当する給付であって法令により行われるもののうち政令で定めるものの支給を受けることができる場合には、傷病手当は、支給しない。 ⑨ 自己の労働による収入を得た場合の減額、待期、未支給の請求手続き、並びに不正受給による給付制限の規定は、傷病手当について準用する。 |
では、過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
疾病又は負傷のため職業に就くことができない状態が当該受給資格に係る離職前から継続している場合には、他の要件を満たす限り傷病手当が支給される。
②【H28年出題】
傷病手当の日額は、雇用保険法第16条の規定による基本手当の日額に100分の80を乗じて得た額である。
③【R2年出題】
訓練延長給付に係る基本手当を受給中の受給資格者が疾病又は負傷のため公共職業訓練等を受けることができなくなった場合、傷病手当が支給される。
④【H24年出題】
広域延長給付に係る基本手当を受給中の受給資格者については、傷病手当が支給されることはない。
【解答】
①【R2年出題】 ×
「離職前から継続」している場合は、傷病手当は支給されません。
傷病手当は、次の要件に該当した場合に支給されます。
1 受給資格者であること
2 離職後公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしていること
3 疾病又は負傷のために職業に就くことができない場合であること
4 疾病又は負傷のために職業に就くことができない状態が「求職の申込み後」において生じたものであること
★4がポイントです。
疾病又は負傷のため職業に就くことができない状態が、当該受給資格に係る離職前から継続している場合、又は係る状態が当該受給資格に係る離職後に生じた場合であっても、公共職業安定所に出頭し求職の申込みを行う前に生じその後も継続している場合は、傷病手当の対象となりません。
(行政手引53302)
②【H28年出題】 ×
傷病手当の日額は基本手当の日額に相当する額(基本手当の日額と同じ額)です。
なお、傷病手当を支給する日数は、受給資格者の所定給付日数から当該受給資格に基づき既に基本手当を支給した日数を差し引いた日数です。
また、傷病手当の支給があったときは、当該傷病手当を支給した日数に相当する日数分の基本手当の支給があったものとみなされます。
(法第37条第3項、第4項、第6項)
③【R2年出題】 ×
②の解説でお話ししましたように、傷病手当を支給する日数は、受給資格者の所定給付日数から当該受給資格に基づき既に基本手当を支給した日数を差し引いた日数です。
「所定給付日数-既に基本手当を支給した日数」が傷病手当を支給する日数ですので、延長給付に係る基本手当を受給中の受給資格者については、傷病手当は支給されません。
(行政手引53004)
④【H24年出題】 〇
③と同じです。延長給付に係る基本手当を受給中の受給資格者については、傷病手当が支給されることはありません。
(行政手引53004)
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