R6-011
令和5年度の選択式を振り返ります。
今日は労働に関する一般常識です。
A・Bは、判例問題です。
問題の判例のポイントは3つです。
① 大学卒業予定者の採用内定により、就労の始期を大学卒業直後とする解約権留保付労働契約が成立したものと認められました
→「企業において、採用内定通知のほかには労働契約締結のための特段の意思表示をすることを予定していなかったなど、判示の事実関係のもとにおいては、企業の求人募集に対する大学卒業予定者の応募は労働契約の申込であり、これに対する企業の採用内定通知は右申込に対する承諾であって、誓約書の提出とあいまつて、これにより、大学卒業予定者と企業との間に、就労の始期を大学卒業の直後とし、それまでの間誓約書記載の採用内定取消事由に基づく解約権を留保した労働契約が成立したものと認めるのが相当である」
② 留保解約権に基づく大学卒業予定者採用内定の取消事由
→「採用内定当時知ることができず、また、知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認することができるものに限られる」
③ 留保解約権に基づく大学卒業予定者採用内定の取消が解約権の濫用にあたるとして無効とされた
Aは「本件採用内定通知のほかには労働契約締結のための特段の意思表示をすることを予定していなかった」
Bは「知ることができず、また、知ることが期待できないような事実であって」
が入ります。
(昭和54年7月20日最高裁判所第二小法廷)
Cは、労働者派遣法の労働者派遣の期間からの問題です。
条文を読んでみましょう。
第35条の3 派遣元事業主は、派遣先の事業所その他派遣就業の場所における組織単位ごとの業務について、3年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣(第40条の2第1項各号のいずれかに該当するものを除く。)を行ってはならない。 |
Cには、「3」が入ります。
D・Eは最低賃金法からの問題です。
★Dは罰則の問題です。
最低賃金には、地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金があります。
地域別最低賃金額以上の賃金を支払わない場合は、最低賃金法第40条の罰則が適用されます。
条文を読んでみましょう。
第40条 第4条第1項の規定に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に係るものに限る。)は、50万円以下の罰金に処する。 |
特定(産業別)最低賃金額以上の賃金を支払わない場合は、最低賃金法ではなく、労働基準法の罰則(第24条違反)が適用されます。
Dには労働基準法が入ります。
★Eは、最低賃金の減額の特例の問題です。
条文を読んでみましょう。
第7条 (最低賃金の減額の特例) 使用者が厚生労働省令で定めるところにより都道府県労働局長の許可を受けたときは、次に掲げる労働者については、当該最低賃金において定める最低賃金額から当該最低賃金額に労働能力その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める率を乗じて得た額を減額した額により第四条の規定を適用する。 1 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者 2 試の使用期間中の者 3 職業能力開発促進法第24条第1項の認定を受けて行われる職業訓練のうち職業に必要な基礎的な技能及びこれに関する知識を習得させることを内容とするものを受ける者であって厚生労働省令で定めるもの 4 軽易な業務に従事する者その他の厚生労働省令で定める者 |
Eには都道府県労働局長が入ります。
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