R6-203
過去問から学びましょう。
今日は労働基準法です。
条文を読んでみましょう。
第39条第1項・2項 (年次有給休暇) ① 使用者は、その雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。 ② 使用者は、1年6か月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して6か月を超えて継続勤務する日(以下「6か月経過日」という。)から起算した継続勤務年数1年ごとに、①の日数に、次の表の上欄に掲げる6か月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。 ただし、継続勤務した期間を6か月経過日から1年ごとに区分した各期間(最後に1年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の8割未満である者に対しては、当該初日以後の1年間においては有給休暇を与えることを要しない。
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年次有給休暇の付与日数を確認しましょう。
継続 勤務 | 6か月 | 1年 6か月 | 2年 6か月 | 3年 6か月 | 4年 6か月 | 5年 6か月 | 6年 6か月以上 |
付与 日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
年次有給休暇の発生要件は、次の2つです。
①雇入れの日から 6か月継続勤務 |
| ②全労働日の 8割以上出勤 |
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
労働基準法第39条の趣旨は、労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図るため、また、ゆとりのある生活の実現にも資するという位置づけから、休日のほかに毎年一定日数以上の有給休暇を与えることにある。
②【H20年出題】
年次有給休暇の権利は、労働基準法第39条所定の要件を満たすことによって法律上当然に労働者に生ずる権利であって、労働者の請求をまって始めて生ずるものではないとするのが最高裁判所の判例である。
③【R4年出題】
年次有給休暇の権利は、「労基法39条1項、2項の要件が充足されることによって法律上当然に労働者に生ずる権利ということはできず、労働者の請求をまって始めて生ずるものと解すべき」であり、「年次〔有給〕休暇の成立要件として、労働者による『休暇の請求』や、これに対する使用者の『承認』を要する」とするのが、最高裁判所の判例である。
④【H24年出題】
労働基準法第39条に定める年次有給休暇の利用目的は同法の関知しないところであり、労働者が病気療養のために年次有給休暇を利用することもできる。
【解答】
①【H26年出題】 〇
「休日のほかに毎年一定日数以上の有給休暇を与える」の部分がポイントです。
「休日」は、「労働義務がない日」です。
年次有給休暇の「休暇」は「労働義務が免除される日」ですので、休暇は労働義務のある「労働日」に取得します。そのため、年次有給休暇は1労働日、2労働日と算定します。
②【H20年出題】 〇
年次有給休暇の権利は、労働基準法第39条所定の要件を満たすことによって法律上当然に労働者に生ずる権利です。
労働者の請求をまって始めて生ずるものではなく、「請求」とは、休暇の時季にのみかかる文言であって、その趣旨は、休暇の時季の「指定」にほかならないとされています。
(最高裁第二小法廷 昭和48年3月2日 白石営林署事件)
③【R4年出題】 ×
年次有給休暇の権利は、「労基法39条1項、2項の要件が充足されることによって「法律上当然に労働者に生ずる権利」であって、「労働者の請求をまって始めて生ずるものではなく」、「年次〔有給〕休暇の成立要件として、「労働者による『休暇の請求』や、これに対する使用者の『承認』」の観念を容れる余地はない」とされています。
ポイント!
・年次有給休暇の権利は、要件を満たせば法律上当然に労働者に生ずる権利で、労働者からの請求をまって生ずるものではありません。
(最高裁第二小法廷 昭和48年3月2日 白石営林署事件)
④【H24年出題】 〇
年次有給休暇をどのように利用するかは、労働者の自由です。
病気療養のために年次有給休暇を利用することもできます。
(昭24.12.28基発第1456号)
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