R6-272 5.25
過去問から学びましょう。
今日は労災保険法です。
業務災害、通勤災害の範囲をみていきます。
まず、業務災害、通勤災害の定義を条文で読んでみましょう。
第7条第1項 この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。 (1) 労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡(以下「業務災害」という。)に関する保険給付 (2) 複数事業労働者(これに類する者として厚生労働省令で定めるものを含む。)の2以上の事業の業務を要因とする負傷、疾病、障害又は死亡(以下「複数業務要因災害」という。)に関する保険給付(前号に掲げるものを除く。) (3) 労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡(以下「通勤災害」という。)に関する保険給付 (4) 二次健康診断等給付 |
業務災害とは、「労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡」、通勤災害とは、「労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡」です。
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
転任等のやむを得ない事情のために同居していた配偶者と別居して単身で生活する者や家庭生活の維持という観点から自宅を本人の生活の本拠地とみなし得る合理的な理由のある独身者にとっての家族の住む家屋については、当該家屋と就業の場所との間を往復する行為に反復・継続性が認められるときは住居と認めて差し支えないが、「反復・継続性」とは、おおむね2か月に1回以上の往復行為又は移動がある場合に認められる。
【解答】
①【H25年出題】 ×
「住居」とは、労働者が居住して日常生活の用に供している家屋等の場所で、本人の就業のための拠点となるところを指します。
転任等のやむを得ない事情のために同居していた配偶者と別居して単身で生活する者や家庭生活の維持という観点から自宅を本人の生活の本拠地とみなし得る合理的な理由のある独身者にとっての家族の住む家屋については、当該家屋と就業の場所との間を往復する行為に反復・継続性が認められるときは住居と認めて差し支えないとされています。
「反復・継続性」とは、おおむね「1か月に1回以上」の往復行為又は移動がある場合に認められます。
(平18.3.31基発第0331042号、平18.3.31/基労管発第0331001号/基労補発第0331003号/)
②【H25年出題】
出張の機会を利用して当該出張期間内において、出張先に赴く前後に自宅に立ち寄る行為(自宅から次の目的地に赴く行為を含む。)については、当該立ち寄る行為が、出張経路を著しく逸脱していないと認められる限り、原則として、通常の出張の場合と同様、業務として取り扱われる。
【解答】
②【H25年出題】 〇
出張の機会を利用して出張期間内に、出張先に赴く前後に自宅に立ち寄る行為(自宅から次の目的地に赴く行為を含む。)については、原則として、通常の出張の場合と同様、業務として取り扱われます。
(平18.3.31/基労管発第0331001号/基労補発第0331003号/)
③【H25年出題】
通勤の途中において、歩行中にビルの建設現場から落下してきた物体により負傷した場合、通勤による災害と認められない。
【解答】
③【H25年出題】 ×
「通勤による」とは通勤と相当因果関係のあること、つまり、通勤に通常伴う危険が具体化したことをいいます。
通勤の途中で、自動車にひかれた、電車が急停車したため転倒して受傷した、駅の階段から転落した、歩行中にビルの建設現場から落下してきた物体により負傷した、転倒したタンクローリーから流れ出す有害物質により急性中毒にかかった等、一般に通勤中に発生した災害は通勤によるものと認められます。
問題文は、通勤による災害と認められます。
(平18.3.31基発第0331042号)
④【H25年出題】
通勤の途中で怨恨をもってけんかをしかけて負傷した場合、通勤災害と認められる。
【解答】
④【H25年出題】 ×
被災者の故意によって生じた災害、通勤の途中で怨恨をもってけんかをしかけて負傷した場合などは、通勤をしていることが原因となって災害が発生したものではありませんので、通勤災害とは認められません。
(平18.3.31基発第0331042号)
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