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社会保険労務士合格研究室

労災保険法「傷病補償年金」

R8-142 01.13

ポイントをお話しします|傷病補償年金

 最初に、傷病補償年金について下の図①でイメージしましょう。

 

 では、条文を読んでみましょう

法第12条の8第3

③ 傷病補償年金は、業務上負傷し、又は疾病にかかった労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後1年6か月を経過した日において次の各号のいずれにも該当するとき、又は同日後次の各号のいずれにも該当することとなったときに、その状態が継続している間、当該労働者に対して支給する。

1) 当該負傷又は疾病が治っていないこと。

2) 当該負傷又は疾病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級(1級~3級)に該当すること。

 

法第18条第2

 傷病補償年金を受ける者には、休業補償給付は、行わない。

 

★傷病補償年金の額

1級

給付基礎日額の313日分

2級

       277日分

3級

       245日分

 

★傷病補償年金の支給についてポイント

 傷病補償年金は、他の保険給付と違い、支給の請求は不要です。

 支給の決定は、請求によってではなく、政府の職権で行われます。支給事由に該当したときは、所轄労働基準監督署長が支給決定を行います。

 

 

では、過去問を解いてみましょう

①【H24年出題】

 療養補償給付は、傷病補償年金と併給される場合がある。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H24年出題】 〇

 どちらも「治る前」の給付で、療養補償給付は治療のため、傷病補償年金は所得補償のためのものですので、併給される場合があります。

 

 

 

②【H30年出題】

 休業補償給付と傷病補償年金は、併給されることはない。

 

 

 

 

 

【解答】

②【H30年出題】 〇

 休業補償給付と傷病補償年金は、どちらも所得補償ですので、併給されません。

 休業補償給付から傷病補償年金への切り替えについて下の図②でイメージしましょう

 

 

 

➂【H29年出題】

 傷病補償年金の支給要件について、障害の程度は、6か月以上の期間にわたって存する障害の状態により認定するものとされている。

 

 

 

 

 

【解答】

➂【H29年出題】 〇

 傷病補償年金の障害の程度は、6か月以上の期間にわたって存する障害の状態により認定されます。

(則第18条第2項)

 

 

④【H29年出題】

 所轄労働基準監督署長は、業務上の事由により負傷し、又は疾病にかかった労働者が療養開始後16か月経過した日において治っていないときは、同日以降1か月以内に、当該労働者から「傷病の状態等に関する届」に医師又は歯科医師の診断書等の傷病の状態の立証に関し必要な資料を添えて提出させるものとしている。

 

 

 

 

 

【解答】

④【H29年出題】 〇

 療養開始後16か月を経過した日治っていない労働者は、同日以降1か月以内に、「傷病の状態等に関する届」を提出しなければなりません。所轄労働基準監督署長が支給事由に該当するか否か認定するためです。

(則第18条の2第1項)

※療養の開始後1年6か月を経過しても治っておらず、傷病補償年金の支給決定を受けるに至っていない場合

→ 毎年1月1日から同月末日までの間に休業補償給付を請求する際に、合わせて、「傷病の状態に関する報告書」も所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。

(則第19条の2)

 

 

⑤【H20年出題】

 傷病補償年金又は傷病年金は、業務上の事由又は通勤により被災した労働者が所定の支給要件に該当した場合に所轄労働基準監督署長が職権で支給の決定を行うものであり、被災労働者が支給の請求を行う必要はないが、当該障害の程度が重くなったときは、被災労働者が傷病補償年金又は傷病年金の変更についての請求書を提出する必要がある。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【H20年出題】 ×

 障害の程度が重くなったときは、「変更についての請求書を提出する必要がある」の部分が誤りです。

 障害の程度が、軽くなったり重くなったりして、傷病等級に変更があったときは、「請求」ではなく、所轄労働基準監督署長の職権で変更に関する決定が行われます。

条文を読んでみましょう

18条の2

 傷病補償年金を受ける労働者の当該障害の程度に変更があったため、新たに他の傷病等級に該当するに至った場合には、政府は、厚生労働省令で定めるところにより、新たに該当するに至った傷病等級に応ずる傷病補償年金を支給するものとし、その後は、従前の傷病補償年金は、支給しない。 

則第18条の3 (傷病補償年金の変更)

所轄労働基準監督署長は、法第18条の2に規定する場合には、当該労働者について傷病等級の変更による傷病補償年金の変更に関する決定をしなければならない

 

 

 

⑥【H29年出題】

 傷病補償年金を受ける労働者の障害の程度に変更があり、新たに他の傷病等級に該当するに至った場合には、所轄労働基準監督署長は、裁量により、新たに該当するに至った傷病等級に応ずる傷病補償年金を支給する決定ができる。

 

 

 

 

 

【解答】

⑥【H29年出題】 ×

 障害の程度に変更があり、新たに他の傷病等級に該当するに至った場合には、所轄労働基準監督署長は、「傷病等級の変更による傷病補償年金の変更に関する決定をしなければならない」です。

 

 

⑦【H29年出題】

 傷病補償年金の受給者の障害の程度が軽くなり、厚生労働省令で定める傷病等級に該当しなくなった場合には、当該傷病補償年金の受給権は消滅するが、なお療養のため労働できず、賃金を受けられない場合には、労働者は休業補償給付を請求することができる。

 

 

 

 

【解答】

⑦【H29年出題】 〇

 傷病等級に該当しなくなった場合には、傷病補償年金の受給権は消滅します。

ただし、なお療養のため労働できず、賃金を受けられない場合には、労働者は休業補償給付を請求することができます。

 傷病補償年金から休業補償給付の切り替えについて、下の図③でイメージしましょう。

社労士受験のあれこれ

図①

図②

図③

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→ https://youtu.be/nfC3NpRX6G0?si=DqKQYFquZbwOWc0s