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社会保険労務士合格研究室

厚生年金保険法「在職老齢年金について」

R8-216 03.28

在職老齢年金の重要用語|(改正)支給停止調整額

 まず、在職老齢年金の仕組みを確認しましょう。

★基本月額+総報酬月額相当額 → 支給停止調整額以下

→ 支給停止されません。(老齢厚生年金は全額支給されます)

★基本月額+総報酬月額相当額 → 支給停止調整額を超える

→ 支給停止基準額が支給停止されます。

 

条文のポイントを読んでみましょう

法第46

① 老齢厚生年金の受給権者が被保険者(前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者に限る。)である日(厚生労働省令で定める日を除く。)が属する月において、総報酬月額相当額及び基本月額との合計額が支給停止調整額を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、支給停止基準額に相当する部分の支給を停止する。 ただし、支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部(繰下げ加算額を除く。)の支給を停止するものとする。

 

 

・総報酬月額相当額

 →その者の「標準報酬月額」と「その月以前の1年間の標準賞与額の総額12で除して得た額」とを合算して得た額

・基本月額

 → 老齢厚生年金の額(加給年金額及び繰下げ加算額除く)12で除して得た額

・支給停止基準額

 →総報酬月額相当額と基本月額との合計額から支給停止調整額を控除して得た額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額 

 

 

➂ 支給停止調整額は、62万円とする。

 ただし、62万円に令和7年度以後の各年度の物価変動率に第43条の2第1項第2号に掲げる率を乗じて得た率をそれぞれ乗じて得た額 (その額に5千円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て5千円以上1万円未満の端数が生じたときは、これを 1万円に切り上げるものとする。)62万円(支給停止調整額の改定の措置が講ぜられたときは、直近の当該措置により改定した額)を超え、又は下るに至った場合においては、当該年度の4月以後の支給停止調整額を当該乗じて得た額に改定する。

 

★令和8年度の支給停止調整額は「65万円」です。

 

 

過去問を解いてみましょう

①【H28年選択式】

 厚生年金保険法第46条第1項の規定によると、60歳台後半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者(前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者に限る。)である日(厚生労働省令で定める日を除く。)が属する月において、その者の標準報酬月額とその月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額(以下「< A >」という。)及び老齢厚生年金の額(厚生年金保険法第44条第1項に規定する加給年金額及び同法第44条の3第4項に規定する加算額を除く。以下同じ。)12で除して得た額(以下「基本月額」という。)との合計額が< B >を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、< A >と基本月額との合計額から< B >を控除して得た額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額(以下「< C >」という。)に相当する部分の支給を停止する。ただし、< C >が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部(同法第44条の3に規定する加算額を除く。)の支給を停止するものとされている。

<選択肢>

② 支給調整開始額   ➂ 支給調整基準額   ④ 支給停止開始額

⑤ 支給停止額   ⑥ 支給停止基準額   ⑦ 支給停止調整額

⑪ 総報酬月額   ⑫ 総報酬月額相当額   ⑬ 定額部分   

⑰ 標準賞与月額相当額   ⑱ 平均標準報酬月額   ⑲ 報酬比例部分

 

 

 

 

 

【解答】

①【H28年選択式】

A> ⑫ 総報酬月額相当額

B> ⑦ 支給停止調整額

C> ⑥ 支給停止基準額   

 

 

 

②【R4年出題】

 在職老齢年金について、支給停止額を計算する際に使用される支給停止調整額は、一定額ではなく、年度ごとに改定される場合がある。

 

 

 

 

 

【解答】

②【R4年出題】 〇

 支給停止調整額は、厚生年金保険法第46条第3項の規定により、名目賃金の変動に応じて改定されます。

令和8年度の支給停止調整額は65万円となっています。

 

 

 

★総報酬月額相当額の定義★

➂【H25年出題】

 在職老齢年金の支給停止額を計算する際の「総報酬月額相当額」とは、その者の標準報酬月額と直前の71日以前1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算した額である。

 

 

 

 

 

 

【解答】

➂【H25年出題】 ×

 在職老齢年金の支給停止額を計算する際の「総報酬月額相当額」とは、「その者の標準報酬月額その月以前の1年間標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額」です。

「直前の71日以前1年間の」は誤りです。

 

 

 

★経過的加算額・繰下げ加算額について★

④【H29年出題】

60歳台後半の在職老齢年金の仕組みにおいて、経過的加算額及び繰下げ加算額は、支給停止される額の計算に用いる基本月額の計算の対象に含まれる。

 

 

 

 

 

【解答】

④【H29年出題】 ×

 「経過的加算額」も「繰下げ加算額」も、支給停止される額の計算に用いる基本月額の計算の対象に含まれません

 なお、「経過的加算額」が基本月額に含まれないことは、昭和62年法附則第62条第1項に規定されています。

 

 

 

⑤【R4年出題】

 在職中の被保険者が65歳になり老齢基礎年金の受給権が発生した場合、老齢基礎年金は在職老齢年金の支給停止額を計算する際に支給停止の対象とはならないが、経過的加算額については在職老齢年金の支給停止の対象となる。

 

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【R4年出題】 ×

・老齢基礎年金

→ 在職老齢年金の支給停止額を計算する際に支給停止の対象にならない

  全額支給されます。

・経過的加算額も

→ 在職老齢年金の支給停止の対象にならない

  全額支給されます。

(昭62年法附則第62条第1項)

 

 

 

⑥【R6年出題】

65歳以後の在職老齢年金の仕組みにおいて、在職中であり、被保険者である老齢厚生年金の受給権者が、66歳以降に繰下げの申出を行った場合、当該老齢厚生年金の繰下げ加算額は、在職老齢年金の仕組みによる支給停止の対象とはならない。

 

 

 

 

 

 

【解答】

⑥【R6年出題】 〇

 「老齢厚生年金の繰下げ加算額」は、在職老齢年金の仕組みによる支給停止の対象となりません。

 

 

★加給年金額について★

⑦【R3年出題】

 在職中の老齢厚生年金の支給停止の際に用いる総報酬月額相当額とは、被保険者である日の属する月において、その者の標準報酬月額とその月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額のことをいい、また基本月額とは、老齢厚生年金の額(その者に加給年金額が加算されていればそれを加算した額)を12で除して得た額のことをいう。

 

 

 

 

 

【解答】

⑦【R3年出題】 ×

 「基本月額」とは、老齢厚生年金の額(その者に加給年金額が加算されていればそれを除く)を12で除して得た額のことをいいます。

 加給年金額は、基本月額の計算に入りません。

 

 

 

⑧【R6年出題】

 加給年金額が加算されている老齢厚生年金の受給権者であっても、在職老齢年金の仕組みにより、自身の老齢厚生年金の一部の支給が停止される場合、加給年金額は支給停止となる。

 

 

 

 

 

【解答】

⑧【R6年出題】 ×

 在職老齢年金の仕組みにより、老齢厚生年金の「一部」の支給が停止される場合でも、加給年金額は全額支給されます。

 なお、在職老齢年金の仕組みにより、老齢厚生年金の「全部」の支給が停止される場合は、加給年金額は支給停止されます。

 

 

 

70歳以上★

⑨【R4年出題】

 在職老齢年金は、総報酬月額相当額と基本月額との合計額が支給停止調整額を超える場合、年金額の一部又は全部が支給停止される仕組みであるが、適用事業所に使用される70歳以上の者に対しては、この在職老齢年金の仕組みが適用されない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑨【R4年出題】 ×

 適用事業所に使用されていても、70歳以上の者は厚生年金保険の被保険者ではありませんが、在職老齢年金の仕組みは適用されます。

(法第46条第1項)

 

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