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社会保険労務士合格研究室

雇用保険法「高年齢雇用継続給付」

R8-232 04.13

高年齢雇用継続給付の「支給対象月」について

 高年齢雇用継続給付には、「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」の2つがあります。

★高年齢雇用継続基本給付金

 被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く)に対して支給対象月に支払われた賃金の額が、「みなし賃金日額」に30を乗じて得た額100分の75に相当する額を下回るに至った場合に、当該支給対象月について支給されます。

ただし、次のいずれかに該当するときは、支給されません。

1) 被保険者が60歳に達した日を基本手当の受給資格に係る離職の日とみなして算定した算定基礎期間に相当する期間が、5年に満たないとき。

2) 当該支給対象月に支払われた賃金の額が、386,922(支給限度額)以上であるとき。

 

 支給対象月について条文を読んでみましょう

法第61条第2

 「支給対象月」とは、被保険者が60に達した日の属する月から65に達する日の属する月までの期間内にある(その月の初日から末日まで引き続いて被保険者であり、かつ、介護休業給付金又は育児休業給付金、出生時育児休業給付金若しくは出生後休業支援給付金の支給を受けることができる休業及び教育訓練休暇給付金の支給を受けることができる休暇取得をしなかった月に限る)をいう。

 

ポイント!

 「支給対象月」は「暦月」です。

・初日から末日まで継続して被保険者であること=雇用されていること。

・また、例えば、月の初日から末日までの間に引き続いて育児休業給付金の支給対象となる育児休業を取得していた場合は、当該月に係る高年齢雇用継続給付は支給されません。

 

★高年齢再就職給付金

 受給資格者(その受給資格に係る離職の日における算定基礎期間が5年以上あり、かつ、当該受給資格に基づく基本手当の支給を受けたことがある者に限る)60歳に達した日以後安定した職業に就くことにより被保険者となった場合に、再就職後の支給対象月に支払われた賃金の額が、基本手当の日額の算定の基礎となつた賃金日額に30を乗じて得た額の100分の75に相当する額を下回るに至ったときに、当該再就職後の支給対象月について支給されます。

 ただし、次のいずれかに該当するときは、支給されません。

1) 就職日の前日における支給残日数が、100日未満であるとき。

2) 再就職後の支給対象月に支払われた賃金の額が、386,922(支給限度額)以上であるとき。 

 

 支給対象月について条文を読んでみましょう

法第61条の2第2

 「再就職後の支給対象月」とは、就職日の属する月から当該就職日の翌日から起算して2年(当該就職日の前日における支給残日数が200日未満である被保険者については、1年)を経過する日の属する月(その月が被保険者が65歳に達する日の属する月後であるときは、65歳に達する日の属する月)までの期間内にある月(その月の初日から末日まで引き続いて被保険者であり、かつ、介護休業給付金又は育児休業給付金、出生時育児休業給付金若しくは出生後休業支援給付金の支給を受けることができる休業及び教育訓練休暇給付金の支給を受けることができる休暇の取得をしなかった月に限る)をいう。

 

 

過去問を解いてみましょう

①【R4年出題】

 60歳に達した被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。)であって、57歳から59歳まで連続して20か月基本手当等を受けずに被保険者でなかったものが、当該期間を含まない過去の被保険者期間が通算して5年以上であるときは、他の要件を満たす限り、60歳に達した日の属する月から高年齢雇用継続基本給付金が支給される。

 

 

 

 

 

【解答】

①【R4年出題】 ×

 60歳に達した日の属する月から高年齢雇用継続基本給付金が支給されるには、「60歳到達時」に、被保険者であった期間が通算して5年以上あることが必要です。

 問題文のように、57歳から59歳まで20か月被保険者でなかった場合は、基本手当等を受けなかったとしても、その前の被保険者であった期間は通算されません。

 問題文の場合は、通算して5年以上の要件を満たさないので、60歳に達した日の属する月から高年齢雇用継続基本給付金は、支給されません。

(行政手引59011

 

 

 

②【R1年出題】

 60歳に達した日に算定基礎期間に相当する期間が5年に満たない者が、その後継続雇用され算定基礎期間に相当する期間が5年に達した場合、他の要件を満たす限り算定基礎期間に相当する期間が5年に達する日の属する月から65歳に達する日の属する月まで高年齢雇用継続基本給付金が支給される。

 

 

 

 

 

【解答】

②【R1年出題】 〇

60歳時点で5年未満でも、その後5年に達した場合は、高年齢雇用継続基本給付金の対象となり得ます。

 その場合は、「支給対象月」に注意しましょう。

60歳到達時に算定基礎期間に相当する期間が5年以上ある場合

→ 支給対象月は、「60歳に達した日の属する月」から、「65歳に達する日の属する月」まで

60歳到達に被保険者であった期間が5年に達した場合

→ 支給対象月は、「通算した被保険者であった期間(=算定基礎期間に相当する期間)が5年に達する日の属する月」から65歳に達する日の属する月まで

(行政手引59012

 

 

 

➂【H27年出題】

 高年齢雇用継続給付を受けていた者が、暦月の途中で、離職により被保険者資格を喪失し、1日以上の被保険者期間の空白が生じた場合、その月は高年齢雇用継続給付の支給対象とならない。

 

 

 

 

 

【解答】

➂【H27年出題】 〇

 「支給対象月」については、初日から末日まで被保険者として継続して雇用されていることが条件です。

 暦月の途中で、離職により被保険者資格を喪失し、1日以上の被保険者期間の空白が生じた場合は、条件に当てはまりませんので、その月は高年齢雇用継続給付の支給対象となりません。

(行政手引59013

 

 

 

④【R4年出題】

 支給対象期間の暦月の初日から末日までの間に引き続いて介護休業給付の支給対象となる休業を取得した場合、他の要件を満たす限り当該月に係る高年齢雇用継続基本給付金を受けることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

④【R4年出題】 ×

 支給対象期間の暦月の初日から末日までの間引き続いて介護休業給付の支給対象となる休業を取得した場合は、当該月に係る高年齢雇用継続基本給付金は支給されません。

(行政手引59013

 なお、月の一部が育児休業給付又は介護休業給付の支給対象となる場合は、高齢雇用継続給付が支給されることがあります。

 

 

 

⑤【H30年選択式】

 雇用保険法第61条の2第1項は、「高年齢再就職給付金は、受給資格者(その受給資格に係る離職の日における第22条第3項の規定による算定基礎期間が< A >以上あり、かつ、当該受給資格に基づく基本手当の支給を受けたことがある者に限る。)60歳に達した日以後安定した職業に就くことにより被保険者となつた場合において、当該被保険者に対し再就職後の支給対象月に支払われた賃金の額が、当該基本手当の日額の算定の基礎となつた賃金日額に30を乗じて得た額の100分の75に相当する額を下るに至つたときに、当該再就職後の支給対象月について支給する。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

1 当該職業に就いた日(次項において「就職日」という。)の前日における支給残日数が、< B >未満であるとき。

2 当該再就職後の支給対象月に支払われた賃金の額が、支給限度額以上であるとき。」と規定している。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【H30年選択式】

<A> 5年

<B> 100日

 

 

⑥【R1年出題】

 再就職の日が月の途中である場合、その月の高年齢再就職給付金は支給しない。

 

 

 

 

【解答】

⑥【R1年出題】 〇

 支給対象月において、初日から末日まで被保険者として継続して雇用されていることが条件です。

 再就職の日が月の途中である場合は、条件を満たしませんので、その月の高年齢再就職給付金は支給されません。

(行政手引59023

 

 

 

⑦【H22年出題】

 高年齢再就職給付金は、基本手当の支給残日数のいかんにかかわらず、当該被保険者が65歳に達する日の属する月よりも後の月について支給されることはない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑦【H22年出題】 〇

★高年齢再就職給付金の支給対象期間について

・基本手当の支給残日数が200日以上の場合

→ 被保険者となった日の翌日から2を経過した日の属する月まで

・基本手当の支給残日数が100日以上200日未満の場合

→ 被保険者となった日の翌日から1を経過した日の属する月まで

・ただし、2年又は1年を経過する日の65歳に達する日がある場合

→ 65歳に達する日の属する月まで

■基本手当の支給残日数のいかんにかかわらず、当該被保険者が65歳に達する日の属する月よりも後の月については、高年齢再就職給付金は支給されません。

(行政手引59022

 

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