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R8-289 06.09
事業場外労働のみなし労働時間制とは?
・労働者が労働時間の全部又は一部を事業場外で業務に従事した
↓
・使用者が労働時間の算定をすることが困難
↓
・<原則>所定労働時間労働したとみなすことができる制度
条文を読んでみましょう
法第38条の2 ① 労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。 ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。 ② 前項ただし書の場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間を同項ただし書の当該業務の遂行に通常必要とされる時間とする。 ③ 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。 |
<原則> 所定労働時間労働したものとみなす
<例外>事業場外の業務を遂行するために、通常所定労働時間を超えて労働することが必要である場合
・その業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす
・労使協定があるときは、労使協定で定める時間が当該業務の遂行に通常必要とされる時間となる
過去問を解いてみましょう
①【R1年出題】
労働基準法第38条の2に定めるいわゆる事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定で定める時間が法定労働時間以下である場合には、当該労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出る必要はない。

【解答】
①【R1年出題】 〇
「法第38条の2第3項の規定による届出は、所轄労働基準監督署長にしなければならない。ただし、労使協定で定める時間が法定労働時間以下である場合には、当該労使協定を届け出ることを要しない。」とされています。
(則第24条の2第3項)
②【H18年出題】
労働基準法第38条の2の規定によれば、労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、原則として所定労働時間労働したものとみなされるが、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。この場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間が、当該業務の遂行に通常必要とされる時間とされる。

【解答】
②【H18年出題】 〇
ポイントを穴埋めで確認しましょう
労働基準法第38条の2の規定によれば、労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、< A >ときは、原則として< B >労働したものとみなされるが、当該業務を遂行するためには< C >< B >を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、当該業務の遂行に < C >必要とされる時間労働したものとみなす。この場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間が、当該業務の遂行に< C >必要とされる時間とされる。

(解答)
<A> 労働時間を算定し難い
<B> 所定労働時間
<C> 通常
③【R6年出題】
労働者が情報通信技術を利用して行う事業場外勤務(テレワーク)においては、「情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと」さえ満たせば、労働基準法第38条の2に定めるいわゆる事業場外みなし労働時間制を適用することができる。

【解答】
③【R6年出題】 ×
テレワークにおいては、「情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと」だけ満たしていても、事業場外みなし労働時間制は適用されません。
「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドラインについて」を読んでみましょう。
事業場外みなし労働時間制は、労働者が事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定することが困難なときに適用される制度であり、使用者の具体的な指揮監督が及ばない事業場外で業務に従事することとなる場合に活用できる制度である。テレワークにおいて一定程度自由な働き方をする労働者にとって、柔軟にテレワークを行うことが可能となる。 テレワークにおいて、次の①②をいずれも満たす場合には、制度を適用することができる。 ① 情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと この解釈については、以下の場合については、いずれも①を満たすと認められ、情報通信機器を労働者が所持していることのみをもって、制度が適用されないことはない。 ・ 勤務時間中に、労働者が自分の意思で通信回線自体を切断することができる場合 ・ 勤務時間中は通信回線自体の切断はできず、使用者の指示は情報通信機器を用いて行われるが、労働者が情報通信機器から自分の意思で離れることができ、応答のタイミングを労働者が判断することができる場合 ・ 会社支給の携帯電話等を所持していても、その応答を行うか否か、又は折り返しのタイミングについて労働者において判断できる場合
② 随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと 以下の場合については②を満たすと認められる。 ・ 使用者の指示が、業務の目的、目標、期限等の基本的事項にとどまり、一日のスケジュール(作業内容とそれを行う時間等)をあらかじめ決めるなど作業量や作業の時期、方法等を具体的に特定するものではない場合 (令3.3.25基発0325第2号) |
④【H27年選択式】※長文問題のため問題文の大部分を省略しています
業務の性質、内容やその遂行の態様、状況等、本件会社と添乗員との間の業務に関する指示及び報告の方法、内容やその実施の態様、状況等に鑑みると、本件添乗業務については、これに従事する添乗員の勤務の状況を具体的に把握することが困難であったとは認め難く、労働基準法38条の2第1項にいう「< A >」に当たるとはいえないと解するのが相当である。
(選択肢)
⑥ 業務の遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるとき
⑧ 使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚生労働省令で定める業務
⑭ 通常必要とされた時間労働したもの
⑳ 労働時間を算定し難いとき

【解答】
<A> ⑳ 労働時間を算定し難いとき
「募集型の企画旅行における添乗員の業務につき,労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たらないとされた事例」からの出題です。
問題文が長文でしたので、結論の部分だけ抜粋しています。
なお、裁判の要旨は以下の通りです。
募集型の企画旅行における添乗員の業務については、次の(1)、(2)など判示の事情の下では、労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たるとはいえない。 (1) 当該業務は、旅行日程がその日時や目的地等を明らかにして定められることによって、その内容があらかじめ具体的に確定されており、添乗員が自ら決定できる事項の範囲及びその決定に係る選択の幅は限られている。 (2) 当該業務について、上記企画旅行を主催する旅行業者は、添乗員との間で、あらかじめ定められた旅行日程に沿った旅程の管理等の業務を行うべきことを具体的に指示した上で、予定された旅行日程に途中で相応の変更を要する事態が生じた場合にはその時点で個別の指示をするものとされ、旅行日程の終了後は内容の正確性を確認し得る添乗日報によって業務の遂行の状況等につき詳細な報告を受けるものとされている。 (平成26年1月24日 第二小法廷判決)
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