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社会保険労務士合格研究室

労災保険法【業務災害】

R8-302 06.22

【労災保険】業務上外の認定  

 まず、「業務遂行性」と「業務起因性」について整理しましょう。

■業務遂行性

業務遂行性とは、労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にある状態をいいます。

■業務起因性

業務起因性とは、業務と負傷、疾病、障害又は死亡との間に因果関係がある状態をいいます。

 

 業務災害と認められるには、「業務遂行性」があること、次に「業務起因性」があることが必要です。

 

過去問で事例を見ていきましょう

①【H26年出題】

 労働者が業務に起因して負傷又は疾病を生じた場合に該当すると認められるためには、業務と負傷又は疾病との間に相当因果関係があることが必要である。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H26年出題】 〇

 労働者が業務に起因して負傷又は疾病を生じた場合に該当する(=業務起因性がある)と認められるためには、業務と負傷又は疾病との間に相当因果関係があることが必要です。

 裁判でも確定した考え方となっています。

→ 「職員が公務上死亡した場合」とは、職員が公務に基づく負傷又は疾病に起因して死亡した場合をいい、右負傷又は疾病と公務との間には相当因果関係のあることが必要であり、その負傷又は疾病が原因となって死亡事故が発生した場合でなければならない。」

(昭51.11.12最高裁第二小法廷判決)

 

 

 

テーマ 通勤途上(突発事故のため休日出勤する途上の事故)

②【R7年出題】

 鉄道保線作業に従事する労働者が、休日に自己の担当する鉄道沿線で事故があったため、使用者の呼び出しを受けて自宅から現場にかけつける途上で、つまずいて転倒し、負傷した場合、業務災害として保険給付の対象となる。

 

 

 

 

 

【解答】

②【R7年出題】 〇

 使用者の呼び出しを受けて自宅から現場にかけつける途上の事故は、休日であっても、自宅から現場までの途上は、「業務遂行中」と解されます。

(昭24.1.19基収第3375号)

 

 

 

 

テーマ 緊急業務中

③【R7年出題】

 職場から2駅離れた社宅に居住する労働者が、休日に、台風のため社宅付近の大木が倒れたことに伴って切断された高圧電線がショートし、枯木に火が付く様子を社宅から目撃したことから、社宅への延焼を防止しようと作業していたところ、強風にあおられた高圧電線に接触して死亡した場合、業務災害として保険給付の対象となる。

 

 

 

 

 

 

【解答】

③【R7年出題】 ×

 自己の居住する社宅の防火活動をもって、事業施設の防火活動とみることは困難で、事業場の緊急事態に係るものと解することはできない。

その間に生じた死亡を、業務上とみとめることができないとされた事例です。

(昭24.12.15基収4028号)

 

 

 

 

テーマ 休憩時間中

④【H28年出題】

 道路清掃工事の日雇い労働者が、正午からの休憩時間中に同僚と作業場内の道路に面した柵にもたれて休憩していたところ、道路を走っていた乗用車が運転操作を誤って柵に激突した時に逃げ遅れ、柵と自動車に挟まれて胸骨を骨折した場合、業務上の負傷と認められる。

 

 

 

 

 

【解答】

④【H28年出題】 〇

 作業所が街路上で、被災者らは常に自動車等による交通危険にさらされている場所で休憩せざるを得なかった事情にあった。

このために生じた負傷は、「業務上の負傷」と認められます。

(昭25.6.8基災収発第1252号)

 

 

 

 

テーマ 出張中

⑤【H26年出題】

 明日午前8時から午後1時までの間に、下請業者の実施する隣町での作業を指導監督するよう出張命令を受け、翌日、午前7時すぎ、自転車で自宅を出発し、列車に乗車すべく進行中、踏切で列車に衝突し死亡したが、同人が乗車しようとしていた列車が通常の通勤の場合にも利用していたものである場合は、通勤災害とされている。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【H26年出題】 ×

 出張業務については、「自宅を出てから自宅に帰るまでが出張途上にある」と考えられています。

 そのため、順路の一部が、通常の通勤経路と重なっていたとしても、既に、「出張業務遂行中」とみられるため、問題文の場合は、通勤災害ではなく、「出張業務遂行」に起因すると解され、「業務上」となります。

(昭34.7.15基収2980号)

 

 

 

 

⑥【H25年出題】

 出張の機会を利用して当該出張期間内において、出張先に赴く前後に自宅に立ち寄る行為(自宅から次の目的地に赴く行為を含む。)については、当該立ち寄る行為が、出張経路を著しく逸脱していないと認められる限り、原則として、通常の出張の場合と同様、業務として取り扱われる。

 

 

 

 

 

【解答】

⑥【H25年出題】 〇

 「出張の機会を利用して当該出張期間内において、出張先に赴く前後に自宅に立ち寄る行為(自宅から次の目的地に赴く行為を含む。)については、当該立ち寄る行為が、出張経路を著しく逸脱していないと認められる限り、原則として、通常の出張の場合と同様、業務として取り扱うこと。」とされています。

(18.3.31基労管発第0331001号/基労補発第0331003)

 

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