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R8-303 06.23
過去問で通勤災害の事例をみていきましょう
テーマ 住居・就業の場所
①【R4年出題】
一戸建ての家に居住している労働者が、いつも退社する時刻に仕事を終えて自宅に向かってふだんの通勤経路を歩き、自宅の門をくぐって玄関先の石段で転倒し負傷した場合、通勤災害に当たらない。

【解答】
①【R4年出題】 〇
一戸建ての住居の玄関先は、一般人が自由に通行できるものではありません。
自宅の門をくぐって玄関先の石段で転倒し負傷した場合は、通勤経路上というより、被災労働者の住居内で発生したと判断されるので、通勤災害に当たりません。
(昭49.7.15基収2110号)
②【R4年出題】
アパートの2階の一部屋に居住する労働者が、いつも会社に向かって自宅を出発する時刻に、出勤するべく靴を履いて自室のドアから出て1階に降りようとした時に、足が滑り転倒して負傷した場合、通勤災害に当たらない。

【解答】
②【R4年出題】 ×
労働者が居住するアパートの外戸が住居と通勤経路の境界となります。
そのため、アパートの階段は、通勤経路となります。自室のドアから出て1階に降りようとした時に、足が滑り転倒して負傷した場合は、通勤災害に該当します。
(昭49.4.9基収314号)
③【R6年出題】
労働者が、退勤時にタイムカードを打刻し、更衣室で着替えをして事業場施設内の階段を降りる途中、ズボンの裾が靴に絡んだために足を滑らせ、階段を5段ほど落ちて腰部を強打し負傷した場合、通勤災害とは認められない。

【解答】
③【R6年出題】 〇
事業主の支配管理下にある事業場施設の状況により生じた災害ですので、通勤災害ではありません。
(昭49.4.9基収第314号)
④【R6年出題】
マイカー通勤をしている労働者が、勤務先会社から市道を挟んだところにある同社の駐車場に車を停車し、徒歩で職場に到着しタイムカードを打刻した後、フォグライトの消し忘れに気づき、徒歩で駐車場へ引き返すべく市道を横断する途中、市道を走ってきた軽自動車にはねられ負傷した場合、通勤災害とは認められない。

【解答】
④【R6年出題】 ×
マイカー通勤をしている労働者が、フォグライトの消し忘れに気づき、駐車場へ引き返すことは一般にあり得ることで、通勤とかけ離れた行為でなく、この場合、いったん事業構内に入った後でも、まだ、時間の経過もほとんどないことなどから通勤に通常随伴する行為と認められるので、通勤災害として取り扱われます。
(昭49.6.19基収1739号)
テーマ 住居と就業の場所との移動
⑤【R6年出題】
頸椎を手術した配偶者の看護のため、手術後1か月ほど姑と交替で1日おきに病院に寝泊まりしていた労働者が、当該病院から徒歩で出勤する途中、横断歩道で軽自動車にはねられ負傷したした場合、当該病院から勤務先に向かうとすれば合理的である経路・方法をとり逸脱・中断することなく出勤していたとしても、通勤災害とは認められない。

【解答】
⑤【R6年出題】 ×
「入院中の夫の看護のため、妻が病院に寝泊まりすることは、社会慣習上通常行われること」、「手術当日から長期間継続して寝泊りしていた事実がある」ことから、被災当日の病院は、被災労働者にとって就業のための拠点である「住居」となります。
そのため、通勤災害と認められます。
(昭52.12.23基収第981号)
⑥【R4年出題】
同一市内に住む長女が出産するため、15日間、幼児2人を含む家族の世話をするために長女宅に泊まり込んだ労働者にとって、長女宅は、就業のための拠点としての性格を有する住居と認められる。

【解答】
⑥【R4年出題】 〇
「被災労働者が長女宅に居住し、そこから通勤するという行為には、社会生活上の必要性が認められる」、「一定期間そこに居住していたという継続性が認められる」ため、長女宅は、就業のための拠点としての性格を有する住居と認められます。
(昭52.12.23基収1075号)
テーマ 合理的な経路及び方法
⑦【R6年出題】
マイカー通勤をしている労働者が、同一方向にある配偶者の勤務先を経由するため、通常通り自分の勤務先を通り越して通常の通勤経路を450メートル走行し、配偶者の勤務先で配偶者を下車させて自分の勤務先に向かって走行中、踏切で鉄道車両と衝突して負傷した場合、通勤災害とは認められない。

【解答】
⑦【R6年出題】 ×
マイカー通勤の共稼ぎ労働者である、配偶者の勤務先が同一方向にあり、自分の通勤経路からさほど離れていない、通勤をマイカーで行い、配偶者の勤務先を経由することは通常行われるものであることなどから、問題文の経路は「合理的な経路」として取り扱われ、通勤災害と認められます。
(昭49.3.4基収289号)
テーマ 出勤途上における急性心不全
⑧【R6年出題】
長年営業に従事している労働者が、通常通りの時刻に通常通りの経路を徒歩で勤務先に向かっている途中に突然倒れ、急性心不全で死亡した場合、通勤災害と認められる。

【解答】
⑧【R6年出題】 ×
特に発病の原因となるような通勤による負傷又は通勤に関連する突発的な出来事等が認められないため「通勤に通常伴う危険が具体化したもの」と認められません。
通勤を単なるきっかけとして偶然に生じたにすぎないので、通勤起因性は認められません。問題文は、通勤災害とは認められません。
(昭50.6.9基収第4039号)
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