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R8-304 06.24
労働基準法施行規則別表第1の2各号には、「職業上の疾病」の範囲が定められています。(職業病リストといいます)
今回は、その中の8号の「長期間にわたる長時間の業務その他血管病変等を著しく増悪させる業務による脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、高血圧性脳症、心筋梗塞、狭心症、心停止(心臓性突然死を含む。)、重篤な心不全若しくは大動脈解離又はこれらの疾病に付随する疾病」についてみていきます。
「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」に要件が示されています。
次の(1)、(2)又は(3)の業務による明らかな過重負荷を受けたことにより発症した脳・心臓疾患は、業務に起因する疾病として取り扱う。 (1) 発症前の長期間にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務(以下「長期間の過重業務」という。)に就労したこと。 (2) 発症に近接した時期において、特に過重な業務(以下「短期間の過重業務」という。)に就労したこと。 (3) 発症直前から前日までの間において、発生状態を時間的及び場所的に明確にし得る異常な出来事(以下「異常な出来事」という。)に遭遇したこと。 |
過去問を解きながらポイントを確認しましょう
①【H28年選択式】※改正による修正あり
厚生労働省労働基準局長通知(「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について」令和3年9月14日付け基発0914第1号)において、発症前の長期間にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したことによる明らかな過重負荷を受けたことにより発症した脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)は、業務上の疾病として取り扱うこととされている。
業務の過重性の評価にあたっては、発症前の一定期間の就労実態等を考察し、発症時における疲労の蓄積がどの程度であったかという観点から判断される。
「発症前の長期間とは、発症前おおむね< A >をいう」とされている。疲労の蓄積をもたらす要因は種々あるが、最も重要な要因と考えられる労働時間に着目すると、「発症前< B >におおむね100時間又は発症前< C >にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること」を踏まえて判断される。ここでいう時間外労働時間数は1週間当たり40時間を超えて労働した時間数である。
(選択肢)
⑨ 3か月間 ⑩ 6か月間 ⑪ 12か月間 ⑫ 1~3か月間
⑬ 1週間 ⑭ 2週間 ⑮ 4週間 ⑯ 1か月間
⑰ 1か月間ないし6か月間 ⑱ 1か月間ないし12か月間
⑲ 2か月間ないし6か月間 ⑳ 2か月間ないし12か月間

【解答】
<A> ⑩ 6か月間
<B> ⑯ 1か月間
<C> ⑲ 2か月間ないし6か月間
★評価期間について
・長期間の過重業務 → 発症前おおむね6か月間
・短期間の過重業務 → 発症前おおむね1週間
・異常な出来事 → 発症直前から前日までの間
②【R5年出題】
「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について」(令和3年9月14日付け基発0914 第1 号)で取り扱われる対象疾病に含まれるものは、次のアからオの記述のうちいくつあるか。
ア 狭心症
イ 心停止(心臓性突然死を含む。)
ウ 重篤な心不全
エ くも膜下出血
オ 大動脈解離
<A> 一つ
<B> 二つ
<C> 三つ
<D> 四つ
<E> 五つ

【解答】
②【R5年出題】
<E> 五つ
5つとも対象疾病に含まれます。
③【R4年出題】
発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められない場合には、これに近い労働時間が認められたとしても、業務と発症との関連性が強いと評価することはできない。

【解答】
③【R4年出題】 ×
「発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働」の水準には至らないがこれに近い時間外労働が認められる場合には、特に他の負荷要因の状況を十分に考慮し、そのような時間外労働に加えて一定の労働時間以外の負荷が認められるときには、業務と発症との関連性が強いと評価できることを踏まえて判断すること。」とされています。
(令和3年9月14日付け基発0914第1号)
④【R4年出題】
心理的負荷を伴う業務については、精神障害の業務起因性の判断に際して、負荷の程度を評価する視点により検討、評価がなされるが、脳・心臓疾患の業務起因性の判断に際しては、同視点による検討、評価の対象外とされている。

【解答】
④【R4年出題】 ×
脳・心臓疾患の業務起因性の判断に際しても、「心理的負荷を伴う業務については、別表1及び別表2に掲げられている日常的に心理的負荷を伴う業務又は心理的負荷を伴う具体的出来事等について、負荷の程度を評価する視点により検討し、評価すること。」とされています。
(令和3年9月14日付け基発0914第1号)
⑤【R4年出題】
短期間の過重業務については、発症直前から前日までの間に特に過度の長時間労働が認められる場合や、発症前おおむね1週間継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度の長時間労働が認められる場合に、業務と発症との関連性が強いと評価できるとされている。

【解答】
⑤【R4年出題】 〇
「労働時間の長さは、業務量の大きさを示す指標であり、また、過重性の評価の最も重要な要因であるので、評価期間における労働時間については十分に考慮し、発症直前から前日までの間の労働時間数、発症前1週間の労働時間数、休日の確保の状況等の観点から検討し、評価すること。 」とされていて、その際、問題文のような場合は、「業務と発症との関係性が強いと評価できることを踏まえて判断すること。」とされています。
(令和3年9月14日付け基発0914第1号)
⑥【R4年出題】
急激な血圧変動や血管収縮等を引き起こすことが医学的にみて妥当と認められる「異常な出来事」と発症との関連性については、発症直前から1週間前までの間が評価期間とされている。

【解答】
⑥【R4年出題】 ×
「異常な出来事」と発症との関連性については、通常、負荷を受けてから24時間以内に症状が出現するとされているので、発症直前から前日までの間を評価期間としています。
(令和3年9月14日付け基発0914第1号)
⑦【R4年出題】
業務の過重性の検討、評価に当たり、2以上の事業の業務による「長期間の過重業務」については、異なる事業における労働時間の通算がなされるのに対して、「短期間の過重業務」については労働時間の通算はなされない。

【解答】
⑦【R4年出題】 ×
「短期間の過重業務」についても労働時間の通算がなされます。
(1) 二以上の事業の業務による「長期間の過重業務」及び「短期間の過重業務」の判断 → 「長期間の過重業務」及び「短期間の過重業務」に関し、業務の過重性の検討に当たっては、異なる事業における労働時間を通算して評価する。また、労働時間以外の負荷要因については、異なる事業における負荷を合わせて評価する。 (2) 二以上の事業の業務による「異常な出来事」の判断 → 「異常な出来事」に関し、これが認められる場合には、一の事業における業務災害に該当すると考えられることから、一般的には、異なる事業における負荷を合わせて評価することはないものと考えられる。 (令和3年9月14日付け基発0914第1号) |
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