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R8-307 06.27
★複数事業労働者とは
→ 事業主が同一人でない2以上の事業に使用される労働者のこと
→ 各就業先の事業場で支払われている賃金額を合算した額を基礎として給付基礎日額が決まります
★複数業務要因災害とは
→ 複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする負傷、疾病、障害又は死亡のこと
「脳・心臓疾患や精神障害」などが対象です。
→ 事業主が同一でない複数の事業場の業務上の負荷(労働時間やストレス等)が総合的に評価されます
過去問を解いてみましょう
①【R3年選択式】
労災保険法は、令和2年に改正され、複数事業労働者(事業主が同一人でない2以上の事業に使用される労働者。以下同じ。)の2以上の事業の業務を要因とする負傷、疾病、障害又は死亡(以下「複数業務要因災害」という。)についても保険給付を行う等の制度改正が同年9月1日から施行された。複数事業労働者については、労災保険法第7条第1項第2号により、これに類する者も含むとされており、その範囲については、労災保険法施行規則第5条において、< A >と規定されている。複数業務要因災害による疾病の範囲は、労災保険法施行規則第18条の3の6により、労働基準法施行規則別表第1の2第8号及び第9号に掲げる疾病その他2以上の事業の業務を要因とすることの明らかな疾病と規定されている。複数業務要因災害に係る事務の所轄は、労災保険法第7条第1項第2号に規定する複数事業労働者の2以上の事業のうち、< B >の主たる事務所を管轄する都道府県労働局又は労働基準監督署となる。
(選択肢)
⑬ その収入が当該複数事業労働者の生計を維持する程度の最も高いもの
⑭ 当該複数事業労働者が最も長い期間勤務しているもの
⑮ 当該複数事業労働者の住所に最も近いもの
⑯ 当該複数事業労働者の労働時間が最も長いもの
⑰ 負傷、疾病、障害又は死亡の原因又は要因となる事由が生じた時点以前1か月間の間継続して事業主が同一人でない2以上の事業に同時に使用されていた労働者
⑱ 負傷、疾病、障害又は死亡の原因又は要因となる事由が生じた時点以前3か月間の間継続して事業主が同一人でない2以上の事業に同時に使用されていた労働者
⑲ 負傷、疾病、障害又は死亡の原因又は要因となる事由が生じた時点以前6か月間の間継続して事業主が同一人でない2以上の事業に同時に使用されていた労働者
⑳ 負傷、疾病、障害又は死亡の原因又は要因となる事由が生じた時点において事業主が同一人でない2以上の事業に同時に使用されていた労働者

【解答】
<A> ⑳ 負傷、疾病、障害又は死亡の原因又は要因となる事由が生じた時点において事業主が同一人でない2以上の事業に同時に使用されていた労働者
<B> ⑬ その収入が当該複数事業労働者の生計を維持する程度の最も高いもの
(則第1条第2項第2号、則第5条)
★Aについて
複数事業労働者の定義は、「事業主が同一人でない2以上の事業に使用される労働者」です。ただし、法第7条第1項第2号で、「これに類する者も含む」と規定されています。
その範囲は、則第5条で、「傷病等の原因又は要因となる事由が生じた時点において事業主が同一人でない2以上の事業に同時に使用されていた労働者」と定められています。
→ 傷病等の要因となる出来事と傷病等の発症の時期が必ずしも一致しないことがあるためです。
複数事業労働者については、傷病等が発症した時点で複数事業労働者に該当しない場合でも、当該傷病等の要因となる出来事と傷病等の因果関係が認められる期間の範囲内で複数事業労働者に当たるか否かを判断すべきときがあることから規定されています。
(R2.8.21基発0821第1号)
複数事業労働者となるのは
・算定事由発生日(傷病等の発生した日または診断によって疾病の発生が確定した日)に事業主が同一でない複数の事業場で就業している場合
・傷病等の原因または要因となる事由が生じた時点で事業主が同一でない複数の事業場で就業している場合
②【R5年出題】
新卒で甲会社に正社員として入社した労働者Pは、入社1年目の終了時に、脳血管疾患を発症しその日のうちに死亡した。Pは死亡前の1年間、毎週月曜から金曜に1日8時間甲会社で働くと同時に、学生時代からパートタイム労働者として勤務していた乙会社との労働契約も継続し、日曜に乙会社で働いていた。また、死亡6か月前から4か月前は丙会社において、死亡3か月前から死亡時までは丁会社において、それぞれ3か月間の期間の定めのある労働契約でパートタイム労働者として、毎週月曜から金曜まで甲会社の勤務を終えた後に働いていた。Pの遺族は、Pの死亡は業務災害又は複数業務要因災害によるものであるとして所轄労働基準監督署長に対し遺族補償給付又は複数事業労働者遺族給付の支給を求めた。当該署長は、甲会社の労働時間のみでは業務上の過重負荷があったとはいえず、Pの死亡は業務災害によるものとは認められず、また甲会社と乙会社の労働時間を合計しても業務上の過重負荷があったとはいえないが、甲会社と丙会社・丁会社の労働時間を合計した場合には業務上の過重負荷があったと評価でき、個体側要因や業務以外の過重負荷により発症したとはいえないことから、Pの死亡は複数業務要因災害によるものと認められると判断した。Pの遺族への複数事業労働者遺族給付を行う場合における給付基礎日額の算定に当たって基礎とする額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 甲会社につき算定した給付基礎日額である。
B 甲会社・乙会社それぞれにつき算定した給付基礎日額に相当する額を合算した額である。
C 甲会社・丁会社それぞれにつき算定した給付基礎日額に相当する額を合算した額である。
D 甲会社・丙会社・丁会社それぞれにつき算定した給付基礎日額に相当する額を合算した額である。
E 甲会社・乙会社・丁会社それぞれにつき算定した給付基礎日額に相当する額を合算した額である。

【解答】
②【R5年出題】
<E> 甲会社・乙会社・丁会社それぞれにつき算定した給付基礎日額に相当する額を合算した額である。
ポイント!
傷病等の発生日が算定事由発生日となり、その前3か月間に支払われた各事業場の賃金額を基礎に給付基礎日額が算定されます。
労働者Pは、死亡前3か月の間に、丙会社で働いていないので、丙会社は計算に入りません。
(R2.8.21基発0821第1号)
③【R6年出題】
休業補償給付が支給される三要件のうち「労働することができない」に関して、業務災害に被災した複数事業労働者が、現に一の事業場において労働者として就労しているものの、他方の事業場において当該業務災害に係る通院のため、所定労働時間の全部又は一部について労働することができない場合には、「労働することができない」に該当すると認められることがある。

【解答】
③【R6年出題】 〇
休業補償給付の3要件は、①「療養のため」②「労働することができない」ために③「賃金を受けない日」です。
★「労働することができない」について
→ 複数事業労働者が、現に一の事業場で労働者として就労しているものの、他方の事業場で当該業務災害に係る通院のため、所定労働時間の全部又は一部について労働することができない場合には、「労働することができない」に該当すると認められることがあります。
(R3.3.18/基管発0318第1号/基補発0318第6号/基保発0318第1号/)
④【R6年出題】
休業補償給付が支給される三要件のうち「賃金を受けない日」に関して、被災した複数事業労働者については、複数の就業先のうち、一部の事業場において、年次有給休暇等により当該事業場における平均賃金相当額(複数事業労働者を使用する事業ごとに算定した平均賃金に相当する額をいう。)の60%以上の賃金を受けることにより「賃金を受けない日」に該当しない状態でありながら、他の事業場において、当該業務災害による傷病等により無給での休業をしているため、「賃金を受けない日」に該当する状態があり得る。

【解答】
④【R6年出題】 〇
★「賃金を受けない日」について
複数事業労働者の休業(補償)等給付に係る「賃金を受けない日」の判断については、まず複数就業先における事業場ごとに行うこと。
その結果、一部の事業場でも賃金を受けない日に該当する場合には、当該日は「賃金を受けない日」に該当するものとして取り扱うこと。
一方、全ての事業場において賃金を受けない日に該当しない場合は、当該日は「賃金を受けない日」に該当せず、保険給付を行わないこと。
とされます。
(R3.3.18/基管発0318第1号/基補発0318第6号/基保発0318第1号/)
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