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社会保険労務士合格研究室

厚生年金保険法「遺族厚生年金の支給停止」

R8-310 06.30

【遺族厚生年金の支給停止その1】夫・父母・祖父母60歳まで

 遺族厚生年金の遺族となる要件として、「夫、父母又は祖父母」については、被保険者の死亡当時55歳以上であることが必要です。(法第59条)

 ただし、遺族となったとしても60歳までは支給が停止され、60歳以降に支給が開始されます。

 

★復習★ 国民年金法の「遺族基礎年金」の受給要件を復習しましょう

① 配偶者

被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時その者によって生計を維持し、かつ、子と生計を同じくすること。

② 

18歳に達する日以後の最初の331日までの間にあるか又は20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。

 配偶者が国民年金法の遺族基礎年金の遺族となるには、年齢要件はありませんが、子と生計を同じくすることが条件です。

 

 

今回は、厚生年金保険法の遺族厚生年金です。

条文を読んでみましょう

法第65条の2

夫、父母又は祖父母に対する遺族厚生年金は、受給権者が60歳に達するまでの期間、その支給を停止する

ただし、に対する遺族厚生年金については、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、夫が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは、この限りでない

 

 

 夫が遺族基礎年金の受給権を有する場合について図でイメージしましょう

 

 

過去問を解いてみましょう

★まず、夫が遺族厚生年金の受給権者になる要件を確認しましょう

①【R2年出題】

 遺族厚生年金は、被保険者の死亡当時、当該被保険者によって生計維持されていた55歳以上の夫が受給権者になることはあるが、子がいない場合は夫が受給権者になることはない。

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【R2年出題】 ×

 夫については、被保険者の死亡当時、当該被保険者によって生計維持されていて55歳以上であれば、遺族厚生年金の受給権が発生します。子がいる・いないは問われませんので、子がいなくても、夫が受給権者になることはあります。

 

 

 

 

②【R1年出題】

 被保険者であった妻が死亡した当時、当該妻により生計を維持していた54歳の夫と21歳の当該妻の子がいた場合、当該子は遺族厚生年金を受けることができる遺族ではないが、当該夫は遺族厚生年金を受けることができる遺族である。

 

 

 

 

 

【解答】

②【R1年出題】 ×

 「54歳の夫」も「21歳の当該妻の子」も、年齢要件を満たしませんので、遺族厚生年金を受けることができる遺族にはなりません。

 

 

★次に、夫の支給停止についてみていきましょう

③【R1年出題】

 平成2641日以後に被保険者又は被保険者であった者が死亡し、その者の夫と子に遺族厚生年金の受給権が発生した。当該夫に対する当該遺族厚生年金は、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、当該夫が国民年金法の規定による遺族基礎年金の受給権を有する場合でも、60歳に到達するまでの間、その支給を停止する。

 

 

 

 

 

【解答】

③【R1年出題】 ×

 夫に対する遺族厚生年金は、原則として60歳に到達するまでの間、支給が停止されますが、夫が国民年金法の規定による遺族基礎年金の受給権を有する場合は、60歳に到達するまでの間でも、支給を停止されません

 

 

 

 

④【H27年出題】

 夫(障害の状態にない)に対する遺族厚生年金は、当該夫が60歳に達するまでの期間、支給停止されるが、夫が妻の死亡について遺族基礎年金の受給権を有するときは、支給停止されない。

 

 

 

 

 

【解答】

④【H27年出題】 〇

(原則)

夫に対する遺族厚生年金は、当該夫が60歳に達するまでの期間、支給停止されます

(例外)

夫が妻の死亡について遺族基礎年金の受給権を有するときは、夫が60歳に達するまでの期間でも支給停止されません。

 

 

 

 

⑤【R5年出題】

 遺族厚生年金を受けることができる遺族のうち、夫については、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた者で、55歳以上であることが要件とされており、かつ、60歳に達するまでの期間はその支給が停止されるため、国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときも、55歳から遺族厚生年金を受給することはない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【R5年出題】 ×

・夫が遺族厚生年金の受給権者となるには、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた者で、55歳以上であることが要件です

・夫については、60歳に達するまでの期間はその支給が停止されるのが原則ですが、国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは、55歳から遺族厚生年金を受給できることがあります

 

 

 

 

⑥【H29年出題】

 15歳の子と生計を同じくする55歳の夫が妻の死亡により遺族基礎年金及び遺族厚生年金の受給権を取得した場合、子が18歳に達した日以後の最初の331日までの間は遺族基礎年金と遺族厚生年金を併給することができるが、子が18歳に達した日以後の最初の331日が終了したときは遺族基礎年金は失権し、その翌月から夫が60歳に達するまでの間は遺族厚生年金は支給停止される。なお、本問の子は障害の状態にはなく、また、設問中にある事由以外の事由により遺族基礎年金又は遺族厚生年金は失権しないものとする。

 

 

 

 

 

【解答】

⑥【H29年出題】 〇

15歳の子と生計を同じくする55歳の夫が妻の死亡により遺族基礎年金及び遺族厚生年金の受給権を取得した場合、子が18歳に達した日以後の最初の331日までの間遺族基礎年金と遺族厚生年金を併給することができます

・子が18歳に達した日以後の最初の331日が終了したときに遺族基礎年金は失権します。

・遺族基礎年金の失権時に、夫は58歳ですので、その翌月から夫が60歳に達するまでの間は遺族厚生年金は支給停止されます。

 

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