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R8-311 07.01
遺族厚生年金については、配偶者と子は同じ順位です。
ただし、配偶者が遺族厚生年金の支給を受けている間は、原則として、子の遺族厚生年金の支給は停止されます。
今回は、配偶者と子の調整をみていきます。
条文を読んでみましょう
法第66条 ① 子に対する遺族厚生年金は、配偶者が遺族厚生年金の受給権を有する期間、その支給を停止する。 ただし、配偶者に対する遺族厚生年金が前条本文、次項本文又は次条の規定により支給を停止されている間は、この限りでない。(支給停止が解除される) ・前条本文 →60歳までの支給停止 ・次項本文 →配偶者が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有しない場合であって子が当該遺族基礎年金の受給権を有するときの支給停止 ・次条の規定 →所在不明による支給停止 ② 配偶者に対する遺族厚生年金は、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、配偶者が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有しない場合であって子が当該遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、その支給を停止する。ただし、子に対する遺族厚生年金が次条の規定(所在不明)によりその支給を停止されている間は、この限りでない。
法第67条 ① 配偶者又は子に対する遺族厚生年金は、その配偶者又は子の所在が1年以上明らかでないときは、遺族厚生年金の受給権を有する子又は配偶者の申請によって、その所在が明らかでなくなった時にさかのぼって、その支給を停止する。 ② 配偶者又は子は、いつでも、支給の停止の解除を申請することができる。 |
過去問を解きながらポイントを確認しましょう
①【H26年出題】
被保険者の死亡により妻と子に遺族厚生年金の受給権が発生した場合、妻の遺族厚生年金は、妻が遺族基礎年金の受給権を有しない場合であって、子が当該遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、支給停止される。

【解答】
①【H26年出題】 〇
☆具体例でイメージしてから、問題を解いてみましょう
①夫Aと妻Bの夫婦に子Cがいた。
②夫婦は離婚し、子Cは妻Bと生計を同じくし、夫Aは、Cの養育費を送金している。
③その後、夫Aは、Dと再婚し、現在は、夫Aと妻Dが夫婦となっている。
④厚生年金保険の被保険者である夫Aが死亡した場合の遺族年金は?
・ 子Cについて → 死亡した被保険者(A)と生計維持関係が認められると、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の受給権が発生する
・ 元妻Bについて → 死亡したAとは夫婦ではないので、遺族年金の受給権は発生しない
・ 妻Dについて → 「遺族厚生年金」の受給権が発生する。しかし、死亡したA
の子Cと生計を同じくしていないので遺族基礎年金の受給権は発生しない
問題文に当てはめてみましょう
被保険者(夫A)の死亡により妻(D)と子(C)に遺族厚生年金の受給権が発生した場合、妻(D)の遺族厚生年金は、妻(D)が遺族基礎年金の受給権を有しない場合であって、子(C)が当該遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、支給停止される。
→ 配偶者(妻D)の遺族厚生年金は支給停止されます。
②【R5年出題】
死亡した被保険者に死亡の当時生計を維持していた妻と子があった場合、妻が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有しない場合であって、子が遺族基礎年金の受給権を有していても、その間、妻に対する遺族厚生年金は支給される。

【解答】
②【R5年出題】 ×
①の問題と同じです。
死亡した被保険者に死亡の当時生計を維持していた妻と子があった場合、妻が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有しない場合であって、子が遺族基礎年金の受給権を有している場合は、その間、妻に対する遺族厚生年金の支給は停止されます。
★以下、子の遺族厚生年金の支給停止が解除されない(引き続き支給停止される)パターンの問題です
③【R3年出題】
遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権を有する妻が、障害基礎年金と障害厚生年金の受給権を取得した。妻は、障害基礎年金と障害厚生年金を選択したため、遺族基礎年金と遺族厚生年金は全額支給停止となった。妻には生計を同じくする子がいるが、子の遺族基礎年金については、引き続き支給停止となるが、妻の遺族厚生年金が全額支給停止であることから、子の遺族厚生年金は支給停止が解除される。

【解答】
③【R3年出題】 ×
妻が障害基礎年金と障害厚生年金を選択したため、遺族基礎年金と遺族厚生年金は全額支給停止となった場合、子の遺族基礎年金・遺族厚生年金ともに、引き続き支給が停止されます。
④【R5年出題】
夫の死亡による遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給していた甲が、新たに障害厚生年金の受給権を取得した。甲が障害厚生年金の受給を選択すれば、夫の死亡当時、夫によって生計を維持されていた甲の子(現在10歳)に遺族厚生年金が支給されるようになる。

【解答】
④【R5年出題】 ×
③の問題と同じです。
甲が障害厚生年金の受給を選択し、遺族厚生年金が全額支給停止になっても、子の遺族厚生年金の支給停止は解除されず、引き続き支給が停止されます。
⑤【H30年出題】
被保険者の死亡により、その妻と子に遺族厚生年金の受給権が発生した場合、子に対する遺族厚生年金は、妻が遺族厚生年金の受給権を有する期間、その支給が停止されるが、妻が自己の意思で妻に対する遺族厚生年金の全額支給停止の申出をしたときは、子に対する遺族厚生年金の支給停止が解除される。

【解答】
⑤【H30年出題】 ×
妻が自己の意思で妻に対する遺族厚生年金の全額支給停止の申出をしても、子に対する遺族厚生年金の支給停止は解除されません。
★子の遺族厚生年金が支給停止とならないパターンの問題です
⑥【R5年出題】
配偶者と離別した父子家庭の父が死亡し、当該死亡の当時、生計を維持していた子が遺族厚生年金の受給権を取得した場合、当該子が死亡した父の元配偶者である母と同居することになったとしても、当該子に対する遺族厚生年金は支給停止とはならない。

【解答】
⑥【R5年出題】 〇
子が死亡した父の元配偶者である母と同居することになったとしても、当該子に対する遺族厚生年金は支給停止されません。
★所在不明の問題です
⑦【R1年出題】
配偶者に対する遺族厚生年金は、その配偶者の所在が1年以上明らかでないときは、遺族厚生年金の受給権を有する子の申請によって、申請の日からその支給を停止する。

【解答】
⑦【R1年出題】 ×
配偶者に対する遺族厚生年金は、その配偶者の所在が1年以上明らかでないときは、遺族厚生年金の受給権を有する子の申請によって、「申請の日」ではなく、その所在が明らかでなくなった時にさかのぼってその支給が停止されます。
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